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2010/08/25
エンジニアの視点から(ROCK編)
TBU!2010×Saidera Mastering モーニングセッション第5回ではエンジニアの視点でジャンルによるバランスの違いを解説しました。参加した人にも、参加できなかった人にもわかる『ROCK』の音作りについてすこし補足。今、ROCKのジャンルで最も注目されているエンジニア Chris Lord-Alge、Tom Lord-Alge のサウンドについて。
試聴・解説したCDはこの2枚。
「Green Day / Nimrod」Engineer: Chris Lord-Alge
「BLINK 182 / Enema Of The State」Engineer: Tom Lord-Alge
Green Dayのサウンドはドラムスの音像が大きくベースラインは太さよりもラインを強調しています。ギターは広がりよりもある程度COMPがかかったピークの無い厚みのあるサウンドですがAメロのリフをバッチリ聴かせているところはさすがです。ヴォーカルの声質も暖かみがあります。ファットでドライなサウンドがChris Lord-Algeのサウンドの特徴です。これだけドラムの音像が大きいのにどの楽器もヴォーカルもしっかり聴こえる音作りは本当にすごい。
一方、BLINK 182のサウンドは緩急を付けたサウンドが特徴です。ドラムスはキックとスネアはしっかりコンプがかかっていますがシンバルにはそれほどかかっていません。ベースはラインよりも太さを強調し低域をしっかり支えています。ギターのサウンドもナチュラルで広がりがありリフがしっかり聴こえる音作りになっています。ヴォーカルは透明感があり歌詞がしっかりと聴き取れます。Tom Lord-Algeのバランスはナチュラルなギターとシンバルで広がりを表現しタイトなキックとスネア、ヴォーカルの対比が見事です。ギターアンプが鳴っているスタジオの空気感まで体感出来るサウンドです。
二人の音作りで注目して欲しいポイントはパンニングのふり方。例えばギターだったらどのような音色でどこに定位させているか、限られたレンジの中に上手に音を配置する秘密をぜひクリティカルリスニングしてみてください。
P.S.
WAVES Chris Lord-Alge SignatureはChris Lord-Algeのテクニックをプラグイン化したモデルです。
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