2010/05/18

音像とは(その8)

チーフ・エンジニアの森崎です。

僕がマスタリングの時に注意していることはTDマスターのニュアンスをじっくり聴くこと。アーティストの声質、オケと歌のバランス、広がり、奥行きなど。MIXの時にレコーディングエンジニアが緻密に作り上げているサウンドを理解しなければマスタリングの作業は出来ません。

それからどのような方向性で仕上げるのか?ディスカッションしていきます。
僕は「音像の大きさ」と「音量の大きさ」どちらを求めているのかを最初に理解するようにしています。例えばA(の曲)は音量がかなり入っているのに音が小さい、Bは音量が小さいのにこちらの方が音が大きく聴こえると言われた時にはまず音像の大きさを確認します。

もし、音量ではなく音像の大きな鳴りが必要ならドラムや歌の輪郭をはっきりさせたり中低域を太くする音作りをします。オケに迫力とパンチを出すことが出来ればヴォリュームは下げることが出来るので歪みの少ないクリアーな音作りが可能になります。アナログ機材をインサートするのも有効な手段です。僕はSSLのパッシブフェーダーをDA、ADの間にインサートすることが多いですね。アナログ独特の暖かみと倍音、透明感がプラスされます。


☆過去記事もご参照ください 旧ブログはこちら
音像とは(その1)
音像とは(その2)
音像とは(その3)
音像とは(その4)
音像とは(その5)
音像とは(その6)
音像とは(その7)

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