2014/07/31

レコード入門(その1)「アナログの魅力ってなんだろう?」


今まで興味はあったのですが、なかなか1歩を踏み出せていなかったレコードの世界に、チーフエンジニア森崎指導のもと足を踏み入れました!

最近はハイレゾ関係の話題も盛り上がってきましたが、アナログの良さというのは何なのでしょうか?新しい発見があり興味深く、まんまとレコードが好きになってしまいました!その経過を数回に渡り『レコード入門』と称してお伝えします。

では早速。レコードを聴くにはこの5つが必要です。

1. レコードプレーヤー
2. 針
3. フォノイコライザー
4. アンプ
5. スピーカー

今回は1. レコードプレーヤーについて紹介します! サイデラで所有しているレコードプレーヤーはこちら!



DENONのDP500M
国産ブランドのプレーヤー。DENONらしい太くてしっかりした音が特徴です。比較的構造もしっかりしており、安定感があります。
アナログは振動に弱いのでしっかり水平に置くことが大事です。MM型カートリッジ(詳しくは次回ご紹介します!)が付属されています。

自分の学生時代は放課後のバイト代でコツコツやりくりをし、レンタルショップでCDを借りることが楽しみでした。(携帯代を払わなくてはいけないのでCDを買えませんでした…)
そしてコンポでCDをMDにダビングして聴いていました。
現在CDを買えることだけでも嬉しいのですが、アンプ、スピーカー、レコードプレーヤーを単品で揃えるということが贅沢なことに感じます。

次回は特に重要な「針」についてのお話します!


2014/07/25

演奏会、コンサート、リサイタルを、DSDでライブレコーディング!【連載その1】知っておきたい3つの収録方法

サイデラ・マスタリングでは室内楽やオーケストラをはじめ、あらゆるアコースティック楽器による演奏会、コンサート、リサイタルでの DSDライブレコーディングを行っています。DSDの音は、とにかく正確。音色の再現力は音楽家の耳をもってしても生演奏と間違えてしまうほどで、会場の空気感も余すことなく伝えることができます。

まずは、ハイレゾ() の最上位ともいえる「DSD」で録ることをオススメしますが、もうひとつ大切なのが「イメージする音や、目的・状況にあったレコーディングの方法」を吟味すること。これが「音楽の伝わり方」を左右するので、状況にピッタリなレコーディング方法を一緒に検討しましょう!

※ハイレゾについて:AV Watch「これから始める “ハイレゾ” 超入門」http://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/20140218_634955.html

レコーディングの方法は主にこちらの3種類です。
(サイデラ・マスタリングでは、どのタイプも承っています!)

1,ワンポイント(主にステレオ)
=ワンペアのマイクロフォンのみで、任意の位置で収音


2.マルチマイク/マルチトラック
=複数のマイクロフォンを設置、それぞれの音を別々の音として収録 
(2ch、4ch、8ch、16ch、48ch、96chなど、必要に応じて任意の数)


3.マルチマイク/ダイレクトミックス
 =複数のマイクロフォンを設置、それぞれの音をリアルタイムでミックス


次回から3回に分けて、それぞれの方法の特徴・メリットを詳しく説明します。演奏会、コンサート、リサイタルの際には、ぜひサイデラ・マスタリングのハイレゾ・レコーディングをご検討ください♪

【連載予定】
 その2:ワンポイント(主にステレオ)
 その3:マルチマイク/マルチトラック
 その4:マルチマイク/ダイレクトミックス 



2014/07/23

サイデラ・マスタリングでハイレゾマスタリングを体験しよう!(その2)「CDとハイレゾマスタリングはここが違う!」


チーフ・エンジニアの森崎です。
ハイレゾは一度聴けばその音の魅力を、誰でも体感することができます。
ハイレゾマスタリングについての連載第2回目ということで、今回は「CDとハイレゾマスタリングの違い」を音質と作業工程に注目してお話しします。
(その1)はこちら→ハイレゾマスタリング、2つのフォーマットで異なるプロセスと仕上がり

CDとハイレゾマスタリングには3つの違いが有ります。
1. フォーマットが違う
2. 作業工程が違う
3. リスナーに届く音が違う

1.マスタリングに持ち込まれるミックス音源の9割が24ビットまたは32ビットなのに、CDのフォーマットは44.1kHz、16ビットです。
ハイレゾはミックスマスターのフォーマットのままで配信できるのに対し、CDはどんなフォーマットでもに最終的に「44.1kHz、16ビット」に変換する必要が有ります。

2. CDは容量が限られ(=器が小さい)ています。例えば24ビットのミックスマスターで聴こえていたストリングスの空気感やボーカルの細かいニュアンスは、そのままフォーマット変換をするだけでは失われてしまいます。なのでCDにした際に音楽的に大事な要素を損なわないための工夫が必要になります。高域をほんの少し強調したり、声の輪郭をはっきりさせたり、うまく足し引きをしながら音作りをしなければなりません。一方で、ハイレゾのマスタリングはCDフォーマットに変換した際の音の変化を予測しながらの音作りは必要有りません。スピーカーから聴こえている音がそのまま最終形になります。

3.CDは2で説明した通り容量が限られています。もちろん音楽的には十分感動する音ですが、それでもマスタリング・スタジオでアーティストがこだわった繊細なニュアンスやグルーブをそのままリスナーに届けることは出来ません。しかしハイレゾの音はアーティストがマスタリング・スタジオで聴いた音そのものです。彼らが体感した感動をリスナーも共有することができます。

サイデラ・マスタリングではCDのマスタリングのときに手軽にハイレゾの体験をすることができます。ハイレゾに切り替えるとふわっと広がる空気感、低域の厚み、リズムの切れが違うことが一瞬で分かります。このニュアンスをCDのマスタリングでも出来る限り表現しようと頑張ると、さらに一歩踏み込んだ仕上がりが可能になるんです。
ハイレゾを体験したお客さんからも「まるで目の前で演奏しているようなリアリティー」「柔らかく抜けのいい音は生演奏に近いですね」と好評です!

サイデラ・マスタリング→www.saidera.co.jp
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電話でのお問い合わせ→03-5410-6789
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2014/07/11

データ容量の計算[for Students] 第10回

ライブレコーディング・エンジニアの西沢です。音の業界を目指す学生さん向けの [ for Students ]、第10回のテーマは【データ容量の計算】です。

前回の【レコーダー事前準備編】では、現場でレコーダーをまわす前に準備しておきたい点に触れました。今回はさらに踏み込み、「ファイル形式」「サンプリング周波数」「量子化ビット数」「チャンネル数」によって変動するデータ容量ついてです。

同じ500GBのハードディスクでも、2chステレオ収録とマルチトラック収録とでは当然ながら収録可能時間が異なります。レコーダーをしかるべき設定にすればその時間は一目瞭然に表示されますが、案件の内容に合わせてSDカードを購入する際などは、ざっくりとでも必要容量の計算ができると便利ですよね。

暗算のコツは、「計算の基準となる数値を暗記しておく」こと。基準は人それぞれで良いかと思いますが、例えば次の2つを覚えておくと簡単です。

● DSD/5.6MHz/2ch → 約11分/1GB
 
● PCM/48kHz/24bit/2ch → 約60分/1GB

これが、DSD/2.8MHz/2ch なら、サンプリング周波数が 5.6MHz の半分なので1GBあたりの収録時間は2倍となり、約22分/1GB。PCM/96kHz/24bit/2ch だと、96kHz は 48kHz の2倍なので収録時間は半分となり、約30分/1GB ですね。

……暗算すら面倒な場合は下記アプリをオススメします(実際に記録されるデータ容量とは若干異なりますが参考になります)

Audiofile Calc
http://www.audiofile-engineering.com/

iTunes Store リンク
https://itunes.apple.com/us/app/audiofile-calc/id337547274?mt=8&ign-mpt=uo%3D4

これで “要領” よく計算できますよ!


サイデラ・マスタリング→www.saidera.co.jp Saidera Mastering on Facebook→→www.facebook.com/saideramastering 電話でのお問い合わせ→03-5410-6789 メールでのお問い合わせ→→saideramastering2@gmail.com [ サイデラ・マスタリングお問い合わせ/ご予約フォーム→ ] [ Saidera Mastering Blog BACK NUMBERs→→→ ]

2014/07/09

サイデラ・マスタリングでハイレゾマスタリングを体験しよう!(その1)「ハイレゾマスタリング、2つのフォーマットで異なるプロセスと仕上がり」


サイデラ・マスタリングではCDのマスタリングと同時にハイレゾのマスターを作成することを推奨しています。

僕のハイレゾ用マスタリングは、
1.DSD 1ビット/5.6MHz
2.PCM 24ビット/96kHz
のどちらかのフォーマットを、ハイレゾの仕上がりイメージに合わせて選択します。2つはそれぞれ異なるプロセスで、異なる仕上がりになります。

1.DSD 1ビット/5.6MHzのハイレゾマスタリングは、音の鮮度、グルーブ、空気感が魅力の、ミックス音源の良さを最大限に引き出したサウンド。最小限のアナログEQ、アナログコンプのみで楽曲のダイナミクスを活かすマスタリングを施します。美味しいステーキを塩コショウのみのシンプルな味付けで仕上げるようなイメージで、その一番の特徴はリアリティー!ボーカルの息遣い、ギターやピアノの繊細なタッチなど、まるで目の前で演奏しているようなサウンドです。

2.PCM 24ビット/96kHzのハイレゾマスタリングは、CDのマスタリングと同じく、デジタルEQ、デジタルコンプを使って積極的な音作りを施したマスタリングをします。キック、ベースの音色の調整、ボーカルやソロ楽器を強調したりなど、より細かい微調整ができます。

どちらの仕上げも、実際に立ち会った皆さんの感想は「広がり、空気感がある」「音色が自然でヌケがいい」「ボーカルが心地いい」「音の輪郭が鮮明」「CDの音の印象がブラウン管テレビの映像ならハイレゾはハイビジョン」と好印象です。まだハイレゾを未体験のアーティストの皆さん、ぜひ自分の音源でハイレゾを体験しにきてください。今までのCDの音とは感動の伝わり方が違いますよ!

2014/07/07

SEIGEN ONO Plus 2014 featuring NAO TAKEUCHI and JYOJI SAWADA @表象文化論学会

SEIGEN ONO Plus 2014 featuring NAO TAKEUCHI and JYOJI SAWADA @表象文化論学会
http://www.repre.org/association/about/
http://www.repre.org/conventions/uploads/140620repre_poster_A4.pdf (PDF)

7月5日(土)表象文化論学会 at 東京大学駒場キャンパス
『SEIGEN ONO Plus 2014 featuring NAO TAKEUCHI and JYOJI SAWADA』
ライブに合わせてオノが新曲を書き上げ、共演する竹内直さんと沢田穣治さんは、オノ曰く「表象文化論学会に最もふさわしいメンバーで、John ColtraneとOrnette Colemanのインフルエンス、スローですが少しBitches Brewの匂いを入れてみました」。










2014/07/04

レコーダー事前準備 [ for Stuednts ] 第9回

音の業界を目指す学生さん向けの [ for Students ]、第9回のテーマは【レコーダー事前準備編】です。

アシスタント・エンジニアの重要な役割のひとつに「レコーダーを まわす」仕事があります。“まわす” という表現は記録媒体がテープの場合の話、近頃はハードディスクやSD・CFカード等での録音がほとんどで、テープをまわす場合とは違った注意点があります。

「せっかくのいい演奏が、うまく録音出来なかった・・・!」

こんなトラブルが起こらないように、今回は現場でレコーダーをまわす(“まわす” にかわる言葉がいまだ見つかりません)前に確認したいポイントをおさらいしましょう。


1.演奏(公演)時間
長引くかもしれない拍手や予定外のアンコールにも備えて、記録メディアは余裕をもった容量を確保しましょう

2.サンプリング周波数/量子化ビット数/ファイル形式/チャンネル数
上記項目によってファイルサイズが異なるので確認しておきます

3.メディアの記録可能時間
最近は1TB、2TBのハードディスクが当たり前になり、ちょっとしたレコーディングなら容量を心配する必要はなくなりましたね。とはいえ油断大敵、特にSDカード等(4GB~64GBが主流でしょうか)に記録する場合は記録可能時間を把握しておきましょう

4.レコーダーとメディアの相性
メーカー推奨のメディアならまず間違いありませんが、実際に録音して確かめておきましょう

5.同期の方法
映像を伴う収録の場合、タイムコードを記録する必要があるか否かを確認します

6.バッテリーの持続時間
バッテリー駆動の場合、電池などの必要数を算出するために持続時間を把握しておきましょう
※気温が極端に低い・高い環境下では、持続時間が短くなる場合があります


現場での思わぬトラブルは準備不足から起こります。一回きりの演奏を確実に記録するために、事前の準備・確認は万全に!データ容量の計算や現場での確認事項については、また別の回でおさらいしましょう。


2014/07/03

SEIGEN ONO Plus 2014 featuring NAO TAKEUCHI and JYOJI SAWADA @表象文化論学会




こんにちは!デスクの久保です!7月5日(土)に東京大学駒場キャンパスで行われる表象文化論学会で『SEIGEN ONO Plus 2014 featuring NAO TAKEUCHI and JYOJI SAWADA』のライブ・パフォーマンスがあります。ライブに合わせてオノが新曲を書き上げ、昨日(7月2日)リハーサルが行われました。写真はリハーサル時のもの。共演する竹内直さんと沢田穣治さんは、オノ曰く「表象文化論学会に最もふさわしいメンバーで、John ColtraneとOrnette Colemanのインフルエンス、スローですが少しBitches Brewの匂いを入れてみました」とのこと。どのような学会、そしてライブになるかとても楽しみです。

表象文化論と今回の学会について今年度の大会企画委員・編集委員である福田貴成さんからお話をうかがいました。

1. 表象文化論を一言でいうと?
「音楽や美術、映画やテレビそれにインターネットに至るまで、現代のさまざまな文化的事象を、表象(representation、メディアによる「再現」や政治的「代行」、舞台「上演」などの意味も持ちます)をキーワードに、多様に分析する学問分野です。加えて、それらの「生産」の現場にも積極的にコミットすることで、理論と実践の両面から、現代文化をめぐる知を深めてゆくことを企図しています。」

2. なぜ、今回オノ セイゲンにライブのオファーをしたのか?
「『作曲/演奏』をおこなうミュージシャンであり、同時に『録音/エンジニアリング/マスタリング』というメディア的営為にプロフェッショナルとして携わられてきたオノさんのご活動は、いわば『音楽・音響にかかわる表象の多面体』と言ってよいようなもの。そのご活動に、ライヴとトークの双方から迫れるならば、会員一同にとって、『現代において表象としての音・音楽とはなにか?』を考え、知る貴重なきっかけになるはずと思い、ご出演をお願いした次第です。ぜひ「音楽生産の現場の知」を真近に伝えていただきたい!」

表象文化論学会は、 個人的にとても興味深い学会です。私たちの世界では、多種多様な文化が流動的に交錯しており、文化や政治に関する様々な力学があります。それを捉えるためには、学問の専門領域だけではなく、いろいろな視点から情報を擦り合わせ、感じ取り、考える必要があります。今回は理論的知(いわゆる学問)だけではなく、体験的知(実践)の両方から、音楽について考えてほしいという背景で、このライブが実現したのだろうと感じました。

大学時代、学問は一部の専門領域で閉ざされ、その領域内で確立した理論によって展開されていくものだと思っていました。もちろん、それは学問の発展に不可欠ですが、理論的な知識を身につけるだけではなく、音楽や文化が生まれる場所に立ち会い、体験を共有するということこそ(特に音楽では)重要だと思います!

学会での発表内容も音楽、文学、美術、映画、ロボット、メディア論など、どれも面白そうです。とても刺激的な学会になりそうですね!




2014/07/02

アシスタント・エンジニアの心得(その3)「第一歩は素直さ」


アシスタント・エンジニアの心得について、連載第3回目は「素直さについて」お話しします。

僕自身、音響ハウスで数年間のアシスタント時代を経験しました。最初、何をしても先輩から注意され、質問する内容さえわかりませんでした。直近の先輩に相談したところ「言われた通りにやってないからだろ!?」と諭されました。

ポイントはそこでした!まずは、「言われた通りにやる」こと。ある意味そのスタジオの流儀のような伝統のマニュアルにそって、言われたことだけでいいので100点満点の作業ができることが第一歩です。ファストフード店でオーダーを復唱するように先輩の指示を勘違いすることなく理解して、その通りにできるようになれば、その仕事は「任せてくれる」ようになります。そうやってできることを1つずつ増やして活躍の場を一歩ずつ広げていけば、間違いなくそのスタジオで無くてはならない存在になっているでしょう。

僕はこれをアシスタント・エンジニアに大事な「素直さ」だと思っています。やり方を工夫したり、「あれやっておきました!」なんて気を利かせたりするのは基本を身につけた後で全然遅くありません。将来スタジオで働きたいと思っている学生さんや、先輩から注意されて伸び悩んでいるアシスタント・エンジニアは、焦らずにまず「素直さ」に着目してみましょう。もしかすると力みすぎて空回りしていただけかもしれませんよ。