スピーカーの調整もマスタリングも位相はとても重要です。写真に例える位相のずれはフォーカス(ピント)のずれです。位相が合ってないと楽器が見えるような、ヴォーカルが目の前で歌っているような、そんなリアリティーを表現することが出来ません。
逆に位相が合っていると柔らかくても立ち上がりの速いサウンドを作ることが出来ます。そのことをサウンド作りに応用するとハイを上げたりコンプを強くかけることなく抜けるサウンドを作ることが出来ます。
僕はアナログ機材を使う時にはオシレーターから1kHzを入力してLRきっちり合わせています。ケーブルなども含め0.01dB以内の誤差まで調整しています。マスタリング用のEQ、COMPにクリック式が多いのはこのずれを少しでも無くすためなんです。
アナログテープの時代は10kHzでヘッドのアジマス(ヘッドの角度)を調整していました。この調整の善し悪しがサウンドに大きく影響しましたね。きちんと合ってないとキックやヴォーカルが真ん中に聴こえずピントがずれたサウンドになってしまいます。
アウトボードを使う時にはぜひこの調整をしてみて下さい。自然で抜けの良いサウンドにきっとなるはずです。
0 件のコメント:
コメントを投稿