2010/07/29

TBU!2010×Saidera Mastering モーニングセッション第3回

どうもMUSHです!

TOKYO BOOT UP!2010 × Saidera Mastering モーニングセッション第3回「80年代のマルチトラック録音」が開催されましたよ!TOKYO BOOT UP!2010(以下TBU!2010)とは日本初のSXSW型ショーケースライブを目指したイベントです!(アーティスト・エントリーの締め切りが近づいていますよ!エントリーはこちらから。
今回はフリーのサウンドエンジニア瀧口和徳氏を特別講師にお迎えしての開催!
テーマの「80年代」よりさらにさかのぼって録音と録音機の歴史を辿りその時代のサウンドを聴くと、当時の音楽制作の様子がよくわかりました。さらに、これからの音楽制作手法についても話題は巡り、非常に盛りだくさんの内容でした!皆様どうもありがとうございました!
参加者(写真奥左から順に・敬称略):堀野 義仁・成 浩一(bonobo)・音更KENTA草野 真秀・小林 樹音(DF7B)・伊藤 由佳(サウンド・キャラウェイ)・簀河原 佳奈(TBU!)・藤木 和人(TBU!)・内田 拓実(nene)・梶原 大寛(DF7B)・小林 孝圭(classical wicket)・marbo(Tokyo Balearic)・瀧口 和徳・林 明(TBU!/Natural Hi-Tech Records

PS.TBU!2010xSDMモーニングセッション第3回の内容と非常に関連ある内容のイベントが2010年7月28日よりソニー歴史資料館(北品川)にて開催されていますよ!今年は日本初テープレコーダー発売から60周年!
"ソニー、テープレコーダー発売60周年記念の特別展示をソニー歴史資料館で実施 - 実機体験も "

さて次回は、第3回から温故知新。テーマは最新配信マスタリングです。

第4回:8月5日(木)朝9 時~10時
テーマ:「配信用マスタリング」(若干名キャンセル待ち受付中)
講師:森崎 雅人 (サイデラ・マスタリング)
場所:サイデラ・マスタリング (最寄り駅;東京メトロ外苑前、JR原宿)
参加申し込み:saraudon009@gmail.com まで、メールにてお名前/年齢/所属(またはバンド名・アーティスト名)をお知らせ下さい。お問い合わせもこちらにお願いいたします。
参加費:無料

[第1回リポートはこちら]
[第2回リポートはこちら]
[第3回リポートはこちら]
[第4回リポートはこちら]

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2010/07/26

ロンドングラフィックデザイン展「UK? OK!!」

お知らせ

2010.8.6 FRI -8.30 MON:パルコファクトリーにて
ロンドングラフィックデザイン展「UK? OK!!」

詳しくはこちらのフライヤーを。

会場デザインは注目の建築家、谷尻誠さん(Suppose Design Office)。
ミラノサローネでも東芝「Luceste」で話題となり、音響空間デザインをオノ セイゲンがふたたび担当します。(TOSHIBA「Luce`ste」空間が消える by オノ セイゲン


展示内容

UKのグラフィックデザインシーンは音楽と密接な関わりがあり、優れたグラフィックデザインの多くは音楽を包むヴィジュアルとして生まれてきました。しかし、レコード・CD文化が衰退している現在、UKのグラフィックデザインシーンはどうなっているのだろう? そんな疑問からこのプロジェクトはスタートしました。デザイン界に与えた影響の大きさと今後の期待感という2つの観点から22組のデザイナーをピックアップ。過去の作品と最新作、会場でしか見られないインタヴュー映像などを、「音」をテーマにしたインスタレーションとして展示します。1980年から現在まで約30年間のUKグラフィックデザインシーンを振り返りつつ、今、新たに起こりつつあるムーブメントをぜひ体感してみてください。

DESIGNER

Åbäke/ Bravo Charlie Mike Hotel/ Bibliothèque / Big Active / Eat Sleep Work/Play / Intro / It' s Nice That / Jonathan Barnbrook /Julia / Melvin Galapon / Micha Weidmann Studio / Mind Design / Neville Brody / Non-Format / Owen Gildersleeve/ Studio Myerscough / Studio 8 / Tappin Gofton /Tom Hingston Studio / Tomato / Wood McGrath / YES

2010/07/25

TBU!2010×Saidera Mastering モーニングセッション第2回

皆さんこんにちは。ブッキングの石河です。
TBU!2010×Saidera Mastering モーニングセッション第2回 『ミックス分析とマスタリング』 が7月22日(木)開催されました。
第1回でマスタリングデモをご希望された方の中から抽選で6名のミックス音源(1分程度)をチーフ・エンジニア森崎がTBU!2010実行委員、藤木さん、林さんと共に「どんな環境で録音・ミックスしたか」「どんな表現を目指したか」などディスカッションし、分析・マスタリングしました。





熱血!藤木先生(From TBU!)のリポートは第2回リポートはこちら!参加された方もそうでない方にもとても分かりやすくまとめていただきました。
第3回から参加される方もこれを読めばバッチリです。

さて、第2回で音源をご提供いただいた皆様の感想と【ご提供楽曲名】ご紹介したいと思います。(順不同・敬称略)

音更KENTA 「今日は自分の課題がよく分かりとても勉強になりました。」
音更KENTA /旅人の木】

marbo (TokyoBalearic) 「”マスタリングを制するものは世界を制す”これはロンドン メトロポリススタジオの壁に書いてあった言葉。それを世に広めて欲しい。」
【Toshi Nishiura / Deep Clouds】

梶原 大寛「今後はバスドラムのEQ、どの倍音を調整すれば豊かな低音になるのかを追求したい。」
【DF7B / B.H.D.】

小林 孝圭「マスタリングでの音の変わり方、ラージモニターでの視聴環境におどろきました。」
classical wicket / Forest of Harm】

内田 拓実 「キックとスネアがなかったが、レコーダーが2chしかなかったのであとから治せなかった。マイクの位置など今後の課題がみえた。」
nene /synchronism】


細谷 晃人 「勉強になった。理想的なミックス段階でのコンプ具合が課題。」
ドクターポリエステルハカセ / 夕張メロン】

皆さん、レコーディングからミックスまで自分で行うミュージシャンの方々。今回のテーマで、ミックスだけではなくモニター環境の重要性、レコーディング時のマイクの位置・距離、そしてご自分の演奏の課題にまでたどり着いていました。


今回も、その他にもたくさんの皆様にご参加いただきました。
佐久間あかね(TokyoBalearic)・伊藤由佳(有限会社 サウンド・キャラウェイ)・クラーク志織・金田拓也・草野真秀

From TBU!2010
藤木和人・林 明 (Natural Hi-Tech Records)・ムラタ・ユキ

皆様ありがとうございました。
そして次回は!

第3回:7月29日(木)朝9 時~10時
テーマ:「80年代のマルチトラック録音」
ゲスト講師:瀧口和徳氏(若干名キャンセル待ち受付中)
場所:サイデラ・マスタリング (最寄り駅;東京メトロ外苑前、JR原宿)
参加申し込み:saraudon009@gmail.com まで、メールにてお名前/年齢/所属(またはバンド名・アーティスト名)をお知らせ下さい。お問い合わせもこちらにお願いいたします。
参加費:無料

お楽しみに。

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New! TBU!2010へメッセージオノ セイゲンもコメントさせていただきました。


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2010/07/21

KickのEQ


本日はみなさまからリクエストが多かったキックのEQについてお話しします。

僕の場合、キックの音作りは2通りあります。
1) ロック系のトンという芯のあるタイトなキック
2) R&Bなどのドンという柔らかくベースの要素も兼ね備えたようなキック

もちろんジャンルに合わせて音作りしていきますがポイントは50Hz辺りのEQ、100Hz辺りのEQ、そして25Hz辺りのローカット、この3つの組み合わせです。

1) の質感なら 50Hz<100Hz
2) の質感なら 50Hz>100Hz これが基本です。

低域の透明感が必要なら25Hzより下の周波数から、抜けよりも厚みが必要なら25Hzよりも上の周波数からローカットすればバッチリだと思います。若干レンジが狭くなりますがラジカセなど小さなスピーカーで聴いた時に前に出るサウンドになります。

PS.
まず最初にオリジナル音源を聴いた時に全体的に低域が多いかな?と思ったらマルチバンド・コンプで低域をあらかじめ少しカットしておくとその後のEQの作業がスムーズに出来ますよ。

2010/07/20

電源コンセントの使いこなし

チーフ・エンジニアの森崎です。
本日は電源コンセントの使いこなしについてお話ししたいと思います。

まずはサイデラ・マスタリングのオーディオ用電源コンセント(AVR)ですが電柱から主幹までは300A、200Vで引き、デンケンの安定化電源で100V、117Vに変換し各電源ボックスに送っていますので非常にクリーンな電源が供給されています。またそれとは別にPC用電源、照明、ファンなどの空調用に商用電源も引いてあります。

最近ではプロスタジオでもオーディオの分野でも電源ケーブルで音が変わることに注目されていますがそれと同じぐらい電源ボックスのアウトレットの位置でも音色が変わります。

例えば4口のアウトレットなら、上下、左右で、6口であれば上下と左右、真ん中で音色が微妙に異なります。僕の場合はまずスタジオの全ての電源ボックスの音質をデーターに取り、その後アウトレットの位置の音色差もデータに取ります。かなりの量になるので大変な作業ですが、小さいことでも積み重ねると音は相当良くなりますね。例えばちょっと明るい音にしたければEQを操作するのではなくアウトレットの位置を変えればいいんです。

僕はアウトレットの選択についてはマスタリングに関わる機材を最優先しています。例えばプレイバック用のdigidesign ProToolsHD、SonicStudio soundBladeのインターフェースなどは最優先しています。ポイントは再生機材に最もレンジが広く情報量の多い音質のアウトレットを使用して徐々にバランスの良いまとまりのある音質のアウトレットを録音機材に使用しています。マスタリングではマスター音源の情報量を最大限に引き出すことが一番大切だというのが僕の考えですね。

また、パワードスピーカーなどに電源を供給する場合、アウトレットの上下を使用するのか、左右を使用するのかでも音質とバランスが異なります。この場合は2本のスピーカーのバランスが良い方を選択しています。音質についてはケーブルなどの選択で追い込むことが出来ますので、まずは音量感や立ち上がりのスピード感などで選ぶのが良いと思います。

これらの方法なら電源ケーブルを交換しなくても音質を追い込んだり好みの方向に寄せることが可能になります。簡単でとても効果がありますので皆さんぜひ試して下さい。

2010/07/16

TBU!2010×Saidera Mastering モーニングセッション第1回

皆さんこんにちは。ブッキングの石河です。

TBU!2010×Saidera Mastering モーニングセッション第1回 オリエンテーションが TBU!2010より藤木和人氏を講師にお迎えし7月15日(木)開催されました。
参加者はミュージシャン、レーベル主宰者、エンジニア(PA、舞台音響、MIX)、作曲家などそれぞれの分野のプロフェッショナルから学生の方まで多くのご参加をいただき、ネットワーキングの場ともなりました。早起きは三文…もっと徳ですね。

さて、
熱血!藤木和人先生のTBU!2010×Saidera Mastering モーニングセッション第一回オリエンテーションのリポートとメッセージです。

記念すべき第1回目の講師兼MCの藤木でございます。みなさん、ご参加いただきありがとうございました。スタッフのみなさんもおつかれさまでした!参加者みなさんとっても熱心で、それぞれ活躍の場は違うけれどエナジーに溢れていている方ばかりでとても感激しました。名刺交換・ネットワーキングもできましたね!この出会いがみなさんのこれからの活動のプラスになることをとても強く感じました。

さて第1回目は、これから行う数回へのオリエンテーションという意味でトークとすこしの試聴を行いました。マスタリングされるべき音楽そのものが持っているファクターもまた重要であることを何回か言わせていただきました。第1回に参加できなかった方のために、リポートしました。

<マスタリングが身近になった>
近年ProToolsなどのDAWが安価になり(PCが高性能になったりインターネットなどのインフラが整ったのも大きな理由ですが)、数年前なら数千万円のお金がかかった録音や再生やミックスを行う道具を手に入れました。以前は録音スタジオを作るには機材に1億、内装費に1億円かかると言われていました。

<マスタリングで使える技術も広がった>
20年ほど前にようやく2チャンネルのマスタリングツールにハードディスクが組み込まれ(以前は業務用のVTRカセットテープを使用していた/Sony PCM-1630 + DMR-4000など)、デジタルのI/Oは急速に進歩、完備され、音量以外のEQやダイナミクスもアウドボードはもちろん、ソフトウエアのプラグインでさえある程度の音作りできるようになりました。
それ以前から現在でも「ミックス~マスタリング」の世界では:
- ミックスマスターをアナログテープにしてデジタル化する
- デジタルマスターをいったんアナログに変換してアナログな機材で処理を加えるというアナログ変換を交えた作業も行われています。そして現在では数々のプラグインでデジタルエリアでの処理が可能になりました。しかしその動作原理(プログラムの数式)はアナログの模倣であるものが殆どなのは面白いですね。

<マスタリングでできること、できないこと> 重要!
そしてここ数年プロの世界でも、世界のミュージシャンが「マスタリング」について語るようになりました。彼らにとってマスタリングは最後に音におまじないをして音楽を世界にデビューさせるおおきなイベントであり、ここでの「マジック」で一連の制作作業が完了したことになります!雑誌やDAWメーカーのせいもあってこの「マジック」の名声がすこし一人歩きしはじめました。
「しかしここで忘れないで下さい」マスタリングの前にミックスが、そのまえにトラッキング(録音)が、その前に演奏や編曲が、その前に曲作りや歌詞作りが、その以前にあなたがたアーティストや個性が存在していることを!マスタリングでは演奏や個性は直せませんね。

<いつだって原点に立ち返ろう>
「TBU!2010×Saidera Mastering モーニングセッション」でマスタリングについて語り合い、考えて行くうち、それ以前の「ミックスでできることは何」だったのだろう?いや「録り音はどうだった」のだろう?いや「演奏はどうだった」のだろう?「楽曲や歌詞は」あれでよかったのだろうか?とマスタリングに到るまでの、全ての音楽制作工程の再考が起こるはずです。実際、次回以降のセッションでお見せするノウハウとは、ProToolsやデジタル調整卓の環境では個々のチャンネルに対して行うことも出来るわけで、このセッションでは、マスタリング以前の部分の技術もブラッシュアップすることになります。「あー、録りからやり直したい、ついでに歌詞も直したい」「ボーカル録音から直したい」「キックとベースが気に入らないからミックスをやり直したい」そういうキモチが出てきたら「それをやればいい!」じつはその「制作の全工程のレベルアップ」がこのセッションの大きな狙いでもあるのです!

<もっと音を聴こう>
さてもうひとつ、第1回では、オリエンテーション/概要/質疑応答が中心でしたが、短い時間でしたが音を聴いていただきました。皆さんの耳はきっとランクアップしたと思います。小鳥の声は上から聴こえたでしょう?あれを体験して認めた時点で大躍進!
どうかご自宅でももう一度、今までと違う「想像力」「妄想力」「真面目っぽく」などな感じで他人の作品も自分の作品も聴いてみましょう。各楽器やパートの定位(左右の位置や奥行き、高さ)などをノートにメモするくらい神経を尖らせてみるのもいいです。リバーブ(残響)ひとつとっても「唄にもわっとくっついている」もあれば「奥にすーっと消えて行く」「左右に広がっていく」などのイメージが「見えて」くるはずです。そんなエンジニア耳も育てると音ががぜん面白くなりますよ!ブレスひとつでもすごく重要なものに聴こえてきたり、シンバルがダビングだって気づいたりすることもあるでしょうね。第2回のセッション(7/22を予定/申し込みは急いで!定員間近!!)で森崎さんがちょこっといじったちいさな音の違いも聴き取れるようになるでしょう。

<もっと録音しよう>
僕は(きっとセイゲンさんもそう思う)まず身近になった「録音」全体をもっと活かして欲しいと思っています。安くていい機材が揃っています、あとは「人・音楽・演奏+録音技術」があれば!その「+録音技術」のところはこの先のセッションは強力なヒントになります。現在、とくにインディペンデントのバンドは、録音にかける時間が短い、と思います。しかし実は「録音こそ最高の学び場」です。そこで実験してアイディアを膨らませ磨き、感性を高めて音にする。どうか録音に時間をかけて下さい。練習しておいてさくさく録音するのではなく、録っては聴き、やり直す、それをいくらでも繰り返す。映画Anvilの録音シーンを見ましたか?喧嘩だってするでしょうね、そこに魂とアイディアの全てを入れるのですよー!

<さて次回は?>
良い音楽、良い演奏があって、それを別の場所や時間に再生するために、私たちは録音をしてメディアに載せているのですね!ではそのメディアに載せるとき、すこしでも効果的に伝えるために音のどの部分にどんなアプローチをするのでしょうか。いよいよ音に変化を加えていきましょう!第2回の森崎さんの鋭いテクを見逃さないように!

ではまた次回に!


藤木和人/TBU!2010プロデューサー(フリーランス 作曲/編曲家 プロデューサー)ビクタースタジオでエンジニアとして電子回路・SSL等一連の録音機材のメンテ・開発等を、豊島政実にルームアコースティックスを学びスタジオ・マスタリングルーム設計に携わる。川原伸司/平井なつみ・河村利夫・市原宏祐などに作曲や編曲を学ぶ。1990年代はTPDの立ち上げなどにサウンドプロデュースで参加。以後、展示映像・PV・バレエ・芝居などへも音楽提供中。マッスルミュージカル音楽監督。心に残る音楽を作る事が信念。
ご意見要望・お仕事、よろず相談は kazuguis@gmail.com まで。

◆第2回日時:2010.7.15 木曜日 9:00AM-10:00AM
場所:サイデラ・マスタリング (最寄り駅;東京メトロ外苑前、JR原宿)
参加申し込み:saraudon009@gmail.com まで、メールにてお名前/年齢/所属(またはバンド名・アーティスト名)をお知らせ下さい。お問い合わせもこちらにお願いいたします。
参加費:無料
【第2回】は実際に参加者のお持ち込み音源でマスタリングを体験いただきます。夢のようなコラボセッションです!定員間近です。お申し込みはお急ぎください。[第2回リポートはこちら]

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2010/07/13

TBU!2010×Saidera Mastering モーニングセッション



音楽業界の新たな装置 日本初の音楽見本市TOKYO BOOT UP!2010
本開催(2010年9月3日(金)〜5日(日))までに行われるプレシリーズにセミナー&ワークショップ・シリーズが加わりサイデラ・マスタリングはTBU!2010とコラボレーション企画を開始します。

このシリーズは、インディペンデントな音楽制作者たちのためにサイデラ・マスタリングでノウハウやスペースを解放しスキルアップと知識の蓄積を促すチャンスを提供するものです。

「TBU!2010×Saidera Mastering モーニングセッション」
7月15日より(全6回)ただいま受講者募集中(無料)。

◎第1回:7/15(終了) 「オリエンテーション」ゲスト講師:藤木和人氏(リポート_01
◎第2回:7/22(終了) 「ミックス分析」講師:SDM 森崎雅人 (リポート_02
◎第3回:7/29(終了) 「80年代のマルチトラック録音」ゲスト講師:瀧口和徳氏
◎第4回:8/5(終了) 「配信用マスタリング」講師:SDM 森崎雅人 (若干名キャンセル待ち受付中)
◎第5回:8/19(木)朝9:00-10:00 「ジャンルによるバランス」講師:SDM 森崎雅人
◎第6回:8/26(木)朝9:00-10:30 「8トラックDSD ライブレコーディング」講師:オノ セイゲン&Ken Watanabe

このシリーズは、インディペンデントな音楽制作者たちのために豊富なノウハウやスペースを解放してスキルアップと知識の蓄積を促すチャンスを提供するものです。【第2回】からは実際にお持ち込み音源でマスタリングを体験いただいてます。詳細はSDM BLOG / SDP サラウンド戦略推進室 主宰


第1回日時:2010.7.15 木曜日 9:00AM-10:30AM
場所:サイデラ・マスタリング (最寄り駅;東京メトロ外苑前、JR原宿)
参加申し込み:saraudon009@gmail.com まで、メールにてお名前/年齢/所属(またはバンド名・アーティスト名)をお知らせ下さい。お問い合わせもこちらにお願いいたします。
参加費:無料

TBU!2010 チーフプロデューサー 渡邉ケンさんコメント
音楽界では午前9時といえば、このモーニングセッションは地獄にも通じる時間に思える人も多数いるでしょうね。朝の耳は新鮮ですよ。そして、ときは金成というではないですか。無料でこんな企画に参加できるのですから。奮っての応募をお待ちしております。

2010/07/12

オーディオラックの重要性

チーフ・エンジニアの森崎です。

本日はオーディオラックの重要性についてお話ししたいと思います。
アンプやCDプレーヤーのパフォーマンスを引き出すにはしっかりした作りのオーディオラックが不可欠です。ケーブルで音質が変わるお話はいつもしていますが、同じぐらいラックの違いでも音質が変わるんです。

僕が学生の頃はラックといえば21mm厚のシナ合板を2枚張り合わせた42mm厚の重量級ラックが定番でした。オーディオ仲間と音質競争をするので良い音を出すには最低限このラックが必要でした。ラックは田の字型に組みます。天板に2台、上段、下段に2台ずつ計6台の機材を収納出来ます。

参考にしたのは故長岡鉄男氏のラックです。ラックは上下でセパレート出来るように設計します。天板、側板、底板は2枚合わせ42mm厚で組みますが、上段の底板、下段の天板は21mm厚にして上下を合わせた時に42mm厚になるようにしました。ドアを通るためにそうしましたが組み上がると60kg以上はありましたね。

サイデラ・マスタリングのラックはフィンランドバーチ合板の重量級ラックです。ウレタン塗装を施してあるラックを使うのは僕の理想でした。それを今マスタリングの仕事で使えるのはとてもうれしいですね。

このラックにはAD/DAコンバーターなどを収納していますが天板の上にKORG MR-2000SやSTUDER D730を置くととてもバランスのいい音がします。マスタリングでは音の入り口でどれだけ情報を引き出せるかが大切ですが、縁の下の力持ちがオーディオラックと言えるでしょう。

2010/07/09

ニュアンスの解釈(その2)「透明感を出す」


マスタリングで「透明感を出す」という言葉の表現があります。「パキッとしてほしい」というニュアンスの解釈について前回は話しましたが、このリクエストもアーティストにより解釈はさまざまです。

「透明感を出す」リクエストへの実際の音作り。
1) 音量レベルを下げる。
2) ケーブルを交換する。
3) ローカット、特にキックとベースの音を分離良く聴こえるようにする。
4) ボーカル周りの音を整える。
5) ボーカルの抜けを良くする。
6) コンプを緩めにする。
7) AD、DAコンバーターを変えてみる。
8) アナログ機材でマスタリングする。

「透明感」と一口に言っても実際は、低域の抜け、楽器の分離、ボーカルの質感、広がり、奥行きなど、アーティストの方が何を求めているのかセッティングや機材を変更しながら一緒に音作りしていきます。聴こえにくかったベースラインを引き出すことで透明感が出ましたねという感想を頂くこともあります。

また言葉は「透明感」でも「音の抜け」「切れ」を指している場合もありますのでイメージを合致させて作業することが大切です。アーティストの方が求めているサウンドを探求しそれをクオリティーアップすることがマスタリングの仕事の醍醐味ですね。

2010/07/08

スティッチが世界をロック☆スティッチロックカバーアルバム

どうもMUSHです!

みなさんご存知のディズニーキャラクター、スティッチのロックカバーアルバムがリリースされますよ!
先日はこのアルバムのマスタリングに、1曲目「Hawaiian Roller Coaster Ride」をカバーした難波章浩さんがお見えになりました!
特集ページで各曲の試聴も出来るみたいですね!ぜひみなさん予約してくださいね!

参加されたアーティストはこのように豪華ですよ!
難波章浩 -AKIHIRO NAMBA- / ACIDMAN / LOW IQ 01 / SHANK / The Mirraz / HEY-SMITH / FATPROP / S.M.N. / MONGOL800 /KING BROTHERS / FoZZtone /真空ホロウ / the pillows / かりゆし58 / HIFANA
AVCW-12789
2010.7.28 in stores
LINK:スティッチいい音だすじゃないか〜!

2010/07/07

KORG MR-2000Sを使ってみよう(その8)

本日はマスタリング時のDSDフォーマットについてお話ししたいと思います。

DSDのサウンドの特徴はナチュラルで抜けのいい音ですが、サンプリング周波数が5.6MHzと2.8MHzでは若干ですが質感が異なります。

広がり、奥行きを重視するなら5.6MHz、パンチがありサウンドがまとまるのが2.8MHzです。ジャズやクラッシックなどアコースティックなサウンドには前者、J-POP、R&Bなど打ち込み音源とヴォーカルには後者が合いますね。PCMの音源をDSDにアップコンバートして作業する場合にこの2つを使い分けています。

立ち会いマスタリングの時にDSDにアップコンバートすると「歌の音像が大きく聴こえるようになりました」という意見を頂きますが、DSDはサウンドにピークが少なくPCMよりレベルが大きく出来ることと声がナチュラルで抜けてくるからです。声に輪郭を付けなくても抜けるので中低域をしっかり出した音作りが可能になります。

ただし、すべての音源でDSDアップコンバートが出来るとは限りません。例えばPCM音源でレベルがギリギリ入っている場合、DSDにアップコンバートする際に歪みが目立ってしまうことがありますのでその場合はPCM音源のままで作業しています。どのフォーマットで作業するかよりも最終的な仕上がりを一番に考えてマスタリングしています。

僕自身、PCM独特のタイトさとアタック感も好きなのでDSDとPCMはジャンルによって使い分けています。DSDにアップコンバートするとPCMのサウンドも再確認出来るので選択肢が増えることでより緻密な音作りにつながりますね。

2010/07/06

TOKYO BOOT UP! 2010 x Saidera Mastering !



蒸し暑く不安定な天気が続いていますがいかがお過ごしでしょうか?梅雨明けが待ち遠しいですね。2010年も早くも折り返し、マスタリングにお越しいただいてるタイトルも秋冬の気配です。

さてさて
この秋9月に、世界三大音楽見本市のひとつSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)型音楽見本市を目指し開催されるTOKYO BOOT UP! 2010 を皆様ご存知ですか?

TOKYO BOOT UP! 2010 とは、日本にありそうでなかった本物の「ショーケース」を目指し、ミュージシャン、ライブハウス、そしてリスナーから音楽業界までを繫ぐライブイベントです。ミュージシャンの表現をより多くの方に知っていただき、あらゆる種類の協力者に出会えることを目的としています。

現在、9月の本開催(9/3-5)で行う5会場を中心としたライブハウス回遊型ショーケースライブの出演者を募集中です。
エントリー〆切りは7月31日(土)。最後のエントリー説明会は7月14日(水)に予定されています。

サイデラ・マスタリングも微力ながら(全力で)、ミュージシャンの皆様の魅力をより伝わりやすく、クオリティアップできるノウハウをご提供できる機会を設けたいと思っています。TOKYO BOOT UP! 2010 実行委員の皆様ともブレストを重ねておりますので近々、面白い企画を発表できそうです。どうぞご期待ください。



(左からTOKYO BOOT UP!実行委員会 藤木和人さん、林明さん、渡邉ケンさん)

TOKYO BOOT UP! 2010 出演者エントリー詳細
特別審査員…すごいです!
TOKYO BOOT UP! 2010 プロデューサー渡邉ケンさんインタビュー

2010/07/05

SD-1021H シェルブールの雨傘 / Saxophobia

サイデラ・レコードより、おすすめ「今日の一枚」です!
SD-1021H「Les Parapluies De Cherbourg / Saxophobia」

”サキソフォビア”の2ndアルバム。オノ セイゲンによるDSDスタジオライブ録音。

”ジャズ・サキソフォン・プレイヤーによる最高度の室内楽の成果。
アドリブと室内楽の結合が大成功している。
グルーヴィング室内楽の誕生。
あらゆる音楽メディア、演奏の現場に紹介したい新表現、新分野だ。
小気味よく、同時に深く、豪華で、心地よい。” 山下洋輔

2010/07/02

電源ケーブルの使いこなし

本日は電源ケーブルについてお話ししたいと思います。

最近ではオーディオ用にさまざまな電源ケーブルが販売されています。値段が高ければ良いという単純なものではなく機材との相性が大切です。

サイデラ・マスタリングではアクロテックの電源ケーブル(ホスピタルグレードコネクター)をリファレンスにしています。音質に癖が無く機材のパフォーマンスを100%引き出せることが選択の基準です。SaideraAi SD-9003とコンセプトは同じです。

電源ケーブルはコネクターの選択と末端処理で若干のキャラクター付けが出来ます。末端処理が先バラ/ハンダメッキの場合はレンジが広くナチュラル、圧着端子だとタイトで太いサウンドになる傾向があります。(電源ケーブルの工作は専門業者に依頼するか、個人で工作する場合は安全に十分注意して行なって下さい)

サイデラ・マスタリングではAD、DA、アナログEQ 、COMPの電源ケーブルはサウンドのバランスを第一に選択しています。広がりと奥行きのある機材には前記の圧着端子のケーブル、タイトで太い機材には先バラ/ハンダメッキで処理したケーブルという組み合わせでバランスをとっています。機材と同じキャラクターの電源ケーブルを選択すると個性は伸ばせますが音の変化が大きすぎて使いにくくなってしまいます。

P.S.
電源ケーブルは導体一本一本が太く、数が少ないタイプのケーブルはまとまりがあって音が太い、導体一本一本が細く数が多いケーブルはレンジが広く透明感のある音の傾向にあります。ケーブルを触ってみて固いケーブルは前者、柔らかくしなやかなケーブルは後者にあたりますので購入前にチェックしてみて下さい。
また、単線ケーブルが一番アタック感が強く太いサウンドですよ。

2010/07/01

サイデラ・モーニングセッションExtension / TD725sw

どうもMUSHです!

先日開催したサイデラ・モーニングセッション#013、その後引き続いて「サイデラ・モーニングセッションExtension」が開催されました!
サイデラ・マスタリング スタジオでは、サラウンド制作にPMC MB1 X 5本、LFEには、Eclipse TD725sw に距離補正のできるキャスターをつけて使用しています。なぜこのモデルを選択したのか、LFEについて実験、解説が行われました!

サラウンド入門」のp.77にもありますが、サブウーファーの調整方法は大きく「レベルの調整」と「位相の調整」に分かれます。サイデラ・マスタリング スタジオのTD725swの距離補正のできるキャスターは、まさにこの「位相の調整」に活用されているわけです!

TD725swは25cm口径のスピーカーユニット2基を背面対向にアルミシャフトで結合して設置しさらにエンクロージャーから浮かせる構造で、立ち上がりの早さと制振対策が実現されています。これはサブウーファーでの低音再生時にワイングラスを置いても大丈夫なほどです!

解説は実際のサラウンド制作でどのようにTD725swが設置されているか、LFEチャンネルの注意点とポイント、最新の5.6MHzライブ録音のミキシング時のLFEチャンネルについてなど非常に濃い内容で、また「PMC MB1X 5本とのつながりが凄く良く、サブウーファーの存在を感じさせない」と再生環境の良さに関するコメントもいただきました!

LINK:小原由夫のサイト・アンド・サウンド
サブウーファー考現学その1
サブウーファー考現学その2