私は2010年からサイトウ・キネン・フェスティバル松本に参加しています。レコーディングディレクターの西脇義訓氏とバランスエンジニアの福井末憲氏が設立した録音会社であるエヌ・アンド・エフのスタッフとして、今年も松本へ出張してきました。
サイトウ・キネンでのレコーディング舞台裏をご紹介する前に、私の録音の師である福井氏との出会いを少しお話します。キッカケは1枚のSACD。数年前、自分の録音に限界を感じ悩んでいた時期に何気なく聞いた、福井氏が録音を手がけた「長岡京室内アンサンブル In Memory of Hideo Saito(NF60102)」に心奪われたのです。素晴らしい演奏と自然体な録音に感銘を受け、目の前に立ち込めていた霧が一気に晴れたかのような心持ちになりました…そんな巡り合わせから、サイトウ・キネンにも参加することになったのです。
さて、サイトウ・キネンは、松本にある複数の会場で開催されます。オーケストラのコンサートはキッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)、オペラや音楽劇はまつもと市民芸術館、室内楽はザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化ホール)、重要文化財でもある木の雰囲気があたたかな あがたの森文化会館・講堂。
フェスティバルのほとんどを記録録音している エヌ・アンド・エフは、各会場の空き時間に録音の準備を行い、時にリハーサルも収録し、それぞれの本番に望んでいます。お客様だけではなくレコーディング・エンジニアにとってもサイトウ・キネンは、国内外のトッププレイヤーによる演奏に連日触れることのできる、とてもエキサイティングな現場です!
次回からはサイトウ・キネンでのレコーディング舞台裏について詳しくお話していきます!
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