2012/05/23

自転車日和


デスクの今井です。

昨日とはうってかわってすっごく気持ちのいい天気ですね〜散歩・サイクリングにはもってこい!ということで今日は知人から譲り受けた私のハマー(自転車)をサイデラ・マスタリングのチーフ・エンジニアの森崎さんにメンテナンスしてもらいました。ハマーをもらったはいいものの、解体されたまま届いてしまい、初心者なのでヒーヒー良いながら組み立て、なんとか1年間乗りまくってきたハマーちゃん。大臣でお弁当を買ってかえる道中で見てもらうと、「いや〜ここもここも調整必要だね〜」ということで早速やってもらいました。

まずはブレーキ。
ブレーキって左右から挟む構造なので、両腕のバランスが整っているのが理想。もちろんガタガタでしたので調整してもらいました。

次にギア。
6段階なのですがいっつも3〜1あたりがガタガタ…。しかしドライバー1本であっという間にのぼりもくだりも整っちゃいました。

お次はタイヤ。
タイヤって空気圧の目安が書いてるんですね!知らなかった…。自分の握力で「う〜ん固い」位で入れてた…!(笑)今日ようやく空気入れになぜ圧力計がついているのかわかりました。ちなみに私のハマーちゃんには2.5〜4Bar(Barは単位)と書いてあり、女性の体重くらいなら3.5くらいに合わせるのだとか。ちなみにロードバイクのタイヤ圧は7とかなのでかなり固く、段差が多いところをいくにはマウンテンバイク型がやはり良いようです。でも、シティ乗りだったらダブルサスではなく前だけのシングルサスがおすすめとのこと。また、同じような値段帯ではGIANTが優秀。また、同じブランドでもデフォルトにどんな部品が使われているかよく見るのがこつだそうです。同じ値段、ブランドだけど安い部品がついていたり、逆だったり。

あとはサドル。
こちらも自分ではめた物でしたが、「MAX」ラインを超えて取り付けてしまっていたのでちょっと危なかったようです。(笑)

そして完成品がこちら!



嘘です。これは森崎さんのフルカスタマイズバイク。お値段は…総額で70万円以上!!!!安い軽自動車買えちゃう…。ちなみに私の自転車20台分(笑)

とにかく色々見せてもらったので、自転車がさらに楽しくなりそうです!早速工具を買わなくちゃ!ということでサイデラ・マスタリングでは自転車のご相談もできますので、お気軽に☆

PS.サイデラ・マスタリングある神宮前エリアにはマニア御用達の自転車屋さんが結構ありますよ〜。

今日の森崎の名言「バイクメンテナンスはマスタリングと同じ」





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2012/05/21

ai kuwabara trio project マスタリングの記録(その3)ケーブル編


2012.5.15 on sale
「from here to there / ai kuwabara trio project」
定価:1800yen

マスタリングの記録(その3)
於2011年3月21日  @Saidera Masteringにて

【マスタリング当日の立ち会い人】
桑原あい:piano, compose 森田悠介:electric bass
上田隆志:recording & mix engineer  森崎雅人:mastering engineer



〜ケーブル編〜
森崎:機材はABCと呼んだので今度は「1,2,3番」と呼びましょう (笑)
桑原:(笑)はい。
森崎:もっと「コレに対してこうして欲しい」とかあります?ケーブルは「1.現状:モガミ 2549」と、「2.ワイドレンジ:Saidera Ai SD-9003」「3.ナチュラルで、ふくよかなLowが出る:WireWorld Silver Eclipse」かな。
悠介:全部気になる(笑)
森崎:とりあえず全部聴いてみましょう!今度は比較的パッと聴きにしましょう。違いが分かったら「ハイ」って言って下さい!

♪〜1番、現状 試聴

悠介:ハイ。
森崎:これが2番。

♪〜2番、レンジが広くなる 試聴

桑原:楽しくなるこれ!なんかこれ、ディズニーランドの気分になるね!(?)
悠介:ウキウキ系だね。
桑原:ウキウキ系になった。
森崎:では3番。
桑原:デブッちょになるタイプだ。
森崎:そこまではファットにはならないですよ。(笑)

♪〜3番、 ふくよかなLow 試聴

森崎:違いはベースです。
桑原:いや、ちょっと落ち着き過ぎた気がする。もうちょっと聴いて良いですか、ベースのテーマのとこ。
悠介:これだったら2番。
桑原:私も2番。1か2ですね私。2かなぁ。
森崎:そしたらね、もう一回1番に戻りますよ。1番→2番、と替えます。1番のバランスも再確認出来るし。

♪〜再び1番→2番、試聴

桑原:2。
悠介:2ですね。
森崎:意外とナチュラル系が好みかな。
桑原:ほんとに、広がりましたよね。いいんですかね、2番で。(笑)
森崎:大丈夫です。(笑) それではもう一度、オリジナルのミックスマスターと聴き比べて下さい。今度はピアノのタッチに注目して下さい。

♪〜ミックスマスターと聴き比べ

悠介:このセッティングだとピアノが細かいフレーズを弾いた時とか弱く弾いたときとかに引っ込み過ぎちゃう気はしますね。この辺りの盛り上がってるソロセクションの4ビートだったりリズムの細かいセクションでもう一回1番を聴いてみたいですね。
桑原:確かに。
森崎:それではもう一度1番。

♪〜ソロセクション、1番で試聴

桑原:あ、ソロ中は絶対こっちだわ!断然こっちだわ!弾いてる感覚とすっごい近い。ってことは1番かな。
悠介:じゃあ1だな…その辺含めて聴いてもらいたいしね。
桑原:だよねぇ…。
森崎:実は「2ダッシュ」があります。(キリッ
一同:(爆)
森崎: 2ダッシュ、ピアニストに人気なんですよ。
桑原:うそーキター!
森崎:これねぇ、最後の切り札で出すつもりでした。(笑)
悠介:2ダッシュがあるんかー!
森崎:迷ったら、2ダッシュを聴いてみるんです。
桑原:違いは何なんですか?
森崎:同じケーブルの、長さ違い。
上田:なるほど〜。長くなるんですか?
森崎:短くです。
悠介:ディズニーランドが短くなった。
桑原:ディズニーランドが短くなった。(笑)
森崎:長さの違いで音のニュアンスが全然違います。
桑原 :え、どっちに近いんですか?
森崎:1番に近い。で、ピアニストが好きなのは確か。

♪〜2番ダッシュ 試聴

森崎:一番とは音色の艶が違います。1番よりも比較的ナチュラル。
桑原:すみません、もう一度1番もらっていいですか?
悠介:分かんなくなってきた(泣)

♪〜1番→2番ダッシュにて冒頭部分 再び試聴 

桑原:私、1番かも…。2ダッシュは、全体としてはツヤが出たんだけど、「ここが欲しい」っていうのが削られてる気がする。ほんと多分0.001mmの違い。(泣) 私がピアニストだからそう聴こえたのかもしれないですけど、細かいところが流れちゃった気がした。ごまかしが効いちゃったんですよ、きっと。
森崎: それは若干それで広がって綺麗になって、ツヤもあって、ピアノには集中するんだけど、全体として耳に入ってきたのが、1番の方が良かった。
桑原:たもちゃん(悠介)のね、ブッ、ブブッ、っていうちょっとのズレが絶対1番の方が良い。
森崎:そう、その「タメ」がね、1番の方がそういうグルーヴが聴こえます。
桑原:(2ダッシュだと)無くなりますよね?
森崎:無くなりましたね。
桑原:1番でいこう!
悠介:はい(笑) 1でお願いします。
桑原:伝えたいものが、ぽ〜んって出そうな気がする。
森崎:24ビット/96kHzはレンジが広く情報量があります。だけど、16ビット/44.1kHzに落とすとどんどんこう小さくしていくから、音楽の中で聴かせたい要素とそうでない要素を明確にしていかないと、そこに「有った」音が表現されません。ケーブルの差し替えはこの確認だったんです。「さっき聴こえていた音が聴こえない、でもここが良くなってる」とか。
桑原:ほんっとに。凄すぎる…。
森崎:これでバッチリです。
上田:これ実はミックスダウンの時に1910年代のケーブル使ってるんですよ。自作で作ったやつ。しかも、多分こんなことしてる人ほかにいないと思うんだけど、ええとですね、パッシブのサミング回路。要するに抵抗を使っただけ。1910年代のケーブル何種類か試して、8chを2chに落とす時に抵抗を噛ませて作ったんですよ。
桑原:なに言ってんだか全然わかんない…(ボソッ
森崎:抵抗は古いやつですか?
上田:いや、古いやつじゃない。初めて作ったんで、まずは良いとされている「デール」ってあるじゃないですか…(〜〜〜ケーブルの話)
森崎:最終的にOKになったケーブルは実は「モガミ2549」です。モガミ以外のケーブル(2番、3番)は全部、超・高級ケーブルです。モガミが一番良かったのは、色づけが無くストレートだったからです。
桑原:高いから良いってもんじゃないのね。
森崎:「相性」ですね。上田さんの機材のカラーが素直に表現出来ていました。モガミ2524は足し算引き算にはならないんですよ!最終的に良いサウンドになりましたね!僕は機材の選択とケーブルで音の土台を作りますが、おそらく一般的なエンジニアさんは手元のEQの方をやるんですよ。ミュージシャンが、楽器替えるじゃないですか。ケーブルと機材の選択はその感覚に近いです。楽器が替わると音色が変わるみたいに、ケーブルや機材はそれぞれ独自のキャラクターを持っていて通すと音色が変わる。ギターアンプのつまみをいじるんじゃなくって、楽器そのものを替えちゃえ!という感じ。機材とケーブルが決まればあとは同じ曲調のものは微調整でいけます。
桑原:何曲か。本当に色んな曲がありますからね、よく考えたら。
悠介:HOUSEみたいなやつもありますからね。
森崎:HOUSEは超得意ジャンルです、任せてください。(笑)
悠介:演奏フォーマットはピアノトリオ、なんですけどね。
森崎:全然大丈夫です。
桑原:ずっと、「ブンっ、ブンっ、ブンっ、ブンっ」
上田:それで、4つ打ちなんだけど(神田リョウの)ドラムもいわゆるJazzチューニングだったから、そもそもLowの無いやつを無理やり上げてるというか。
森崎:了解です。僕は機材の選択とケーブルで音の土台を作りますが、おそらく一般的なエンジニアさんは手元のEQの方をやるんですよ。それを今回はEQを使わずに行ないました。ミュージシャンが、楽器替えるじゃないですか。その感覚に近いです。楽器が替わると音色が変わるみたいに、ケーブルはそれぞれ独自のキャラクターを持っているので音色が変わる。ギターアンプのつまみをいじるんじゃなくって、楽器そのものを替えちゃえ!という感じ。
上田:しかし、ケーブルはキリが無いですね。
悠介:ここに居たら全てがクリアーに見えそうだ。
桑原 :世界が変わって見えそうだよね。
森崎:結局このモニターだから、一つ一つの違いがあれだけわかるんですよ。マスタリングはモニター環境が本当に重要です。分かり難いモニターだと予想しながら音作りすることになってしまいますので。レコーディングに慣れているエンジニアなら、モニターのクセが分かってるので音作り出来ると思いますが。
悠介:いやあ、ここまでやって頂けるっていうのは。
森崎:繰り返しになりますが、機材、ケーブルの選択を行なうことで最小限のプロセスで音作りが可能になります。またマスタリングのはじめに聴き比べをじっくり行なうことでスタジオのモニタースピーカーのサウンドに慣れてもらえるので、クライアントさんも正しくスピーディーな判断が可能になります。細かい音のこだわりは最終的な仕上がりに大きく影響するので、初めて立ち会いマスタリングでの作業を行う場合は、ぜひ1時間ほど余裕のある作業時間でのご予約をお勧めします。

〜メンバーの皆様より〜
今作はYouTubeにて3曲が先行配信されていますが、カメラ6台を入れての気合いの(スリリングな、アグレッシブな、臨場感溢れる)映像です。演奏は「せーの」で一発録りですが「音が良い!」とリスナーの方から感想を頂いております。

先ずは先行で全8曲入りのフルアルバムを5/15日にリリースしますが、高音質配信も視野に入れています。

youtube映像も合わせて、ai kuwabara trio projectのオフィシャルホームページからチェック出来るようになっているので是非チェックしてみて下さい。
http://www.aikuwabaratrio.com

また、アルバム・リリースを記念して、5/23には神戸、6/3には東京でライブを敢行しますので、ぜひ生の演奏を聴きにきて下さい!よろしくお願いします。




2012/05/16

ai kuwabara trio project マスタリングの記録(その2)コンバーター編


2012.5.15 on sale
「from here to there / ai kuwabara trio project」
定価:1800yen

マスタリングの記録(その2)
於2011年3月21日  @Saidera Masteringにて

【マスタリング当日の立ち会い人】
桑原あい:piano, compose 森田悠介:electric bass
上田隆志:recording & mix engineer 森崎雅人:mastering engineer


〜機材の選択〜
(ミックスバランスのよかった2曲目「3=log²(8)」を基準に選定)
森崎:まずは、音のバランスが良かった2曲目でADコンバーターを選んでいきましょう。ミックスマスターと切り替えがなら、演奏がどう聴こえるかを聴き比べてみて下さい。

♪〜「Aタイプ:PrismSound Dream ADA-8」試聴→ミックスマスターに切り替え

森田悠介(以下、悠介):こっちが、元の96kHzのやつですか。
森崎:そうです、ミックスマスター。
上田:「これはProToolsの192 I/O から出てる音ですか?」
森崎:192 DIGITAL I/OのAESアウトから出している音です。
森崎:次は「Bタイプ:dCS 905」を聴いて下さい。
桑原、悠介:Bタイプ!
森崎:Aタイプ、Bタイプの違いはADコンバーターの違いだけです。機材のルーティングはProToolsのデジタルアウトをADA-8でDA(デジタル→アナログ)して、PrismSoundのアナログコンプMLA-2を通しています。これはコンプはオフってスルーだけさせています。
悠介:通すだけで変わる、と。
森崎:通すだけです。コンプを掛けたいわけではなく、このコンプの持つサウンドキャラクターだけが欲しいので。そこからアナログケーブルを通ってADコンバーターに入ります。AD(アナログ→デジタル)して、デジタルになったものをSYSTEM6000でEQ、コンプの調整をして最終的に一番下にあるdB Technologies 3000Sで16ビット/44.1kHzに変換しています。
一同:ふむふむ。
森崎:いまプレイバックで聴いているのは16ビット/44.1kHzなので、最終的なCDの音、という訳です。Aタイプ、Bタイプで音量レベルはいっさい変えていないです。単純にADコンバーターのみの違い。こちらがBタイプ。
桑原:Bタイプ…。

♪〜Bタイプ試聴

桑原:なんか、優しい!(何度か原音と切り替えてから)さっきの方がなんか、前に前に来るような?
森崎:そうです。これがこの機材の特徴です。さっきのAタイプの方がパンチが有るから聴感上は大きく聴こえますね。
悠介:すごい。
桑原:AとBだけですか?
森崎:今のところはね(ニヤッ)。それが決まったら次はケーブルの選択をしますよ。
桑原:(悠介に対して)分かる?あとは、ヨロシク!
悠介:はいはい。(マスタリング席中央にて試聴)
桑原:なんかAの方が聴いてる時に「おおっ!」って思うんですよね。アタックが強くくるからかなぁ。
悠介:こっち(Bタイプ)の方が気持ち真ん中の方が聴こえるような気がする。midのあたりが。
桑原:そうそうそう!でもLowとかはAの方がハッキリしてるのかなぁ。
森崎:レンジはBの方が広いですね。上も下も伸びてるから、ナチュラルに聴こえるんです。ADA-8(A)の方が、どちらかというと周波数特性が少しこうカマボコ型なので、アナログのコンソールを通ったような音のニュアンスに近い、ガッツがありますよね。
上田:聴きやすい感じがあったかな。
森崎:聴きやすいですよね。
桑原:ムキー、わっかんなくなってきた!
上田:好み、じゃないかな。
悠介:もう一回、Aを聴かせてもらっても良いですか?
森崎:好みで選んでOKです!パッと聴きでどんどん良い方を選択してください!
上田:考えると分かんなくなるよ。もうね、第一印象でね。
桑原:ですよね。考えちゃってるよ、私。
森崎:方向性があんまり逸れて僕がアドバイスするから大丈夫。(笑)

♪〜再びAタイプ(PrismSound ADA-8)試聴

森崎:これAタイプ。
桑原:全然違う!
上田:広がり方が違うね。Bタイプの方が、やっぱりレンジが広い。
森崎:そうですね。ライブに例えればBタイプの方が「後ろの席で聴いてる感じ」がします。
桑原 :そう〜〜〜それっ!それですよね!それだ!
森崎: Aの方が前気味。だから、ここ(目の前)に演奏者が居てこれくらいの席で聴いてるイメージはね、Aなんですよ。
桑原:2階席っぽいですよね、Bは!
森崎:精神的にリラックスしてる所で聴けてる感じ。
桑原:でもずっと聴いていたらBな気がする。ね、もっかいBもらっていいですか?
森崎:さっき「音量大きい方が良い」って言ってたじゃないですか。どちらかといえばBの方が小さく聴こえます。これも判断基準の一つですね。

♪〜再びBタイプ(dCS 905)試聴

悠介:クリアーだなぁこれ。
桑原:始まった瞬間は、私Bの方が好きなんですよ。
悠介:瑞々しいというか。
桑原:そう、みずみずしい。Bかな。んあーBな気がしてきた。
悠介:うん、Bいいね。
上田:いいんじゃない、2人ともBの方がいい気がするって言ってるって事は。
桑原:Bでいきます!
森崎:了解です!Bを選択されるっていうことは、普段やっぱり生楽器に一番近いところで音楽を聴いてるからだと思います。比較的ROCK系のミュージシャンはAを選択する方が多いです。JAZZ系の方はBを選択することが多いですね。レコーディングエンジニアさんはAが好きですね。やっぱりミキシングコンソールでミックスした音に近いダイレクトの音ですね。
悠介:普段聴いてる音に近いって事ですね。
桑原:うん。なんか、ちょっと加工されてるっぽく聴こえたんですよ、A。
森崎:それでは次は、24ビット/96kHzのデータをDSD 5.6MHzにアップコンバートしてKORG MR-2000S(DSD)でプレイバックします。

♪〜DSD試聴

悠介:なんかローエンドが凄く出てきた気がするんですけど。
森崎:もう一度PCMを聴いてみます。こちらがPCMです。

♪〜PCM試聴

桑原:こっちかも。うん、私こっちです。
悠介:もう一回DSDを…。

♪〜再びDSD試聴

桑原:ある意味鮮度はこっちの方が高い気もするなぁ…。
悠介:おれこっちかな。
桑原:割れたー!PCMの方が、ピアノの、これ(アタック)は出る気がした。わーかんないですよー!
森崎:別のセッティングを試してもいいですか? DSDでADA-8(Aタイプ)を聴いてみましょう。今回はDSDとdCSのコンバーターの相性が良くないようなので。
桑原:なんか頭が割れそう(泣)
上田:でも楽しいね、なんか選択肢があってね(笑)
森崎:僕の中ではゴールは見えているので大丈夫ですよ(ニヤッ)
桑原 :なんか、ウケる!神様みたい!
悠介:(笑)

♪〜Aタイプ&DSD試聴

森崎:Aタイプで、DSD。ピアノのアタックが出ますね。勝負するんだったらこのセッティングとさっきのBタイプ&PCMかな。
桑原:あっ、良いかもこれー!
森崎:悪くないでしょ。これだとね、ローエンドがそこまで伸びないんですよ。バシッ!と止まるから。もう一度Bタイプ&PCMを聴き比べて決めればOK。DSDにして良くなったのはベースですね。音がが太く、ブリッときますよね!
桑原:それは、思った。
悠介:ベースはラインだけで録ってるから、どうしてもその「ライン臭さ」が残っちゃうのはイヤで。
森崎:これなら、そのライン臭さが無いですね。
悠介:そこが補えてるから良いですね。
森崎:では、Bタイプ&PCM。

♪〜再びBタイプ&PCM

桑原:あぁ〜、全然ベースが違う。
悠介:おれはこっち。
桑原:私は、あっち。また割れた(泣)
森崎:ここから先は話し合いで決めて下さい!(笑)両方とも良いですよ!僕は色々なシステムで聴いて鳴りが良い方を選択しようと思っています。ラージモニターで聴いて良くても、ラジカセやヘッドフォンで鳴りが変わることがあるので。

♪〜再び、Aタイプ&DSD、→再度Bタイプ&PCMをラジカセで試聴

悠介:今のこの環境(ラジカセ)だったら、やっぱり2つ目の、後者(Bタイプ&PCM)がいい。
桑原:あたしも2つ目。
森崎:僕も2つ目。
上田:自分もそう。
桑原:あははー揃った(笑)
悠介:ラジカセで聴いたら明らかに後者が良いですね。
桑原:明らかにそうですね。
森崎:どの辺が良かったですか?
悠介:全部の楽器がハッキリと同じレベルで聴こえてくるって言うか。
桑原:ピアノが特にタッチした時に良いようにアタックが出なかった、Aだと。威圧感に聴こえてしまったから。Bタイプの方がナチュラルに聴こえた気がします。大きいスピーカーで聴くとAタイプのタッチの強さも良い感じに丸みを帯びつつ聴こえるんですけど、これで聴くとそれがダメになっちゃって。
悠介:全体が、ふくよかなんだけどクリアー、そんな印象があります。Bは。
森崎:(沈黙の後に)問題ないと思います。PCMの方はリズム系の音が良かったですね。ミックスマスターが96kHzで録ってあったからかもしれません。今回はDSDにアップコンバートすることで「良い感じ」には変化しなかったと思いました。
桑原:そっか機械にも得意・不得意があるんだぁ(泣)
森崎:本来ならばDSDにアップコンバートすることで音のフォーカスが鮮明になるんだけど、ミックスマスターの情報量が大きかったからそれを素直に再生したPCMがよかったですね。
悠介:録り音が良かったから?
森崎:その通りです。例えば音源が24ビット/48kHzとか、44.1kHzとかだと圧倒的にDSDの方が良い事が多いです。という事で今回は間違いなく後者でいきましょう。Bタイプ&PCM。
桑原:はいっ。
森崎:これ(ラジカセ)で聴いてみると、オケのバランスが良いかどうかが分かるんです。(笑) 「ナチュラルさ」という部分がコンバーターの違いでかなり解決しましたね。
桑原:凄いね。
森崎:(再びラージモニターで再生して)う〜ん、このバランスは完璧です!(笑) ここから先はケーブルでさらに追い込んでいきましょう。

♪〜試聴

森崎:このバランスかなり良いけど、せっかくだからケーブル2、3種類聴いてみますか?(ニヤッ)

− つづく −

2012/05/15

デジタル機器の基準レベルについて

本日はデジタル機器の基準レベルについてお話しします。

レコーディング・スタジオにおいてデジタル機器の基準レベルは-16dBFS=0VUが一般的です。オシレーターから-16dBの基準信号(正弦波)を出しVUメーターが0を指すレベルが0VU。デジタル機器ではその基準信号を入力しピークメーターが-16dBを示すように調整しています。

デジタル機器の基準レベルは世界各国によって規定があります。基本的には0dBFSより20dB低いレベルポイントが基準(SMTPE、NAB)になっていますがこの基準レベルはダイナミックレンジの広いクラシックなどの録音を想定した値なので、実際には音楽のジャンルや録音フォーマットの違いにより-18dBFS、-16dBFS、-12dBFSなどの基準レベルを選択しています。

※dBFS
デジタル信号の大きさの単位。FSは「フルスケール」の事でデジタルで表現可能な最大値(フルビット)を指す。 デジタルの最大値を0dBFSとして信号の大きさをdB(デシベル)で表したもの。

それに対しアナログ機器は+4dBm=0VUが標準です。アナログは皆さんご存知の通り0dBを越えても急激には歪まず+6dBくらいから緩やかに歪みが増えていくのですが、デジタルでは0dBを越えると急に歪む(クリップしてしまう)わけです。前者はハーモニックディストーション、サチュレーションなど音楽的に歪むのに対し、後者は電気的な歪み(クリップ)が生じるためこれ以上のレベルでは録音不可能となってしまいます。

デジタル機器で録音する際に瞬間的なピークでも歪まないようヘッドルームまでに16dB分の余裕があるということが-16dB=0VUという基準の意味です。

P.S.
KORGのMR2000Sではアナログ入出力レベルがリファレンスレベルによりつじつまが合うように設計されています。例えば-16dB=0VUの入出力を基準にすると、リファレンスレベル-18dBなら再生レベルが2dB上がります。逆に-14dBでは再生レベルは-2dB下がります。録音、再生の音量を合わせるには、リファレンスレベルの設定を「録音時のリファレンスレベル=再生時のリファレンスレベル」にして下さい。

2012/05/08

ai kuwabara trio project マスタリングの記録(その1)導入編


2012.5.15 on sale
「from here to there / ai kuwabara trio project」
定価:1800yen

マスタリングの記録(その1)
於2011年3月21日  @Saidera Masteringにて

【マスタリング当日の立ち会い人】
桑原あい:piano, compose 森田悠介:electric bass
上田隆志:recording & mix engineer 森崎雅人:mastering engineer



〜導入〜
森崎雅人(以下、森崎):一般的なマスタリングスタジオはエンジニアがスタジオ中央で機材を操作するスタイルですが。
桑原あい(以下、桑原):はい。
森崎:僕の場合ここ(中央)にあるのはTC Electronic SYSTEM 6000のリモコンだけなんです。機材ラックをスタジオの端にまとめてセッティングしているのはその方が最短で結線できてケーブル伝送のロスが少ないからです。スタジオ中央にアナログ機材をセッティングすると往復で10mくらい引き延ばすことになります。 ケーブルの長さによる音のロスって 実はすごく大きいんです。
桑原:へぇ〜っ!
森崎:鮮度のある音に仕上げるためにはワイヤリングはとても重要です。さらに機材やケーブルの選択で音作りすればEQをいじった時のように位相特性が変わることがありません。正直な事を言うと機材の切り替えは手元でパッチ盤でやったら楽なんですけど。(笑)でも最短距離でつなぎたいから機材を替える時は面倒でもラックの裏に回って接続し直すんです。
桑原:それって、そう手元でやってる人がほとんどですよね?
森崎:そうですね。
上田隆志(以下、上田):うちのスタジオもね、実はパッチ盤使ってなくて、裏でなんだかんだやってるんですよ。(笑)
桑原:あぁ〜〜っ、そういえばなんか裏でいじってましたね!(笑)
森崎:素晴らしい!僕と同じコンセプトでやられていますね。「演奏のリアリティーと音の鮮度」はすごく重要なんです。例えばライブでの演奏があれだけ盛り上がるのは、やっぱり出音の鮮度ですよ。ダイレクト感というか。CDになったときこのフィーリングを大事にしたいです。僕はそういうコンセプトでマスタリングしていますがエンジニアさん一人一人、色々な考え方が有りますね。
桑原:「聴きやすさ」を第一に求めてしまう人は、やっぱり鮮度とかよりかは、いくら「海苔」みたいな波形であっても。
上田:人によってはね、「鮮度が良い」って事は、逆に何かこう、疲れると言えば疲れるって部分もあるし。
桑原:そうですよね、(聴くことに)頭を使ったりするじゃないですか。でもやっぱり、折角だから私も鮮度を大事にしたいかな…。
森崎:演奏の空気感とかグルーヴとかその辺り。
桑原:そう、其処で一緒にこう会話しながら演奏している感じとか、さすがに海苔の波形だと伝わらないかな、とか。安定はしてるのかもしれないけど。
森崎:そうですね。
桑原:せっかく一発録りしているので。
森崎:アーティストの、何ていうか「気」のぶつかり合い、みたいな。
桑原:まさに、ベーシスト(yusuke)はそこ(目の前を差す)で演奏していましたからね。
森崎:「そこ」で演奏している、っていうリアリティーはすごく重要ですよね。
桑原:そうなんですよねぇ。
森崎:僕は自分がリスナーとして聴いた時に、一番伝わってくるサウンドの機材を選択しています。
桑原:あぁ〜、そういう事ですね。

− つづく −