2014/11/27

「はっぴいえんど」写真展〜渋谷ギャラリー LE DECO5〜



写真家の野上眞宏さん(通称マイクさん http://www.mikenogami.com)が開催している「はっぴいえんど」写真展に行ってきました。サイデラ・マスタリングからSONYのSACDプレーヤー「SCD-1」と「SHIZUKA Stillness Panel」をお届けしたついでに、展示を見せていただきました。

今回の写真展は写真集アプリ「野上眞宏Snapshot Diary」(http://nogamisnapshot.com)の発売記念で、11月26日(水)から12月7日(日)まで渋谷のギャラリーLE DECO5で開催しています。(http://ledeco.main.jp/?p=11384

「はっぴいえんど」写真展
会期…2014年11月26日(水)~12月7日(日)※月曜日休館
開催時間…午前11時~午後7時 ※最終日曜日(12月7日)は午後3時まで
入場料…1000円 ※Snapshot Diaryポストカード7枚組セット付

写真集アプリ「野上眞宏Snapshot Diary」は、マイクさんが1960年から写真日記として撮りためていた15000カットから厳選した4000点以上の作品を修復、デジタル化した写真集iPad専用アプリです。写真をスキャンするのに3年、1枚ずつ傷や汚れを補正に2年。スキャンしてはストレッチ、補正してはストレッチをしながら5年間も身を削って製作し寿命が縮む思いだったとのことです。ふつう本の写真集だとせいぜい200枚くらいしか入らないですよね。


iPadでアプリを見せていただきました。写真日記というように、1つの写真に日記のように文章が入っています。年代ごとに見られるので月日を追って見るとマイクさんの人生を垣間見たような気持ちです。ヒッチハイク、ディスコ、ニューオリンズ、ミーターズ、若き日のマイクさんもワクワクしただろうなと感じ取れるような写真です。東京と文京区を走る都電江戸川線、今は荒川線しかないですよねなどとお話をしながら、昔の東京の写真でいろいろ教えてもらいました。アプリには写真の他にもエッセイ、レコードコレクターズの連載、写真集アプリならではの検索機能もあり、例えば「犬」と検索すると犬の写真がピックアップされます。ならではですね!マイクさんはエッセイで父親のことも書いてるんだよーと言っていました。すべて見ようとすると何ヶ月かはかかるぐらいの見応えのアプリです。

今回の写真展は、その中からさらに厳選しマイクさんが一枚ずつ紙焼きにして額装したもので、はっぴいえんどと共に1970年代の東京を感じられます。若き日の4人の写真、凄くカッコイイです。今回もそうですが、CDジャケットの何十年前のアーティスト写真を見て古く感じなくてカッコいいなと思うことがよくあります。トレンドも素敵ですが「自分のスタイル」はもっとカッコイイなと思います。この写真があのジャケットで使われていたのか、など思いながら堪能してきました。

もうひとつのお楽しみ!
写真展では、はっぴいえんどの音楽がハイエンドオーディオの音質で聴けます。なんとマニア垂涎のマーク・レビンソンのシステムがずらり!スピーカケーブルも40万円くらいするので(メーカー忘れました)、それにつりあうCDプレーヤーが必要で、急遽、サイデラ・マスタリングのリファレンスプレーヤーのひとつSONY 「SCD-1」(http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/199904/99-002/)を持ち込みました。SONY SCD-1はスーパーオーディオCDプレイヤーの1号機で、重さは30kgですが、「重たいものも楽しく持つ」はサイデラ・インターンシップの心得です。SCD-1に替えると「ようやく音が合った。」とはマイクさんの第一声。SHIZUKA Stillness Panel(http://www.shizuka-ssp.jp)をスピーカーの後ろに設置。設置前の響き気味の音から、設置後は不要な響きが抑えられ音がまとまり聴きやすくなりました。「奥行きが出た」とマイクさん。「はっぴいえんど」写真展は12月7日(日)までです!ぜひ写真と音を楽しみに行ってください。



「重たいものも楽しく持つ」
Photo by Kiko Matsuyama

そして夜は新代田FEVERにTHE SUZAN(https://www.blogger.com/profile/08456137548324217372)のライブを見に行ってきました。マイクさんがニューヨークでTHE SUZANを撮り続けたドキュメンタリー映画「The First Step」はご存知でしょうか。こちらは12月5日(金)・6日(土)に渋谷ギャラリーLE DECO5で上映されます。楽しみです。私は5年程前に下北沢でTHE SUZANのライブを見てとても印象に残っていたので、また見られてとても嬉しかったです。

心に残ることを、写真や音で形にする人がいるということは素晴らしいなと思った1日でした。









サウンド&レコーディング・マガジン2014年12月号「IZOTOPE RX 4」レビュー

チーフエンジニアの森崎です。発売中の「サウンド&レコーディング・マガジン 2014年12月号」でオーディオのノイズ除去や修復を実現するソフトウェア 「IZOTOPE RX 4」のレビューを書かせていただきました。


IZOTOPE RX 4はシンプルなオペレーションで確実なノイズ処理ができるツールですMac/Windowsで動作するソフトウェアで、スタンドアローンまたは64bitAAX/RTAS/AudioSuite (Pro Tools 9-10)/VST/Audio Unitのネイティブプラグインとして動作します。RX 4にはそれぞれが特定の種類のノイズや歪みの修復に特化した5つのモジュールのDeclip/Declick/Remove Hum/Denoise/Spectral Repairと、それを補助する6つのツール、PLUG-IN/GAIN/Equalizer/Channel Operetions/Resample/Ditherを搭載しています。詳しい機能を紹介したいところですが、そちらはぜひ「サウンド&レコーディング・マガジン 2014年12月号」で!


実際に使ってみるとRX 4にはあらゆるノイズを除去又は軽減できるツールがすべて揃っています。プリセットやオートの設定がとてもよくできていて、マスタリングにおけるノイズ除去にも十分な効果がありました。RX 4は演奏は素晴らしいのに一箇所の歪みやノイズのためにNGにしていた音源を救うことができる素晴らしいツールです。

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電話でのお問い合わせ→03-5410-6789
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2014/11/25

Point of No Return - OTOTOY DSD SHOP 2014

どうもMushです!

年の瀬は、お気に入りのヘッドホン/イヤホンを持って渋谷ヒカリエに行こう!2014年も残りあとわずかですが、1年の終わりにとっても面白いイベントが開催されます!「OTOTOY DSD SHOP 2014」。DSD配信を牽引するOTOTOYが用意する、だれでも「DSDを知る」「DSDを聴く」ことができる場所、それが「OTOTOY DSD SHOP 2014」です!
http://ototoy.jp/feature/20141118001

2014年は5.6MH DSDに対応したDAコンバーター(DAC)やデジタルオーディオプレイヤー(DAP)が一気に増えたので、どんなDSD対応機器でDSDを体験できるのか、今から楽しみです(写真は去年の「DSD SHOP 2013」で視聴できた機器の一部です)。これから発表される開催期間内に行われるイベントも間違いなくいい内容なので、ぜひ参加してください。ぼくもSONY MDR-EX800STを持参して行ってきまーす!

OTOTOY DSD SHOP2014とは?
OTOTOYでは、近年巷で話題の“ハイレゾ(Hi-Resolution)”という、CDよりも高音質のデジタル・オーディオ・データを精力的に取り扱っております。そのハイレゾや、ハイレゾのなかでも最高峰の音質と謳われるデジタル・オーディオ・フォーマット、DSD(Direct-Stream-Digital)をご紹介するイヴェントです。

2010年よりDSD音源の配信を始め、様々な形でハイレゾひいてはDSDを提案し続けてきたOTOTOYが、実際にユーザーがその音を体感出来る「場」を作ろうと考え、協賛各社にご賛同いただいて実現したのがこのOTOTOY DSD SHOP。“SHOP”と銘打ちながらも、販売をする場ではなく、展示やライヴ、トークなど様々な形で「ハイレゾを知る」、「ハイレゾを聴く」、「DSDを知る」、「DSDを聴く」ことが出来る場所を提供します。

■ 会期
2014年12月9日(火) ~ 2014年12月15日(月)まで

■ 営業時間
OPEN 10:00 ~ CLOSE 21:00
12月9日(火)のみOPEN 12:00
12月15日(月)最終日はCLOSE 19:00
営業時間はイベントの開催などにより若干の変更があります。

■ 開催期間内イヴェント
2014年12月12日(金)〜2014年12月15日(月)の間、多数イヴェント開催予定
※イヴェント内容に関しましては、随時発表します。

■ 料金
無料

■ 場所
シブヤ ヒカリエ 8/(ハチ)内aiiima 1+2+3
(ただし、12月9日から12月11日までは2+3のみ)
東京都渋谷区渋谷2 - 21 - 1号 渋谷ヒカリエ 8/(ハチ)内
http://www.shibuyamov.com/aiiima/index.html

■ アクセス
http://www.hikarie.jp/access/index.html


2014/11/21

Inter BEE 2014に行ってきました!


11月19日(水)〜21日(金)までの3日間にわたり幕張メッセで開催されているInter BEE 2014の1日目に行ってきました。


人だかりができていたのがSONYさんのブース(映像・放送関連機材部門 /ホール3 /#3117)。大画面4Kでみる世界遺産は見応えがありオススメです。この写真は加工を加えていません。


Avidさんのブース(映像・放送関連機材部門 /ホール2 /#2116)。「ProTools I s6の直感的な操作でMA作業を効率化」というデモンストレーションを受けてきました。サウンドエンジニアさんの真後ろの席でプロのオペレーションを見ることができました。サイデラ・マスタリングでも指導を受けているのと同じだったのが、すべてが最短で無駄な動きがないことと、トラック分けなどは見た目の色分けをしっかりと行ない直感的な判断ができるようにしていたことです。立見のかたもたくさんいたので早めに席に着くのがオススメです。


私が1番興味があったのがRMEさんのブースです(プロオーディオ部門 /ホール1 /#1608)。サイデラ・マスタリングでもリファレンスコンバーターになっているRMEの、Fireface UCXをDAコンバーターに使用して、株式会社アコースティックフィールドさんが製作しているHPL音源が試聴できます。


HPL音源とは?以下資料より
「ヘッドフォン&イヤホンでの音楽再生に音源を最適化される制作技術です。制作サイドが意図したミックスバランスの音楽が、そのままの形で今や主流となるヘッドフォンやイヤホンでも音楽を楽しむ人の耳に届きます。ミックスバランスの崩れていない一体感のある自然な定位感を楽しめます。音が頭内に定位しないので疲れにくく聴きやすいです。音楽配信サイトで、普段ヘッドフォンやイヤホンがメインの人はこのHPL音源を、スピーカーがメインの人は従来の音源をダウンロードし音楽を楽しむ。そうした選択肢がこれからのスタイルです。」
詳しくはアコースティックフィールドさんのHPをご覧下さい。http://www.acousticfield.jp/HPL/index.html
実際HPL音源を聴いてみて、ヘッドフォンで聴いても空間があり、とても聴きやすかったです。もっと色んな音楽で聴いてみたいです。是非RMEさんのブースに行かれる際は聴いてみてくださいね。

色々なブースで資料をGETしてきたのでこれから読んでいきます。


今日は最終日ですね。お楽しみください♩

2014/11/20

Inter BEE 2014でSHIZUKA Stillness Panelが体験できます!


11月19日(水)-21日(金)までInter BEEが幕張メッセで行われています!Inter BEEは今年が50回目ということ。節目の年で、会場は多くの人で賑わっています。

ブース#1512 SHIZUKA Stillness Panel では、本日11月20日(木)オノ セイゲンが「プライベートスタジオのモニター環境」について数回プレゼンをおこないます。時間はブースにてご確認ください。各15分程を予定、 相談などにも応じます。

レコーディング・スタジオ、マスタリング・スタジオなどはもちろん、音楽のある場所、環境には、不要なノイズ、騒音をシャットアウトして、つまり静寂な空間であることがもっとも重要です。従来のプロ用の音楽スタジオや放送局のスタジオは、外部からの振動が伝わらないよう、また内部での音楽や音がとなりの部屋に伝わらないようにするため、スタジオの床を建物から浮かせる構造と、建物の中にさらに部屋をつくる二重壁構造になっています。壁の間の空気層は、30~50cmの厚さでグラスウールをつめて必要な吸音 / 遮音性能を確保しています。グラスウール30センチの厚さとほぼ同等の吸音 / 遮音性能を、わずか35ミリ厚で実現したのが『SHIZUKA Stillness Panel』です。


無響室の中にはEclipse TD-M1が設置されています。ECLIPSE TDシリーズスピーカーの設計思想である「正確な音」も一緒に体験できます。


そして、おとなりのOTARITEC #1514では、日本初公開 GENELEC 「G8351APM」SAM 3ウェイモニター の視聴ができます。その背面に「SHIZUKA Stillness Panel」を発見。Inter BEEへ起こしの際は是非ブースにお立ち寄りください!




2014/11/19

【伊藤ゴロー+ジャキス・モレレンバウム/ランデヴー・イン・トーキョー】本日発売!


ボサノバ・ギタリスト/作曲家/プロデューサーである伊藤ゴローさんとブラジルのチェリストジャキス・モレレンバウムさんの共演によるアルバム【ランデヴー・イン・トーキョー】が本日発売です!マスタリングはCD、ハイレゾともオノ セイゲンが担当。ハイレゾ版も、e-onkyoで配信スタートです!

「これまでもレコーディングやステージで共演を重ねてきた二人が、遂に双頭アルバムを制作。今年没後30年となるアントニオ・カルロス・ジョビンが残した名曲に加え、二人のオリジナル曲を収録しています。3曲ではジャキスの妻であるヴォーカリスト、パウラ・モレレンバウムが参加。さらに、18歳のジャキスとパウラの娘ドラも1曲に参加(これが公式には初録音)。妥協を許さない真摯なミュージシャンによる演奏は、ブラジル音楽の芳醇な魅力を現在に伝えてくれます。」※

※ユニバーサルミュージックWEBページより引用:
http://www.universal-music.co.jp/ito-goro-jaques-morelenbaum/products/uccj-2119/


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アーティスト名:伊藤ゴロー+ジャキス・モレレンバウム
CDタイトル名 : ランデヴー・イン・トーキョー
定価 : 3000円+税
レーベル : VERVE
発売元:ユニバーサルミュージック
レコード番号:UCCJ-2119

【収録曲】
1. 三月の雨
2. ユリディスのワルツ
3. ルミネッセンス
4. インセンサテス
5. グラスハウス
6. ショーロ(ガロート)
7. サビア―
8. デイジーチェーン
9. 平和な愛
10. パッサリン
11. フィル・ハイカイ




2014/11/18

サイデラ・マスタリングでハイレゾマスタリングを体験しよう!(その4)おすすめ作品の紹介

チーフ・エンジニアの森崎です。ハイレゾの楽しみ方シリーズの最終回は僕がマスタリングしたおすすめの作品を紹介します。



ひとつは「JiLL-Decoy association / Lining e.p.」です。この作品はKORG社が開発した世界に3台しか存在しないClarityというDSD5.6MHz対応のマルチトラックレコーダーで録音、ミックスした音源です。
ハイレゾの配信が始まったばかりの2012年当時はDSD2.8MHzしか配信できなかったのでDSD5.6MHzの演奏の緊張感、空気感、息遣いをDSD2.8MHzでどうやって表現するかをメンバーと一緒に思考錯誤しました。
最終的に採用したのはラインケーブルと電源ケーブルの選択のみでニュアンスの微調整をする、音色の良さを最大限に活かした色付けのないマスタリングでした。EQやコンプを使えないのでこれだ!という音を見つけるために、音色の違いをメモしながらスタジオのケーブルをほとんどすべて聴き比べたのを覚えています。
まるでCHIHIROさんが目の前で歌っているかのような優しくふわっと広がるボーカルの美しさをぜひ楽しんでください。




もうひとつは「ヲノサトル / ROMANTIC SEASON」です。ヲノさんが提唱しつづけている“ムード・エレクトロ”というサウンドは、ナチュラルで甘いメロディーとキレのあるノイズ融合させた音楽です。この作品は48kHz24bitのwavデータをDSD5.6MHzにアップコンバートしてからアナログEQとコンプでマスタリングしています。アップコンバートすることで音色の繊細なファイナルタッチが可能になります。DSDなら小さな音にもより表現力があります。音が出る瞬間、消え際の余韻までそのまま再現できるんです。今作ではぜひノイズとシンセの響きに注目してください。これだけ粒子の細かい生命力のあるノイズとフレーズの重なりまでわかるシンセの音は44.1kHz16bitのCDフォーマットでは再現が不可能です。

ハイレゾのマスタリングをしていると、ボリュームを確認することがよくあります。演奏の細かいフレーズまで良く聴こえるのでいつもの音量レベルよりも大きく聴こえるんです。
同じような体験をクラッシックのコンサートやJAZZのライブでも体験できます。けっして大きな音ではないのに演奏がすっと入ってきます。

ハイレゾの音はリスナーが自宅にいながらスタジオで聴こえている音や生演奏に近い体験をできることが一番の魅力ですね。
サイデラ・マスタリングではCDのマスタリングのときに手軽にハイレゾの体験をすることができます。ハイレゾのリアリティ溢れる音を是非体験しに来てください!


このシリーズのバックナンバーはこちら→
(その1)「ハイレゾマスタリング、2つのフォーマットで異なるプロセスと仕上がり」
(その2)「CDとハイレゾマスタリングはここが違う!」
(その3)「ハイレゾの楽しみ方」

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2014/11/14

サイトウ・キネン・フェスティバル松本/レコーディング舞台裏(最終回)

ライブレコーディング・エンジニアの西沢です。サイトウ・キネン・フェスティバル松本のレコーディング舞台裏、最終回はサイトウ・キネンの現場ならではのエピソードをご紹介します。

とある曲目でステージ上に所狭しと並んだピアノとオーケストラ。客席側からピアノ、指揮者の順なので、ピアノの蓋に隠れて小澤監督が見えないという事態に……ところが、選りすぐりのステージスタッフによる楽器配置はパズルのような完成度で、すでに動かしようがありませんでした。

そこで、リハーサル中にピアノの蓋を「半開」にしてみるのですが、それはそれで音が犠牲になってしまいます。さてどうしたものかとスタッフ陣が検討を重ねた結果、「指揮者が見えるギリギリのラインまで蓋を開く特注の突上棒」をその場で急遽作ることになったのです。

リハーサルが終わると、舞台袖では調律師さんが本番に向け作業開始、音の響き具合も変わるので、録音のためのマイクロフォン位置もさっそく見直します。リハーサル後に位置を変えているので、技術的リハーサルのない「ぶっつけ本番」での録音は勘と経験(と度胸!)が頼りです。

このように「リハーサルと本番が違う」ことは珍しくありません。状況に合わせて常に臨機応変に動かなければならないわけですが、サイトウ・キネンのスタッフには、この違いを楽しんでいるかの様な雰囲気があります……これはともすると「齋藤秀雄の生き方」が大きく影響しているのかも知れません。

サイトウ・キネンの公式ホームページに、こんな一文があります。

――齋藤秀雄は、近衛秀麿に随伴して渡独、約半年をベルリンですごしたあと、近衛と別れてライプチヒに移り、そこの王立音楽学校に入学、クレンゲル教授に師事することになった。(中略)齋藤秀雄は、クレンゲル校訂の楽譜で練習し、それを携えて教室に赴いた。ところがクレンゲル教授は、「この曲の指使いは私が指示したのよりも、カザルスの方がずっといい。(中略)」と述べて、自分の指使いを消してカザルスのを書きこんでくれた。(中略)――そして、自分の信条をもちながら、よりよいものを求めて、あえてそれを修整する姿勢は、教育の場における齋藤秀雄の後半生の生き方の中にも、いつしか移し植えられていたのであった。(引用おわり)
 (リンク)http://www.saito-kinen.com/about/hideosaito


サイトウ・キネンの現場はまるで “生き物” のように、つねに「よりよいもの」を求めて日夜変化しつづけています。だからこそ、一ヶ月間にも及ぶ音楽祭でありながら、日々新しい発見があるのでしょうね。


さて、私事ですが、エンジニア西沢は長野県へ移住することとなりました。サイトウ・キネン・フェスティバル松本(セイジオザワ松本フェスティバル)をはじめ、長野には軽井沢国際音楽祭や木曽音楽祭、NAGANO国際音楽祭などといったすばらしい音楽文化があります。長野県はもちろん、日本全国からの録音のご依頼、お待ちしています♪



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2014/11/11

【DJ EMMA/Emma House Xix Mouse-colored Cat】本日発売!



DJ活動30周年の節目を目前に控える日本屈指のハウスDJ、DJ EMMAさん。不動のミックスシリーズ「EMMA HOUSE」が5年ぶりの復活、19作目「Emma House Xix Mouse-colored Cat」が本日リリースです!
マスタリングはサイデラ・マスタリングのチーフ・エンジニア森崎が担当。EMMAさんがKORGのMR-2000をスタジオに持ち込み、サウンドと世界観をそのまま伝えるためにDJの現場と全く同じ実機でマスタリング。ベースのうねりとグルーヴを活かし、聴いたら踊りたくなるようなサウンドに仕上げました。

このシリーズについて語られたインタビューから、EMMAさんの音楽に対するスタンスも伝わってきます。
「自分にとってはミックスCDって、大げさかもしれないけど、生き方そのもの。失敗したらやり直せるコンピューター・ミックスじゃないというのはその証でもある。アスリートと一緒で一発勝負。一回失敗したら取り返しがつかないところに本質があると思って、ずっと追い求めてきた。 このシリーズが続いているというのは、結果的にそういう気持ちが聴いている人にも伝わってるのかなと思いますね。 」※

※HMVインタビューより引用
http://www.hmv.co.jp/en/news/article/1411070043/

ライフワークとして、自身の人生そのものを投入してきた「EMMA HOUSE」シリーズ。今作は定番アンセムから最新のヒットまで織り交ぜられた刺激的なアルバムになっています!

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アーティスト名:DJ EMMA
CDタイトル名 : EMMA HOUSE XIX MOUSE-COLORED CAT
定価 : 2700円(税込)
レーベル : Nitelist Music
レコード番号:FECD-1

[収録曲]
M1. DREAMS(DJ TOOLS version) / VINTAGE LOUNGE ORCHESTRA
M2. MAN WITH THE RED FACE(ATFC “When The Light Go Up” REMIX
/MARK KNIGHT&FUNKAGENDA
M3. AIR ALERTNESS(MALAWI ROCKS REMIX)/ OMB&DJ OGAWA
M4. SAY IT/ROYKSOPP&ROBYN
M5. ZANZIBAR(MALAWI ACID DUB))/MONDAY MICHIRU
M6. STRANDBAR/TODD TERJE
M7. BREAK THE DAWN/CRYSTAL
M8. BELIEVE IN LOVE(DIRECTOR’ S CUT VOCAL MIX)/DAWN TALLMAN
M9. CERO(HARVEY REMIX)/ GALARUDE
M10. TUNER’ S HOUSE/L.B.DUB CORP(LUKE SLATER)
M11. BACK IN THE DAYS
/NICKODEMUS FEAT.BAM(THE JUNGLE BROTHERS)& THE REAL LIVE SHOW!
M12. WHAT YOU NEED(ENZO ELIA BALEARIC GABBA EDIT)
/SOFT HOUSE COMPANY
M13. FINALLY (PLANET-E MIX)/TERRENCE PARKER




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2014/11/10

あうん「ときはなつ」DSDマスタリングを終えて 特別インタビュー (その3)


あうん「ときはなつ」DSDマスタリングを終えて 特別インタビュー (その3)
「一番好まれているのは緊張感ですね。「再生した時の空気感が」って言っていただけるので、狙い通りです」
インタビュアー: Mush(Saidera Mastering)

作曲家TommyTommyさんとヴォイスアーティスト赤い日ル女(あかいひるめ)さんのユニット「あうん」。1stアルバム「ときはなつ」を2014年夏にリリースしました。今回は、サイデラ・マスタリングでDSDマスタリングを体験したお二人に、それぞれの音楽観からアルバム制作の裏側まで、幅広くお話をうかがいました。

(その1)はこちら→http://saideramastering.blogspot.jp/2014/10/dsd-1.html
(その2)はこちら→http://saideramastering.blogspot.jp/2014/11/dsd-2.html

TommyTommy:各曲3テイクくらいずつ録音したかな?これジャズの人たちとやり方が似てるんですよね。ジャズ界の方からは「音楽性が面白い」とか「実験的なことをやっているんだけど聴けてしまう不思議さがあるね」とか言っていただけて。でも一番好まれているのは緊張感ですね。「再生した時の空気感が」って言っていただけるので、それは伝わっているというか、狙い通りです。森崎さんとはこれまでも何度か一緒に仕事をやらせてもらいましたが、作業の流れとか、コミュニケーションの仕方とか。つまりどれもがセッションで、そうやってできあがったものはやっぱりいいんです。
あとは今作「ときはなつ」はぼく自身がミックスしましたが、自分がもう無理だなっていうところまでやりきったミックスがマスタリングでさらにどうなるのかがやってみたかった。DSDマスタリングでやったのは狙い通りでした。DSDについては確信がもてるようになったのは現場にきてからでしたが。プラグインも使えないですからね。でもサイデラ・マスタリングのモニターで聴いて、「めちゃくちゃいいじゃないか!」と思って。

Photo by 加奈枝


Mush:マスタリング前後の比較の印象は?

TommyTommy:線画で書いた2Dのアニメーションが3Dになったというか。奥が本当にできてきて。特にノイズ音楽とかって空気の中に塵が舞っているのが光の加減で綺麗に見えるなあみたいな、そういうものだとも思っているので。細かな塵にまで光が差し込んだというかそういう印象がありました。

赤い日ル女:レコーディングしているときから音のイメージはあったんです。ただ、曲って、生まれた瞬間から、わたしとは別の意思をもって育ってゆくので。たとえば、わたしはこうしたいけど、この子にとってかっこいいかどうかは、また別で。だから、ちゃんと音をきいて決めようと思ってました。マスタリングをしていただいた日の最初に、PCMとDSDをきき比べて、それで、DSDに決めました。確信をもって、もう説明なんてなしに、よい!と言える作品になったと思います。

Photo by 加奈枝


Mush:次作についてはなにかお考えですか?

TommyTommy:いま、曲を書きつつ、まだ全体像が見えないのでどうなるかはわからないですけれども。今度はDSDレコーディングでつくりたいなあ、と思っています。やることは今作とかわらないですからね。そして、皆さんもチャンスがあればDSDマスタリングを体験するといいなぁと思います。耳がすごいチューニングされるというかそういう実感がありました。自分が出した音で聴き比べるとこうなるんだっていうのが明確になるので。


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あうん「ときはなつ」DSDマスタリングを終えて 特別インタビュー (その1)
http://saideramastering.blogspot.jp/2014/10/dsd-1.html

あうん「ときはなつ」DSDマスタリングを終えて 特別インタビュー (その2)
http://saideramastering.blogspot.jp/2014/11/dsd-2.html

あうん「ときはなつ」DSDマスタリングを終えて 特別インタビュー (その3)
http://saideramastering.blogspot.jp/2014/11/dsd-3.html


アーティスト名:あうん
CD名:ときはなつ
定価:1,500円(税抜き)

<収録曲>
なにもないせかい
しろいからすのうた
ときはなつ
きゅーあい
なにもないせかい(Remix by Carl Stone) 

※お問い合わせはahumuha@gmail.comまで

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今後のライブ予定

11月11日(火)白楽 Bitches Brew
     24日(月・祝)渋谷 GUILTY
     25日(火)新宿 OREBAKO
     26日(水)横浜 GALAXY

12月 11日(木)新宿 OREBAKO
      23日(火・祝)白楽 Bitches Brew

お問い合わせ/ライブオファー/ご予約は:ahumuha@gmail.com
blog:http://ahumuha.blogspot.jp/ 


2014/11/07

あうん「ときはなつ」DSDマスタリングを終えて 特別インタビュー (その2)

Photo by 阿部 章仁

あうん「ときはなつ」DSDマスタリングを体験して 特別インタビュー (その2)
「お金をかけていい機材を使ってノイズが全くない音が「いい音」ではない」
インタビュアー: Mush(Saidera Mastering)


作曲家TommyTommyさんとヴォイスアーティスト赤い日ル女(あかいひるめ)さんのユニット「あうん」。1stアルバム「ときはなつ」を2014年夏にリリースしました。今回は、サイデラ・マスタリングでDSDマスタリングを体験したお二人に、それぞれの音楽観からアルバム制作の裏側まで、幅広くお話をうかがいました。

(その1)はこちらから→http://saideramastering.blogspot.jp/2014/10/dsd-1.html


Mush:ラップトップをやめて、一発録りにして、DSDでやるっていうのは全て繋がっているように感じました。TommyTommyさんのこだわりというか、イメージされていたものがすごく伝わってきます。ぼくとTommyTommyさんとの出会いはサラウンド寺子屋塾でしたね。

TommyTommy:同じ場にセイゲンさんもいました。実はセイゲンさんの作品にも今回のアルバムで参考にした曲があります。その頃からの蓄積が形になっているとは思います。DSDって何?高音質って何?ということにはじまって。「いい音」って、お金をかけていい機材を使ってノイズが全くない音が「いい音」ではないと思いました。そういうことを学んできて、それがこのユニットで活きていると思います。録音もライブ一発録音だったので、よく聴くと外のカラスの音がそのまんま入っているところがあったり(笑)。ノイズ除去を細かくやった曲もあれば、緊張感や空気感が消えてしまうなと思ったものについてはノイズをそのまま残すという判断にしました。

Photo by 阿部 章仁


Mush:それはまさにTommyTommyさんの考える「いい音」とは、ということですね。

TommyTommy:オーバーダビングはほとんどしていません。ちょっとボーカルをループさせたりしたくらいで。ライブでできることしかやりませんでした。日ル女さんが「歌い直したい」って言っても、断りました(笑)。

Mush:日ル女さんは一発で録るよと言われたときはどう思いましたか?

赤い日ル女:一発録りというのは、わたしの中にもあって。それは、セッションやライブを重ねるうちに、緊張感とか気持ちよさとか、ぐわってくるものを、わたし自身、一番感じられるのが、TommyTommyさんと、せいの!であわせたセッションだったので。そういう「生」を、作品にしたかったんです。



Photo by 阿部 章仁


TommyTommy:ぼくの中に、やるにあたってコンセプトに合っていたらNGは出さないというのがありました。例えばレコーディング本番で日ル女さんが、リハでも一回もやったことないものをいきなりぶち込んできたりするんですよ!急に!(笑)。

赤い日ル女:ありましたね、そういえば!録っていて、思いついて、やりました。

Mush:全体の構想みたいなものはありつつも即興の要素もしっかりあったと。

TommyTommy: 即興に関して言えば、大まかなあらすじは決まっているんですが、例えば、赤ずきんちゃんで、 「あれ?今日は、おばあちゃん食われるのちょっと早いな」とか、 「おや?今日は、おばあちゃんの食われる描写がちょっとエグいな…。」みたいな。

赤い日ル女: わたしたちの音楽には、物語のあらすじはきまってるけど、毎回話し方がちがう、というおもしろさがあります。ライブもまさにそんな感じで。その中の一つが、このCDに録音されています。

あうん「ときはなつ」DSDマスタリングを終えて 特別インタビュー (その1)
http://saideramastering.blogspot.jp/2014/10/dsd-1.html

あうん「ときはなつ」DSDマスタリングを終えて 特別インタビュー (その3)
http://saideramastering.blogspot.jp/2014/11/dsd-3.html

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アーティスト名:あうん
CD名:ときはなつ
定価:1,500円(税抜き)

<収録曲>
なにもないせかい
しろいからすのうた
ときはなつ
きゅーあい
なにもないせかい(Remix by Carl Stone) 

※お問い合わせはahumuha@gmail.comまで

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今後のライブ予定

11月11日(火)白楽 Bitches Brew
     24日(月・祝)渋谷 GUILTY
     25日(火)新宿 OREBAKO
     26日(水)横浜 GALAXY

12月 11日(木)新宿 OREBAKO
      23日(火・祝)白楽 Bitches Brew

お問い合わせ/ライブオファー/ご予約は:ahumuha@gmail.com
blog:http://ahumuha.blogspot.jp/ 


2014/11/06

サイトウ・キネン・フェスティバル松本/レコーディング舞台裏(その2)

ライブレコーディング・エンジニアの西沢です。前回からサイトウ・キネン・フェスティバル松本のレコーディング舞台裏についてご紹介しています。

(その1)はこちら→http://saideramastering.blogspot.jp/2014/10/blog-post_14.html

サイトウ・キネンの大きな魅力のひとつは、いわゆる常設のオーケストラとは違って、フェスティバルのためだけに一流の演奏家が世界各国から一堂に会すること。本番はもちろんですが、リハーサルにも独特の雰囲気があります。世界最高峰のメンバーが集まるだけあって、普段は一緒に演奏していないにもかかわらずリハーサル一発目から素晴らしい演奏! このリハーサルも可能な限り記録として録音するわけですが、本番に向けて高みを目指す音楽家の中には

「今のリハーサルの録音、CDで欲しい!」

とおっしゃる方も。録音チームも心得ていて、複数のマイクロフォンを使用するマルチ・マイクのやり方であってもリアルタイムでCDにダイレクトミックス(いわゆる “一発録り” )しているので、リハーサル終了後すぐに音源をお渡しすることができるのです。

この一発録り、特にリハーサルはテスト録音もできないので「ぶっつけ本番」。そんな状況でも即座にCDにまとめ上げる録音技術は、豊富な経験あってのもの。前回ご紹介した「エヌ・アンド・エフ」のバランス・エンジニア福井氏はクラシック一発録りの名手で、私の録音技術も氏から大いに影響を受けています。そして何より、素晴らしい生の演奏と、その録音の結果を即座に現場で聴き比べられるので、私の耳のバランス感覚は、サイトウ・キネンに育てられたといっても過言ではありません。

また、マルチ・トラックで個々の音を「収録」するのではなく、生き生きとした演奏をリアルタイムでまとめあげCDに閉じ込めることによって、脈々と続くサイトウ・キネンという舞台で繰り広げられる珠玉の演奏の数々を「歴史」として残すことができるのもレコーディングの醍醐味ですね!


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