2013/07/26

エンジニアのスモールモニターの使いこなし


僕は音響ハウスのアシスタントからキャリアをスタートしたのでレコーディング・スタジオとマスタリング・スタジオの二つの異なるモニター環境を体験してきました。

レコーディング・スタジオでは毎日、あるいは当時は数週間ごとにセッションが入れ替わりました。ラージモニターは固定ですが常設のスモールモニター(当時はYAMAHA NS-10M)はエンジニアごとにスピーカーの間隔、縦置き横置き、左右を入れ替えたりなど、色々な方法でセッティングされていました。(僕が在籍していた1990年代中頃はパワードモニターを持ち込むエンジニアも徐々に増えてきた頃でもあります。)沢山のエンジニアからスタジオにある道具や小物を使ってNS-10Mの調整方法を教わりました。

1.天井からの乱反射を防ぐために消しゴムを使ってスピーカーの後ろ側を浮かせて角度をつける
2.スピーカーの高さを稼ぐためにスピーカースタンドとスピーカーの間にドラフティングテープのリールを置く
3.スピーカーの後ろの壁の反射を防ぐためにブームスタンドをT字にして毛布を吊るす
4.積み上げたエフェクターラックからの反射を防ぐためにエアキャップ(プチプチ)をスピーカーの側面に貼る
5.スピーカーの底板の振動を抑えるためにスピーカースタンドとスピーカーの間に厚めの雑誌を置く
6.高域を抑えるためにツイーターにティッシュを貼る

どれも個性的な方法ですが、共通するのはエンジニアはモニターシステムの癖を理解しイメージ通りのサウンドに仕上げるために出音を微調整をしていたこと。さらにセッションの前には必ずリファレンスCDを再生してサウンドの確認をしていたことです。分かりやすいモニター環境は正確にストレスなく音決めができます。

サイデラ・マスタリングでは「誰にでも分かりやすい」「色づけのない」モニター環境を常に目指しています。ぜひ一度体験しに来てください。


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