2013/07/31

ヘッドホン聴取時代の音作り・部屋作り



みなさんは、どんな風に音楽を楽しんでいらっしゃいますか? 住環境や時代性の影響からか、現代においてはヘッドホン/イヤホンをお使いの方が殆どなのではと思います。専用のオーディオルームがあり、スピーカーを大音量で鳴らしている人はあまり見かけなくなりましたね。

スピーカーと、ヘッドホン/イヤホンとの大きな違いは、耳への音の届き方にあります。スピーカーは何らかの空間(一般的には部屋)に設置されますので、耳までの距離は少なくとも数十センチから数メートル、壁や天井、床の反射音も同時に聞くことになります。ヘッドホン/イヤホンは耳に装着しますから鼓膜までの距離はゼロに近く、ゆえに空間の影響も皆無と考えて差し支えありません。

つまり、(当たり前ですが)スピーカーで聞く音とヘッドホン/イヤホンで聞く音とは、かなり異なるわけです。同じ音を聞いた時、部屋の響きが加わるスピーカーの方が、響きの豊かな音になると想像できます。もし、このスピーカーの音が心地よい場合、ヘッドホン/イヤホンで聞く音は(スピーカー聴取と比べると)ドライになるでしょうから、響きが貧弱な印象を受けるかも知れません。

では、ヘッドホン聴取時代における音作りは、どのようにあったらいいのでしょうか。

……漠然と考えていることは、次の2つです。

【音作り】スピーカー聴取より音がドライな(響きがない)傾向になるので、ライブ録音の段階で響きをより豊かに捉えておく。

【部屋作り】ヘッドホン聴取向けの音をスピーカーで聞く場合は部屋(壁や天井、床など)の反射を抑え、ヘッドホン聴取の音に近づけるため、適切な吸音処理を施す。

※ ライブレコーディング時、楽屋を録音室として使用する場合は念入りに吸音します。楽屋は鏡や床からの反射が多く響いて聞こえる分、相対的に録る音の響きを抑えてしまうからです。時間がなく十分に吸音できない場合には、経験値とヘッドホンに頼ります。


音響パネル「SHIZUKA Stillnes Panel」

2013/07/30

Growing Reed 2012年12月2日 オノセイゲン×岡田准一



「Growing Reed オノセイゲン×岡田准一」
テーマ「音のプロフェッショナルが考える、"いい音"とは?」
ミュージシャン・音響空間デザイナー・録音エンジニアのオ­ノセイゲンさんゲストの回。
*無意識に聴いていた空間の響き
*”いい音”と”正確な音”の違い
*「戦場のメリークリスマス」や「コム デ ギャルソン オノ セイゲン」の話


サイデラ・マスタリング→www.saidera.co.jp Saidera Mastering on Facebook→→www.facebook.com/saideramastering 電話でのお問い合わせ→03-5410-6789 メールでのお問い合わせ→→saideramastering2@gmail.com [ サイデラ・マスタリングお問い合わせ/ご予約フォーム→ ] [ Saidera Mastering Blog BACK NUMBERs→→→ ]

2013/07/29

DSD Field Recording:MUSHのDSD録音記(その8)「川崎大師参道の飴屋のビート」

どうもMushです!

先日川崎大師にDSDフィールドレコーディングに行った「風鈴市」。
http://saideramastering.blogspot.jp/2013/07/dsd-field-recordingmushdsd7.html
この時川崎大師に向かって駅から(川崎大師の)表参道を歩いていると、なにやらリズミカルな祭りばやしのような音が聴こえてきたんですよ。何かなと思って最後の角を曲がって参道の両側に見えたのは、なんと飴屋さん。どうやらここは飴屋さんが多いことでも有名らしいのです。
川崎大師の参道にたんきり飴屋が多い理由は?[はまれぽ.com]

というわけで実はこの日風鈴を録るまえに回したテイクワンは、リズミカルな飴切り音です。まな板と包丁の素材感がカツーンと響く音が録れました。週の始まりに目がさめるようなビートをぜひ聴いてみてください。




2013/07/26

エンジニアのスモールモニターの使いこなし


僕は音響ハウスのアシスタントからキャリアをスタートしたのでレコーディング・スタジオとマスタリング・スタジオの二つの異なるモニター環境を体験してきました。

レコーディング・スタジオでは毎日、あるいは当時は数週間ごとにセッションが入れ替わりました。ラージモニターは固定ですが常設のスモールモニター(当時はYAMAHA NS-10M)はエンジニアごとにスピーカーの間隔、縦置き横置き、左右を入れ替えたりなど、色々な方法でセッティングされていました。(僕が在籍していた1990年代中頃はパワードモニターを持ち込むエンジニアも徐々に増えてきた頃でもあります。)沢山のエンジニアからスタジオにある道具や小物を使ってNS-10Mの調整方法を教わりました。

1.天井からの乱反射を防ぐために消しゴムを使ってスピーカーの後ろ側を浮かせて角度をつける
2.スピーカーの高さを稼ぐためにスピーカースタンドとスピーカーの間にドラフティングテープのリールを置く
3.スピーカーの後ろの壁の反射を防ぐためにブームスタンドをT字にして毛布を吊るす
4.積み上げたエフェクターラックからの反射を防ぐためにエアキャップ(プチプチ)をスピーカーの側面に貼る
5.スピーカーの底板の振動を抑えるためにスピーカースタンドとスピーカーの間に厚めの雑誌を置く
6.高域を抑えるためにツイーターにティッシュを貼る

どれも個性的な方法ですが、共通するのはエンジニアはモニターシステムの癖を理解しイメージ通りのサウンドに仕上げるために出音を微調整をしていたこと。さらにセッションの前には必ずリファレンスCDを再生してサウンドの確認をしていたことです。分かりやすいモニター環境は正確にストレスなく音決めができます。

サイデラ・マスタリングでは「誰にでも分かりやすい」「色づけのない」モニター環境を常に目指しています。ぜひ一度体験しに来てください。


2013/07/25

サイデラ・マスタリングへ(迷わずに)行こう!いいことあります。

サイデラ・マスタリングは、東京は渋谷区神宮前3丁目にあります。原宿と神宮球場の間ってところでしょうか?青山通りと明治通りを一本入ったところとは思えない、すごく落ち着いたエリアです。が、であるがゆえに初めてでは道に迷われる方も多いのですが…。

そしてサイデラ・マスタリングと同番地内でいま2軒新築の家が建設中です。日々景色がわかっているので、お越しいただく皆さんはこちらご参照の上お越しください!(Googleストリートビューとも全然違います)

最寄りの東京メトロ銀座線外苑前駅から来られる場合、
A.3番出口から地上にでて、青山通りを渋谷方面へ
B.青山ベルコモンズで南青山三丁目の交差点を右に。外苑西通り沿いに真っ直ぐです
C.左手にワタリウム美術館が見えたらもうすぐ。そのまま真っ直ぐ進みます
D.オレンジのラインが目印の青山ハニービルとナチュラルローソンの手前を左に。細い坂道です
E.そしてE地点最新の写真がこちら。工事中豪邸の右の路地を入ってすぐ見える赤い壁のB1Fがサイデラ・マスタリングのスタジオです!

サイデラ・マスタリングへ(迷わずに)行こう!いいことあります。



大きな地図で見る

2013/07/24

ノイズは、敵か味方か。



リサイタルや演奏会(コンサート)の録音に、ノイズは “つきもの” です。咳・くしゃみ、イビキ(!)、飴の包装をとく際のカサカサ、譜めくり、椅子の軋み、衣擦れ、空調…と挙げればキリがありません。人間の耳(脳)の様に賢くないマイクロフォンは、容赦なくこれらの音を捉えてしまうのです。

ライブレコーディングの場合、ノイズが目立つ箇所の修正にリハーサル時の音源を用いる(編集する)ことが多々あります。しかし、音楽的に繋がらなかったりする割合も高く一筋縄ではいきません。また、電気的な(実際の音ではない)ノイズに悩まされることもあります。例えば、リハーサル時には稼働していなかったエレベーターが本番の時間帯に動き出し、それが原因となることも。

このように、録音はノイズと無縁ではいられないわけですが、そもそも「どこからがノイズで、どこまでがノイズではない」のでしょうか。

私が考えるノイズの定義は「音楽の邪魔をする音」です。つまり、“その音” が聞こえた瞬間に音楽から意識がそれてしまったら、“その音” はノイズであると言えるのではないでしょうか。こう考えると、ノイズとばかり思っていた咳・くしゃみは、適度であれば臨場感・ライブらしさを感じる要素かも知れませんし、譜めくりも演奏の勢いを感じる一因となり得るかも知れません。居ると邪魔だけど、居ないと寂しい…そんな経験、ありませんか?

さて、近年は写真の修正と同じく、コンピューターを用いたノイズ除去・軽減が盛んに行われています。シワ、シミが見事に消された広告写真は一見 “きれい” ですが、果たしてそれらは “美しい” のでしょうか――ノイズが毒になるか薬になるかは、人によって(感じ方が)違います。まずは毛嫌いすることなく、ノイズと付き合って行けたらと思う今日この頃であります。

(ノイズをもってノイズを制する技術もあるのですから!)



2013/07/23

ミックスマスターのレベル(その1)「聴感上大きく聴こえるサウンド」


ミックスマスターの入力レベルについて何度かに分けて連載します。
(その1)「聴感上大きく聴こえるサウンドとは?」

ミックスの段階で音量(音圧)を大きく入れてミックスマスター(2MIX)を仕上げなければ製品CDの音量を大きくできないと思っている方もいるようですが答えは「NO!」です。ミックスで入れるべき音量レベルはジャンル等によっても様々ですが、大切なことはメーターの振れではなく聴感上の音量レベルが大きく聴こえるミックスに仕上げることです。

音響ハウスでのアシスタントの時代から現在に至るまで、聴感上大きく聴こえるサウンドの体験は沢山あります。例えばNEVE 1073、Fairchild 670、アナログテープレコーダーSTUDER A820など。これらの機材を通すだけで音の密度、音像の大きさ、エネルギー感が増して聴こえます。コンソールから全く同じミックスをDATで録音/再生するのとアナログハーフインチで録音/再生するのでは、メーター上の(電気的な)レベルは同じでも後者の方がより大きく聴こえます。

違いは何なのか?それは
1.中低域の厚み
2.ハーモニックディストーション
です。

1.アナログハーフインチテープAMPEX 456はテープスピード76cm/sの再生でテープレコーダーの100Hz/1kHz/10kHzを0dBに調整しても50Hzは1.0dB前後、15kHzは0.3dB前後大きく再生されます。そのためアナログテープに録音するとオリジナルの音源よりもより低域がファットに再生されます。
2.さらに入出力のアンプ部やテープコンプレッションなどでハーモニックディストーションが加わり輪郭がハッキリしていた音を若干にじませ、ピークを抑え耳に心地いいサウンドを得ることができます。アナログEQ、アナログコンソールなどもアナログテープほど顕著ではありませんが同じような効果があります。

このアナログテープの特性はマスタリングでそのまま応用できます。DAW内部のみで処理するMIX"In The Box"の音はクリーンだけど何かもの足らないと感じている方も多いのでは?そういうときにはマスタリング段階でもアナログ機材やテープレコーダーの持つサウンドのキャラクターを活かした音作りをすることで聴感上の音量感を大きく仕上げることができるのでぜひ体験しにきてください。
2013-7-23改訂


2013/07/22

DSD Field Recording:MUSHのDSD録音記(その7)「川崎大師の風鈴市」

どうもMushです!

フィールドレコーディングに行っていると、様々な音風景のタレコミをいただくことがあります。先日行った「浅草寺でのほおずき市」のあとで、川崎大師で風鈴市があるらしいとの情報が。
http://www.kawasakidaishi.com/event/furin.html
ということでたまたまなのですが「池上本門寺の500の風鈴」につづき3連続風鈴の音です。

行ってみると幅10メートルくらいのわりと狭い一帯に全国47都道府県から集まった900種類の風鈴が鳴り響いていました。様々あれどおおまかに種類は3つ。
1.金属製
2.焼き物製
3.ガラス製
例外は備長炭でできたものくらいだったと思います。構造はほとんど同じで、クラゲみたいに逆さのお椀形または鐘形の外身と、芯が吊るされているもの。(当たり前ですが)この123で音の鳴り方がぜんぜん違うんです。1は小さなアタック音(というか鳴り過ぎないように”芯”を小さくしているんだと思います)と長い余韻。さらに金属の種類によっても銅のものは「リーン」で真鍮のものは「ウィーン」みたいに鳴り方が違うわけです。2はアタック重視で響きはほとんど無く「カラン、カツン」といったイメージ。3はその間くらいですが軽めの響き方が特徴的です。

風鈴というと単純に”夏の風物詩”で片付けがちですが、”素材の音を楽しむもの”として接してみると随分違うものに思えてきます。(そしてルックス重視のキャラクターものなどは総じて色気のない音でした。)様々な種類が入り交じって鳴っているのですがぜひ聴いてみてください。

岐阜美濃焼風鈴と岩手南部風鈴に挟まれたあたり


大阪河内風鈴と島根銅鐸風鈴に挟まれたあたり


そしてもはや恒例、風鈴→読経の流れです。蝉が鳴きはじめていて、また本堂の周りにも少しだけ風鈴が吊るされていました




2013/07/19

ROCKのEQテクニック

ROCKのマスタリングのポイントは(ベテランのミキシングエンジニアの方なら、当たり前のテクニックとしてミキシングの段階でできがってるポイントではありますが)
1.バンドの一体感
2.演奏のスピード感
です。今回はこれをEQで表現するテクニックについて。低域、中域、高域に分けて音作りのポイントを書いていきます。

<低域>
まず最初は低域の音作りから。キックはサビでもしっかり聴こえるよう120Hzを強調してアタック感を出します。ベースは60Hz辺りを少しカットし透明感を出します。エレキギターは180Hz前後を強調すると厚みがでます。ベースラインはレベルを上げるのではなくキックとのかぶりを抑えるのがポイントです。ここまでが低域の音作りです。

<中域>
次に中域の音作り。600Hz~800Hzを強調してバンド感をプラスしましょう。ギターが一番かっこ良く聴こえる帯域を探して強調してください。さらに1.0kHzも強めて刻み感・リズム感を出します。そして300Hz~500Hz辺りをQを狭くして-1.0dBほど弱めて全体の抜けを良くします。この帯域をマイナスEQすると高域をEQせずに抜けを良くすることができます。

<高域>
低域、中域でしっかり音作りをすれば高域のEQは微調整で十分に効果があります。明るく仕上げるには4kHz~8kHzをほんの少し強調します。

最後にキックがセンターでしっかり鳴り、サイドをギターが支えるように全体の音量、帯域を微調整します。タイトに仕上げたい場合はシェルビングEQでローエンド(25Hz以下の帯域)を緩やかに落とすのが効果的です。マイナスEQを上手に使えば高域のピークを出さずに音量を入れることが可能になります。

2013/07/18

DSD Field Recording:MUSHのDSD録音記(その6)「池上本門寺で500の風鈴を聴く」

池上本門寺の「500個の風鈴」をDSD録音してきました。所謂「風鈴の音」を想像しながら百段ある石段を登りながら聴こえてきたのは鈴虫か蝉の声かと思った(にしちゃ時期も早いなと思いつつ)ほど予想外の音。風鈴はガラス製ではなく金属製で、500も集まると結構強烈です。

木と木の間に括りつけられた風鈴がまるで結界のような音場をつくりだしていて、でも決して耳には痛くない。脳に直接届いているような、すごく不思議な場でした。始発電車の時間帯だったのですがすでに近所のご年配方と犬の散歩客がいて、それは避けられず。この「500個の風鈴」の設置は7月20日までだそうです。

さらに本堂では朝の読経が行われていたのでこちらもかなりオフ目にDSD録音。奥まった本堂からさらに約10メートル離れた所です。風鈴は後方50メートル以上のところですが、これだけの音量で届いていました。



今週末は川崎大師の風鈴市を録りに行く予定です!


2013/07/17

山の上でもコーヒー!


昨日は晴天なり、昨日は晴天なり……都会の喧騒に慣れきってしまった耳をリセットするため(というのは冗談 ^^;)、谷川岳に登ってきました。


まずは土合口からロープウェイで一気に天神平へ。

以降は、ガレ場や岩場(かつ急斜面)が度々登場。ロープや鎖がありがたい。
(おそらくこのあたりで「山と高原地図」を落としてしまいました……何となくコースを覚えていましたが、やはり不安。とはいえ標識がわかりやすかったので助かりました)

さあて、山頂はもうすぐですよ! あちこちに雪渓が見えます。

トマの耳への道中、山小屋を振り返る。

トマの耳からオキの耳を目指すぞー!


オキの耳(▲1,977m)、到着!

そして、サイデラ名物・ハンドドリップで淹れたコーヒー!!!


オマケ・その1。コバイケイソウ(たぶん)。


オマケ・その2(申し訳程度の音ネタです)。
Pioneer「Sound Lab./Global Sounds」リンク

サンチョウ ベリー マッチ! (ん?)


2013/07/16

R&BのEQテクニック


R&Bの音作りのポイントはこの4つ。
1.存在感のあるボーカル
2.抜けの良いコーラス
3.切れのあるクラップ
4.音像が大きく弾力のあるキック


1.存在感のあるボーカル
声の芯をしっかり出すことが大切です。600Hzでボリューム感を出し、2.5kHzで太さを強調。6.3kHzで子音の抜けを良くします。そして最後に1.0~1.2kHzで輪郭を強調します。

2.抜けの良いコーラス
コーラスの基本成分は1のボーカルのEQで補えつつ、さらに16kHz辺りを少し強調して空気感を出すと抜けが良くなります。

3.切れのあるクラップ
サウンド全体の切れを出すのに200Hz~500Hz辺りをカット。180Hzを強調し太さを出しボーカルにも関わる1.0~1.2kHzを微調整します。この1kHz前後の帯域はスネア、クラップ、ボーカルの輪郭など重要な楽器の成分が存在する帯域です。

4.音像が大きく弾力のあるキック
R&Bのキックのサウンドは余韻が次の音符にかぶらないよう響きの緻密なコントロールが大切です。低域のレンジが伸びすぎている場合は25Hz前後からローカットし音をタイトにします。ボリューム感は100Hzから130Hz辺りで強調します。柔らかい質感に仕上げるために30Hz~50Hzを強調する事もあります。そして最後に30Hz~100Hz辺りを少しカットしてベースの透明感を出します。


コンプ、リミッターはアタックタイムは速めで音が鈍らないようにしましょう。また、ソフトリミッターのみだとボリューム感は出ますがタイトさは表現できないのでリリースタイムの速いリミッターで補います。皆さんが思っていたよりも低い周波数をEQしていたかと思いますがそこがポイントです。まずはボーカルとキックに注目して音作りしてみて下さい。


2013/07/11

DSD Field Recording:MUSHのDSD録音記(その5)「浅草寺のほおずき市と風鈴」

浅草の浅草寺で毎年7月9・10日の二日間行われるという「ほおずき市」に行ってきました。多くのほおずきの鉢には風鈴が付けられていると聞いて、これはいい音風景だろうとDSDフィールドレコーディングに行きました。すごくにぎわっていましたよ。



風が強く吹いた時の風鈴の音色があまりに激しいので、もう2−3歩離れればよかったなと思いました。ちなみに、7月10日に参拝すると、「四万六千日間毎日お参りしたのと同様の功徳を得られる」と言われているそうで、なんのこっちゃという感じです。


2013/07/10

iPhone ® で録音!



最も身近なレコーダーといえる iPhone ® で、演奏をきれいに録音するためにあれこれ考えてみました。研究途中のメモですが、是非お試しくださ〜い!

用意するもの:折りたたみ式譜面台、ハンドタオル(またはハンカチ等)


1.iPhone ® を機内モードにする、アラーム類をOFFにする

2.譜面台にハンドタオルを敷いてクッション&吸音材とし、マイクロフォンのあるホームボタン側を音源に向け iPhone ® を設置する(台などに直接置かないのがコツ! 周囲に空間を確保します

※できれば、ビニルテープ等で落下防止対策を施す(iPhone ® を譜面台に貼り付ける)

※ iPhone ® を、奏者(音源)から水平方向に2m〜5mほど、垂直方向に3mほどの位置に設置できると良質な響きが捉えられると思います。高さ確保のため、譜面台をテーブルの上に置いたりできると良いのですが……色々試してみてください!

3.録音する




アプリは「Recordium」を使ってみました。設定はこんな感じ↓


iPhone は Apple Inc.の商標です。 iPhone 商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。



2013/07/05

リミッターの使いこなし(その2)「ソフトリミッターを使い分ける」


リミッターの使いこなし(その2)としてリミッターとソフトリミッターの使い方を説明します。

プラグインやデジタルコンプには、
1.リミッター
2.ソフトリミッター
などの名称でちがうアルゴリズムが用意されている機種があります。

1.リミッターはガッツリ効きます。こちらは特に歪みやすい音、ピアノ、左右に広がるディストーションギター、アタックの強いキックなどに有効です。僕の場合はどうしても抑えきれない突発的なピークがある場合はリミッターを使います

2.ソフトリミッターは緩やかに効きます。木管楽器などアタックが弱い楽器やレベルを入れずに仕上げる楽曲に有効です。僕は最初はまずソフトリミッターを試します。ピークが少ない楽曲の場合はソフトリミッターだけで十分に音をまとめることが可能で、より自然な音の仕上がりを得ることができます

ナチュラルな音に仕上げるにはソフトリミッターで全体をまとめつつリミッターを補助的に使うのがポイントです。2つのリミッターのサウンドの特徴は前者は輪郭がハッキリしたキレのあるサウンド、後者はナチュラルで暖かみがあるサウンドです。ソフトリミッターのパラメーターを上手に設定してテープコンプレッションのような効果を作るテクニックもあります。2ミックスにトータルでかける場合は前段のソフトリミッターと後段のリミッターとのバランスでサウンドのキャラクターを微調整できます。ナチュラルな音に仕上げたい場合はソフトリミッター寄りのセッティングで、パンチのある音に仕上げたい場合はリミッターをしっかりかけたほうがいいでしょう。いずれのセッティングもリミッターをかけていないオリジナルの音源と比較試聴しながら音作りすることをお勧めします。
2013-07-05改定


2013/07/04

梅シロップができた!

どうもMushです!

ついに、ついに。ぼくが愛をこめて仕込んだ梅シロップが完成しました!Crystal Clear!

湯煎で加熱消毒して密封。あっという間になくなちゃうんですけどね。けさは朝から梅ジュース乾杯しました!

サイデラ・マスタリング→www.saidera.co.jp
電話でのお問い合わせ→→03-5410-6789
メールでのお問い合わせ→saideramastering2@gmail.com
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2013/07/03

ピッチ ピッチ ネジ ネジ 乱 乱 乱





「ネジが合わなくて、マイクロフォンを取り付けられない!」てなことが無いように、ライブレコーディングには「変換ネジ」を持参します。とても参考になるページをリンクしたので、「変換ネジ」についてご存知ない方は御覧ください。

Sound House/PA & レコーディング > ダイナミックマイク > 変換ネジ

SONY/Q & A「マイクホルダーのねじ規格は、どのようなものですか?」

TOMOCA/変換ネジアダプター

実に多くの種類(ピッチ)が存在(乱立?)していますよね。しかし、これら全種類を(しかも複数個)持ち歩くのは中々に大変。そこで「変換する確率の高い組み合わせ」を用意することになります。

まず、コンサートホールにあるのは「1/2 BTS」か「3/8 AKG」が殆どですので、下記はマストアイテム! 近年国内で販売されているマイクロフォン・ホルダーの殆どは、何らかの形で「3/8 AKG」に対応しています。

1/2 BTS → 3/8 AKG
3/8 AKG → 1/2 BTS

その他、カメラ用の三脚に使われている「1/4」も何かと便利です。いわゆる “ICレコーダー” には、三脚への取り付けに対応しているものが多くあります。三脚にマイクロフォンをつけたり、マイクロフォン・スタンドに小型カメラをつけたり……

1/4 → 1/2 BTS
1/2 BTS → 1/4


……と、頭ではわかっていても似たようなサイズのネジがありますので、不安な場合は “変換したいネジ” を持参して売り場で試すと確実です。音を扱う職業人は、地味にネジと戦っているのであります。


2013/07/02

低域の処理(その2)「ローカット」


「低域の処理(その1)」ではボーカルを聴かせるための低域の処理について書きました。本日は「ローカット」の具体的な方法について説明します。重要なポイントは2つ。

1.演奏を邪魔する低域をカットする
2.ウーハーに無駄な動きをさせないようにする

1.PCのスピーカーからオーディオシステムまで、あらゆる環境で音楽をバランス良く再生するにはローカットが必要な場合があります。演奏を邪魔している低域のマイクのかぶりや部屋鳴りを抑えるとサウンド全体が明るくなり透明感が出てきます。

2.演奏に不必要なローエンドをカットすることでウーハーが余計な振動をしなくなり出音そのものがクリアーになります。ウーハーが動いている方が低音が出るイメージがしますが実際には出来る限り動かさずに再生することがポイントです。

実際にどのような帯域からローカットをするのか確認していきましょう。ドラムのキックでは、アタックの成分は80Hz/100Hz/120Hz/160Hz辺り、胴鳴りは40Hz/50Hz/60Hz/80Hz。しかし部屋鳴りは20Hz/25Hz/30Hz/40Hz以下の帯域にも存在します(1/2 octの関係:こちらはあくまで僕のイメージです)。この部屋鳴りを上手に抑えることが出来ると必要なキックのサウンドがグッと前に出てきます。

次にEQを操作しながらローカットを開始する帯域を探します。低い周波数から高い周波数へ徐々にスイープしていくと(20Hz→40Hz)透明感のある音からマットな音に変化していきます。質感だけでなく音の輪郭も変化してきます。抜けが悪くなる一歩手前ぐらいで音像が大きく厚みのある音になるスイートスポットが存在します。わずか1Hzの違いでサウンドが大きく変化しますのでじっくり聴き比べながら行なって下さい。

こちらの方法はマスタリングだけでなくトラックダウンのトータルEQにとても有効な手段です。ぜひ皆さん試してみてください!


2013/07/01

KORG AudioGateの基本性能

**AudioGateでできること**
1.DSD(2.8~5.6MHz、WSD/DSDIFF/DSF)とPCM(WAV/AIFF/MP3他(OSにより異なる)、 44.1kHz〜192kHz、16Bit〜32Bit(float))における相互変換。アップコンバートやダウンコンバート。 2種類のディザーあり。
2.曲ごとに0.1dB単位でDSDドメインでのレベル調節。曲ごとまたは各曲間のバランスを保持してのノーマライズ
3.PlayStation3などで再生できる「DSD Disc」(2.8MHz DSF)や、「AudioCD(CDDA)」の作成。
4.DSDドメインでの簡易編集。曲の分割・結合・フェード処理・音量調整・L/Rバランス調整。
5.DSDや192kHzなどのハイサンプルデータのPCMリアルタイム変換(ダウンコンバート)出力。コンピュータに接続されたDirect Sound/ASIO(Windows)、Core Audio(Mac OS X)デバイスから出力可能。

**AudioGateでできないこと**
1.クロスフェードはできない=音が連続する箇所での編集はできない
2.DSDで書きだすと頭とエンドにごく短いフェードイン/アウトが付加する=音が連続している箇所でファイルを分けると、ファイルの分け目で一瞬の無音ができる
3.曲間(無音)を追加することはできない。無音ファイルを用意して結合しても結合箇所でノイズが乗ることがある。

ここまで2013-07-01改定


記念すべき2010年11月15日、KORGのDSD/PCM変換ソフトウェア、「AudioGate」のフリーDLが開始されましたね!今回のバージョンアップ(Ver2.1)から、MRシリーズのハードウェアを持っていない方でもTwitterアカウントがあれば誰でもAudioGateを使用することが可能になりました!

今回のバージョンアップ内容は3つ。
1.上記の通りMRのハードウェアが無くてもTwitterアカウントでAudioGateをアクティベート可能。
2.オートツイート機能。AudioGateでのファイル変換時、Twitterに直接つぶやける(任意)。
3.オートアップデート機能。ソフトのバージョンを自動で常に最新に保ちます。
AV Watch「藤本健のDigital Audio Laboratory」でおなじみの@kenfujimoto氏のBlogに詳しくレポートされていますよ→「PCでDSD再生を可能にする無料のTwitterウェア、AudioGate

Twitter上でのAudioGate変換中継は#AudioGateにてチェックしてくださいね!

==

Twitterでも超話題!になっている、KORGのPCM/DSD相互変換ソフトウェア「AudioGate」のフリーダウンロード化(Ver.2.1)は2010年11月15日から!

終了しました。これにあわせて、サイデラ・モーニングセッション#026では「AudioGate徹底検証」を行ないますよ!開催内容は、1.AudioGateの基本操作 2.PCMtoDSDアップコンバートの音質 3.DSDtoPCMダウンコンバートの音質 です!


++告知++
サイデラ・モーニング・セッション#026
テーマ:「KORG AudioGate徹底検証」
日時:2010.11.15 月曜日 9:00AM-10:00AM
場所:サイデラ・マスタリング (PMC MB1 x5.1ch(最寄り駅;東京メトロ外苑前、JR原宿)
参加申し込み:saraudon009@gmail.comまで、メールにてお名前/ご所属をお知らせ下さい。詳しくはこちら。
++

サイデラ・マスタリングでのAudioGate使用法についてはこれまでもBlogで紹介してきましたが、フリーダウンロードになるのでAudioGateの基本性能のおさらいです。KORG MRシリーズをお持ちでない方も、OtotoyなどでダウンロードしたDSDデータを楽しむことが可能になりますね!

1. DSD(2.8~5.6MHz、WSD/DSDIFF/DSF)とPCM(非圧縮/可逆圧縮/圧縮、44.1KHz〜192KHz、16Bit〜32Bit(float))における相互変換。アップコンバートやダウンコンバート。
2. 曲ごとの0.1dB単位でのレベル調節。各曲ごとまたは各曲間のバランスを保持してでのノーマライズ。
3. PlayStation3などで再生出来る「DSD Disc」(2.8MHz DSF)や、「AudioCD(CDDA)」の作成。2種類のディザーあり。
4. ソングの分割・結合・フェード処理・音量調整・L/Rバランス調整など、DSDドメインでも可能な基本的な編集機能。ただしクロスフェードは出来ない。=音が連続した箇所での編集は出来ない。
5. DSDや192KHzなどのハイサンプルデータも、コンピュータに接続されたDirect Sound/ASIO(Windows)、Core Audio(Mac OS X)デバイスからPCMリアルタイム変換(ダウンコンバート)して出力可能。

「オーディオ・フォーマット変換アプリケーション・ソフトウェアAudioGateのフリー・ダウンロードを11月15日から開始。」
”コルグDSDレコーダーMR シリーズに付属していたAudioGateがv2.1からフリー・ダウンロードとなり、MR シリーズの枠を超え、DSD の可能性をすべての人にお届けします。フォーマットのダウン・コンバートだけでなく、他のフォーマットからDSDへのアップ・コンバートもok。そのほかオーディオCDのみならずDSDディスクの読み込み/書き込みも可能です。お気に入りの楽曲をDSD でダウンロードして聴いたり、今あるファイルをDSDフォーマットへ変換したり、DSDの最高音質をぜひ手に入れてください。
AudioGate v2.1は2010年11月15日より、 www.korguser.net/audiogate から無償ダウンロード開始予定です。”
主なアップデート内容
1. Twitter アカウントによるアクティベーション方式を追加
コルグ MR シリーズをお持ちでない方でも、Twitter アカウントさえあればどなたでもフリー・ユーザーとしてAudioGate をお使い頂けるようになります。
※コルグMR シリーズをお持ちでないフリー・ユーザーの方には、一部制限事項があります。
2. オート・ツイート機能を追加
この機能のオンに設定すると、お使いのTwitter アカウントからAudioGate が自動ツイートします(アクティベーション時、エクスポート時、およびディスク作成時)。
※ツイート前には必ずツイート内容確認用のダイアログが表示されます。AudioGate が無断でツイートすることはありません。
3. オート・アップデート機能
AudioGate から直接、アップデートの確認と最新版のダウンロードができるようになります。お使いのAudioGate を常に最新版に保って頂くことで、より高いパフォーマンスと安定性を得ることができます。
--2010.11.5KORGニュースより引用--