2012/10/31

ぼくたちのインターン日記2012(その2):スタジオ視聴会


プロの作曲家を目指して日々勉強しているのですが、今回なんと先輩エンジニアに自作曲の視聴会をしてもらいました!!サイデラ・マスタリングこだわりのモニターシステムで自分の曲が聴けるのは、とても貴重な体験です。僕はミキシング、マスタリングに関する知識があまり無く、良い音を学ぶためにサイデラ・マスタリングに来たということもあって、これはもう願ったり叶ったりです。今日はそのなかでも特にオイシイお話をピックアップしたいと思います!

今回テーマになったのはキックの音づくりについて。アンサンブルを構成する上で帯域の根底となるキックですが、音作りなくして上物は乗りません。

ポイントとなるのは、リリースタイムの長さ。キックのアタックに続くLow成分のサスティンが長いと、すぐ上にのるベースが埋もれてしまいます。「ドーン」ではなく「ド」。リリースを短く切ってあげることでベースのラインが引き立ち、上物がよく聴こえるようになります。決してリバーブ過多のような状態にはせず、あくまでドライ。スーパードライ辛口。低音の成分は意外とディストーションギター等のコード楽器で補えるようです。

そしてアタック感。ビーターがバスドラムのヘッドに当たるような、「パツッ」「ペチッ」という高域の成分は、メリハリがあるように見えて実は上の帯域に思いっきり干渉しているらしいのです。そんなことをするよりも、もっと角を丸くした、布団をたたくような音にするとよいとのこと。このあたりのテクニックはある程度ジャンルに関係なく使えるらしいので、どんどん挑戦したいですね!

これを例えると先輩がお客様と会話をしている隣でひたすら座布団をグーで叩き続ける私がいるとします。非常にシュールな絵ヅラですが便宜上そういう仮定のもと話を進めさせていただきます。座布団を叩かれる分にはまだ会話はできるとばかり思っていたら、今度は私がコップの乗った机をバンバン叩き始めました。営業妨害としか思えませんね。今度ばかりは”おい、相手の声がきこえないからやめてくれ”と言いたくなります。

これこそが帯域のかぶりです。高域の成分が抜けてくることによって、ボーカルをはじめとする上物を消してしまうのです。なので、なにかオケを作ったらそれを流しつつおしゃべりしてみるのもいいかもしれません。相手の声が聞こえにくいようなら、なんらかの楽器が近くの帯域にいる可能性があります。(話し声と歌声はだいぶ違いますが、そこは相手に常時1オクターブほど上げていただきましょう。私が辛そうな顔をしても目を合わせてはいけません。)

帯域のかぶり。ミキシングではよく聞く言葉の一つですが、その意味を体感し理解することが大事です。きっと僕のような若手には、知識だけが先行して、わけもわからずEQポイントを探している人も多いのではないでしょうか。

本を読むよりも先に体感、です。今日はそのことを身にしみて感じた一日でした。


いやぁ、今回は真面目に書いたなぁ。一言の冗談も書いてないや。

2012/10/11

ぼくたちのインターン日記2012(その1):初めての渋谷の話



僕は10月の一ヶ月だけ、専門学校からインターンにきているのですが、初めて訪れる東京に戸惑うことばかり。そんなわけで、まずは周辺の地理を理解しようということで先日、インターンの先輩と一緒に渋谷近辺を下見してきました。そう、渋谷です。かの有名なハチ公様がおわす所です。日本のかっこいい街No.1の渋谷です。

お昼頃にサイデラを出発し、まずはハチ公バスに乗ります。セイゲンさんイチ推しのハチ公バスですが、この乗り物に関しましては去年のインターンの先輩が詳しく書いておられる都合上、同じことを書くのはなんだかシャクなので割愛させていただきます。
http://saideramastering.blogspot.jp/2011/12/20112.html

そんなこんなでバスを降りた場所は、渋谷区役所前。ひとまずここからRock oN Companyさんのお店へいきます。このお店、品揃えがすごいです。さすが東京です。渋谷ですよ。言い忘れましたがわたくし名古屋という日本でも類を見ない中途半端な地域から来ました。見るもの全てが物珍しくて仕方がありません。

その後、インターン中に訪れるであろう主要なおつかいポイントを押さえつつ渋谷散策。すると困ったことに、雨が降ってきました。この日は台風が接近していたので、僕達若手インターン生は傘を持っていましたが、先輩は『俺は傘ささなくてもいいから』と言って突き進んでいました。さすがです。先輩の風格を感じさせます。水も滴るいい男です。けっこう降っていたんですが。やはり男の格が違うなと思いました。

(『俺は傘なんかいらねぇ』己の道を突き進む先輩)

雨の渋谷もなかなかいいものです。風情がありますね。なにせ渋谷です。何をしてもかっこいいのです。あ、言い忘れましたがわたくし出身は九州の佐賀県という正真正銘の田舎者でございます。ですね。

すると渋谷駅近くでびっくりするような出来事が!フジテレビのめざましテレビさんが街頭インタビューをしてくれたのでした!
問『近頃ネコミミファッションが流行ってますが、どう思いますか?』
答『いいんじゃないですか〜?かわいいと思いますよ。にゃんにゃん♥、みたいな?』(※OAではカットされました。なにかまずいことを言いましたでしょうか)

とまあそんな感じで初めて見るものばかりで興奮しきっていた渋谷下見なのでした。渋谷。ですね。最後になりましたが、これから一ヶ月間、サイデラ・マスタリングのスタッフとして頑張っていきます!よろしくお願いいたします!!

(結局傘買った先輩)
(◎-◎)


2012/09/26

オーディオテクニカ主催 第5回「めざせ音匠 マイク指南塾」 レポート(その2)





今回御茶ノ水にあるオーディオテクニカのアストロスタジオにて開催された、第5回「めざせ音匠 マイク指南塾」に参加させていただきました。今回はゲスト講師に堀真慈さん、琴奏者の三塚 美穂子さんと尺八奏者の三塚幸彦さんをお招きしての開催でした。

今回の会場であるアストロスタジオはとてもすばらしい外観の建物で、スタジオ内には一度は見た事のある機材がたくさん置かれていました。もちろん社内は全面禁煙。サイデラ・マスタリングも全館禁煙です。

まず始めにマイクの解説です。今回は主にaudio-technicaの40シリーズの解説をしていただきました。40シリーズはaudio-technicaの代表的なライン。audio-technicaの歴史が詰まっているマイクです。「ウェーブ・ダイアフラム」などさまざまな革新的な技術が詰め込まれています。コンデンサーマイクは基本的に湿度に弱いのですが、40シリーズは防湿対策がしっかりされているので様々なシーンで使用できることが特徴です。

そして次に琴と尺八の解説です。琴(こと)は本来正しくは、箏(そう)と呼ばれ、13本同等の太さの糸からなり、柱(じ)というもので糸を支え音程を決めます。ほとんど琴は桐から作らています。音の特徴として指向性はほとんどなく余韻があります。もう一つ西洋音楽の影響を受け、低音のでる琴が17弦琴。大きさも一回り大きくチェロのような低音がでます。尺八は西洋楽器でいうフルートのようなものです。穴からの音、息を吹いたときの音など単純に穴からの音のみではないということです。「たまにサックスの録音で穴にマイクを立てる人がいるが、あれは間違っている。」「あとは息を吸うときの音をノイズとして捉えるか、音楽としてとらえるかそれは録音側の好み」とのことでした。

マイク、楽器の解説が終わり、最後に堀さんからの録音アドバイスをいただき実際にレコーディングに入りました。2人1組にわかれ先ほどの解説を参考に、それぞれの楽器に最適なマイクを選んで録音、という初めての貴重な経験でした!

僕らが選んだマイクは琴にNeumannのU87を2本 、尺八にはaudio-technicaのAT4050。琴にNeumannのu87を選んだ理由は率直に言うと使ってみたかったからです。こちらを琴の高音部、低音部に1本ずつ無指向性で使用。尺八のAT4050は単一指向性で使用。まずそれぞれ適当な場所にマイクを立て、スタジオ内のモニターで音を確認しながらマイクの位置を微調整し自分たちが最適だと思う場所に設置しました。もう一つ、アンビエンスマイクとしてaudio-technicaのAT4050STというものを使用しました。AT4050STはMSとXY方式で録れるステレオマイクです。今回はXY方式で使用。マイクの位置も決まり録音開始!演奏曲は「春の海」(お正月によく流れる曲)でした。

そして4組のレコーディングが終了しそれぞれのチームの録った音を視聴しました。まず始めに僕らの録音を皆で視聴しました。最初のレコーディングにしてはなかなかの録音です!しかも初めてのレコーディングが琴と尺八とは!!とても貴重な体験でした。堀さんの感想はというと、「良くも悪くも平均的な音、しいて言えばNHK的な録音。褒めてるんだよ。」簡単に言えば何の特色もない音という事でしょう。自分達にとって、最初にしては上出来だと思いました。

最後に、堀さんの言葉がとても印象的でした。「最近、いい音を求めるエンジニアは多いが、いい音楽を求める人が少なくなってきている。いい音楽はいい演奏から、昔のJAZZなどのレコードが今も愛され続けられているのはすばらしい演奏だったから。」



2012/09/24

オーディオテクニカ主催 第5回「めざせ音匠 マイク指南塾」 レポート(その1)





9月19日昼過ぎ。御茶ノ水・湯島天神そばにあるオーディオテクニカ「アストロスタジオ」へ行ってきました!そこで、日本古来の楽器、筝(いわゆる、琴)と尺八の録音を試みました。オーディオテクニカ主催「第5回めざせ音匠 マイク指南塾」参加レポートです。

まず、僕は和楽器の録音経験がありません!講師の堀真慈さんによる楽器とマイクについてのレクチャーを聞きました。そして、それぞれ尺八、筝の奏者である三塚幸彦さん・美穂子さん夫妻に対して、普段どのような音の録られ方をしているか、自分が良いと思う録音音源はどのようなものかなどを参加者が各々インタビューしました。筝と尺八。元々は、四畳半ほどの和室で演奏されることを想定して作られた楽器です。現在に至るまで、多くの改良(ピックアップがついたり!)がなされているが、“音”の出方はいわば無指向性、更に300~500人規模のホールでの演奏となると、本来の聴こえ方からはほど遠いものになるという、基本的には古来から構造を変えていない楽器と言えます。


さっそく録音です!和楽器の録音経験を持つトップ・エンジニアは少ないといいます…。どうしよう、目の前で素晴らしい和楽器の音が。これをばっちり録音して伝えるには…
筝の裏にある「音穴」と呼ばれる穴にマイクを突っ込みます。

ガリガリ!

生々しい音が!このような爪弾きの音、筝の材料である檜自体の音は「音穴」からは良く聞こえますが、こうした音は、奏者の三塚美穂子さんによると録られるのを好まぬそうです。失礼いたしました!><;

ということで、奏者寄りの少し左側と、対称な位置の2か所に双指向性リボンマイクを設置。尺八にはオーディオテクニカAT4081を、奏者から70センチ離した位置に設置。結果は…
「さっきより自分が演奏しているときに聞いている音と近くなった」(三塚幸彦さん)
「(尺八が添え物の様になっていたため)筝のアルバムを作るには良いかも!」(三塚美穂子さん)
ありがとうございます!こうして、演奏の鮮度が落ちないうちに、時間内に正しくマイクをセッティングする、という録音の基本、第一歩を実感出来たセミナーでした。講師の堀真慈さん、三塚幸彦さん、三塚美穂子さん、オーディオテクニカの皆さん、本当にありがとうございました!

それでは、チャオ!






PS. 閑話休題
先週、大学のゼミ合宿で軽井沢へ行ってきました^^僕はW大学K沼教授のゼミに所属しており、ゼミとしては「軽井沢」というタイトルの小文を、軽井沢を一日自由行動!して、課題として書くといったことをしました。感性を磨く、そういうことが集団行動の中でも各々自由にできたことはゼミ長として充実感を感じています。
その日一番盛り上がったのは、ウイスキー、カンパリ飲んだくれた飲み会!の後!僕等より先に部屋へ戻ったK沼教授から電話が。

K沼教授:いま、外のテニスコートのベンチあたり行ってみ?スゴイことになってるぜ(おそらくにやけている)
福元:わかりました!見に行きます!!
ゼミ生たちを連れ、みな酔っ払いへべれけで外へ。テニスコートに到着。なにやら蠢く人影が?!血気盛んな大学生の事、、これはもしや?!?!

もっとも酔っぱらったゼミ生A:しーっ、ほふく前進~!!←ここらへんからもう異常
一同:(小声で)らじゃー!←夜の露したたる芝生で全員ほふく前進開始。
へべれけゼミ生B:おいっ、押すな、わ~~!!!←B、テニスコート前の芝生の傾斜を転がり出す。
一同:撤退っ!撤退~~!!!
一同:わーーーっ!!!…と駆け出す。



結局、ただ何人かがテニスコートのベンチでしゃべっていただけだったと判明しましたが、スリル満点の夜となったのです!K沼教授は僕たちに何をけしかけようとしたのでしょうか?!しかし、ひとしきり盛り上がりを見せた後、僕は教授にお礼の電話を入れたのでした!

福元:とても盛り上がりました!ありがとうございました!
飲み会でも働くということについて、自身の経歴を含めて全てお話しいただき、みな勉強になりました!本当にありがとうございました、この場を借りて!

2012/09/20

「かせきさいだぁ/ミスターシティポップ」アナログ・ハーフインチを通したマスタリング


昨日発売の「かせきさいだぁ/ミスターシティポップ」のマスタリングをやらせて頂きました。このアルバムのサウンドは明確なコンセプトがあり、エンジニアのillicit tsuboiさんからのリクエストは二つありました。

1.「音の狙いは70年末のニューミュージック(ナイアガラやTIN PAN ALLEY)的な傾向だけど2012年な感じになると嬉しいです。全体音は柔らかめ(EQで柔らかくではなく、アナログに通した質感)で、レベルもそんなに入れなくて、レンジ重視でお願いします。」
2.Pro Toolsのアウトプットを一度アナログのハーフインチに通すこと
→サイデラ・マスタリングのFacebookにその様子を公開!
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.362262477176239.76368.170661743002981&type=1&notif_t=like

ミックス音源は32ビット(float)/96kHzのWAVファイルで、アナログ・ハーフインチテープはtsuboiさん所有の3M 996を持込みいただきました。サイデラ・マスタリングのアナログ・ハーフインチ・テープレコーダーはSTUDER A80です。同じSTUDERのA820と比較して低域が豊かで艶のある、よりオールドテイストなサウンドがします。レコーダーは15ips(38cm/s)、250nWb/m+4dBに調整。入力レベルはVUメーターがピークで+2程度に触れるようにしました。

機材のセットアップが済んだら次は機材の選択です。Pro ToolsのアウトをRME FIREFACE UFXでDA変換してそのままSTUDER A80にインプット。普段はRMEのAESアウトを外部DAコンバータでDAしますが、今回はとてもシンプルにしました。なぜならこのアウトプットが最もナチュラルで柔らかい質感のサウンドを得ることができたからです。ケーブルはすべてCANARE L-2T2Sを使用。

またアナログ/デジタルEQの類はいっさい使用せずに音色の調整はA80の録音イコライザーのみで行いました。具体的には100Hzを1.0dB上げ、10kHzを1.0dB下げとかなり低域がファットになるイコライジングをしています。

さらに音色を微妙に追い込むためにアナログテープのテープ位置による音質の差を利用しました。アナログ・テープは何度も録音されたテープ箇所では音が鈍るという特徴をマスタリングでの色づけとして利用しています。10インチのアナログ・テープを15ips(38cm/s)で回すと約30分録音できるので、A: テープの頭、B: テープを10分送ったポイント、C: テープを20分送ったポイントの3カ所に同じ曲を録音してメンバー全員でサウンドの違いを確認しました。予想通り、これまで何度も繰り返し録音に利用されているテープ頭はサウンドが鈍り、後半のフレッシュなポイントは抜けの良いサウンドがします。そのため歌とオケを馴染ませたい曲には頭のポイントで。勢い、スピード感を表現したい曲は後半部に録音と使い分けました。作業が進むに従い、メンバーの皆さんから「森崎さんこの曲は頭で」「こちらは中間で」など指示して頂きながらのマスタリングでした(笑)。

その結果2012年版アナログサウンドを作ることができました。レベルも今時の音より5dB程度低く仕上げていますが、ファットで耳に心地よい1990年代のサウンドを目指しています。アナログ・テープ・シュミレーションのプラグインも多く出ていますが、このサウンドを再現するのはなかなか難しいと思いますよ。心地よいけど透明感があるアナログサウンドのすばらしさをぜひ体験してください。

2012/08/22

DSD Field Recording:MUSHのDSD録音記(その2)「東京夏の蝉」


どうもMUSHです!

まだまだ暑い日が続いております。サイデラ・マスタリングではKORG MR-2000S複数台でのマルチトラックレコーディングなんかもやっているわけなのですが、個人的な趣味でのミニマムなレコーディングセットでのDSD録音記(その2)ですお。

まだまだ暑く蝉の鳴き声も衰えを見せないのですが、正直蝉の声だけは絶対録りたくないと思っていたのですが、毎日原宿は東郷神社横を通っている身としては仕方なく、、ということで(その2)は蝉の声を2バージョンです。東郷神社の敷地内に広がる小さな森の夏は、蝉たちの大合唱がすごいのです。



録音ロケーションは神社のなるべく奥=明治通りからなるべく離れて、現場では人間の耳には車の走行音は随分と遠くに聴こえるのですが、フラットなマイクとレコーダーには通用しません。ばっちりエンジン音の超低音が届いてしまっています。これもある意味東京の夏だなって感じですね。そして途中偶然上空を通りかかったヘリコプターの空気感がすごい!このヘリコプターの再現性を損なわないためにも、少しマイクが吹かれていますがローカットEQをするのはやめました。ノンEQです。もう一つは蝉の会話をお楽しみください。





2012/07/23

DSD Field Recording:MUSHのDSD録音記(その1)「盆踊りと太鼓」


どうもMUSHです!

サイデラ・マスタリングではKORG MR-2000S複数台でのマルチトラックレコーディングなんかもやっているわけなのですが、個人的な趣味でミニマムなレコーディングセットでのDSD録音記の連載をはじめることにしましたお。

(その1)は週末に近所の神社で、お祭りとセットでやっていた盆踊り。非常にローファイな拡声器のサウンドと、それに合わせて叩かれていた生の大太鼓小太鼓。DSD録音でフラッターまで記録しちゃいました。ノンEQ、2.8MHzのDSDから24ビット/96kHz WAVへKORG AudioGateでフェードを書いて変換のみ。9624でも、オリジナルに比べるとほんの少し固い部分が出てきてしまうんですよね。



2012/05/23

自転車日和


デスクの今井です。

昨日とはうってかわってすっごく気持ちのいい天気ですね〜散歩・サイクリングにはもってこい!ということで今日は知人から譲り受けた私のハマー(自転車)をサイデラ・マスタリングのチーフ・エンジニアの森崎さんにメンテナンスしてもらいました。ハマーをもらったはいいものの、解体されたまま届いてしまい、初心者なのでヒーヒー良いながら組み立て、なんとか1年間乗りまくってきたハマーちゃん。大臣でお弁当を買ってかえる道中で見てもらうと、「いや〜ここもここも調整必要だね〜」ということで早速やってもらいました。

まずはブレーキ。
ブレーキって左右から挟む構造なので、両腕のバランスが整っているのが理想。もちろんガタガタでしたので調整してもらいました。

次にギア。
6段階なのですがいっつも3〜1あたりがガタガタ…。しかしドライバー1本であっという間にのぼりもくだりも整っちゃいました。

お次はタイヤ。
タイヤって空気圧の目安が書いてるんですね!知らなかった…。自分の握力で「う〜ん固い」位で入れてた…!(笑)今日ようやく空気入れになぜ圧力計がついているのかわかりました。ちなみに私のハマーちゃんには2.5〜4Bar(Barは単位)と書いてあり、女性の体重くらいなら3.5くらいに合わせるのだとか。ちなみにロードバイクのタイヤ圧は7とかなのでかなり固く、段差が多いところをいくにはマウンテンバイク型がやはり良いようです。でも、シティ乗りだったらダブルサスではなく前だけのシングルサスがおすすめとのこと。また、同じような値段帯ではGIANTが優秀。また、同じブランドでもデフォルトにどんな部品が使われているかよく見るのがこつだそうです。同じ値段、ブランドだけど安い部品がついていたり、逆だったり。

あとはサドル。
こちらも自分ではめた物でしたが、「MAX」ラインを超えて取り付けてしまっていたのでちょっと危なかったようです。(笑)

そして完成品がこちら!



嘘です。これは森崎さんのフルカスタマイズバイク。お値段は…総額で70万円以上!!!!安い軽自動車買えちゃう…。ちなみに私の自転車20台分(笑)

とにかく色々見せてもらったので、自転車がさらに楽しくなりそうです!早速工具を買わなくちゃ!ということでサイデラ・マスタリングでは自転車のご相談もできますので、お気軽に☆

PS.サイデラ・マスタリングある神宮前エリアにはマニア御用達の自転車屋さんが結構ありますよ〜。

今日の森崎の名言「バイクメンテナンスはマスタリングと同じ」





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2012/05/15

デジタル機器の基準レベルについて

本日はデジタル機器の基準レベルについてお話しします。

レコーディング・スタジオにおいてデジタル機器の基準レベルは-16dBFS=0VUが一般的です。オシレーターから-16dBの基準信号(正弦波)を出しVUメーターが0を指すレベルが0VU。デジタル機器ではその基準信号を入力しピークメーターが-16dBを示すように調整しています。

デジタル機器の基準レベルは世界各国によって規定があります。基本的には0dBFSより20dB低いレベルポイントが基準(SMTPE、NAB)になっていますがこの基準レベルはダイナミックレンジの広いクラシックなどの録音を想定した値なので、実際には音楽のジャンルや録音フォーマットの違いにより-18dBFS、-16dBFS、-12dBFSなどの基準レベルを選択しています。

※dBFS
デジタル信号の大きさの単位。FSは「フルスケール」の事でデジタルで表現可能な最大値(フルビット)を指す。 デジタルの最大値を0dBFSとして信号の大きさをdB(デシベル)で表したもの。

それに対しアナログ機器は+4dBm=0VUが標準です。アナログは皆さんご存知の通り0dBを越えても急激には歪まず+6dBくらいから緩やかに歪みが増えていくのですが、デジタルでは0dBを越えると急に歪む(クリップしてしまう)わけです。前者はハーモニックディストーション、サチュレーションなど音楽的に歪むのに対し、後者は電気的な歪み(クリップ)が生じるためこれ以上のレベルでは録音不可能となってしまいます。

デジタル機器で録音する際に瞬間的なピークでも歪まないようヘッドルームまでに16dB分の余裕があるということが-16dB=0VUという基準の意味です。

P.S.
KORGのMR2000Sではアナログ入出力レベルがリファレンスレベルによりつじつまが合うように設計されています。例えば-16dB=0VUの入出力を基準にすると、リファレンスレベル-18dBなら再生レベルが2dB上がります。逆に-14dBでは再生レベルは-2dB下がります。録音、再生の音量を合わせるには、リファレンスレベルの設定を「録音時のリファレンスレベル=再生時のリファレンスレベル」にして下さい。

2012/04/29

「ボーマス」開催中につき!ボーカロイド曲のマスタリング



本日はボーカロイド曲のマスタリングについて。
人の声はアーティストごとにキャラクターが様々です。ジャンルや楽曲によってロックなら強く、バラードなら優しく、などニュアンスも異なります。それに対しボーカロイドの場合、声のキャラクターが基本的に決まっています。ニュアンスの違いもわずかなので、その特徴を理解することで確実にサウンドを仕上げることが出来ます。

<<ポイント>>
1. 歌とオケのバランスが大事!
2. 声の輪郭をはっきり、芯を出す!
3. サウンドのキャラクターはオケで作る!

<<解説>>
1. ボーカロイドは倍音や歪みが少ないため聴感上の聴こえ方は小さいので、少し大きめに仕上げることで気持よく聴こえます。特に音数が多い楽曲、ロックなどはオケに埋もれやすいので注意。ミックスの段階でボーカロイドのレベルノーマルと、歌上げバージョンも作ってマスタリング時に聴き比べることをおすすめします。

2. 歌詞がはっきり聴こえるようにするには?ボーカロイドは人の声よりもレンジが狭いので10kHzなどの高域をEQしてもさほどの変化はありません。聴覚的に敏感な1kHz~4kHz辺りの帯域を使って音作りします。声の芯は1kHz、輪郭は3kHz~4kHzで強調。

3. まず最初にTC Electronic SYSTEM6000でのデジタルEQで、声の質感を整えます。それから楽曲をより魅力的に仕上げるためにAD/DAコンバーターなどの機材とケーブルを選択していきます。ポップスには明るく透明感のある音で、ロックは厚みと心地よいハーモニック・ディストーションをプラスして。オケをアレンジにふさわしい音に仕上げることで声の魅力をより引き出します。

この3つのポイントを抑えてマスタリングをするので、仕上がった作品は通して聴いた時の心地よさが違います。聴感上で歌のレベルをしっかり合わせ、楽曲のアレンジにふさわしいサウンドに仕上げることで曲のインパクトは大きく差が出ますよ。

プラグインのマスタリングで満足出来なければぜひお任せください!


2012/04/17

伝統のサイデラ・インターンシップ コーヒーマニュアル大公開

おいしいコーヒーを入れるための、マニュアル公開!(By サイデラ・マスタリング・インターン ノリタケ・福元)

1. フィルターを用意する
フィルターの、シール部分(凹凸のある部分)の底辺、側面を逆方向に折り返して、ドリッパーにセットする。フィルターのサイズは、何杯入れるかで選択。杯数によってはコーヒー豆が溢れてしまうため。
1〜4杯:1×2(小さいフィルター)
5〜7杯:1×4(大きいフィルター)


2. 豆をいれる前に熱湯でフィルターを濡らす>
フィルター自体から出る雑味をなくすため。ここで落ちた熱湯は捨てる。


3. コーヒー豆の分量を量る
コーヒー豆用の計量スプーンで豆をすり切りで入れる。豆を入れたら軽く揺すり平らにし、さらに真ん中に指で軽くくぼみを加える。


4. 水を入れる
コーヒーメーカーに、淹れる杯数プラス1目盛りの水を入れる。コーヒーメーカーのスイッチを入れ、最初の1目盛り分はコーヒー豆に落とさず、最初に出てくるお湯が少しぬるいので、カップを温めるためにも多めに水を入れ、カップに注ぐ。


5. 蒸らし、抽出
一目盛り分カップに落としたら、ドリッパーに熱湯を注ぐ。中心の凹みから外側の順にお湯を落としながらドリッパーを回す。このときフィルターに直接お湯がかからないようにすること(フィルターの端からお湯を注いでしまうとお湯がそのまま落ちてしまうため薄いコーヒーが出来上がってしまう)。豆全体が湿ったら、スイッチを切って30秒〜45秒程蒸らす。その後スイッチを入れ、お湯を再び落とす。この時もドリッパーを回しながらいれる。コーヒーが完全に落ちきる少し前にサーバーからドリッパーを外す。(最後の泡の部分は雑味が含まれるため)


6. カップに注ぐ
複数のカップにコーヒーを注ぐ際は、一度に一杯ずつ注がずに、2〜3回に分けて順番に注ぐとよい。一度に注いでしまうと、最初にいれたコーヒーは薄くて、後にいれたコーヒーは濃くなってしまう。味ムラをなくすために、注ぐ前にポットを軽く回して混ぜるのもあり。


7. 召し上がれ!
※お出しする前に味見を必ずすること!


2012/04/13

インターンのデシベル日記(その1)


インターンになって最初にMUSHさんに注意されたのは「声が小さいよ!6dBあげて!長三度あげて!」。
デシベルッテナニ。ということで騒音計で測りました。


【BEFORE】


【AFTER】


やりました6dBアップ!日頃から意識して身につけます!

インターン福元


2012/03/08

DSDレコーディング(その7)「Vinicius Cantuaria & Bill FrisellxMR-2000S」


どうもMUSHです!

「Vinicius Cantuaria & Bill Frisell Japan Tour 2012」の最終日@Mt.RAINIER HALL SHIBUYAに行って来ましたよ!ヴィニシウス・カントゥアリアのガット・ギターと歌、ビル・フリゼールのストラトキャスターのクリーントーン。たったこれだけの編成を、FOHエンジニア クラウディア・エンゲルハートが最小のマイクと最低限の音量で、照明演出もほとんどなしに客席に届けると、スピーカーの存在が消えていましたよ。

あぁ気持よかった。

2012/02/28

コメントへの回答:モニターケーブルの選択

モニターラインのケーブルですが、モガミの2芯の2549を3mの長さで使用しています。ただ、ハイ上がりになるのでフラットではないとよく聞くのですが、2534の方がフラットで良いのでしょうか?初期型のNS-10M(ユニット交換メンテ済み)にヤマハの業務用アンプ、スピーカーケーブルはベルデンの8460です。4S6の方が定番でしょうか?ツイーター特性の好みでいまでも初期型を使用しています。

2芯のモガミ 2549はバランスがよく歌や楽器の定位がしっかりしたケーブルだと思っています。ヤマハ NS-10Mは決してHiFiではなくどちらかというと派手でボーカルの帯域が大きく聴こえるスピーカーなのでこのシステムに導入すればハイ上がりに聴こえるかもしれません。それに対し4芯のモガミ 2534の方が音質的には柔らかくナチュラルです。ボーカルもオケに馴染み、キックのアタックは2549と比較して弱めですがレンジが広い。

音楽制作の現場ではミキシング・コンソール、プロツールスのアウト「そのままの音質」が、録音/再生されることが理想的です。もし2549でサウンドがハイ上がりと感じるなら2534のほうが相性がいいはずですので試してみてください。カナレ L-4E6Sも抜けがよくレンジの広い。ベルデン 1192Aは低域が豊かな中低域に厚みのあるケーブルです。どれも同価格帯のケーブルですからぜひ比較試聴をおすすめします。必ずお気に入りのケーブルが見つかるはずです。

サイデラ・マスタリングではモニターラインは全てSaidera Ai SD-9003ケーブルを使用しています。色づけが無く「そのままの音質」で伝送するケーブルです。モニター環境をグレードアップしたい場合には一番オススメのケーブルです。