コンサートホール録音の現場は様々、中継車や録音室がある場合もありますが、ステージ袖(ステージ横にある客席から見えない空間)で録るケースが多々あります。ここで問題になるのが、“実際に聞こえてくる音” と “録音している音” の聞き分けです。つまり、録音中は “録音している音” だけを聞きたいのですが、実際の演奏音も同時に聞こえてしまうわけです。
そこで、“実際に聞こえてくる音” を少しでも聞こえなくするために、【密閉型】のヘッドホンを使います。しかし、あえて【開放型】を用いる場合があります。
これは好みの問題もありますが真の理由は他にあります。開放型を用いることによって録音中も周囲の音を遮断せず、ヘッドホンを装着したままでもある程度のコミュニケーションを可能としているのです。刻一刻と状況が変化するライブレコーディングの現場では、「状況判断・察知」が「音の判断」と同じくらい重要な場合があるためです。
0 件のコメント:
コメントを投稿