2010/12/20

KORG AudioGateでのレベルコントロール


本日はKORG AudioGate DSD変換、レベルについて。
DSDの透明感、広がりのあるサウンドを活かすには録音時の入力レベルが重要です。
同様にAudioGateでPCMデータをDSDデータにアップコンバートする際もCLIPが点灯しないようにレベルを下げる必要があります。アップコンバート時に生じた歪みはあとで取り除くことが困難です。レベルがギリギリまで入っているTD音源は-1.0dBでアップコンバートすることをお勧めします。

また、AudioGateのGAINコントロールはとても便利な機能です。特にコンピレーションのアルバムをマスタリングする時に重宝します。まず、一番大きなレベルの音源を-1.0dB下げます。それに合わせヴォーカルの聴こえ方に注目し0.1dBステップで曲ごとの音量を統一します。レベルコントロールしてからDSDファイルを書き出せばKORG MR-2000Sでプレイバックする時、アナログ機材、ADコンバーターへの入力レベルを揃えることが出来るので作業がとてもスムーズになります。

また、バラードではDSD5.6MHzのきめ細かなサウンド、リズム中心の曲ではDSD2.8MHzで輪郭のハッキリしたサウンドなど、フォーマットの違いも音作りに活かせますので、ぜひ聴き比べてみてください。

2010/12/16

髙橋瞳 / MUSIC

どうもMUSHです!

先日は高橋瞳さんの新曲「MUSIC」のマスタリングがありましたよ!
この「MUSIC」は来年の1/22(土)公開の劇場映画「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」のプレ・ストーリーepisode.0「回遊と誘拐」の主題歌に決定したそうです!



2010/12/13

師走の「年忘れ」サイデラ・モーニングセッションのお知らせ

どうもMUSHです!
2010年も残すところわずかとなりました。お忙しい年末をおくられているみなさま、そんな時こそ朝の時間の有効活用!サイデラ・マスタリングでは朝活をどんどん行いますよ!
すべての回の参加申し込み方法はこちらをご覧ください。

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サイデラ・モーニングセッション#029
日時:12月15日(水)9:00-10:00AM
テーマ:DSDスタジオライブ作品視聴『オノ セイゲン/マリア・アンド・マリア

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サイデラ・モーニングセッション#030
日時:12月21日(火)*こちらの回は時間が変更となりました。
★1回目 AM 10:00-10:45
★2回目 AM 11:00-11:45
テーマ:ひとり家電メーカー製品発表『acarine 001
ビクターのカムコーダーデザインやソニー“QUALIA”のクリエイティブディレクターを務めたデザイナー森宮祐次氏が、停滞する日本のものづくりに新たなチャレンジをする目的で立ち上げた新会社(株)アカリネ。代表、森宮祐次氏を講師に招いて、
12月1日に発表となった「acarine 001」を解説していただきます。プレスリリース
灯り、インテリア、ビジネスの立ち上げ方などヒントになる話が満載です!
http://www.acarine.jp/

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サイデラ・モーニングセッション#031
日時:12月22日(水)9:00-10:00AM *こちらの回の参加は抽選となります。12月17日正午までにメールでご応募ください。
テーマ:世界初!5.6MHz1Bit(DSD)でサラウンド体験視聴会
早稲田大学山崎芳男教授のグループが開発したポータブル・1ビットマルチトラックレコーダー「VC-21WSD」を使用してオノセイゲンが収録した『ブラジルの音空間
世界最大の熱帯林アマゾン』を視聴します。


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2010/12/11

お隣がまっさら、日差し良好!

どうもMUSHです!
サイデラ・マスタリングのお隣りのアパート大藤荘の取り壊しが行われ、まっさらな空き地になってしまいました!午前中はさわやな日差しが1Fオフィスに差し込みます。
大藤荘はかなり印象的(!)なアパートだったので目印にされていた方も多くいらしたかと思います。サイデラ・マスタリングにお越しの際は通りすぎてしまわないようお気をつけください!

サイデラ・マスタリングスタジオは、上の写真には写ってない、地下1F。イメージはこんな感じです。↓↓

天井高は4.4m!そのスタジオ空間にサラウンド・サンプリングリバーブで響きを加えてのDSDレコーディングも行っていますよ!
*サイデラ・マスタリングのスタジオについて詳しくはこちら→
*DSDライブレコーディングについて詳しくはこちら→→

お隣りのアパート取り壊しの際も、スタジオには騒音や振動が無く工事のことをすっかり忘れてしまうほどでした。(オフィスは常時震度1くらい揺れていました笑)こんなところでもサイデラ・マスタリングのモニター環境の良さ(?)を感じた出来事でした!


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2010/12/06

音楽を聴く耳を育てる

本日は「耳の育て方」について。レコーディングだけでなく、TDもマスタリングも生楽器の音を知っている事はとても大切です。僕も学生時代には横濱エアジンでジャズを聴いたり、サントリーホールでオーケストラを聴いたり、また地元の市民ホールでピアノソロや弦楽四重奏など勉強をかねて生演奏をよく聴きに行きました。

さらに音響ハウスでレコーディングのアシスタントをするようになって特にドラムの生音を沢山聴けた事がいまの仕事に役立っています。演奏はもちろんのこと、楽器の違い、部屋の違い、キックのビータの違い、スティックの違い、そしてマイクアレンジの違い、機材の違いでサウンドはさまざまに変化しました。

マスタリングは仕上がった2MIXにEQを施すので、安易にEQしてしまうと必要の無い帯域が持ち上がったり逆に下げたくない楽器まで下がってしまいます。理想の音圧、広がり、スピード感が増すことはOKですが楽器の質感やバランスが変わってしまうのはNGです。

僕はEQする時には楽器が鳴っている状況を細かくイメージします。キックならビータが当たる音、胴鳴り、部屋鳴りと分けて考えます。そうすることで例えばキックの音をタイトにしたい時ビータのアタックを強調した方がリズムが立つのか、ローエンドをカットして部屋鳴りを抑えた方がタイトに聴こえるのか判断し易くなります。胴鳴りを強調してしまったらボリューム感が出てしまうのでこの帯域は触らないということも分かりますね。

同様にスネアの音ならリムの音を強調した方が良いのか、スナッピーの音を強調した方が良いのかなどアーティストが演奏している姿をイメージしながら音作りすると周波数にとらわれずに音楽的な音作りが出来るようになります。

生演奏を聴くことで楽器の持つ本来の音色、響き、バランスが自然に身に付きます。また楽器の発音の仕組みや、奏法を理解することでよりリアリティーのある音作りが可能になりますね。

P.S.アーティストとコミュニケーションをする時「100Hzを上げてみましたと」言うより「ビータのアタックを強調してみました」のほうが伝わりやすいですよ。

2010/11/26

ジョージ・マッセンバーグの信念

『GMLのモットーと信念』
”トランスペアレンシーな機材であること。高価なものではあります。”



『GML8900& 8200 DRC:ダイナミック・レンジ・コントロール』
”このループしたピアノについて解説していきます。タイミングは遅いままで、クレストファクター値を上げて、ファーストRMSによりピークだけ押さえてくれます。レシオが低いところから始めましたが、4:1から20:1まであげてみましょう。EQでローエンドを少しさげてみましょう。さ、これでイフェクトありなし、聞き比べてください。ミックスの中でもピアノが盛り上がって聴こえますね。”



『GML8900& 8200 のボーカル』
”ボーカルの飛び出すところは押さえて、しかも全体で音圧、暖かみをだしつつ、ピークを押さえられます。EQでほんの少しローエンドをシェルビングで少しカットして、コンプレッサーのあとで150Hzを1dBあげてみます。それだけで、ボーカルの中域をクリアにできるのです。”



『GML8900 DRC:ダイナミック・レンジ・コントロール』
”ボーカルという複雑なものをコントロールするには、2つのRMS変換器、(スローRMSにより全体を、ファーストRMSによりピークを検出)RMS measurement, is Root-Mean-Square (二乗平均平方根)、あるシグナルを二乗して平均値をとり、さらにその平方根をとる。”

2010/11/24

InterBEE2010音響シンポジウムレポート

どうもMUSHです!

2010年11月17-19日、幕張メッセにてInterBEE2010が開催されましたね!僕は11月18日に行われた毎年恒例「音響シンポジウム」に参加してきましたよ!
今年のテーマは「ラウドネス音声基準規格はユーザをリモコンボリュームから解放する切り札になるか」。InterBEE2010は過去最多の出展数とは言え年々縮小しているオーディオ部門の展示ですが、それを感じさせない、会場は超満員。立ち見が続出し急遽増席していました。このテーマへの関心の高さが伺いとれます。

なぜこの「ラウドネス」にこんなにも関心が集まっているのか。みなさんテレビを視聴していて、各局や番組、CM間で音量差を感じたことはありませんか?テレビCMなどでご存知の通り、2011年7月24日を以て地上アナログテレビ放送は停波し、地上波デジタル放送に完全移行します。現在はアナログ/デジタル放送が同時送信されているサイマル放送の状態です。アナログ放送では過変調を防ぐため音声にリミッターが入りますが、デジタル放送にはそのリミッターがなく(ピークオーバーは監視します)データ化された信号がそのままに放送されます。つまりある程度リミッティングされていたアナログ放送時代よりもさらに音量差が顕著になります。

そこで電気信号の実効電圧を測定する現状のVU・ピークメータのみでのレベルモニタリングだけでなく、人間の聴感上の音の大きさを数値化するLU(Loudness Unit)でのモニタリングが推進されており、ラウドネス音声基準の規格化が世界的に進んでいます。

当日のプレゼンテーションで特に印象的だったのは、
”新しい納品基準が出来そうなことは知っている”し、”そのことにも肯定的”だが”ITU-R勧告(ラウドネス音声基準などを含むもの)の詳細は知らない”方が多いというアンケート結果が出たということ。ラウドネス(音量)戦争については音楽CDの世界でもAESなどでたびたび問題にあげられていますね。今後も引き続き、視聴者に快適なテレビ音声を届ける為のラウドネスの動向に注目です!

また会場では各社から出ているラウドネスメーターの展示も行われていましたよ!



当日配布資料(PDF: 3,372K)
ラウドネスメーターとは」SCAサウンドソリューションズ
「ラウドネスメータどうなってるの?」ROCK ON PRO技術解説:京田真一氏

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2010/11/18

ハチ公バスに乗って

どうもMUSHです!

RockoN渋谷店へ渋谷区コミュニティバス 「ハチ公バス/神宮の杜(もり)ルート」を利用して「Saidera Ai SD-9003」の納品に行ってきましたよ!

サイデラ・マスタリングから徒歩1分のハチ公バス停「神宮前三丁目」(14番36番)
表参道交差点、原宿えき前、もちろん渋谷ハチ公前からも、JR千駄ヶ谷えき(国立競技場)からも100円。

このハチ公バス、乗ってみるといろいろな発見がありましたよ!
1.見た目とはウラハラに、よく揺れる
ホイルベースが短く、街中を曲がりながら走行するハチ公バスは意外にもよく揺れるのです!ですので↓

2.「次降ります」ボタンがパソコンのマウスみたいで可愛い。バス内至る所についてます。

3.つり革のデザインが奇抜。耐荷重何キロ?

4.運転手さんの視界も考慮した照明カバー。安全運転お願いしやす!

5.「次は、神宮前三丁目...」という自動車内放送中に運転手さんがしゃべると、自動放送にDIMがかかる。プツッと切れなくて心地良い!

おっと走行しているうちにRockoN渋谷店の最寄り駅「高齢者ケアセンター停留所」(48番)。渋谷消防署の脇の坂を上がってくださいね。


ハチ公バスは老若男女問わず、通勤・通学・お買い物と様々な方々が利用しているまさに「渋谷区コミュニティバス」!みなさんもRockoNをご利用の際はぜひ乗ってみてくださいね!
ハチ公バスは今日もgoing on, going on...


2010/11/02

MIX音源のイメージ


前回、マスタリングの仕上がりイメージをここで解説しました。
TWなどでも反響いただきましたが(ありがとうございます)、目には見えない音のイメージを図形に例えてみると判りやすいですね。お気づきかと思いますが、この図形は、TD済み音源(MIXED MASTER)としてもイメージできます。それぞれのMIXから、どのようにマスタリングを仕上げることが可能かを解説してみましょう。

ORIGINAL MIXからは、A~Gのすべてのマスタリングの処理が可能です。
ORG→A~G

AのMIXは、音量がギリギリまで入っています。音像が大きく輪郭がハッキリしたMIXです。音がドライですべてがしっかり前に出てくるようなサウンドです。このMIXからアナログ機材や、ケーブルで艶や倍音をプラスしてB、Cが可能です。更にヴォーカルの音像を大きく仕上げることでEに近づけることも出来そうです。DSDデータにアップコンバートして音の透明感を引き出し、ADコンバーターにワードクロックを入力しリズムをタイトに仕上げる方法もあります。
ORG→A
A→B
A→C
B→E
C→E

DのMIXは音像が大きく奥行きがあります。音圧よりも響きがきれいなサウンドですね。
このMIXのヴォーカルを強調し、輪郭を少しハッキリさせればEの仕上げが可能です。
ORG→D
D→E

F、GのMIXは、音量も十分入っているので基本的にそのままの状態をマスタリングで仕上げるのがベストです。ただし「そのまま」というときこそ、ケーブルなどの選択が重要になります。微妙にAD、DAコンバーターやケーブルでニュアンスを変えることで、最終的なキャラクター付けが出来ます。ただしこのサウンドからA、B、C、D、Eのようなサウンドを作ることは難しいですね。

いかがでしょう?ナチュラルな音から太いサウンドは作れても、その逆は難しいこととが分かります。
料理に例えると下味の加減でどのように料理するかの幅ができます。はじめから濃いソースなどにつけ込んでしまうと、味に変化を付けるのは難しい。サバ味噌からシメサバには戻れません。ORG(刺身)→D(コブ〆め)→F(煮付け) この逆はできない。

マスタリングだけではなく、レコーディング、ミキシング、オーディオのバランス、エンジニアの音作りの特徴。もっと飛躍して、よく行く定食屋の味付け談議、インターン君が大人に成長して行く過程など、いろいろなコミュニケーションに応用出来ます。スタジオ以外でもどんどんこのカードを使ってみてください。Fまで行ったら職業はロックです。ちょっとしゃべりすぎました。

2010/11/01

VocalとKickのバランス(その2)


本日は男性ヴォーカル、女性ヴォーカルとキックのバランスについてです。

まずはヴォーカルの帯域を考えてみましょう。(あくまで僕のイメージです)

「男性ヴォーカル」
(低音成分)250Hz〜500Hz
(声の芯になる帯域)500Hz〜2kHz
(高域成分)2kHz以上

「女性ヴォーカル」
(低音成分)500Hz〜1kHz
(声の芯になる帯域)1kHz〜4kHz
(高域)4kH以上

僕はキックの帯域はヴォーカルの帯域にかぶらないように、50Hz〜200Hz前後でボリューム感、アタックを出します。特に男性ヴォーカルの曲ではキックのアタックを250Hz以上の帯域で強調するとヴォーカルの低音成分と重なり抜けが悪くなるので注意。

また、女性ヴォーカルの曲でキックを120Hz、ヴォーカルの芯を4kHzで強調した場合、サウンドは明るいですがドンシャリ系になりがちです。その場合は250Hz〜800Hz辺を少し強調することで暖かみをプラスすることができます。

男性ヴォーカル、女性ヴォーカルとも声の抜けを表現したい場合は4kHz〜10kHz辺を少しプラスします。帯域は声質によりますが0.3dB〜0.5dBで十分効果があります。

まずは必要なサウンドを前に出し、全体のバランスを確認、微調整がポイントです。

P.S.
250Hz〜800HzをマイナスEQすることでオケ全体の抜けを良くすることができます。4kHz〜10kHzをマイナスすることでヴォーカルの子音を抑えることができます。いつも、プラスに動かしているEQをマイナスにしてみることで簡単に解決してしまうこともありますよ。


サイデラ・モーニングセッション#024終了しました

どうもMUSHです!
サイデラ・モーニングセッション#024「マスタリング道場 All about Mastering」が終了しました。今回は講師のSDMチーフ・エンジニア森崎とのマスタリングQ&A。参加者のみなさんからの質問にお答えします!今後もTwitter(@saidera001)やBlogコメントで遠慮無く質問してくださいね!

++
Q1: 「CD-Rを焼くときに、等倍速が良い」といいますが、一概にそうは言えないのではという経験があります。スタジオで作業されていてどうですか?
A: まさに言われたとおりです。最新の機材は、安定して音が良いのが4倍速です。8倍速でディスクのエラーレートが大きく変わります。最近のディスクメディアと書き込みドライブ、どちらも4倍速を基準に設計しているようです。(注:等速や8倍を基準にしたものもあります)。比較視聴をした上で、さらに音色と速度の実用性、安定性を考慮して4倍速でが良い。書き込みドライブで特に気をつけなければならない点は、ノートPCなどスロットインタイプのドライブはメディアの記録面にオイルが付いてしまう場合があります。それはプレスマスターでは事故の原因にもなります。外付けドライブを使用したほうが良いです。

Q2: 書き込むメディアによって良し悪しはありますか?
A: 工場納品マスターにバルクディスクは使用しません。ディスク(CD-R)としては同じ規格ですが、取り出し時に記録面が擦れる可能性もあります。マスター用メディアの多くは記録面に保護シートが付いています。さらに書き込んだ後で、安全なCDプレーヤーでそのディスクを通し視聴することが非常に重要です。エラーチェッカーも必ずかけます。

Q3: エラーがあるCDは聴けないのですか?
A: エラーはプレーヤーで補正されますから、音は再生されます。試聴や音チェックに使用するにはバルクのCD-Rでも問題ないです。

Q4: 音に現れていないエラーは気にしないですか?
A: サイデラ・マスタリングでは、さきほど申し上げたエラーチェッカーで常に数値を確認しています。どのCD-Rがエラーレートが少ないか(ここは企業秘密ですが)を常にチェックしています。お客さまに安定して、いい音のマスターを、エラーレートの少ないマスターを納品し続けるためには新しいブランドのCD-Rなどが登場した際も何種類もの方法で視聴比較とデータ比較の両方をしています。もちろん音にノイズとして現れているエラーはそこで録音し直してください。音に現れていない場合はディスクエラーチェッカーにかけるしかなく、聴感上はほとんど違いがありません。エラーチェッカーで基準に満たなかったディスクはNGとし再度焼き直します。
関連記事:「エラーチェック」

Q5: エラーチェッカーにはどんなソフトウェアがありますか?
A: サイデラ・マスタリングでは、「Plextor PlexTools Professional」を使用しています。エラーチェックした結果はプリントアウトしてマスターに添付します。このPlexToolsはPlextor社製の特定のドライブとの組み合わせでしか動作せず現在販売は終了しています。他にはプレス工場などの業務用機があります。マスタリングというと音質がまず語られますが、プロの現場や工場では品質管理という意味でエラーチェッカーをかけて確実なマスターを納品することは常識です。その為のチェック(実時間の通し視聴とエラーチェッカー)の行程があります。
関連記事:「ノイズチェックとは」

Q6: DDPマスターは音が悪いと聴いたことがありますが、どうですか?
A: DDPとは、Disc Description Protocolの略で、記録媒体に依存しないファイル形式のマスターです。ファイルなのでディスクに書き込むこともできるし、USBメモリに入れたりネットで直接工場に転送することも出来ます。サイデラ・マスタリングでは「That's DVD-R for master」で納品します。CD-Rマスターに比べてDDPマスターの方がプレス後の音の変化が少ないです。DDPはCD-Rのようにディスクブランドによる音の違いははるかに少ないです。マスタリング時にしっかり音を作りこめば非常に良いフォーマットです。DDPマスターを推奨します。

Q7: DDP用のフォーマットがあるんですか?
A: 米国 DCA社が開発したオープンライセンスの規格があります。現在はDDP Version 2.0が主流です。DDP対応のマスタリングソフトでないと作成することは出来ませんが、安価なソフトも増えてきています。オプションで対応可能のソフトも多いですね。

Q8: プレス工程で音の変化はありますか?
A: あります。ただどれもCDという規格には入っていますから、データとしては同じです。通常のCDとは別種の液晶パネル用ポリカーボネート樹脂を使用するSHM-CD、またBlu-ray Disc用に開発された高分子ポリカーボネート採用のBlu-spec CDなど、素材によっても印象が微妙に変わります。工場でも20年も前のラインから最新のラインまで、リッピングしてしまえば同じデータですが、リアルタイムで再生するプレーヤーとの相性や再生機器、特にDAコンバーター、ケーブルなどの違いの方がプレス工程での違いよりは劇的に大きいですから、プレスの違いは神経質にならない方がよいと思います。コストを考えながらも信頼できる工場を選ぶことは非常に重要です。
また再生機器に依存しない帯域というのがあり、僕がマスタリングで気をつけているのは、そこを上手に使うことです。特に低音は低すぎる帯域は使わず、しかし聴感上は低域がしっかりあるように聴こえるように仕上げます。

Q9: TDはスモールスピーカーで作業して、スタジオのラージモニターを使うのはTD終了後の試聴くらいしかないことが多くあります。それでそのTD音源を自宅で聴くと低域が多すぎることがよくあるのですが?
A: モニター環境の問題ですね。正確なモニターとは、その低域まで聴き取れるモニターではないでしょうか。スモールスピーカーでは再生しきれない帯域を、ラージモニターでチェックしながらミキシングを進めていけば、あとから低音が多かったという問題はおきません。もっともラージモニターが正確に再生していることが前提です。
常に切り替えることが出来なければ、せめて1曲目のTDが終わった段階で(1)ラージモニターと(2)普段の視聴環境で聴いてみることを奨めます。モニター環境の特性は、そのまま(反対の特性で)TDなどで録音されます。スモールやニアフィールドモニターで低音が再現しきれていない場合に、録音されたミックステイクに低音が多くなったということです。ラージモニターの注意点は、耳への負担が大きいので長時間の作業の場合は音量を上げすぎないことが重要です。スモールとのバランスが分からなくなるので、低域のチェックや全体的なレンジのチェックなどポイントを決めてラージモニター使用したほうがよいかと思います。そして最終OKの段階では(3)スモールと(1)ラージ両方、できれば(2)普段の視聴環境でも聴いておけばパーフェクトですね。

最近は大きなスタジオのメンテナンスが行き届いてない場合があると聞きます。ラージモニターの中にはセンター定位がずれてしまっているものやへたってしまっているものも中にはあるらしい(あるまじきことですが)ので注意が必要です。直前までドラムの録音をしていたなどということも考えられますので。スタジオでは、まず最初にリファレンスCDをかけてモニターの正常な動作と音質、バランスなどをしっかり確認して、その部屋の特性を把握しておくことが大切です。サイデラ・マスタリングでは、なにをおいても常に正確なモニター環境であることをポリシーとしていますので、マスタリングだけでなくミキシングの仕上げから作業することもできます。
関連記事:「色づけのないモニターシステム」

Q10: 打ち込み系などで、ラジカセで聴くと音がはみ出てしまっているような処理をよく聴きますが、レベルはどの程度を目安にすればよいでしょうか?
A:  歪まないように。レベルのつめすぎに注意してください。トータルコンプレッションはかけすぎずにミックスし、マスタリングで聴感上、体感上の音量感を上げように音像を大きくすることで解決できます。
関連記事:「TDでのヘッドルームの重要性」

Q11: ミックスの段階でどの程度音を作りこめばいいですか?
A: 濃く味付けた料理を仕上げの段階で薄味にするのは困難ですがその逆は可能ですね。マスタリングも同じで硬いサウンドのTDマスターを柔らかい仕上がりにするのは限界があります。ヘッドルームに余裕があるほうがマスタリングでの選択肢も広がり仕上がりも良くなります。ただし音楽的に必要な歪み感などはミックスで入っていたほうがマスタリングもスムーズです。まずはミックスで一番重要なのは良いバランスを作ることです。

++次回告知++
「Saidera Mastering モーニングセッション#025」
◎日時:11月5日(金)9-10AM 無料 (受付中)
◎テーマ:「DSD レコーディングされたCDの視聴会」
最後のCDフォーマットに落とすところまでは全てDSD制作の作品視聴。
場所:サイデラ・マスタリング PMC MB1 x5.1ch 地図
◎参加申し込み:メールにて。saraudon009@gmail.comまで、お名前/ご所属をご記入ください。
メールレター配信申し込み、問合せもこちらへどうぞ

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2010/10/27

DSDマスタリング(その1)「透明感のあるアナログサウンド」


本日はクラブミュージック、R&B、HIP HOP 、ROCKなどのジャンル向けにも最適なDSDマスタリングの方法をご紹介。ジャズやクラシック以外のジャンル向けに、KORG MR-2000Sを使用して「アナログレコーダーのようなファットなサウンド」を再生する方法とは?
[ 「アナログレコーダーのようなファットなサウンド」とは ]
(1)中低域の厚み (2)音像の大きさ (3)艶のある倍音だと思います。単にアナログ機材や真空管機材を通しても、この条件を満たさない限りアナログ感は表現出来ません。DSDのサウンドはレンジが広く高域がとても滑らかで、かつ低域のレンジが広いのです。だから音の密度を上げることができれば理想のサウンドに近づけるはず、とチャレンジしました。

[ 方法 ]
音をフラットに再生するのではなく、太い低域、厚みのある中域を再生する。まずMR-2000Sを42mm厚のシナ合板の上に置いて振動対策を万全に行います。アナログ段のある回路(電源なども)は、アンプでもDACでも、筐体の振動対策、インシュレーター(足もと)を徹底的にチューニングすることで、密度のある輪郭のはっきりしたサウンドが再生出来ます。

MR-2000Sに使用する電源ケーブルはアレグロケーブル。その相性は抜群で、ボーカル・スネア・キックなどのセンター成分がしっかりして音像が大きくなります。「綺麗な音」と思われがちなDSDですが、この方法でMR-2000Sが音圧重視な鳴り方をしてくれます。MR-2000Sのアナログアウトのラインケーブルは少しざらついた質感が魅力のアクロテック8Nケーブル及び、低域にパワーがあるトランスペアレント・ケーブルを選択しさらに音の艶を付加します。最後に、柔らかくもタイトな質感を出すため全てのデジタル機器をワードクロックでロックします。音がグッと前に出てきます。暖かいのに抜けるサウンドなので高域のEQがほとんど不要です。低域もしっかり止まっているためローカットもほとんどしなくて大丈夫です。
大蛇のような「アレグロ」ケーブル
従来のアナログ感を出す方法としてはアナログコンプやアナログEQを通す、アナログテープレコーダーのアンプを通す、などがありましたがそれらの方法ではアナログ感は得られる反面デリケートな質感やスピード感を失いがちでした。この方法は、アナログ機材を駆使しても作れなかった、透明感・抜けを維持したまま太いサウンドが作れるのです。最近のお気に入りのマスタリング方法です。直接MR-2000Sなどに録音したDSD音源はもちろん、ミックスマスターがPCM音源であった場合でもアップコンバートしてのDSDマスタリングで同じニュアンスを得ることが可能です!

P.S.
PCMファイルをDSDファイルにアップコンバートする場合、レベルがギリギリまで入っていない音源の方が音が固くならず良い音をプレイバック出来ます。ミックスではヘッドルームに十分な余裕を持たせることをおすすめします。

2010/10/25

紅麗威 / 1965 発売!

どうもMUSHです!
先日マスタリングさせていただいた紅麗威(ぐりい) / 1965 が10月19日発売になりましたよ!

紅麗威さんの2011年のアルバムリリースからの本格活動に向けて、WEB SHOPのみでの限定販売になるようです。音はもちろんジャケットデザインなどにもこだわった作品をぜひチェックしてみてくださいね!お買い求めはこちらから

【 紅麗威 / 1965 】
1.プルトップに指をかけ-Growing Up! Day By Day-
2.1965
3.ROCK'N'ROLLでmanshinsoui
4.逃亡者
5.四十の幻想
6.桃子の唄 (Unforgettable Melody)
定価\2,310 Scream RECORDS(SRCD-GU001)


2010/10/24

SDM伝統のインターンシップxPraça11

まいど。まっしゅMUSHやで〜

サイデラ・マスタリングはスタジオ開設した1995年からインターンシップ・プログラムがあるんや。専門学校や大学に通いながら、アルバイトしながら現場の適正を試されるんや。学校ではぜったい教えてくれへん、音楽業界だけやなくて、世の中のあらゆる職に応用できるヒントが學べますんや。いやホンマに。

インターン最初の仕事は「掃除」。ほんで、おつかいやらなんやら「雑務ぜんぶ」。まあ1回目はめっちゃ丁寧に、先輩(俺)がやってみせてくれる。ほやけど2回目からはストップウォッチつきやで。同じ動作を繰り返して、手数少なく、要領よく、器量よく、何でも笑顔で、慣れてくると4倍くらいは早うなってるんや。「おっ、頑張っとるやんか!ほな来週からケーブル磨き教えたろか!」「おまぇ上手くなったなぁ。今日からここは任せたでー」先輩はライブレコーディングに出かけてしもたわ。自分に任せてもらえるテリトリーをいかに広げていけるか。それが勝負や。就職活動はこのセオリーや。「大阪のおばちゃん」も観察してみ。世界と勝負でける人間になるには、遠慮したり、躊躇したり、萎縮してるよーでは、ぜんぜんあかん。でけへんことでも、一応「ボクやります〜。アタシそれ、できますよ〜」って売り込んどけ。もしな、でけへんかった場合は、それを頼んだ方が、頼む相手をちょっと間違うたっていうことやろ。←ちょっとカリフォルニアんな感じするけど、それでええんや。韓国、中国に負けたらあかん。繰り返すが、遠慮はあかん。人生、続けていけば必ず成功に手が届く、あきらめたらそこで失敗や。

SDMインターンには、伝統がある。その1:青山にあるブラジル音楽の聖地、「プラッサ・オンゼ」への出張ケーブル掃除や!「Esquina de SP / Wilma de Oliveira」が、GENEX 8500 8トラックDSDレコーダーでライブレコーディングされたのもプラッサ・オンゼや。先週は、某専門学校から送り込まれてきたインターンNくんとやったで。ライブ掃除。。「Esquina de SP / Wilma de Oliveira」をSACD 5.1chサラウンドでスタジオで視聴してから掃除にいったから盛り上がったなぁ。実際の制作環境でSACDを聴いて、実際にそれが収録された名門ライブハウスを貸し切りで掃除するっちゅう、こりゃなかなか出来へん貴重な体験やで!盛り上がるでー。

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【インターンNくんのコメント】
「プラッサ・オンゼに出かける前に、ましゅさんが「Esquina de SP / Wilma de Oliveira」を、はじめてSACDの5.1chで試聴させてくだはりました。・・・ん?なんや?・・・生!?心地ええ響きが正面、左右、後ろから、とにかくもう、目を閉じれば生演奏を目の前で聴いてるかのよう。実際には、この臨場感はライブハウスではどうなるんかと想像しながらプラッサオンゼに着いた。そこは想像しとったよりも、やや小さめのライブレストラン。PA機材もめっちゃシンプル。実際にライブは見てへんけど、セイゲンさん曰く『プラッサ・オンゼはライブハウスの構造がええ。ドラム、ギター、ベース、まあヴォーカル以外はぜんぶ生音でオーケー。目の前もええが、バーカウンターや一番後ろのテーブルでも演奏が手に取るようわかる。」ケーブル掃除の次は、今度はライブ中にトイレ掃除もやらしてもらたいわ。トイレでもえらいバランスええらしい。

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生音中心のプラッサ・オンゼのめちゃシンプルなPA機材の掃除、初期反射を磨くために、床も磨きました。ライブで音が出えへん、なんて許さへんから定期的なメインテナンスはめっちゃ重要なんや。プラッサ・オンゼは仕事帰りに、めっちゃええ音楽と、めっちゃ美味しいブラジル料理&めっちゃ酔えるカイペリーンニャ?なんか、楽しめる青山のオアシスでっせ!わっしのおすすめはブラジルの代表的家庭料理「フェイジョアーダ」(¥1,800)と生のライムとピンガのカクテル「カイピリーニャ」(¥800)←これこれ!!フェイジョアーダは店主のクラウディアさんによると「やっぱり本場の味よりちーとばかしだけ、日本人好みにアレンジしとる」らしい。お酒と女性に弱いぼくらは甘〜くまぜてもろたカイピリーニャをゴクゴク飲んで調子にのっとったら、ええ感じに出来上がってしもて、青山通りを超上機嫌でふらついとりました。まあ青山のウイークエンドの始まりはここで!

ほなまたー、次回はプラッサ・オンゼでもりあがろや!インターンシップやってみたい人も受付中やでー!プラッサオンゼもバイト募集中かも。
おれたち真剣に掃除中なう。

2010/10/22

マスタリング仕上がりのイメージ


目に見えない「音」「バランス」を図にしてみました。



マスタリングの音作りをイメージしてみてください。ORIGINAL MIXはTD済み音源(マスタリング前)。A~Gがそれに施された様々なマスタリング。それぞれのパーツの星をヴォーカル、四角をオケ、それぞれの大きさを音量レベル、線の太さを音の輪郭として想像してみてください。

A:オリジナルに忠実なバランス。ニュアンスは変えずに、音量感と輪郭を少し強調。ジャズやフュージョンなど、音量レベルよりも生楽器のリアリティを生かしたジャンルにおすすめ。ダグ・サックスのナチュラルできめ細かいサウンド。

B:キラキラ明るいサウンド。倍音が有りボーカルにスポットライトがあたっているかのようなイメージ。最近のJ-POP、特に女性ヴォーカルを華やかに引き立てるものはこのようなマスタリングが多いかと。図よりオケのバランスを大きくすれば、ボーカルのキラキラ感はバーニー・グランドマン、ボブ・ラドウィッグでしょうか。

C:ヴォーカルよりも、オケを重視したバランス。それぞれの楽器、演奏に太く奥行きをつける。海外のアーティストに多いHIP HOPやROCKの音作りはこんなイメージでしょうか。このバランスが可能なのは英語の発音もキーです。母音中心の日本語ではもう少しだけメインボーカルは引き立てる方がいい。クリス・ゲーリンジャーやハーブパワーズ Jr.のバランス、特に音像の大きなキックが特徴。

D:Aと同じ音像の大きさ。ただし立体的に。一つ一つの音の輪郭は、Aほどは強調しない。打ち込みのオケを自然に聴かせられるサウンド。キック、ベースを中心に音数が少ないR&Bやクラブ系にも向いている。例えていえばトム・コイン風でしょうか。

E:TV用や配信で、PCのスピーカーでも歌詞がはっきりと分かるように。歌を中心に聴かせるバランス。オケのレベルに対して、ヴォーカルを際立たせてるところがポイントです。

F: 歪みも音楽の一部として積極的に生かしていく。「とにかく音圧」「パワー感」を優先した音作り。グランジROCKなど。これできれば、録音やミックスの段階でチューブコンプやアナログのコンプ、アナログテープなどでかっこよく歪ませたサウンドを作っておくのが得策です。マスタリング段階でも全体をアナログテープを通したようなサウンドに変換することができます。サイデラ・マスタリングでは、実際にSTUDERのハーフインチや1/4インチのアナログテープを通すことができます。アナログテープを通す際には、1/2インチか1/4インチか、テープ速度は30IPSか15IPSか、テープの種類(AMPEX、AGFA、Scotch)、バイアスレベル、イコライゼーション(REC/REPRO)、録音レベルの組み合わせにより微妙に音作りを変えられるます。深いですよ。ぜひ立ち会いでも体験してみてください。

G:ヴォーカルを全面的に、最重要項目とした音作り。J-POPで音量、音圧ともギリギリまで大きくしたサウンドですが、決してボーカルは歪ませたりしません。1940~50年代のモノラル録音のジャズの名盤では、ボーカルはこのイメージです。ルイ・アームストロングやナット・キング・コール、エラなどのヴォーカルはこのぐらい音像が大きいですね。40年の録音機材、アナログテープの音質の変化を前提にした音作りです。デジタルレコーダーの時代になり、INとOUTは波形としては似た形になりましたが、アナログテープの時代は、再生されたときの音を前提にして録音する音(コンソールアウト=レコーダーインプット)を作ります。アナログテープに記録しきれないピークは丸くなります。高域をレベルを高くいれすぎると簡単に歪んでしまいます。常に録音レベルと高域とのせめぎ合いだったのです。

これらの図は、あくまでイメージですが、音は目に見えませんので(波形はダイナミックレンジだけは可視化できますが、そのバランス、内容やカラーは見えません)マスタリングのご要望などにもご利用ください。ジャンル、目的に合った仕上げをすることで音楽の魅力がぐっと増します。次回は音作りの注意点についてお話ししたいと思います。


2010/10/19

DSDアップコンバート[AudioGate](ポイント)

本日はKORG AudioGateのPCM音源をDSDアップコンバートする際のポイントです。

先日の「配信用DSDマスタリング」でお話ししましたが、PCM音源をDSDにアップコンバートするとレゾリューションがアップします。その際に気をつけなければいけないことは細かなニュアンスだけではなく電気的な歪みなども同時にアップコンバートされることです。そのためPCMでレベルをギリギリまで入れた音源などでは歪みが目立ってしまうことがあります。

広がり、奥行きなど、DSDフォーマットの良さを生かすにはヘッドルームを残してTDする必要があります。ヘッドルームは0.5dBから1dB程度の余裕があれば十分ですが、まずは赤が点かないように注意してください。ナチュラルで弾力のあるキック、伸びのあるヴォーカルなどを表現するには重要なポイントです。ただし、直接KORG MR-2000SにTDする場合、DSDはPCMに比べてクリップに強いので瞬間的なら赤が点くレベルで録音しても大丈夫です。

以前「PCMとDSDアップコンバートの使い分け」でも書きましたが、僕は、PCMマスター(96KHz24bit / 48KHz, 192Khz, etc)をマスタリングする際には、DSDアップコンバートしてMR-2000Sで再生するため、音楽により5.6MHzか2.8MHz DSDの2種類を使い分けています。5.6MHzはレンジが広くきめ細かい音が特徴ですが、2.8MHzはもう少し押し出し感を出したいときに使っています。それでもお客さまの希望が、音量を最大レベルまで入れてほしいというリクエストの場合はPro Toolsで再生するの従来の方法もあります。

DSDマスタリング&レコーディングの過去記事もご参照ください様々な作品で活用しています。アップコンバートしたDSDマスタリングを体験してみたい方は、ぜひお問い合わせくださいね。

P.S.
サウンド&レコーディングマガジン11月号はもう読まれましたか?
特別企画「DSDで録る、DSDを聴く(P78〜86)」
DSDの基礎から使いこなしまで必読の内容です。

権藤知彦氏はDSDでマスターを録るようになってからの制作上での変化について、okuda supa氏はDSDとPCMとでのミックスの違い・使い分けについても語っています。

2010/10/15

サイデラ・モーニングセッション#023終了しました

どうもMUSHです!
サイデラ・モーニングセッション#23「サラウンド・フィールドレコーディング視聴」が終了しました。
今回は複数の録音システムで同時収録されたサラウンド・フィールドレコーディング音源を視聴しました。
A:Sennheiser MKH-30(双指向性)、MKH-60(超指向性)、MKH-70(狭指向性)の3本x2セットでフロントとリアを収録するシステム(ダブルMS方式+ハードセンター)
B:Sanken WMS-5(5.0chサラウンドマイクロフォン、ダブルMS方式)
C:CUW-180(X-Y方式x2セット+ハードセンター用マイク)

今回視聴したのは野鳥の声と、滝の音、波の音です。「(その場で)耳で聞くのに一番近い」「一番奥行きを感じた」「音だけで聴くならこれが良い」「こんな響き聴いたことがない!」など様々な意見をいただきましたよ!みなさんもぜひ自然の音に耳を傾けてみてくださいね。

関連リンク:
第65回サラウンド寺子屋塾報告「WOWOW ドキュメンタリー-地球の音楽 〜地球が奏でる驚きのメロディー〜 サラウンド制作 」 By.MickSawaguchi

実践!5.1chサラウンド番組制作第73回~第92回 全国高校野球選手権大会~ By.井上哲(PDF、甲子園球場にSanken CUW-180x2が常設されているとあります)
フィールド録音エンジニア 土方氏によるサラウンド録音レポート

2010/10/14

EQの使いこなし(シェルビングEQ)



前回のEQの使いこなし(基礎編)ではグラフィック・イコライザーを用いて、それぞれの周波数帯域の特徴を確認しました。本日はパラメトリック・イコライザーのシェルビングEQの実践的な使用方法です。

EQはピーキングEQやフィルターはよく使うがシェルビングEQはカーブの使いこなしが難しいというコメントを耳にします。しかしポイントを理解すれば誰でも簡単に使いこなすことができます。

パラメトリック・イコライザーには2種類の使い方があります。一つはざっくりと帯域の補正。こちらは主にシェルビング・カーブやフィルターをを使用します。もう一つはピークカーブを駆使しての細かなバランス調整です。

「帯域の補正」
まず音源をじっくり聴いてみましょう。低域、中域、高域の3つのパートに分けて聴くことがポイイントです。(1)〜250Hz (2)250Hz〜4kHz (3)4kHz〜だいたいこの辺りの周波数に注目してみてください。

※低域と高域にはシェルビングEQ、中域はQの緩いパラメトリック・イコライザーを使用します。

「低域」
もし低域が多いかな、と思ったらシェルビングカーブで250Hz以下を少しカットしてください。逆に低域に厚みが欲しいと思ったらブーストします。レベルは1dB以内でも十分効果がありますが、最初は大きめに動かし音の変化を確認して徐々に細かく調整してください。

「中域」
ロックなどでギターの厚みが欲しいときは250Hz〜4kHzをアップします。中域(250Hz〜1kHz)→ボリューム感、中高域(1kHz〜4kHz)→高域の厚み。音の芯が出るので周波数、Qの幅がポイントとなります。

「高域」
ハットやシンバルがが少しうるさいかな、と思ったら4kHz〜からシェルビングでカットします。

<ポイント>
低域と高域のシェルビングEQは周波数が中域よりになるほどヴォーカルなどに影響します。オケのニュアンスを変えたくない場合は例えば100Hz〜、10kHz〜など低め、高めの周波数にシェルビングEQのスタートポイントを設定してください。

感覚はプリメイン・アンプのトーン・コントロールのようです。シェルビングEQでバランスを補正すればコンプのかかり方もより自然になります。低域が多すぎてコンプの動きに影響してしまう時などにも効果がありますのでぜひ試してください。


2010/10/13

プラグインとアウトボード

本日はプラグインのみで作ったサウンドとアウトボードを使用したサウンドの違いについて。

少し前の話になりますが、皆さん「サウンド&レコーディングマガジン9月号(P80〜87)マスタリング用プラグイン×23徹底レビュー」はお読みいただけたでしょうか?最近のマルチバンド・コンプ、総合ツールはとても高性能でPC内だけでバランス調整、音量調整、音圧調整が全て出来てしまいます。僕もその使いやすさ音質の良さにはビックリしました。

それでもどうしてプラグインだけでなくアウトボードも使ってマスタリングをするのか?もちろんジャンルや好みにもよりますが、一度DAしてアナログ機材やケーブルを通すと音の深み、グルーヴ、ニュアンスが増し、より伝わるサウンドを作りやすいからです。例えばWAVデータをプロツールスでプレイバックする時、選択するDAコンバーターで広がりのあるサウンド、パンチのあるサウンド、アナログ感のあるサウンドを表現出来ます。アーティストの好み、方向性に合った機材を選択することで理想のサウンドにまた一歩近づくのです。

ニュアンスをほんの少し変えたいとき、機材を変えると音の変化が大きい場合はケーブルの違いのみで音作りをすることもあります。例えばレンジを広げて低域をもう少し出したいならトランスペアレント、ヴォーカルをクリアーにしたいならワイヤーワールドなど。ケーブルやアウトボードの音作りは出音が音楽的なところが一番気に入っています。

近いうちにサイデラの朝活 モーニング・セッションでもこのあたりの事を、実際に皆さんに体験してもらえる機会を設けたいと考えています。

P.S.

マスタリングやミキシング作業で一番大切な基本中の基本とは「モニタースピーカーを正しく置くこと」につきます。こちらもぜひご覧下さい。

モニタースピーカーの重要性

2010/10/12

『40th AES Conference ウラ報告』 by オノ セイゲン

時代はまさに3D、ハイレゾリューション。 『Spatial Audio』をテーマにNHK放送技術研究所/東京芸術大学を往復しながらの「第40回AES国際コンファレンス」では、ワークショップのテーマをみても判るよう、実践に即、役立つ充実した内容のプレゼンテーションが連日発表されました。私もAES日本学生支部主宰のプレカンファレンスにパネラーで参加しましたが、その参加者のちょうど半分は海外組。居残りで質問する方、この機会に遠慮なくサイデラ・マスタリングまで音を聴きに尋ねてきたのは、日本人よりも海外からの方なのです。日頃、弊社スタッフ、インターンシップに教えることのひとつは「興味あることには、自分からどんどんアプローチする。遠慮なく、躊躇なく。ただし笑顔で、あいさつは6dBアップ。」






ウエルカムバケットの代わりに屋形船二隻のディナークルーズが、インターナショナル・カラオケで盛り上がったとか。写真2段目右は、北千住「葵」に集結した韓国グループ。このあと2Fで日本グループと合流。その下、Bootsでビールは、リチャード・キング等と。NYCのSony Music Studioのチーフを15年もつとめて共にSony SONOMA DSD Audio Work Stationを駆使。今はMcGill Universityで教えながら、フリーランスとしてDecca, EMI, Nonesuchの仕事もこなす。一連のヨー・ヨー・マのアルバムはじめグラミーも多数受賞。東京は、海外でゆっくり時間がとれないVIPとも思わぬところで出会える。プレゼンの場では聞けないヒューマンネットワーク情報もこういう場ではどんどん聞けます。では、次はサンフランシスコです!

RK Recording

• 129th AES Convention Returns to San Francisco!
November 4-7, 2010 - AES (San Francisco, CA, USA)

129TH AES CONVENTION

お客さまもサイデラ・マスタリングには、遠慮なくどんどんアプローチしてください。DSDレコーディング、DSDミキシング、DSDマスタリング、特別キャンペーン中。



2010/10/09

TRIO' LIVE

DSDレコーディング専門家のオノ セイゲンです。
いつもSDM Blogを読んでいただきまことにありがとうございます。今や弊社の中でただひとり、私はまだiPhoneを持ってないので(地下のスタジオで携帯がつながらない)自分のTWはやってませんが、ときどきスタッフに、これこれと教えられて「その時」の話題を観ていますが、「あとでゆっくり」見ようと思って追いかけてみると、TWではもう次の話題に変わっていて、まったく世の中のペースについていけてません。

KORG MR-2000Sで収録し、DSDミキシング/マスタリングで仕上げたライブアルバムが完成しました!ドラマー市原康さんがリーダーの「TRIO' LIVE」お近くのレコード店で見つからない場合は、市原さんホームページからもお求めいただけます
DRUMMER YASUSHI ICHIHARA



TRIO’
piano 福田重男/Shigeo Fukuda
bass 森泰人/Yasuhito Mori
drums 市原康/Yasushi Ichihara

producer 市原康/Yasushi Ichihara/i-produce
associate producer オノセイゲン/Seigen Ono/Saidera Ai
art director, designer 井上嗣也/Tsuguya Inoue/BEANS
品番:IPTR- 1001

ところで、みなさま「なぜレコーディングするのか?」じっくり考えてみたことはありますか?なぜアルバムを作るのか。昨日も、AESのPre-Conference Special Workshop でそのテーマについてワークショップを行ってきました。さまざまな事情により「その時」を共有できなかったから、仕方なく(あるいは積極的に)「あとでゆっくり」プレイバックできることが、本来のレコーディングの目的です。さまざまな事情とは、歴史的(あるいは日程的)にも、地理的にも「その時」に行けない事情、例えば1950年代のニューヨークにマイルス・デイビスを聴きに行くということはできません。レコーディングされていたから「あとでゆっくり」プレイバックできるのです。写真は見れても、社会背景などの情報など再現できない要素もありますが、音だけでなく情報量は多い方が「その時」をリアルに再現できます。

40th International AES Conference: Program

(以下、市原さんの日記より)
TRIO'ライブ アルバムの音がようやくまとまった。三ヶ月くらいかかったことになるか。普通ならスタジオで限られた時間内で作業をするわけだからそうだらだらとやるわけ にはいかない。ところが今回は録音を担当して下さったオノセイゲンさんの協力を得てほぼ一日のスタジオ作業と、あとはセイゲンさんの空いている時間を使っ て手を加えたファイルを送っていただき、それを確認しさらに新たな提案をしていく・・・・(続きは↓こちら↓)
市原さんの日記

音の情報量が多い=DSDレコーディングです。だからDSDレコーディングにこだわるわけです。レコーディングを考えている方、ご自分で音楽演奏を職業としている方も、ご自分の好きなミュージシャンのCD(あるいは高音質配信)制作を企画されている方も、どうぞご遠慮なくサイデラ・マスタリングへご用命ください。

2010/10/08

配信用DSDマスタリング

本日は配信にも強い!5.6MHz DSDマスタリングについての説明です。
例えば携帯電話で撮った画像。デザイナーがそのまま印刷用データに使用するにはピクセルが足りません。大判フィルムの解像度にまでアップコンバートしてやると線が崩れることなく、コントラストやほんのちょっとした色もデリケートに、もしくは大胆に調整できます。同じようにPCM 48kHz 24bitなどの音源をDSD 5.6MHzにアップコンバートすると、それまで聴こえにくかったヴォーカルの息づかいや、埋もれていたグルーブが生き生きと再現されます。不思議ですがPCMに変換される時に間引きされたサウンドが蘇ってきたかのようにさえ感じます。

DSDの本当の良さはリアリティーだと思います。音の立ち上がりが速く、細かい音までしっかり再現してくれる。まるで目の前で演奏しているかのような表現力があります。アップコンバートしたら「歌の音像が大きく聴こえるようになった」という感想をよく頂くのですが、それはDSDがサウンドにピークが少なくPCMよりレベルが大きく出来ることと、立ち上がりが速いので声がナチュラルで抜けてくるからです。声に輪郭を付けなくても抜けるので中低域をしっかり出した音作りが可能になります。

この方法でマスタリングした音源は、MP3に圧縮されてもニュアンスは失われにくい。つまり配信用のマスタリングにもとても効果的です。PCM領域でマスタリングするのとアップコンバートしてからDSDマスタリングするのでは、圧縮後の聴こえ方に大きな差が出ました。アップコンバートすることで細部の緻密な音作りが可能になります。アーティストの伝えたいことがより伝わるサウンドに、最終的に感動のレベルもアップしているからだと僕は思っています。

P.S.
DSD 5.6MHzアップコンバートのDSDマスタリングは高音質配信にも柔軟に対応出来ます。96kHz 24bitの配信用マスターを作成する場合、アップコンバートした音源(5.6MHz DSD)をKORG MR-2000Sからアナログで出力します。必要ならアナログコンプ、EQで音作りをしてからADコンバーターで96kHz 24bitに変換します。デジタルEQ、COMPも96kHz 24bitで動作出来るので、よりきめ細かいファイナルタッチも可能です。もちろんOTOTOYのDSD配信で採用されている2.8MHz DSD(DSF)マスターも同時に作成できます。

2010/10/07

第40回AES国際コンファレンス

40th International AES Conference October 8 - 10th, 2010
「SPATIAL AUDIO (Sense of Sound of Space) 」
会期:10月8日〜10日
会場:NHK放送技術研究所/東京芸術大学
内容、詳細はこちら


明日より始まる「第40回AES国際コンファレンス」のため来日中の、ジャズの名プロデューサー/エンジニアのジム・アンダーソン氏がスタジオに遊びに来ました。オノ セイゲンが手にしているのは、早稲田大学の山崎 芳男先生のチームが試作した「1bit 8ch portable recorder VC-21WSD」、12月の1ビット研究会にてオノがデモンストレーションする予定です。





ジム・アンダーソン
第40回AES国際コンファレンス


2010/10/05

サイデラ・モーニングセッション#022終了しました

どうもMUSHです!

Tokyo BalearicよりDJ marbo氏をゲスト講師に迎えたサイデラ・モーニングセッション#022「<DJ/CLUB編>過去、現在、未来のDJがサバイブするノウハウ。-マスタリングを制するものは、世界を制する-」が終了しましたよ!
「マスタリングを制するものは、世界を制する」とは、イギリスロンドンのメトロポリススタジオでmarbo氏が見た落書きに由来します。今回はまず12inch(アナログ)とwaveデータ(デジタル)のDJ mixのサウンドの違いの聴き比べから。これらの違いはなに?ずばりマスタリングの違いです、とmarbo氏の力強いお言葉。さらにアナログレコードのDJ,CDJ,PCDJのノウハウ、音楽配信時代にどうすべきか?など多岐に渡る盛り沢山な内容で、スターバックスでのアフターアワーまで盛り上がりは続きました!参加のみなさんには-マスタリングを制するものは、世界を制する-の意図するところ、伝わったでしょうか!?

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地中海のリゾートアイランド Ibiza島を意味するBalearicを、iTunesで検索すると、Tokyo Balearicが、Balearic Podcast チャート全世界1位。iTunes Chillout Podcast Episode チャートでも日本で1位。2009年3月からのRSSリスナー数は23,000人を超え、年内には30,000人超えの勢いで増殖中。トータルダウンロード数は200万を超える。日本のiTunesのPodcast Musicランキングでは、最高位16位を記録し、Tiest, Armin van Buuren, Paul van Dyk'sを超える。

2006年の夏に生まれた東京バラリックは、最新のトランシーなダンスミュージックをDJ marboがスペインはイビザ島のアイランドフィーリングを感じさせるバラリック(バレアリック)サウンドに化学変化させた、セラピー効果を持つヒーリングダンスミュージック。この新しいけど、どこか懐かしい東京バラリックは海や山などの自然のゆらぎを感じさせる気持ちいい音。さらに現代のテクノロジーを駆使した空間的音作りにおける最先端のサウンドは、音楽に対する知識や経験を必要とせず、若いデジタル世代から60代のロック世代までもが楽しんで共有できるユニバーサルランゲージであり、親しみやすさ、やさしさを持っている。

そして、東京バラリックサウンドは、パラダイスガレージのラリーレヴァンのガラージュサウンドのハイエナジーな部分をアップデートした、未来のガラージュサウンドと言える。そのグルーヴは黒くて太い、ファンクネスな横乗り。日本全国でガラージュサウンドを経由したDJ達が、自然発生的に、東京バラリックサウンドをプレイし始め、大阪バラリック、仙台バラリック、山形バラリック、姫路バラリック、赤坂バラリックへと日本全国から世界へと増殖中。また、そのサウンドは人間の自然治癒能力を引き出すヒーリング効果を持ち、今の時代に最も必要とされる新しい音楽と言える。また、チルアウト ヨガという、バラリック&チルアウトミュージックとヨガのコラボレーションも東京ミッドタウン、横浜ヨガフェスタで、行われている。

情報過多、科学物質汚染、ストレス時代をデトックスする Tokyo Balearic 東京バラリックを体感して、あなたも時代の表現者へ。



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DJ marbo

日大芸術学部放送学科在学中に、西麻布のTool's BarでDJをスタート。1988年から2001年までの13年間、ロンドンでDJ Harveyと活動。イギリス初の日本人DJとして、第一線のウエアハウスパーティーやクラブシーンで、音楽系、セレブ系の両シーンにまたがる両刀使いのDJとしてSasha、Andy Weatherall,Danny Rampling,Judge Julesらとプレイする。1992年からはMinistry of Soundでもプレイ。1989年から2000年までDJ Harveyのジャパンツアーを主催。1993年から1997年までBlack Cock Recordsの日本でのディストリビューションとプロモーションを行う。1996年にはレコードショップPervをオープン。1997年にはRemix 別冊のHouse Legendの企画を行う。1999年から渋谷FMの土曜日のマスタミックスショーを企画、制作。DJ Harvey,David Mancuso,Prins Thomas,Lindstromらと日本を代表するトップDJを紹介する。2001年にIbizaでDJ Harveyらと5週間のイベント後、帰国。2006年に現在のTokyo Balearicのスタイルを創造する。

Tokyo Balearicを一言で説明すると、海や山などの自然を感じられる、癒し系のスタイリッシュなダンスミュージック。メディテーションの効果が感じられ、Silent Trance と呼ばれている。また、Balearic Nirvanaという脳内ラグジュアリーなチルアウトも、プレイしている。

1988年からのロンドン時代から、バイヤー、ファッションデザイン、グラフィックデザイン、サウンドデザイン、DJのマルチタスクで活動。1990年代からの裏原宿の、PervとLowriderのプロデューサーしての活動は、次世代の高感度新進デザイナー達に大きな影響を与える。

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Web
http://tokyobalearic.net/

E-mail
Tokyo Balearic :
tokyobalearic@gmail.com

StarLowrider :
starlowrider1977@gmail.com

twitter
http://twitter.com/TokyoBalearic

iTunes Podcast
http://bit.ly/7l3oz

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DJ marbo

DJ Marbo is the driving force behind a revolution in music attitudes driven by a need to counter the recycling of old music and self-destructive behaviour so common in the clubs these days. Since the beginning of the acid house movement in the UK Marbo delivered genre destroying sets alongside Harvey. That was a time when people found simple happiness, enjoyment and community in the music, much of which has been lost in the contemporary club scenes.

While disco has been enjoying a resurgence and the edit scene has been re-engineering old tracks into more contemporary house grooves, Marbo has uniquely extracted and untangled the soul, beauty and bass out of hi-tech trance and restructured it into futuristic disco powered soundscapes. It’s simple to listen to, highly emotive and brings us back to the roots of dance music – the feeling of just hearing a track that makes you want to move your body without thinking. This is the future of disco, and the beginning of a positive music revival.

Marbo does a weekly Saturday night radio show on Shibuya FM where he plays only new music and the iTunes podcast is available here http://bit.ly/bWk7Gf


Tokyo Balearic 2007

Living in our urban jungle information flashes past us through the internet, mobile phones and TV faster than the speed of thought. We are plugged in and logged in beyond the point of information saturation and overload. Everyday in the digital fog the real and important information is lost. As the knowledge from our experiences is diluted by chemical agents and electromagnetic waves we find ourselves exposed to 24H junk food, cheap liquor, mindless music and desensitized people. The society we live in is the most unnatural in the history of mankind and as the human desire to consume and control grows we will ultimately destroy our world.

Humans are animals that have evolved in a natural habitat for many thousands of years and our physiology requires that we have sunshine, fresh air, organic food, music and rhythm. The innovators and pioneering music makers such as YMO, Giorgio Moroder, Larry Levan (R.I.P.) and Ron Hardy (R.I.P.) led us out of the darkness in the past and now we need to head into a brighter future. Whether we are in Tokyo, Beijing, Pyongyang, Paris, Baghdad, Kabul, Berlin, Barcelona, London or New York the world must find a common language.

Those in Tokyo being at the forefront of the technology devolution have created the new language of 120BPM Trance. Typically psychedelic or rave style Trance surges forward at 140+ BPM crushing all in its path and lashing people who demand an escape from reality with noise. It creates dissenters and turns people off but within its details lies a secret and infinite possibilities are unlocked by lowering the BPM and reclaiming the funk, tuning it to a natural human tempo. By learning from our past our DJ crew is rewriting our common language creating a new brighter future with a sound like no other. The Sound.

Technology is put under our control and pushed to its extremes to accommodate our new vision. Our turntables are customized with the pitch control dropping the tempo by -13.5%. Dampers are added to stabilize the turntables and the stylus, with a needle pressure of 1g draws a deeper and cleaner bass out from the vinyl.. The decks are wired through a first edition UREI 1620 mixer and into a tuned soundsystem consisting of four of ATCs 1992 flagship SCM100ASL mid-high range active speakers and four Funktion One 18” bass bin towers. No isolators are used and all music is played from one track per side mastered 12” vinyl.

The DJ is positioned in the middle of the sound of the four speaker tower so monitor speakers are used. The sound the DJ hears is that which is heard on the dancefloor building the unity between the DJ and the audience. The DJ also overlays the sound from a Schumann Wave Generator, amplifying the resonant frequency of the Earth and its atmosphere, purifying negative energies and correcting electromagnetic disharmony.

While one floor moves to the sound of the future 120 BPM contemporary Balearic Trance, the other is educational and highlights the history of Balearic classics. The whole experience is complimented by organic ‘Rakuichi Rakuza’ booths serving quality refreshments. ‘Ayanas’ creates a more natural atmosphere by creating a green and lush background of healing plants and flowers. ‘Karava’ delights your senses while ‘Sala Shanti’ massages your body and soul.

A world renowned sound system. A Schumann Wave Generator. The dancefloor pulses. Past meets future. One world under one groove. Tokyo Balearic. The healing revolution starts here.



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2010/10/04

EQの使いこなし(基礎編)


本日はEQの使いこなしの基礎についてです。

EQの操作を覚えるにはそれぞれの周波数帯域にどのような音の成分が存在するかを理解する必要があります。その基礎をマスターするのに最適なのがグラフィック・イコライザーです。それではiTunesに付属のグライコで帯域を確認していきましょう。

iTunesのグライコは1/2oct、12Bandのタイプです。低域は16Hzからスタートして周波数が倍々に増えていきます。

「周波数帯域と音の特徴」こちらはあくまで僕の考えです。
超低域(32Hz以下)→低域のエアー感、部屋鳴り
低域(32Hz〜125Hz)→低域の量感、太さ
中低域(125Hz〜250Hz)→低域の厚み
中域(250Hz〜1kHz)→ボリューム感
中高域(1kHz〜4kHz)→高域の厚み、音の芯を出す
高域(4kHz〜16kHz)→輝き、艶、透明感
超高域(16kHz以上)→高域のエアー感

例えば、リファレンスCDを聴きながらグライコでそれぞれの帯域をブースト/カットすると、どの帯域を使って音作りされているか確認出来ます。また自分がTD、マスタリングした音の確認にもなりますね。iTunesのグライコで低域を少しカットして抜けが良くなったなら、TD作業に戻って同じようにカットしてみて下さい。動かす帯域が理解出来るようになれば音作りの幅がぐんと広がるはずです。iTunesのグライコは非常に簡易的なものなので、プラグインやアナログのグライコがあればそちらでもチャレンジしてみて下さい。


2010/10/01

VocalとKickのバランス(その1)


本日はヴォーカルとキックのバランスについてです。

マスタリングでヴォーカルとキックをしっかりと聴かせるには以下のようなポイントがあります。
1)低域のトリートメント。
2)EQでキックとヴォーカルの芯を探しその帯域を強調する。
3)キックのEQを微調整しヴォーカルを前に出す。

(対策)
まず、ベースとキックのバランスをとります。低域のパンチが出るようにシェルビングでローカットしたり、50Hzや60HzをQを狭くして少しカットしてベースの透明感が出るようにします。

次にキックのアタック成分がある帯域をEQで丹念に探します。同様にヴォーカルの芯の帯域を探します。ジャンルや声質によって周波数は変わりますのでこの作業が最もシビアな作業です。

最後に全体のバランスを整えながらキックのEQを微調整します。まずはレベルを0.1dB単位で調整しながら聴こえかたを確認します。レベルが決まったら周波数をほんの少し変えて聴いてみます。例えば118Hz、120Hz、125Hzと変えてみて121Hzでヴォーカルがすっと前に出て来たらそこがスイートスポットです。

P.S.
ケーブル、機材を変えることでもヴォーカルとキックの聴こえかたは変わりますのでいろいろ聴き比べてベストなセッティングを決めてから音作りをするのが良いですね。


2010/09/30

THX Professional Training Seminar開催

どうもMUSHです!
5.1サラウンド寺子屋塾の塾長ミック沢口氏より「THX資格認定セミナーの案内」が廻ってきました。ビジネスチャンスを広げたい方はぜひ参加ください。とのことです。

THX
といえば中小規模空間のマルチチャンネル・スタジオを対象とした認証プログラム、THX pm3Professional Multi-Channel Mixing and Monitoring)が有名ですが、こちらはホームシアターデザインのためのセミナーです。

++以下共催の株式会社ソナ様からの案内文より引用++

THX Professional Workshop
THX Home Theater 1 Training

CES や CEDIA などでも好評を博した THX によるホームシアターデザインのためのセミナーです。 このセミナーを受講することにより,最先端のホームシアターデザインに関する実践的なノウハウを学ぶことができます。 また,受講後 On-line テストに合格すると,”THX Certified Professional Home Theater I” の資格を得ることができます。 資格取得後は THX のウェブサイトに認証取得者として名前が加えられ,THX Certified Professional ロゴ 等の使用,On-line 情報 へのアクセス,On-line Store でのディスカウントなどが可能となり,認証取得証明書が発行されます。 このセミナーでは,次のステップである Home Theater II につながる導入として,THX概要/THXテクノロジーの紹介【Re-EQ, Decorrelation 等】/基礎音響理論【反射・吸音,小空間での音の振る舞い 等】/ノイズコントロール,遮音/ルームデザイン,機材選定, システムコントロール,調整..さらに,最新の3D技術に関する内容なども予定しています。

開催日時 2010 年 12 月 9 日(木) 9:00 ~ 17:00
会場 東京都内(10月頃決定予定)
申込締切 定員に達し次第 締切とさせて頂きます。申込方法および申込用紙につきましてはこちら(PDF 80KB)を参照ください。
受講費用 ¥50,000-(認証取得後は毎年ライセンス更新料が必要となります)
主催 THX Ltd.
共催 株式会社 ソナ(お問い合わせはこちらまで)
講師 John B. Dahl(Senior Fellow, Director, Education : THX Ltd.)
38年にわたり コンシューマ エレクトロニクス ビジネスに従事。
Hi-Fi オーディオ製品のセールスマンとしてキャリアをスタート。後にショップ オーナー,セールスマネージャー(NAD USA),プロダクトマネージャー(NAD UK),プロダクト/トレーニングコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネージャー及びトレーナー(Lucasfilm THX)を経て現在に至る。

++引用ここまで。++

詳しくはこちらをご覧下さい。
http://www.thxpm3.jp/ht1.html

2010/09/28

モニタースピーカーの重要性(その3)「モニター環境の特徴を理解する」


本日はスタジオのモニターシステムについて(その3)。

サイデラ・マスタリングのモニターシステムは、常に「色づけがないサウンド」を達成しています。「SD-9003」ケーブルも同じコンセプト(=色づけがない)で、そのモニター環境で、ハンダにいたるまで試聴を厳密に繰り返してできあがったケーブルです。「音の特徴がないこと」が特徴です。機材同士はケーブルでつながっていますが、そこにケーブルの「色づけがない」ケーブルです。

音楽制作の現場ではミキシング・コンソール、プロツールスのアウト「そのままの音質」が、録音/再生されることが理想的です。ミックス作業前に(自分が聴き慣れた)リファレンスCDを再生し、そのスタジオのモニターの特徴を確認しておくことが大切なのです。自分が普段聴き慣れている環境と比べて、そのスタジオは「硬い音」や「柔らかい音」ではないか?低音が正確に聴こえているか?飛び出している帯域がないか?

発売中の「プロサウンド」2010年10月号『AES基礎音響セミナーリポート』P129〜中原雅考(ソナ/オンフューチャー)さんが、「室内音響入門」!!!ここには、ミックスするスタジオの特性によりどのような影響が起こるのか、こと細かく解説されています。かなり専門的な計算方法から、どなたにでも分かりやすい例も提示しながら、必読情報満載です。高域、中域、低域は室内でどのような振る舞いをするのか、そのスタジオではミックスがバランス良く聴こえていても結果としてレコーダーに入っているマスターの音は「硬い音」に録音されてしまうのは、なぜか。プロの現場では当たり前のような話から、実はこんなところに落とし穴があったのかという注意点まで。ぜひじっくり読んでみてください。AESではこのような実践的なセミナーが多くあります。
そして、バランスのよいモニターこそ音楽を最高のクオリティに仕上げるのに不可欠です。

2010/09/27

モニター改善策(その16)「パワードスピーカーの使いこなし復習」

本日はパワードスピーカー使いこなしのポイントの復習です。

プライベートスタジオなどでは外付けアンプのパッシブスピーカーよりも、アンプ内蔵のパワードスピーカーを使われている方が多いと思います。

(使いこなしのポイント)
1) 電源ケーブル、ラインケーブルの長さをそろえる。
2) スピーカーの高さ、角度を合わせる。
3) スピーカーの周りに出来るだけ物を置かないようにする。

電源ケーブルは2m前後の長さが理想です。スピーカーをミキシングコンソールの後ろに置く場合はそこまでタップで延長してからつないで下さい。ラインケーブルは片側がコンソールアウトに近くても、左右で同じ長さのものを用意して下さい。遠い一方だけ延長すると左右のバランスが崩れ、音の定位が分かりにくくなってしまいます。ケーブルは少したるむぐらいの無理の無い長さでそろえて下さい。

スピーカーの高さ、角度も重要なポイントです。基本はツイーターを耳の高さに。角度は内側の側面が少し見えるぐらいが良いですね。スピーカーの間隔が広すぎたり角度が緩いとヴォーカルやキックなどのセンター成分の音が分かりにくくなってしまいます。

スピーカーの上や周りに物が置いてあると振動や反射で正しいリスニングが出来なくなります。片側のスピーカーの周りに物があるだけで左右のバランスが分かりにくくなりますので注意して下さい。

P.S.
パワードスピーカーのラインケーブルはカナレ L-4E6Sがフラットでお勧めです。ベルデン1192A、モガミ 2534も同グレードで大変良いケーブルです。モニタースピーカー用のケーブルはハイエンドの色づけのあるものよりバランスの良いケーブルが使いやすいです。まずはこれらのケーブルからスタートして、徐々にグレードアップしていけば理想的なサウンドが見つかるはずです。Saidera Ai SD-9003ケーブルはモニターケーブルとしても最適です。

2010/09/25

立ち上がりの速いサウンドを作るには


本日はR&Bの低音の切れ、ROCKのギターのスピード感などを表現するテクニックをお話しします。

(ポイント)
1)コンプ、リミッターの設定は速めのアタック・タイム、リリースタイムで。
2)デジタル・コンプのDCカットなどの機能は使わない。
3)ピークが抑えられない時にはディエッサーを補助的に使う。

(解説)
1)コンプ、リミッターの設定は速めのアタック・タイム、リリースタイムです。
コンプのアタックタイム(10〜30ms)、リリースタイム(300〜100ms)
リミッターのリリースタイムは(100ms以下)

2)デジタル機材には、例えば2Hz以下の低周波をカットするDC CUTなどのパラメーターが付属していることがあります。こちらをONすると音が詰まって抜けが悪くなるので今回はOFFにして下さい。

3)ピークを抑えるために高域をマイナスEQでカットするとおとなしいサウンドになるので、ディエッサーを効果的に使います。抑える周波数は10kHz以上の高い周波数です。
例えばシンバルなど特定の帯域を抑えるにはパラメーターのカーブはピーキングで、高域全体的を抑えるにはシェルビングが有効です。

ピークを抑えるには前段でアナログ機材を通したりアナログシュミレーターを使うのも効果的です。プラグインはそれぞれサウンドに特徴がありますのでインサートして抜けが良くスピード感のある機材を選択して下さい。音作りをするよりもまずは機材の選択です。「通すだけで好きなフィーリングのサウンドになった!」この感覚が大切ですね。

2010/09/24

乾期のアマゾンDSD5.6MHzレコーディング

Twitterに数回あげている、「乾期のアマゾン5.6MHz DSDレコーディングの音源」はダウンロードされましたか?
30秒ほどの音源ですが皆様に「気持いい!」とご好評です。数日前にオノ セイゲンが実際にアマゾンで収録したものです!
すごいですよ、DSDの音の力。普段ぜったい聴けない怖いほどのディテイルが5.6MHzでは収録され、再現できます。

今回アップしたWSDファイルは5.6MHzなので、KORG MR-1000 or 2000S ユーザーのみ視聴可能です。ですが、KORG MRシリーズに付属のソフトAudioGateを使えば (PCM変換されますが)MacでもWinでもお聴きいただけますよ。

現地から届いた写真もアップしますので、情景など思い浮かべながらお楽しみください♪

乾期のアマゾンその1
乾期のアマゾンその2
乾期のアマゾンその3
password: 0354106789













2010/09/22

WORD CLOCKの使いこなし

本日はマルチ録音時のWORD CLOCKの使いこなしについてお話しします。

ライブレコーディング等でKORG MR-2000Sなどのデジタルレコーダーを2台以上使用し、マルチチャンネル録音をする場合は必ず2台をBNCケーブルでつなぎ、マスター機からスレーブ機(またはクロックマスターから各機)へWORD CLOCKを供給する必要があります。

「一致と同期」
2台のMR-2000Sのサンプリング周波数をどちらも5.6MHzに設定しても、各々固有の(5.6MHzの)基準信号を使用し動くため必ず2台間にズレが生じます。例えば時計と同じで、二人で同時に時報に合わせたとしてもいずれはズレてしまいます。なぜなら基準となる信号が共通ではないからです。「一致させたが同期はしていない」状態です。つまり同期というのは同じ基準信号を使用しているということです。

2台のMR-2000Sが同じWORD CLOCKで動作していれば収録時間は一致します。KORG AudioGateでPCMデータに変換し、スタートポイントを合わせれば波形の位置(波形の山と谷)は一致します。

フリーランで録音した場合はレコーダー間で収録時間が異なり音あたまを合わせても時間が経つにつれ波形のズレが生じます。長時間になるほど時間のズレは顕著に表れますので注意が必要です。

2010/09/14

KORG MR-2000Sを使ってみよう(その10)「高音質配信のマスターにDSD」

本日はKORG MR-2000Sを高音質配信に応用する方法です。

KORG MRシリーズの登場でDSDがより身近なものとなりました。PCを立ち上げずにDATレコーダのように簡単にDSD録音が出来ることは本当にすごい。

MR-2000Sを使用したエンジニア、アーティストに「DSDのサウンドの特徴」について質問してみたところ「立ち上がりが速く、柔らかく抜ける音」「潤い、深み、艶がある」「音の消え際まで分かるので奥行き、広がりが違う」「録音の前後で音のニュアンスがほとんど変わらない」という感想。

DSD 5.6MHz、2.8MHzで録音しておけばあらゆるフォーマットで納品マスターを作成出来ます。高音質配信用に96kHz/24Bitのフォーマットに変換する場合、ニュアンスを出来るだけ変えたくなければKORG AudioGateでそのまま変換。ほんの少しニュアンスをプラスしたければPrismSound、dCS、dBテクノロジーなどのADコンバーターとアナログケーブルで好みの方向に。さらに音圧を上げたい場合はアナログEQ、コンプで仕上げたり、PCMに変換した後デジタルEQ、コンプでファイナルタッチを加えることも可能。

高音質配信によりレコーディング・スタジオのマスター音源とほぼ遜色の無いクオリティーで音楽を届けることが可能になりました。実際、CD制作の過程においてレコーディング、ミキシングの段階では24bit/48kHzなどのフォーマットで作業しても最後のマスタリング作業で16Bit/44.1kHzという限られたフォーマットに音を取り込み工場納品用のプレスマスターを作成します。この16Bit/44.1kHzに落とし込む行程が一つなく無くなるだけで音楽の情報量は格段にアップします。もちろんマスタリング作業もTDマスターのフォーマットを変えずにそのまま音質、音量調整が可能になります。今までアーティストが伝えきれなかった細かなニュアンスやグルーヴをより身近に体感出来るはず。

2010/09/12

ケーブルのメンテナンス(その2)「RCAケーブルの定期クリーニング」

本日はRCAプラグのクリーニングについてです。

RCAプラグもキャノンプラグ同様に定期的なクリーニングが必要です。クリーニングにはメイク用のコットンと綿棒(細い赤ちゃん用など)を使用します。

コットンに無水エタノールを少量つけて外側のアースとセンターピンのホットをクリーニングします。内側は狭いので綿棒で磨いて下さい。仕上げは乾いたコットン、綿棒で磨きます。機材側のジャックも同様にアース側はコットンでセンターのホット側は綿棒でクリーニングして下さい。

*注意ポイント
1) 接点復活材にはジャック側の赤白のプラスチックを劣化させる商品もあるので使用は避けましょう。
2) ケーブルは3ヶ月ほど経つと端子が酸化してきますのでクリーニングをして下さい。クリーニングすると音の透明感、立ち上がりが戻ってきます。またCDプレイヤーなどの民生機の背面はホコリがたまりやすいのでケーブルのクリーニングと合わせて掃除することをオススメします。
3) ケーブルは長過ぎず短すぎず自然なカーブを描く長さのものを使用して下さい。

2010/09/09

サイトウ・キネン・オーケストラ スクリーンコンサートに行ってきました

どうもMUSHです!

2010年9月8日に六本木ヒルズアリーナで行なわれた「小澤征爾指揮 サイトウ・キネン・オーケストラ 六本木スクリーンコンサート」に行ってきましたよ!このイベントは、毎年長野県松本市で行なわれる「サイトウ・キネン・フェスティバル 松本」で小澤征爾氏が指揮をとるコンサートプログラムを六本木ヒルズアリーナの巨大スクリーンにハイビジョン映像とサラウンド音声で生中継(!)するというもの。今年で8回目で毎年恒例のイベントとなっています。
今年は台風の影響により開演直前までの豪雨(現地はそんなことなかったと思いますが)でどうなるかと思っていましたが、雨も上がって無事開催されました!でも空席がぽつぽつ見られたのでやはり例年に比べると人は少なかったかな?小澤氏は体調の大事をとって冒頭の1曲のみ指揮をとり、読売交響楽団の正指揮者・下野竜也氏が代わって指揮をとりました。

子供連れの方も多くいらしていました。小さいお子さんはコンサートホールに入場出来ないことも多いですからね。この音楽は最高のゆりかごです!きっと成長にも良い影響がありますね。
今年は豪雨の為に地面はスクリーン映像が反射するくらいに濡れていました。例年は並べられた椅子はほぼ満席が当たり前で階段や地面に座り込んでみる方の姿もちらほらあります。それもまたこのイベントの醍醐味の一つです!気持ちいい風に吹かれて最高の音楽を聴ける環境はまるでロックフェスの様な開放感があります!

ここでもう何年もこのイベントに通っているMUSHから耳より情報です!ぜひ六本木ヒルズアリーナの後方、2F席(?)での視聴も面白いですよ!音量感こそ減りますが、中継される現地のホールの響きと六本木ヒルズアリーナの響きの混ざり合いまさに「六本木ヒルズアリーナ・ホール」の2F席といった音です!
また会場では信州名産のワインやジュースが販売されています。豪雨で販売スタッフも技術スタッフも大変だったかと思います。
ぼくは林檎ジュースで乾杯!素晴らしいイベントをとても楽しみました。


2010/09/08

ケーブルのメンテナンス(その1)「XLRケーブルの定期クリーニング」

本日はケーブルのエージングとクリーニングについてです。

SD-9003ケーブルを購入して下さった皆さんのケーブルも数ヶ月経ちそろそろエージングも完了して馴染みが出て来ましたか?エージングをすると全帯域に渡って滑らかでピークが無く、バランスの良いサウンドになります。音の立ち上がり、ヴォーカルの抜けなども良くなります。
ただしケーブルは3ヶ月程度で端子が酸化してきますのでクリーニングをして下さい。方法は綿棒に無水エタノールを少量つけて良く磨きます。(キャノンのメスを掃除するには赤ちゃん用の細い綿棒がオススメです。)磨いたあと水分が残っているとそこから酸化し始めますので乾いた綿棒で仕上げて下さい。その後は数ヶ月ごとに端子の汚れをチェック。乾いた綿棒で拭いてみて綿棒が黒くなったらクリーニングして下さい。

クリーニングすると音の透明感、立ち上がりが戻ります。定期的、または録音、TDの前に行なえばガリや接触不良などのトラブルを未然に防ぐことが出来ますよ。

2010/09/07

モニタースピーカーの重要性(その2)「複数のシステムを使い分ける」



マスタリングとは音作りの最終行程であり、工場に納品するプレスマスターの品質管理の第一歩です。サウンドのバランスだけではなくノイズ、歪み、LRの確認なども綿密に行ないます。

僕はマスタリングの時には以下の4つのシステムでチェックしています。
1)PMC MB1(ラージモニター)
2)SHARP SD-V10(ラジカセ)
3)SENNHEISER HD-600(ヘッドフォン)
4)SONY MDR-CD900ST(ヘッドフォン)

ラージモニターでは全体のバランスとローエンドの処理、キックとベースのバランス、ヴォーカルの質感、音の抜け、スピード感、体感的な音圧などをチェックします。ラジカセではオケとヴォーカルのバランス、小音量時のリズムの聴こえ方を確認します。ゼンハイザーHD600では音楽的なバランスを聴いています。HiFi過ぎない、出来るだけリスナーに近い環境でチェックするためTASCAM DA-45HR(DAT)をDAコンバーター+ヘッドフォンアンプとして使用しています。ソニーのヘッドフォンでは音のバランスチェックとノイズ、歪みの確認です。こちらはよりシビアにチェックするためモニターコントローラーGRACE DESIGN m906のヘッドフォンアウトでチェックします。

マスタリングというとEQ・コンプなどの音作りに注目しがちですが、一番大切なのは仕上がったサウンドの確認です。マスタリングの責任とは「音を確認する行程」を確実に保証することです。音の違い、ほんの少しの違いもはっきり聴き取れるよう、モニターシステムはシンプルです。それだけでぐっと緻密な音作りが可能になります。

参考までにオノ セイゲンは、以下の4つのシステムでミキシング/マスタリングを行っています。
1)PMC MB1(ラージモニター)
2)ECLIPSE TD307ii  (ニアフィールド)
3)SONY MDR-EX800ST(イヤフォン)
4)ULTRASONE HFI-650(ヘッドフォン)

2010/09/06

プラグインの使いこなし


本日はプラグインの使いこなしについて。

「マルチバンド・コンプ」
マルチバンド・コンプの選択基準のひとつに、まずインプット・スルーでのサウンドも確認します。そして1:1.2のような低いレシオ設定も確認しましょう。1:4、1:8は音作りですが、インプット・スルーや低いレシオでは、ケーブルを交換してニュアンスを変えるように、そのキャラクター自体が音作りに使えるのです。それぞれ、透明感のある音、太い音、抜けの良い音など独自のキャラクターを持っています。

また、プラグインは組み合わせることで、音質と操作性を兼ねた使いこなしも可能です。一つはインプット・スルーで音のキャラクター付けを行ない、もう一方で微調整を行ないます。パラメーターの設定は1曲ごとゼロから行なうのではなく、あらかじめジャンルに合わせた数種類のデフォルト・セッティングを作っておき、そこからスタートすると作業がスピーディーに出来るだけではなく、マルチバンドのパラメーター調整がよりシビアにできます。

「総合ツール」
マスタリングでは、出来る限りシンプルなセッティングでマスターの情報量を最大限に引き出します。プラグインも同様で、まずはEQのみ、次にコンプ・リミッター、マルチバンド・マキシマイザー、M/S処理など、徐々にパラメーターを増やします。しかし、セッティングが決まった時点で必要のないプラグインはインサートから完全に外します。キックやベースなどの低域の音作りはCOMPやリミッターを使うよりも基本はEQで。例えば、26Hzを0.2dB、42Hzを0.2dB、121Hzを1.3dBなど幾つかの帯域を細かく調整します。センター成分の音作りには特に気をつけて。

マルチバンド・マキシマイザーは細かく調整するというより、帯域ごとのレベルの調整に使うことが多いですね。エキサイターやアンプシュミレーターなどは最後のファイナルタッチを施したい場合だけ使用します。EQでは表現出来ない輝きや倍音をプラスしたい時に重宝します。


2010/09/02

KORG AudioGateについて

KORG MRシリーズにバンドルされているAudioGateはみなさんお使いですか?

KORG MRシリーズには、AudioGateV2.0というファイル・フォーマット変換アプリケーションソフトがバンドルされています。MRシリーズで録音した1-Bit DSDや24/192 PCMなどのハイレゾリューション・マスター音源から16 Bit、44.1kHzのCDフォーマットや配信用のMP3音源をを作成したり、逆にPCMファイルからDSDファイルを生成するアップコンバートが可能です。ファイル・フォーマットは実に13種類、サンプリング周波数と量子化ビット数の組み合わせは20通りサポート。V2.0ではDSDディスクの作成に対応しています。

AudioGateはソングの分割・結合・フェード処理・音量調整・L/Rバランス調整・ノーマライズ・DCカット・マーク編集など、ステレオ・レコーダーに必要とされる基本的な編集を1-Bit DSDを含むすべての対応フォーマット上で行うことが出来ます。また一般的なTPDFディザに加え、人間の聴感特性にマッチしたKORG独自開発の優れたディザ・アルコリズムKORG AQUAを搭載しています。こちらは16BitのAudio CDを焼く際、高音質マスターの空気感を逃さず封じ込めることが出来る高性能なディザーです。

AudioGateには電子楽器メーカーのコルグが永年培ってきた高音質と処理スピードを両立させるノウハウがの随所に生かされています。



KORG MR-2000Sを使ってみよう(その9)「SDMでの使いこなし」

本日はKORG MR-2000Sのサイデラ・マスタリングでの使いこなしについてお話しします。

「マスタリング」
例えばリマスタリングの時、古いアナログテープはMR-2000SにDSDの5.6448MHzでアーカイブします。古いテープは再生するごとに音質が劣化するがそれを未然に防ぐことが出来ます。テープレコーダーを完璧に調整した状態が録音されているので、マスタリングの手直しにもテープをかけ直すことなく、安全、確実、スピーディーに仕上げることが可能です。

また、音源がCDやDATでしか残っていない時はPCMデータを5.6MHzのDSDデータにアップコンバートすることでアナログEQ、コンプでデリケートに処理できます。そうすることで音源の中の空気感、ニュアンスを最大限に引き出すことが可能になります。

「トラックダウン」
Pro Toolsの作業では最終的にデータをバウンスすることで音色は若干変化しますがMR-2000Sに5.6MHzで録音すればモニターアウトのサウンドに限りなく近いクオリティーで録音することが出来ます。もちろんMR-2000Sの前にアナログのEQ、コンプを通したり、アナログハーフインチを通してそのアウトを録音することも可能です。ランニングテープ1本あればアルバム1枚分ハーフインチを通せます。今までならレコーディングスタジオとマスタリングスタジオではテレコが違うので、同じサウンドを再現することが出来ませんでしたがMR-2000S本体を持ち運べばそれが可能なんです。

P.S.
ノンストップのMIXCDを作成時にも威力を発揮しますMR-2000Sにはピンの入力、出力が付いているのでUREI1620の出力をそのまま録音出来ます。DSD5.6MHzで※約14.5時間の録音が可能なので時間を気にすることなくプレイすることが可能です。何よりアナログレコードの質感をそのまま録音出来るところが一番の魅力ですね。音のクオリティーはほとんど失うものが何もありません。(※連続6時間の録音が可能)
この方法だとDJがマスタリングスタジオでプレイし、そのままマスタリングしたかのような昔のダイレクトカッティングのようなことが可能になりますよ。

2010/09/01

OTOTOYよりDSD配信を開始

どうもMUSHです!

5.6MHzDSDライブレコーディングやリマスタリングについてはこのSaidera Mastering Blogでお伝えしてきましたが、ついに!OTOTOYよりDSD配信が開始されていますよ!その第一弾は2010年3月1日に、東京芸術劇場中ホールにて行われた"東京芸術見本市インターナショナル・ショーケース"の模様を収めた「清水靖晃+渋谷慶一郎/FELT」。サウンド&レコーディング・マガジンのインタビュー記事によるとライブの収録はKORGのMR-1000を2台使って5.6MHzのDSDで行っていたとのこと。(インタビューの全文はこちら

追記:こちらの作品朝活でレビューします!詳しくは↓↓終了しました。

このDSD配信、サンプリング周波数はSACDと同じ2.8224MHz!まさにスタジオマスターそのものをリスナーに直接届けられる時代が来ました。ところでみなさん。DSDにも、PCMのWAVやAIFFの様にいくつかの規格があるのをご存知でしょうか?


1ビットオーディオコンソーシアム」が策定した1ビットオーディオ・ファイル・フォーマットで、チャンネル数やサンプリング周波数に制限がなく、あらゆる形式の1ビットオーディオ・データに対応できることが特長。


ソニー製パーソナルコンピュータ「VAIO」の一部モデルでサポートしているDSDファイル・フォーマット。


SACD(スーパー・オーディオCD)制作用のプロ・オーディオ機器(レコーダー/ワークステーション/オーサリングなど)で広く採用されているDSDファイル・フォーマット。サイデラ・マスタリングのDSDワークステーション「SONOMA」もDSDIFFを取り扱います。

今回の「清水靖晃+渋谷慶一郎/FELT」のDSD配信には、DSFフォーマットが採用されています。DSFファイルを所定のフォーマットでDVDメディアに記録する「DSD DISC」を作成してPS3などで聴いたり、KORG MRシリーズでも聴くことが出来ますね!(ただしPS3ではDSD→PCM変換が行われます)こちらも高橋健太郎さんの解説がわかりやすいです。「How to enjoy DSD?」

早速購入して、ぼくはKORG MR-2000Sで聴いてみたいと思います!



++告知++
サイデラ・モーニング・セッション#021開催
テーマ:「OTOTOYのDSD配信プレビュー」
日時:2010.9.15 水曜日 9:00AM-10:00AM
場所:サイデラ・マスタリング (PMC MB1 x5.1ch(最寄り駅;東京メトロ外苑前、JR原宿)
参加申し込み:まで、メールにてお名前/年齢/会社名をお知らせ下さい。
この音源制作のワークフローをサウンドアンドレコーディングマガジンの記事から復習し、視聴します。
DSDとは?高音質配信とは?という点も触れていきます。
++

2010/08/31

モニタースピーカーの重要性(その1)「正しくスピーカーを置く」



「TBU! 2010 x SDMモーニングセッション」のアフターアワーではモニター環境についての質問を沢山頂きました。「どのようなグレードのスピーカーを使えば良いですか?」「低音の確認にはある程度の大きさのスピーカーが必要ですか?」もちろんPMC MB1のようなラージモニターを使用すれば低域のバランスから高域の抜けまで全てのレンジを確認することが出来ますが、一番大切なことは正しくスピーカーを置くことです。

(セッティングの基本)
1)スピーカーの高さはツイーターを耳の高さに合わせる。
2)2本のスピーカーと自分の位置は正三角形が基本。
3)スピーカーはしっかりした台又はスピーカースタンドの上に置く。
4)スピーカーケーブルの長さは左右共通。
5)壁から最低30cmは離す。
6)2本のスピーカーの角度をそろえる。

(解説)
1) スピーカーの高さは2ウェイではツイーターを、3ウェイではスコーカーを耳の高さに合わせるのが基本です。同軸スピーカーは軸の中央を、ホーン型のスピーカーはホーンを耳の高さに合わせます。

2) 音楽制作では2本のスピーカーとリスニングポイントは正三角形の位置が基本ですが、セッティングしにくい場合はスピーカーの間隔を少し広げたり狭めても問題ありません。ただし間隔を広げると音は広がり、狭めると音は真ん中に寄って聴こえます。

3) スピーカーはしっかりした台の上に置くことで、音像のフォーカスが合った音を出すことが可能になります。床置きのスピーカースタンドの場合はカーペットの上よりも、フローリングの上に直接置く方が安定します。

4) パッシブ・スピーカーの場合、片側のスピーカーがアンプに近くてもスピーカーケーブルの長さは左右でそろえます。ケーブルも長さが変わると音色、バランスが変わります。パワードスピーカーの場合はL、Rの電源ケーブル、ラインケーブルの長さを合わせます。

5) スピーカーの後ろの壁がガラスの場合、反射が気になります。壁から十分にスピーカーを離すか音作りのときだけ厚手のカーテンで対策して下さい。またスピーカーの後ろにバスレフポートが付いている場合も少し離した方が良いですね。スピーカーと壁の距離は低音の響きと関連しています。低音が必要な場合は壁に少し近づけると出やすくなります。

6) スピーカーの角度は内側の面が少し見えるぐらいを基本にして下さい。

スピーカーの調整には聴き慣れたリファレンスCDを使います。ヴォーカル、キック、スネアがセンターから聴こえるか、広がりは十分にあるか、キックとベースの分離は、ヴォーカルの抜けは、など最初は音の定位を確認して徐々に音のバランス、音質に注目しながら調整するのが良いと思います。

2010/08/30

いよいよTOKYO BOOT UP! 2010 本開催です!

皆様こんにちは。ブッキングの石河です。

サイデラ・マスタリングもコラボレーションさせていただいいているTOKYO BOOT UP! 2010 いよいよ今週の金曜日 9月3日から本開催です♪

TBU!2010はSXSWを下敷きに開催される日本初の音楽見本市
ライブショーケース/スペシャルライブ/映画祭/カンファレンスセミナーなどもりだくさんです。詳細はコチラ


【開催期間】2010年9月3日(金)〜5日(日)
【会場】新宿地区:LOFT/MARZ/Motion/Marble 特設会場他
西新宿5丁目地区:STUDIO DEE/東放学園音響専門学校/
映画専門大学院大学他

◆チケット e+で絶賛発売中です!(1日券 1,500円 2日券 2,500円 3日券 4,000円)→e+のサイトへ
チケットは複数の総合案内所にてガイドマップへの引き換え、ドリンクリストバンドの販売を致します。
★★★お得なペア/4人などのセットチケットはIndies-CD.comにて発売開始!★★★


フェス感覚で各会場を行き来できます。昼間は「THE音楽映画祭」や「セミナー&ワークショップ」を楽しみ、夜はライブ!
ライブショーケースに出演するのはエントリーを勝ち抜いた114組の個性溢れるバンド&アーティストたちです。トップランナーたちのライブを是非お見逃しなく。
(全出演者114組 タイムテーブルはコチラ



★TBU!2010コラボレーション・セミナー&ワークショップ
TBU!2010×Saidera Masteringモーニングセッション
[第1回リポートはこちら]
[第2回リポートはこちら]
[第3回リポートはこちら]
[第4回リポートはこちら]


Saidera Mastering Blog Archives→→→

2010/08/27

ナオト・インティライミ/ありったけのLove Song

どうもMUSHです!

先日はナオト・インティライミさんの3rdシングルのマスタリングがありましたよ!
ぜひチェックしてみてくださいっ!

2010.9.29発売
3rd Single「ありったけのLove Song」
01.ありったけのLove Song
02.LA RUMBA
03.ありったけのLove Song(KARAOKE)
04. LA RUMBA(KARAOKE)
UMCK-5293 ¥1,000(tax in)


2010/08/26

ひまわり畑

どうもMUSHです!

サイデラ・マスタリングはサマータイム!TOKYO BOOT UP!2010xSaidera Mastering モーニングセッションで朝活が盛り上がっていますよ!
スタジオお隣の空き地に近所の小学生たちが育てたひまわりたちと裏手のブーゲンビリアもサマータイムの演出に一役買ってくれています!
ご希望の方には「ひまわりの種」差し上げます。ひまわりの種というと小学生の頃クラスで飼っていたハムスターを思い出します...。

2010/08/25

TBU! 2010 x SDMモーニングセッションアフターアワー

TBU! 2010 x SDMモーニングセッションアフターアワー(スタバにて)番外編


オノ セイゲン:藤木さん、毎回、ほんとうにごくろうさまでございます。
TBUとのコラボでは、若い女の子からベテランのおじさんまで実に幅広く、で、回を重ねるとともにみなさまの知識アップだけでなく、まさにこの中から次世代マーケットをリードする、重要プロデューサーが生まれてくる予感さえありますね。

藤木和人:今回『TBU! 2010 x SDMモーニングセッション』 一番の発見は「知りたい人たちが居る」という事実。ミュージシャンから裏方まで、音楽は守備範囲が広い!

オノ:藤木さんの情熱が伝播しているせいだと思うんですが、当初の予想よりみなさん大変に熱心なのです!TBUの応募のために初めて自宅でデモをレコーディングしたミュージシャンでも、ここだけでも理解してくれれば、何も知らないのとは大違い。

藤木:彼らは、条件さえそろえれば吸収する力(イコール出来るというレベルでなくとも)があるのだと思います。

オノ:若い方々、またバンドには「有言実行力」と「継続」があればもうこわいものなしでしょう。TBUの本番から、いくつもスターが生まれてくるのも近い。

藤木:音って理解するのにすこしだけ時間がかかるので(音はポーズできないから)でも共通の経験、あるいは繰り返し聴くことで、いろんなことが「見えて聴こえてきます」・・・そう思っていたけど、改めてそれは確信になりました。

オノ:第一印象は強力なのですが、どんな音楽が好きなのか、どんな音(録音とか)が良いか、それはイコールその個人の主観によります。それぞれの人生の中で、ファヴァレイトのアルバムがあったりするわけです。それは社会背景や聴いてきたジャンル、あるいは評論家やまわりの友人たちといったバイアスまで含めて、繰り返し聴いていると、今まで自分一人で聴いてるときには気がつかなかった部分(例えば、森崎の講座でもありましたが、ミキシングがよいのか、マスタリングがよいのかを分析したり、あるいはバックのドラマーとベースのグルーブがやっぱりすごかったのか)などが、発見できたりして、それはそこで共通の経験となっていくわけです。そんな重大なことが、なにげなくこの朝の勉強会の場で、遠慮なくディスカッションされているのをみていて、嬉しくなりました。

藤木:もうひとつ勉強になって大切だとおもったのはネットワーキングです。いろんな人たちがあつまって、いろんなことを教えてくれました。またいろんなレベルのQ&Aがあり、これがまたよかった。JMWのパーティーのときに僕がお声がけせずセイゲンさんがSDMのキャンペーンのフライヤーをくれなかったら、僕は今回すっかり忘れていたとおもいます。それを思いだすと、今回、朝から集ったみなさんには、今後も互いにネットワーキングをしていただきたい気持ちでした。

オノ:ゲスト講師はボランティア、参加者も無料で行っている勉強会ですが(来ていただいてる方には分かりますが)、来られなかった方、また「朝はちょっと・・・・」と夜型の方々にも(徹夜あけで来るとか)、まずは興味をもってもらうことですね。


藤木:今後ですが、まだまとまっていませんが、
★気軽に音の世界、音のちょっと深くていい世界への入り口としていい存在をしたいと思います。
〜朝活は業界の良心です!〜(場所とノウハウの提供ももちろんありがたすぎる!!)
★今回のような内容をまるっともう1回やってもいいのかも、というかライフワーク?とも思いました。
★音、音楽のために情熱あるグループの再発見(80年代は大勢居ました)と研究

★Web/IT業界など音についてのナレッジが未完成な、しかし多くの音を扱う業界との交流。
★Blog、Twitterなどを通じて気軽に教え合えたり、出張できるような小回りもいいかも!
などメモ的に思っています。
みなさんありがとうございました、これからもよろしくお願い致します。

オノ:みなさまそれぞれに(ライブバンド、レコーディングしかしない人、ダウンロード、レコード会社A&R、それらを支える人、酒場で会う人などいろいろ)直接に、なにかシェアできる情報を提供しつつ、人のネットワークを最大限利用して、「気軽に」サイデラ・マスタリングにくれば、今まで気がつかなかったこと、または再確認したかった内容や音も、しっかり自信もって音楽をつくっていける環境を提供していきたいと思います。TBU本番に向けて、またそのあとも来年に継続して、遠慮なくどんどんいきましょう。


「TBU! 2010 x Saidera Mastering モーニングセッション」
 第6回:8/26(木)朝9:00-10:30 30分拡大です。
「8トラックDSD ライブレコーディング」講師:オノ セイゲン


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エンジニアの視点から(ROCK編)



TBU!2010×Saidera Mastering モーニングセッション第5回ではエンジニアの視点でジャンルによるバランスの違いを解説しました。参加した人にも、参加できなかった人にもわかる『ROCK』の音作りについてすこし補足。今、ROCKのジャンルで最も注目されているエンジニア Chris Lord-Alge、Tom Lord-Alge のサウンドについて。

試聴・解説したCDはこの2枚。
「Green Day / Nimrod」Engineer: Chris Lord-Alge


「BLINK 182 / Enema Of The State」Engineer: Tom Lord-Alge


Green Dayのサウンドはドラムスの音像が大きくベースラインは太さよりもラインを強調しています。ギターは広がりよりもある程度COMPがかかったピークの無い厚みのあるサウンドですがAメロのリフをバッチリ聴かせているところはさすがです。ヴォーカルの声質も暖かみがあります。ファットでドライなサウンドがChris Lord-Algeのサウンドの特徴です。これだけドラムの音像が大きいのにどの楽器もヴォーカルもしっかり聴こえる音作りは本当にすごい。

一方、BLINK 182のサウンドは緩急を付けたサウンドが特徴です。ドラムスはキックとスネアはしっかりコンプがかかっていますがシンバルにはそれほどかかっていません。ベースはラインよりも太さを強調し低域をしっかり支えています。ギターのサウンドもナチュラルで広がりがありリフがしっかり聴こえる音作りになっています。ヴォーカルは透明感があり歌詞がしっかりと聴き取れます。Tom Lord-Algeのバランスはナチュラルなギターとシンバルで広がりを表現しタイトなキックとスネア、ヴォーカルの対比が見事です。ギターアンプが鳴っているスタジオの空気感まで体感出来るサウンドです。

二人の音作りで注目して欲しいポイントはパンニングのふり方。例えばギターだったらどのような音色でどこに定位させているか、限られたレンジの中に上手に音を配置する秘密をぜひクリティカルリスニングしてみてください。

P.S.
WAVES Chris Lord-Alge SignatureはChris Lord-Algeのテクニックをプラグイン化したモデルです。