録音には「空間を録る」というアプローチがありますが、これは吉本隆明さんの「言葉の根と幹は沈黙である」に相通ずると思っています。
「音を伝える(考え様によっては音そのものである)空気によって満たされた “空間” が存在するからこそ、演奏が成り立つ」
こう考えますと、「音の根と幹は “空間” である」といえるのではないでしょうか。音とは呼べない、風紋や波紋のような微細な空気のゆらぎ。その空間が持っているノイズ。これらが、いわゆる “臨場感” に直結するのでは――DSDレコーディングは、この “空間” を捉えるポテンシャルを持っているのです。
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