2014/07/31

レコード入門(その1)「アナログの魅力ってなんだろう?」

こんにちは!インターンの鈴木です。
今まで興味はあったのですが、なかなか1歩を踏み出せていなかったレコードの世界に、チーフエンジニア森崎指導のもと足を踏み入れました!

最近はハイレゾ関係の話題も盛り上がってきましたが、アナログの良さというのは何なのでしょうか?新しい発見があり興味深く、まんまとレコードが好きになってしまいました!その経過を数回に渡り『レコード入門』と称してお伝えします。

では早速。レコードを聴くにはこの5つが必要です。

1. レコードプレーヤー
2. 針
3. フォノイコライザー
4. アンプ
5. スピーカー

今回は1. レコードプレーヤーについて紹介します! サイデラで所有しているレコードプレーヤーはこちら!



DENONのDP500M
国産ブランドのプレーヤー。DENONらしい太くてしっかりした音が特徴です。比較的構造もしっかりしており、安定感があります。
アナログは振動に弱いのでしっかり水平に置くことが大事です。MM型カートリッジ(詳しくは次回ご紹介します!)が付属されています。

自分の学生時代は放課後のバイト代でコツコツやりくりをし、レンタルショップでCDを借りることが楽しみでした。(携帯代を払わなくてはいけないのでCDを買えませんでした…)
そしてコンポでCDをMDにダビングして聴いていました。
現在CDを買えることだけでも嬉しいのですが、アンプ、スピーカー、レコードプレーヤーを単品で揃えるということが贅沢なことに感じます。

次回は特に重要な「針」についてのお話します!


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2014/07/30

Saidera Ai SD-9003の上手な使いこなし(その1)



渋谷のロックオンカンパニー限定で販売中の「Saidera Ai SD-9003」ケーブル。
このケーブルの特徴はまさに「色づけがないこと」。足すことも引くこともなく、インとアウトがまったくイコールになることを目指して作られています。

サイデラでは用途に合わせていくつも種類をご用意しています!今回はそのラインナップとオススメの使いこなしをご紹介します。

【SD-9003 Pro transfer cable】(長さ:1M,2M,3M,5M,7M,10M 、ペアまたはシングル)
XLR Male-XLR Female(キャノンプラグ/オス→キャノンプラグ/メス)
TRS-TRS(TRSフォンプラグ:バランス→TRSフォンプラグ:バランス)
TRS-XLR Male(TRSフォンプラグ:バランス→キャノンプラグ/オス)
TRS-XLR Female(TRSフォンプラグ:バランス→キャノンプラグ/メス)

※XLRは2番ホット、バランス用です。
※TRSはTRSフォンプラグ(ステレオ標準プラグ)を使用したバランス用です。楽器用のシールドケーブル(TSフォンプラグ:モノラル標準プラグ)とは仕様が異なりますので注意してください。

◯おすすめの使いこなし
【XLR Male-XLR Female(2Mペア、3Mペア)】
・一番人気!レコーディング・スタジオ、プライベート・スタジオのパワードモニターのインプット・ケーブルとして。
・抜群の解像度と抜けの良さ。ローエンドとハイエンドがわかり易くハイレゾの音楽製作、リスニングに。

【XLR Male-XLR Female(1Mペア)】
・TASCAM DA-3000、KORG MR-2000SなどのDSDレコーダーのインプットケーブルとして。
・広がり、奥行き、空気感などDSDの特徴を十分に発揮することが可能。
・コンソールアウトのサウンドをそのまま録音出来ます。アナログEQ、COMP、AD/DAコンバーターのインプット/アウトプットなど。ケーブルで音色を調整するのではなく、機材AとBの特徴を最大限に生かしたい場合にもオススメです。


【XLR Male-XLR Female(5Mペア)】
・ドラムのトップ、ストリングス、アンビエンスなどのペアマイクのケーブルに。
・ 例えばシンバルはジャーンではなくシャーンときれいに伸びて聴こえます。
・色づけがないのでレコーディング・スタジオのアナログテープレコーダーのインプット/アウトプット、パワードモニター、パワーアンプの入力への延長ケーブルとしても最適です。

音楽制作の現場では色づけの無い分かりやすいモニター環境が不可欠です。
SD-9003ケーブルはあなたのこだわりの機材を最大限に生かし、正確な判断、スピーディーなオペレーションを可能にします!


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2014/07/29

サイデラ・マスタリングのスタジオ・アシスタント/インターンシップ募集

サイデラ・マスタリングでは
①スタジオ・アシスタントと②インターンシップを募集します。

①スタジオ・アシスタント:募集人数1名
【条件】
・1年以上のスタジオ経験者のみ
・35歳くらいまで、気持ちは20代であること

【応募方法】
履歴書、職務経歴書、なぜサイデラ・マスタリングで働きたいかの作文を1000~2000文字でお送りください。書類審査の後、面接。
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-33-2 サイデラ・マスタリング宛


②インターンシップ
※実績・能力・適性によって弊社アシスタントへ昇格の可能性あり。マスタリング/レコーディング・エンジニア、音楽制作などへの近道です。
【条件】
・週4~5日の研修(土日も含め時間の融通がきき、なるべくスタジオに常駐できる方を優先)
・サイデラ・マスタリングの戦力になりたい方
・30歳くらいまで
【応募方法】
②の応募については必ずこちらをご覧ください。
弊社インターンシップ・プログラムについて:http://www.saidera.co.jp/paradiso/intern.html

※①及び②についてのご質問はメールにて、saideramastering2@gmail.comにご連絡ください。


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2014/07/25

演奏会、コンサート、リサイタルを、DSDでライブレコーディング!【連載その1】知っておきたい3つの収録方法

ライブレコーディング・エンジニアの西沢です。サイデラ・マスタリングでは室内楽やオーケストラをはじめ、あらゆるアコースティック楽器による演奏会、コンサート、リサイタルでの DSDライブレコーディングを行っています。DSDの音は、とにかく正確。音色の再現力は音楽家の耳をもってしても生演奏と間違えてしまうほどで、会場の空気感も余すことなく伝えることができます。

まずは、ハイレゾ() の最上位ともいえる「DSD」で録ることをオススメしますが、もうひとつ大切なのが「イメージする音や、目的・状況にあったレコーディングの方法」を吟味すること。これが「音楽の伝わり方」を左右するので、状況にピッタリなレコーディング方法を一緒に検討しましょう!

※ハイレゾについて:AV Watch「これから始める “ハイレゾ” 超入門」http://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/20140218_634955.html

レコーディングの方法は主にこちらの3種類です。
(サイデラ・マスタリングでは、どのタイプも承っています!)

1,ワンポイント(主にステレオ)
=ワンペアのマイクロフォンのみで、任意の位置で収音


2.マルチマイク/マルチトラック
=複数のマイクロフォンを設置、それぞれの音を別々の音として収録 
(2ch、4ch、8ch、16ch、48ch、96chなど、必要に応じて任意の数)


3.マルチマイク/ダイレクトミックス
 =複数のマイクロフォンを設置、それぞれの音をリアルタイムでミックス


次回から3回に分けて、それぞれの方法の特徴・メリットを詳しく説明します。演奏会、コンサート、リサイタルの際には、ぜひサイデラ・マスタリングのハイレゾ・レコーディングをご検討ください♪

【連載予定】
 その2:ワンポイント(主にステレオ)
 その3:マルチマイク/マルチトラック
 その4:マルチマイク/ダイレクトミックス 


西沢拓朗:ライブレコーディング・エンジニア
長野県出身。日本大学 芸術学部 映画学科 録音コース卒業。音響ハウスでキャリアをスタート、その後フリーランスのレコーディング・エンジニア。室内楽やオーケストラの録音を福井末憲氏(エヌ・アンド・エフ)に師事。サイトウ・キネン・フェスティバル松本、宮田大(チェロ)、東京交響楽団、長岡京室内アンサンブル等で氏のアシスタント及びレコーディング・エンジニアを務める。クラシック音楽のほか吹奏楽や演芸・話芸にも親しみ、国内30以上のホール・劇場にて録音を手がけている。

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2014/07/23

サイデラ・マスタリングでハイレゾマスタリングを体験しよう!(その2)「CDとハイレゾマスタリングはここが違う!」


チーフ・エンジニアの森崎です。
ハイレゾは一度聴けばその音の魅力を、誰でも体感することができます。
ハイレゾマスタリングについての連載第2回目ということで、今回は「CDとハイレゾマスタリングの違い」を音質と作業工程に注目してお話しします。
(その1)はこちら→ハイレゾマスタリング、2つのフォーマットで異なるプロセスと仕上がり

CDとハイレゾマスタリングには3つの違いが有ります。
1. フォーマットが違う
2. 作業工程が違う
3. リスナーに届く音が違う

1.マスタリングに持ち込まれるミックス音源の9割が24ビットまたは32ビットなのに、CDのフォーマットは44.1kHz、16ビットです。
ハイレゾはミックスマスターのフォーマットのままで配信できるのに対し、CDはどんなフォーマットでもに最終的に「44.1kHz、16ビット」に変換する必要が有ります。

2. CDは容量が限られ(=器が小さい)ています。例えば24ビットのミックスマスターで聴こえていたストリングスの空気感やボーカルの細かいニュアンスは、そのままフォーマット変換をするだけでは失われてしまいます。なのでCDにした際に音楽的に大事な要素を損なわないための工夫が必要になります。高域をほんの少し強調したり、声の輪郭をはっきりさせたり、うまく足し引きをしながら音作りをしなければなりません。一方で、ハイレゾのマスタリングはCDフォーマットに変換した際の音の変化を予測しながらの音作りは必要有りません。スピーカーから聴こえている音がそのまま最終形になります。

3.CDは2で説明した通り容量が限られています。もちろん音楽的には十分感動する音ですが、それでもマスタリング・スタジオでアーティストがこだわった繊細なニュアンスやグルーブをそのままリスナーに届けることは出来ません。しかしハイレゾの音はアーティストがマスタリング・スタジオで聴いた音そのものです。彼らが体感した感動をリスナーも共有することができます。

サイデラ・マスタリングではCDのマスタリングのときに手軽にハイレゾの体験をすることができます。ハイレゾに切り替えるとふわっと広がる空気感、低域の厚み、リズムの切れが違うことが一瞬で分かります。このニュアンスをCDのマスタリングでも出来る限り表現しようと頑張ると、さらに一歩踏み込んだ仕上がりが可能になるんです。
ハイレゾを体験したお客さんからも「まるで目の前で演奏しているようなリアリティー」「柔らかく抜けのいい音は生演奏に近いですね」と好評です!

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2014/07/22

アンサンブルグループ「Pacificmodern」特別インタビュー (その3)

(その3)ホールが「楽器として鳴り響く配置」と「攻めの演奏」を追求する

山下いずる×山下美音理×オノ セイゲン


インタビュアー:久保 奈津実
(サイデラ・マスタリング)

サイデラ・マスタリングでは、マスタリングのみならず、コンサートホールやライブ会場でのDSDレコーディングも行っています。今回はチェリストの山下いずるさん、ヴァイオリニストの山下美音理さんのアンサンブルグループ『Pacificmodern』(パシフィックモダン)のレコーディングについてのインタビューです。
(その1)はこちら→http://saideramastering.blogspot.jp/2014/07/pacificmodern.html
(その2)はこちら→http://saideramastering.blogspot.jp/2014/07/pacificmodern-2.html


久保:ホールでレコーディングした時に、他に印象に残ったことはありましたか?

山下いずる:レコーディングの時に演奏者が普通の並びではなかったことですね。ピアノはステージ上で、僕たちはステージを降りたその下にいた。音はホールの2階席から録りました。謎の並びになったのだけど(笑)、オノさんがそうするといいですよと言うので、やってみたんですね。

山下美音理:音を出してみると素晴らしかった。アンサンブルが素晴らしくマッチしているという、不思議な現象が起こったんですね。


オノ:ステージ上でピアノの位置を決めて、ヴァイオリンとチェロは客席というか、一段降りた、普通は客席があるアリーナの位置で演奏してもらったんです。とても離れているわけではないのですが、コンサートの舞台という視点ではないですね。そういう意味では変わった配置になります。レコーディングのときは、楽器の位置は、必ずしもライブと同じ並びの必要はまったくありません。(※1)

久保:その配置はいくつか試してみて決めたものでしたか?


山下いずる:いや、もうオノさんがすぐに決めました。初めてこの配置でいくと聞いたときはちょっと驚きました。これでいいの?っていう。普通はすぐそこにいるピアニストが自分達より高い場所にいる(笑)。

オノ:音は短く何度も出してもらったでしょ。少し動かす度に。その一瞬で響きを聴くんです。どの方向だとホールが楽器の一部として、よく鳴ってくれるかをね。最後にほんの少しだけ椅子を動かしましたね。大事なことは、一歩前とか後ろとか、演奏者の微妙な位置を調整したり、吸音材をピアノに置くといったような、ちょっとした工夫です。とにかくホール全体が、それぞれの楽器の延長線上であるようにする。

山下美音理:あちらに置きましょうとか、こちらに置きましょうとか、ピアノの下にこれを置きましょうとか、ちょっとあのあたりにあれが必要ですよねとか、オノさんが仰っていくごとに音が変わっていきました。特に印象的だったのが、私が弱音で弾きたいけど、ちょっと音が響きすぎてしまうという時があって、オノさんがヴァイオリンの向きをちょっと変えて、吸音材を置いて、その部分だけこの向きで弾くといいよ、と言ってくれたんです。たった数小節なんですけど、言われた通りにほんの少しだけ、向きを変えながら弾いてみました。そうすると音が変わったんです!「うわすごい!」と思いました。ほんとにちょっと、10センチぐらいなんですけど、ホントに変わった!という場所があって。

山下いずる:最初に「録音物をよりよくするために、どう座ってどういうふうに弾けばいいか」という視点があった方がいいのだなあと感じました。

山下美音理:どんどん試すと変わるから面白い!というのがありました。


オノ:マイクが遠い方が、楽器のダイレクト音より空間の響きもひろがりもでる。この小さいホールだと遠くに置いたつもりでも、実は演奏者との距離は近い。演奏者との距離が近い方が細かい演奏手法が見える、練習とか自分の演奏を確認したい時には鏡のようでいいですよね。


山下いずる:弦楽器は聴く場所によって大分音が変わるということが改めて分かりました。間近で聞いていると、意外と楽器のノイズがある。それが後ろにいくほど判らなくなってくる。「コンサートを楽しむ」という観点からするとそれに最適な距離があるんだなあと思いました。今回TASCAM DA-3000まで買っちゃった(笑)。


久保:目的に合わせたベストな距離感があるということですね。今回、日本ではまだ珍しいファツィオリのピアノでのレコーディングとのことでしたが、実際に音を聴いてみていかがでしたか。


山下いずる:ファツィオリは、僕達もその音をはじめて体験しました。一緒に演奏してみて気が付いたんですが、透き通ってるというか「弦とよく融け合うピアノだな」と思ったんです。要所要所でこのポイントにどの音が鳴っているかが明確に分かるので、特に室内楽をやるときに、一体感があった。演奏中にどこに合わせて良いかが分かる。


山下美音理:音程が明確、すっきりしている印象でした。演奏中に「ここでいける!」というのがわかるし、相手の「ここに来て!」というのもわかる。録音されたものを改めて聴いてみると、音がよく合わさっている感じ。それぞれの楽器と、対等になりやすい。

久保:なるほど。レコーディングは3日間行ったとのことですが、1~3日目で弾き方や聴き方に何か変化がありましたか?

山下いずる:ありました。だんだん追い込まれて(笑)、ネガティブにいえば「保守的」になる傾向が出そうだった。保守的になることをやめないと、という気持ちとのせめぎあいでしたね。後から気づいたのですが、最初2テイク録音して、自分たちの気持ちがそのまま分かるんです。「ちょっと怖がって弾いている・・・怖いけど、頑張って挑戦した・・」というのが。そして、どちらを選ぼうかと思った時に、やはり「挑戦した」方を選びたくなるんですね。守りに入っている方は、合ってるけど、これ聴いて楽しいかと言われたらちょっと違うと思いました。3日続けていると、調子がいい場所と悪い場所が出てきて、日を追うごとに戦う部分が増えてくる。怖くなる率が高くなる。

山下美音理:間違えちゃうのを恐れているというか…。でもそこにそのままでいてはだめなんですね。録音って自分の状態が素直に出てしまうんです。やっぱり「挑戦していないと」だめなんですよね。

山下いずる:逆にノってきたときもあるけどね。ずっと楽しく弾いていられる瞬間があった。


山下美音理:「これは来てるぞ!!」と感じられるピークがあったんです。2日目の最後。3人が、ある瞬間、同じ時にピークを感じた瞬間が3テイクぐらいあって、ピアニストが「今のは、10年に1本来るかどうかみたいな、すごくいい波がきた!」って言いました。経験の浅い私たちは、まだまだいけると思ったけど、後で聴いてみると、確かにそこが一番よかった(笑)。


山下いずる:それぞれが「いくぞ!」って時や、やっぱり自分で「良かったな」と実感したテイクは良かった。それを超えると段々息切れしてくる(笑)。弦は守りに入ると音がこもるのか、何かが違うんです…。弾いていて縦ノリがふえすぎると、普通に拍子を数えている感じになってしまいます。ちょっとだけ転び始めそうな時が「いいな」と実感している時、その先に行きたいけれど我慢もしている、その「せめぎあい」が楽しいんですよね!それがなく、音楽が固くなりすぎて「次の拍はこう来るよね」と、分かっちゃっているときは安全圏というか、進まない。


山下美音理:ギリギリの所で、ミスをするかどうか、すれすれを行っているときが一番いい時なんだろうなって思います。


山下いずる:演奏家としては「軽くやってるんですよ~。」って言いたいけれども、実際はぎりぎり(笑)。だけど、余裕しゃくしゃくでやっていたら、それはちょっと物足りない。


山下美音理:巨匠の演奏も、レベルが違うけれどきっとせめぎあいがあるからこそ生き生きしてるんではないかと。そういう限界を超えようとした時に初めて感動が伝わると思う。この感覚はレコーディングをして、自分達の音を聴いてみると改めて分かりました


山下いずる:同じ音なのに、全然違う。今回のDSDレコーディングは演奏家としてとてもいい経験になりました。演奏会で弾いていて「怖がっている部分」、それがお客さんにも伝わっているんだろうなということが、DSDレコーディングを聴いてみると身に沁みた、というか。やっぱり、怖がるくらいだったら「一歩挑戦してみよう!」という気持ちがいいですね。


山下美音理:エラーがでたとしても、アクセルを踏んだか踏まないかは大きな差になる。だったら「踏もうよ!」という方向がいい。どうしても守りにはいる時もあります。そりゃミスしたくないしね(笑)。だけど、そこで怖がってどうする!という葛藤もある。「後先考えず」とはちょっと違う「怖いけど、挑戦しよう!一歩踏みだそう!」というのが大事なんだと思います。


※1. (参考)レコーディング時の演奏者の位置について


アンサンブルグループ『Pacificmodern』(パシフィックモダン)今後の活動予定はこちら

Pacificmodernが指導する室内楽ワークショップ発表会
講師演奏としてラフマニノフのピアノ三重奏曲第1番を演奏予定。
ピアノ:川田健太郎
ヤマハ銀座店6Fコンサートサロン
8/6 18:30~

Pacificmodernが指導するジュニア弦楽教室が出演するロビーコンサート
アプリコみんなの音楽祭2014
大田区民ホールアプリコ
7/26 13:00-13:30
7/27 12:00-12:30

Pacificmodernホームページ:www.pacificmodern.net/


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2014/07/15

アンサンブルグループ「Pacificmodern」特別インタビュー (その2)

サンプリング・リバーブで初期反射と響きをコントロールし、音色をふくよかに

山下いずる×山下美音理×オノ セイゲン


インタビュアー:久保 奈津実
(サイデラ・マスタリング)


サイデラ・マスタリングでは、マスタリングのみならず、コンサートホールやライブ会場でのDSDレコーディングも行っています。今回はチェリストの山下いずるさん、ヴァイオリニストの山下美音理さんのアンサンブルグループ『Pacificmodern』(パシフィックモダン)のレコーディングについてのインタビューです。
(その1)はこちら→http://saideramastering.blogspot.jp/2014/07/pacificmodern.html


久保:サイデラに来た目的としては、編集に残響を加えるためだったんですか?

山下いずる:マスタリングをお願いするのが第一にあって、プラス響きを足せることを知ったので、両方ですね。ぼくはよく分からないけれど、オノさんが機械をこう…カチカチやると音がきれいになる(笑)。

山下美音理:何か変わるんです(笑)。ヴァイオリンの音がきれいに聞こえる音源っていうのが、実はあまりないんです。いろんな演奏家の録音を聴いてても、もともとの演奏を生で聴いて知っているので、ホールだとすごく輝いた演奏なのに、録音を聴くと「あれ?いつもはもうちょっと響きが豊かなのに」と思うことがたまにありました。生で聴くとふくよかなものが平らに聴こえてしまうということです。この「あれ?」という感じは、ヴァイオリンは顕著に現れます。録音が難しいのかなと思っていました。だけど、今回オノさんのマスタリング後に聴いた音はふくよかさと輝きがあり、びっくりしました。「こんなに違うんだ!」と感じました。


オノ:普通リバーブをかけるっていう作業はマスタリングではなくて、ミキシングです。サイデラ・マスタリングでやったのは、特例的ではありますが、僕自身が録音からやる場合にはレコーディング〜ミキシング〜マスタリングという境目はありません。普通は、クライアントから依頼がない限りは、マスタリングで勝手にリバーブ付け足すなんてやってはいけないことです。ちなみに普通はいわゆるデジタルリバーブをかけるんですが、僕のやり方で特徴的なのはコンボリューション・リバーブ(※)にこだわっている点です。実際のステージと客席の響きの関係に置き換えられる仕組みが入っているんです。ある場所で録音した音に、別のホールの響きを重ねたり。楽器の音色の大部分とは、ダイレクト音以上に、初期反射と響きなのです。録音された状況にマッチしたリバーブを選択する必要があるので、カチカチやっていたのはどの空間の初期反射と響きが相性いいか試していたんです。Sony DRE-S777(※)は、本当にすばらしい道具なんですけどね、一般的なスタジオで導入されているのほとんど見たことないです。サイデラ・マスタリングではフルオプションで3台常設して常に大活躍(笑)。

山下いずる:貴重なんですね…。

ー(その3へつづく)

アンサンブルグループ『Pacificmodern』(パシフィックモダン)今後の活動予定はこちら

Pacificmodernが指導する室内楽ワークショップ発表会
講師演奏としてラフマニノフのピアノ三重奏曲第1番を演奏予定。
ピアノ:川田健太郎
ヤマハ銀座店6Fコンサートサロン
8/6 18:30~

Pacificmodernが指導するジュニア弦楽教室が出演するロビーコンサート
アプリコみんなの音楽祭2014
大田区民ホールアプリコ
7/26 13:00-13:30
7/27 12:00-12:30

Pacificmodernホームページ:www.pacificmodern.net/


※ サイデラ・マスタリングには、3システムのSony DRE-S777
及び YAMAHA SREV1 が常設されています。


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2014/07/14

WORLD LISTENING DAY 2014


ワールドカップ決勝みてるなう。マッシュです。

いまこうやってリオのマラカナン・スタジアムで行われているサッカーを東京の片隅で見ることができ、そしてサラウンドで音を楽しむことができているのは、試合が行われている「そこ」に行って「録音」をおこなってくれている方がいるからです。当たり前ですが「そこ」に行かないことには「そこ」の音は決して録音することはできません。

「サウンドスケープ[soundscape]」の提唱者で『音さがしの本』の著者でもある、レーモンド・マリー・シェーファー(Raymond Murray Schafer)の誕生日7月18日には毎年、世界各地で「World Listening Day」が行われます。「そこ」の音にいつもより耳を澄ませて、そしてレコーダーを回してみてください。以下はTokyo Phonographers UnionとPioneer Global Sounds共催の「WORLD LISTENING DAY 2014」について。

WORLD LISTENING DAY 2014
Tokyo Phonographers Union x Pioneer Global Sounds Presents
「Listening the day : sounds of July 18th」
サウンドスケープの提唱者R. Murray Schaferの誕生日である7月18日に毎年世界各地で行われている「World Listening Day」にちなんで、Tokyo Phonographers Union x Pioneer Global Sounds Presents「Listening the day : sounds of July 18th」を行います。

iPhoneで録音・投稿・シェアができるPioneerのアプリ「Global Sounds」を使って、7月18日のあなたの街で聴こえる音を投稿してください。instagramやtwitterに投稿するような感覚で、あなたの暮らしや街のワンシーンで聴こえる音を、世界中のみんなでシェアしましょう。「音を聴くこと」「音を楽しむこと」「音を通して世界を再発見すること」をテーマにした、今まで録音をしたことのない方もウェルカムな、誰でも参加出来るプロジェクトです。

[参加者募集/CALL FOR PARTICIPATE]

場所 / WHERE:地球上のどこでも / Anywhere in the World

日程 / WHEN:7月18日(金) / Friday, July 18

参加方法 / WHAT:iPhone アプリ「Global Sounds」をダウンロードします / Download the Global Sounds iPhone App

◆ 音をシェア→音と写真を投稿しましょう。twitterアカウントをお持ちの場合は、投稿後、ハッシュタグ #WLD718 をつけて、twitterでもシェアしてください。
◆ 音を聴く→投稿された音はGlobal Soundsウェブサイト上や、iPhone アプリ「Global Sounds」を使って聴くことができます
◆ みんなで楽しむ→7/19のTPUイベントのリスニングセッションで、7月18日に投稿された音の中からTPUメンバーが選んだ音源を聴きます。また、アップロードされた音源を使って、あなただけのリスニングパーティを開催するのもよいですね。(開催するときには、よかったらぜひ、TPUに情報を教えてください!)

[関連リンク]
「Listening the day : sounds of July 18th」http://www.tokyophonographersunion.com/?p=550
Saidera Mastering Blog:「音さがしの本」で耳をすます
日本サウンドスケープ協会:サウンドスケープ用語と考え方 http://www.soundscape-j.org/ss_yougo.html


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2014/07/11

データ容量の計算[for Students] 第10回

ライブレコーディング・エンジニアの西沢です。音の業界を目指す学生さん向けの [ for Students ]、第10回のテーマは【データ容量の計算】です。

前回の【レコーダー事前準備編】では、現場でレコーダーをまわす前に準備しておきたい点に触れました。今回はさらに踏み込み、「ファイル形式」「サンプリング周波数」「量子化ビット数」「チャンネル数」によって変動するデータ容量ついてです。

同じ500GBのハードディスクでも、2chステレオ収録とマルチトラック収録とでは当然ながら収録可能時間が異なります。レコーダーをしかるべき設定にすればその時間は一目瞭然に表示されますが、案件の内容に合わせてSDカードを購入する際などは、ざっくりとでも必要容量の計算ができると便利ですよね。

暗算のコツは、「計算の基準となる数値を暗記しておく」こと。基準は人それぞれで良いかと思いますが、例えば次の2つを覚えておくと簡単です。

● DSD/5.6MHz/2ch → 約11分/1GB
 
● PCM/48kHz/24bit/2ch → 約60分/1GB

これが、DSD/2.8MHz/2ch なら、サンプリング周波数が 5.6MHz の半分なので1GBあたりの収録時間は2倍となり、約22分/1GB。PCM/96kHz/24bit/2ch だと、96kHz は 48kHz の2倍なので収録時間は半分となり、約30分/1GB ですね。

……暗算すら面倒な場合は下記アプリをオススメします(実際に記録されるデータ容量とは若干異なりますが参考になります)

Audiofile Calc
http://www.audiofile-engineering.com/

iTunes Store リンク
https://itunes.apple.com/us/app/audiofile-calc/id337547274?mt=8&ign-mpt=uo%3D4

これで “要領” よく計算できますよ!


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2014/07/09

サイデラ・マスタリングでハイレゾマスタリングを体験しよう!(その1)「ハイレゾマスタリング、2つのフォーマットで異なるプロセスと仕上がり」


サイデラ・マスタリングではCDのマスタリングと同時にハイレゾのマスターを作成することを推奨しています。

僕のハイレゾ用マスタリングは、
1.DSD 1ビット/5.6MHz
2.PCM 24ビット/96kHz
のどちらかのフォーマットを、ハイレゾの仕上がりイメージに合わせて選択します。2つはそれぞれ異なるプロセスで、異なる仕上がりになります。

1.DSD 1ビット/5.6MHzのハイレゾマスタリングは、音の鮮度、グルーブ、空気感が魅力の、ミックス音源の良さを最大限に引き出したサウンド。最小限のアナログEQ、アナログコンプのみで楽曲のダイナミクスを活かすマスタリングを施します。美味しいステーキを塩コショウのみのシンプルな味付けで仕上げるようなイメージで、その一番の特徴はリアリティー!ボーカルの息遣い、ギターやピアノの繊細なタッチなど、まるで目の前で演奏しているようなサウンドです。

2.PCM 24ビット/96kHzのハイレゾマスタリングは、CDのマスタリングと同じく、デジタルEQ、デジタルコンプを使って積極的な音作りを施したマスタリングをします。キック、ベースの音色の調整、ボーカルやソロ楽器を強調したりなど、より細かい微調整ができます。

どちらの仕上げも、実際に立ち会った皆さんの感想は「広がり、空気感がある」「音色が自然でヌケがいい」「ボーカルが心地いい」「音の輪郭が鮮明」「CDの音の印象がブラウン管テレビの映像ならハイレゾはハイビジョン」と好印象です。まだハイレゾを未体験のアーティストの皆さん、ぜひ自分の音源でハイレゾを体験しにきてください。今までのCDの音とは感動の伝わり方が違いますよ!

2014/07/08

アンサンブルグループ「Pacificmodern」特別インタビュー (その1)DSDレコーディング体験から考える「音」と「自分」の距離感

DSDレコーディング体験から考える「音」と「自分」の距離感

山下いずる×山下美音理×オノ セイゲン


インタビュアー:久保 奈津実
(サイデラ・マスタリング)


サイデラ・マスタリングでは、マスタリングのみならず、コンサートホールやライブ会場でのDSDレコーディングも行っています。今回はチェリストの山下いずるさん、ヴァイオリニストの山下美音理さんのアンサンブルグループ『Pacificmodern』(パシフィックモダン)のレコーディングについてのインタビューです。

仙川アヴェニューホールで、5.6MHz DSDレコーディング(※1)、サイデラ・マスタリングにてDSDマスタリングしました。最終的には3種類の微妙に質感の異なるマスター音源を作成。それぞれの印象を伺いました。

久保:今回は 12月にDSDレコーディングされた音源から、
1.エフェクトを加えていないそのままの音源
2.コンセルトヘボウの響きを加えた音源(※2)
3.ウィーンのムジークフェラインの響きを加えた音源
の3タイプの音源を聴き比べてもらいました。その結果、3のムジークフェラインの響きを加えたものをマスターとして選ばれましたが、3タイプの聴き比べをしてみてそれぞれの印象はどう違いましたか?

山下いずる:12月にレコーディングしてすぐ、まずは演奏の細部の確認という意味でも、エフェクトも何もつけてない、マイク2本だけで録ったそのままのDSD音源(1)を聴きました。DSDレコーディングでは、個々のパートや繊細な部分まで聴きとりやすく、その時点でまず「音がいい」と思いました。もちろん自分たちの演奏ですので、自分のパートを集中して聴いてしまうものです。録音したばかりなので、ヴァイオリン、チェロ、ピアノの3つの楽器のバランスを聴くことで精一杯でした。日にちをおいてサイデラ・マスタリングに来て、まずコンセルトヘボウの響きを加えたこと(2)には、理由があります。前作「バッハ:ゴルトベルク変奏曲」のマスタリングの時、オノさんにコンセルトヘボウの響きを加えてもらったのですが、そのときに「あれ?弦がきれいに聴こえるな。」と思ったので、今回の録音にも加えられないかお願いしてみたのです。

オノ:そもそもふつうは、マスタリングではやってはいけない作業です。リバーブを加えるのは、ミキシングですから。とはいえ、マイク2本だけで録ったそのまま(1)ですから、いわゆるミキシング行程がありません。よって、マスタリングで、ホールで録ったものに後からでも響きを付け足すことは、結果的に演奏者本人やクライアントが好きな方向になるのであれば、躊躇なく可能であることを選択肢に提案させてもらいました。サイデラ・マスタリングでは、ふだんからミキシングや編集作業からいらっしゃるクライアントも珍しくありません。


山下いずる:レコーディングで使用した仙川のホールは、僕らはもともとよく知っていますが、小さいけど良く鳴るホールなので、いい響きになっていることは分かっていました。ですが、同時に「狭さ」も感じていて、もっと音に広がりを持たせたかったのです。音楽が聴こえた時に、滑らかというか、「お化粧」したような響きの感じになるのがいいなと思いました。それでも最初は自分たちの演奏を細かく聴きたかったので、マスタリングの最初のバージョン、タイプ1、つまりマイク2本だけで録ったそのまま(1)のはクリアでよいと思っていました。数日間は大好きで聴いていたのですが、自分たちが音符の1個1個を一生懸命、追いかけながら聴いていることに気がつき始めたんです。「これはお客さんも(音楽全体より)1個1個の音に注意して聴いてしまうのかな」と思いました。その聴き方が悪いわけではないけど、自分たちでもリスナーの立場としてコンサートに行く時は「音楽は気持よく、うっとり聴きたい」と思います。すると「ちょっと遠くから、音が融け合った状態で聴いているのがいいよね」と、次第にリスナー側の視点から聴きたいという気持ちに変わってきました。そこで「クリアさは失われないままで、響きを加えることで空間の広がりを感じるようにして欲しい」というリクエストをしました。


山下美音理:ずっと集中して聴いている状況だと、聴いているうちに疲れちゃうかなとも思ったんです。マイク2本だけで録ったそのまま(1)のリアルなものを改めて聴いたときに、細かい音がよくわかる。息遣いもわかるし、微細な音程、フィンガリング、微細な弓の表現もわかる。今思うと、今までの録音、ふつうのCDでそういう繊細な部分は聞こえにくかったのかなと思う。DSDレコーディングほどのニュアンスは聴きたくても聴こえないです。


オノ:仮に2000席のホールの座席でも、最前列よりちょっと離れているところが気持よく音楽を聴けますよね。2階席の前とかバルコニーとか、1階席でも後ろのあたりが気持ちいいことも少なくないです。仙川のホールは、客席から一番離れた場所にマイクをおきましたが、そのホールでは後ろの席ですが、800席くらいのホールに換算しても、むしろ前の方の席の近い距離関係でしたね。

山下いずる:もともとの録音(1)は楽器に弓があたった音なども入っていました。それもリアルでいいと思いますが、今回、私たちが「いいな」と思ったのは、コンサートホールの後ろの方のイメージでした。そこで、オノさんに「もうちょっと響きを足せませんか」というお願いをしたのです。以前よりウィーンのホールは良い響きという話を周りから聴くので、そのホールのリバーブを試してみました。コンセルトヘボウとウィーンのホール、どっちもよかったけど、ウィーンにしてもらったら、お化粧具合がすごく心地よかったんですよね。リスナーの視点から「心地よく聴けるような響き」。見事にそれに合うものをオノさんが選んでくれて、大満足の仕上がりになりました。


久保:レコーディングを行ったすぐ後と、その録音された音を時間をおいて何回か聴くことによって、演奏者本人である山下さん達自身の聴き方や、受け止め方も少しずつ変化していった…という感じですね。


山下いずる:そうなんです。レコーディングから時間たつと段々と変わっていきました。


オノ:CDを聴くほぼ100%の人は、マスタリング後の「製品になった音」しか聴くことはできません。だけど録音現場、つまりホールでは、座る席によって全員違う音を聴いているんですね、当たり前ですが。重要なことは、聴く場所によって聴こえ方や、響き方により、印象が異なるということを理解しておくことです。


久保:ステージと自分との距離感(リスナーの位置)によって、どう聴こえるかが全く変わるんですね。

山下美音理:そうですね。「全体を俯瞰して聴くことができる距離があるんだな」ということに改めて気が付きました。

山下いずる:これに気づくには、時間も必要でした。レコーディングしてすぐだったら、こうは思わなかったかもしれないです。

久保:制作にはどれくらい時間をかけたんですか?

山下いずる:去年の12月からですね。だけど、曲が決まったのは丁度1年前。この曲、コンサートで演奏しようとすると長いんですよ。1曲50分かかる曲ですから選びにくい曲でした。だけど、弾きたい曲だし。むしろ録音であれば取り上げ易い曲だと思いました。レコーディングは去年の12月に一気に3日間で行いました。その後、少しだけ時間を空けて待とうということになりました。

山下美音理:自分の耳と気持ちをリセットして、クールダウンしてから編集しようということにしました。そして2ヶ月くらいかけて編集。全部で200近いテイクがあったのですが、全部を聴きなおして、あーでもないこうでもないと話を重ねながら編集していきました。そして最終形態が決まったのが2月終わりで、3月の終わりにサイデラ・マスタリングに仕上げのマスタリングに来ました。

(その2)へ続く

アンサンブルグループ『Pacificmodern』(パシフィックモダン)今後の活動予定はこちら

Pacificmodernが指導する室内楽ワークショップ発表会
講師演奏としてラフマニノフのピアノ三重奏曲第1番を演奏予定。
ピアノ:川田健太郎
ヤマハ銀座店6Fコンサートサロン
8/6 18:30~

Pacificmodernが指導するジュニア弦楽教室が出演するロビーコンサート
アプリコみんなの音楽祭2014
大田区民ホールアプリコ
7/26 13:00-13:30
7/27 12:00-12:30

Pacificmodernホームページ:www.pacificmodern.net/


参考リンク
※ 1. DSDレコーディングとは
※2. サンプリング・リバーブとは
サイデラ・マスタリングには、3システムのSony DRE-S777、及び YAMAHA SREV1 が常設されています。

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2014/07/07

SEIGEN ONO Plus 2014 featuring NAO TAKEUCHI and JYOJI SAWADA @表象文化論学会

SEIGEN ONO Plus 2014 featuring NAO TAKEUCHI and JYOJI SAWADA @表象文化論学会
http://www.repre.org/association/about/
http://www.repre.org/conventions/uploads/140620repre_poster_A4.pdf (PDF)

7月5日(土)表象文化論学会 at 東京大学駒場キャンパス
『SEIGEN ONO Plus 2014 featuring NAO TAKEUCHI and JYOJI SAWADA』
ライブに合わせてオノが新曲を書き上げ、共演する竹内直さんと沢田穣治さんは、オノ曰く「表象文化論学会に最もふさわしいメンバーで、John ColtraneとOrnette Colemanのインフルエンス、スローですが少しBitches Brewの匂いを入れてみました」。










2014/07/04

レコーダー事前準備 [ for Stuednts ] 第9回

ライブレコーディング・エンジニアの西沢です。音の業界を目指す学生さん向けの [ for Students ]、第9回のテーマは【レコーダー事前準備編】です。

アシスタント・エンジニアの重要な役割のひとつに「レコーダーを まわす」仕事があります。“まわす” という表現は記録媒体がテープの場合の話、近頃はハードディスクやSD・CFカード等での録音がほとんどで、テープをまわす場合とは違った注意点があります。

「せっかくのいい演奏が、うまく録音出来なかった・・・!」

こんなトラブルが起こらないように、今回は現場でレコーダーをまわす(“まわす” にかわる言葉がいまだ見つかりません)前に確認したいポイントをおさらいしましょう。


1.演奏(公演)時間
長引くかもしれない拍手や予定外のアンコールにも備えて、記録メディアは余裕をもった容量を確保しましょう

2.サンプリング周波数/量子化ビット数/ファイル形式/チャンネル数
上記項目によってファイルサイズが異なるので確認しておきます

3.メディアの記録可能時間
最近は1TB、2TBのハードディスクが当たり前になり、ちょっとしたレコーディングなら容量を心配する必要はなくなりましたね。とはいえ油断大敵、特にSDカード等(4GB~64GBが主流でしょうか)に記録する場合は記録可能時間を把握しておきましょう

4.レコーダーとメディアの相性
メーカー推奨のメディアならまず間違いありませんが、実際に録音して確かめておきましょう

5.同期の方法
映像を伴う収録の場合、タイムコードを記録する必要があるか否かを確認します

6.バッテリーの持続時間
バッテリー駆動の場合、電池などの必要数を算出するために持続時間を把握しておきましょう
※気温が極端に低い・高い環境下では、持続時間が短くなる場合があります


現場での思わぬトラブルは準備不足から起こります。一回きりの演奏を確実に記録するために、事前の準備・確認は万全に!データ容量の計算や現場での確認事項については、また別の回でおさらいしましょう。



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2014/07/03

SEIGEN ONO Plus 2014 featuring NAO TAKEUCHI and JYOJI SAWADA @表象文化論学会




こんにちは!デスクの久保です!7月5日(土)に東京大学駒場キャンパスで行われる表象文化論学会で『SEIGEN ONO Plus 2014 featuring NAO TAKEUCHI and JYOJI SAWADA』のライブ・パフォーマンスがあります。ライブに合わせてオノが新曲を書き上げ、昨日(7月2日)リハーサルが行われました。写真はリハーサル時のもの。共演する竹内直さんと沢田穣治さんは、オノ曰く「表象文化論学会に最もふさわしいメンバーで、John ColtraneとOrnette Colemanのインフルエンス、スローですが少しBitches Brewの匂いを入れてみました」とのこと。どのような学会、そしてライブになるかとても楽しみです。

表象文化論と今回の学会について今年度の大会企画委員・編集委員である福田貴成さんからお話をうかがいました。

1. 表象文化論を一言でいうと?
「音楽や美術、映画やテレビそれにインターネットに至るまで、現代のさまざまな文化的事象を、表象(representation、メディアによる「再現」や政治的「代行」、舞台「上演」などの意味も持ちます)をキーワードに、多様に分析する学問分野です。加えて、それらの「生産」の現場にも積極的にコミットすることで、理論と実践の両面から、現代文化をめぐる知を深めてゆくことを企図しています。」

2. なぜ、今回オノ セイゲンにライブのオファーをしたのか?
「『作曲/演奏』をおこなうミュージシャンであり、同時に『録音/エンジニアリング/マスタリング』というメディア的営為にプロフェッショナルとして携わられてきたオノさんのご活動は、いわば『音楽・音響にかかわる表象の多面体』と言ってよいようなもの。そのご活動に、ライヴとトークの双方から迫れるならば、会員一同にとって、『現代において表象としての音・音楽とはなにか?』を考え、知る貴重なきっかけになるはずと思い、ご出演をお願いした次第です。ぜひ「音楽生産の現場の知」を真近に伝えていただきたい!」

表象文化論学会は、 個人的にとても興味深い学会です。私たちの世界では、多種多様な文化が流動的に交錯しており、文化や政治に関する様々な力学があります。それを捉えるためには、学問の専門領域だけではなく、いろいろな視点から情報を擦り合わせ、感じ取り、考える必要があります。今回は理論的知(いわゆる学問)だけではなく、体験的知(実践)の両方から、音楽について考えてほしいという背景で、このライブが実現したのだろうと感じました。

大学時代、学問は一部の専門領域で閉ざされ、その領域内で確立した理論によって展開されていくものだと思っていました。もちろん、それは学問の発展に不可欠ですが、理論的な知識を身につけるだけではなく、音楽や文化が生まれる場所に立ち会い、体験を共有するということこそ(特に音楽では)重要だと思います!

学会での発表内容も音楽、文学、美術、映画、ロボット、メディア論など、どれも面白そうです。とても刺激的な学会になりそうですね!





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2014/07/02

アシスタント・エンジニアの心得(その3)「第一歩は素直さ」


チーフ・エンジニアの森崎です。アシスタント・エンジニアの心得について、連載第3回目は「素直さについて」お話しします。

僕自身、音響ハウスで数年間のアシスタント時代を経験しました。最初、何をしても先輩から注意され、質問する内容さえわかりませんでした。直近の先輩に相談したところ「言われた通りにやってないからだろ!?」と諭されました。

ポイントはそこでした!まずは、「言われた通りにやる」こと。ある意味そのスタジオの流儀のような伝統のマニュアルにそって、言われたことだけでいいので100点満点の作業ができることが第一歩です。ファストフード店でオーダーを復唱するように先輩の指示を勘違いすることなく理解して、その通りにできるようになれば、その仕事は「任せてくれる」ようになります。そうやってできることを1つずつ増やして活躍の場を一歩ずつ広げていけば、間違いなくそのスタジオで無くてはならない存在になっているでしょう。

僕はこれをアシスタント・エンジニアに大事な「素直さ」だと思っています。やり方を工夫したり、「あれやっておきました!」なんて気を利かせたりするのは基本を身につけた後で全然遅くありません。将来スタジオで働きたいと思っている学生さんや、先輩から注意されて伸び悩んでいるアシスタント・エンジニアは、焦らずにまず「素直さ」に着目してみましょう。もしかすると力みすぎて空回りしていただけかもしれませんよ。


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2014/07/01

サイデラ・モーニングセッション#052「ハイレゾ&高さ方向含む9.0chサラウンド視聴会」終了しました


毎日放送の入交英雄さんを講師に向かえ、9.0chサラウンド録音の視聴会を行いました。再生にはサイデラ・マスタリングに常設している、ECLIPSE TD508MK3 X 9本+RME Fireface UFX+Pro Tools 11を使用。入交さんにはハイトサラウンド(高さ方向のスピーカーを含むサラウンド)の必然性、高さ方向チャンネルの収録などについて現場の写真も交えて解説してもらいました。

入交さんの録音は大変素晴らしく、特に教会で録音されたハイトサラウンド音源は立体的な音場を感じることができ、石壁で豊かに響いているのにも関わらずまるで楽器が「そこ」にいるかのようなはっきりとした音像が再現されていました。スイート・スポット(=スピーカーの円の真ん中)から外れた場所で聴いても、そこはまるで「教会に扉を開けて入った時」の音!この外れた場所の音もとても心地良かったです。

目からうろこだったのは、ハイトチャンネルをオン・オフしながら視聴したときに、前方LCRのメインマイクだけになるとダイレクト音の割合が圧倒的に多くなるのでくっきりとした音像が再現されますが、空間は再現されません。「マイクで録った音」がします。そこにサラウンドLR、ハイトLR、と反射音や響きの割合が多いチャンネルを足していくと、前方の音像がボケることなる見る見る空間が再現されました。ハイトチャンネルのあり・なしの差は思ったよりも大きく、高さ方向からの反射音や響きが録音空間そのものの再現に大きな意味があることが実感できました。はぁ9.0chサラウンドすごかった。

ハイトサラウンドの再生には、当然ですが部屋の上方にスピーカーを設置する必要があります。「そんなにスピーカーを置けない…」というのは必ず聞こえてくる声ですが、ハイトサラウンドには空間表現においてとても価値と可能性を秘めたものだと感じられました。サラウンド・フィールドレコーディングに行った時や街中でも、いま一度上方向にも耳を傾けてみようと思います。入交さん、素晴らしい録音をお聴かせいただきありがとうございました!



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