2010/07/16

TBU!2010×Saidera Mastering モーニングセッション第1回

皆さんこんにちは。ブッキングの石河です。

TBU!2010×Saidera Mastering モーニングセッション第1回 オリエンテーションが TBU!2010より藤木和人氏を講師にお迎えし7月15日(木)開催されました。
参加者はミュージシャン、レーベル主宰者、エンジニア(PA、舞台音響、MIX)、作曲家などそれぞれの分野のプロフェッショナルから学生の方まで多くのご参加をいただき、ネットワーキングの場ともなりました。早起きは三文…もっと徳ですね。

さて、
熱血!藤木和人先生のTBU!2010×Saidera Mastering モーニングセッション第一回オリエンテーションのリポートとメッセージです。

記念すべき第1回目の講師兼MCの藤木でございます。みなさん、ご参加いただきありがとうございました。スタッフのみなさんもおつかれさまでした!参加者みなさんとっても熱心で、それぞれ活躍の場は違うけれどエナジーに溢れていている方ばかりでとても感激しました。名刺交換・ネットワーキングもできましたね!この出会いがみなさんのこれからの活動のプラスになることをとても強く感じました。

さて第1回目は、これから行う数回へのオリエンテーションという意味でトークとすこしの試聴を行いました。マスタリングされるべき音楽そのものが持っているファクターもまた重要であることを何回か言わせていただきました。第1回に参加できなかった方のために、リポートしました。

<マスタリングが身近になった>
近年ProToolsなどのDAWが安価になり(PCが高性能になったりインターネットなどのインフラが整ったのも大きな理由ですが)、数年前なら数千万円のお金がかかった録音や再生やミックスを行う道具を手に入れました。以前は録音スタジオを作るには機材に1億、内装費に1億円かかると言われていました。

<マスタリングで使える技術も広がった>
20年ほど前にようやく2チャンネルのマスタリングツールにハードディスクが組み込まれ(以前は業務用のVTRカセットテープを使用していた/Sony PCM-1630 + DMR-4000など)、デジタルのI/Oは急速に進歩、完備され、音量以外のEQやダイナミクスもアウドボードはもちろん、ソフトウエアのプラグインでさえある程度の音作りできるようになりました。
それ以前から現在でも「ミックス~マスタリング」の世界では:
- ミックスマスターをアナログテープにしてデジタル化する
- デジタルマスターをいったんアナログに変換してアナログな機材で処理を加えるというアナログ変換を交えた作業も行われています。そして現在では数々のプラグインでデジタルエリアでの処理が可能になりました。しかしその動作原理(プログラムの数式)はアナログの模倣であるものが殆どなのは面白いですね。

<マスタリングでできること、できないこと> 重要!
そしてここ数年プロの世界でも、世界のミュージシャンが「マスタリング」について語るようになりました。彼らにとってマスタリングは最後に音におまじないをして音楽を世界にデビューさせるおおきなイベントであり、ここでの「マジック」で一連の制作作業が完了したことになります!雑誌やDAWメーカーのせいもあってこの「マジック」の名声がすこし一人歩きしはじめました。
「しかしここで忘れないで下さい」マスタリングの前にミックスが、そのまえにトラッキング(録音)が、その前に演奏や編曲が、その前に曲作りや歌詞作りが、その以前にあなたがたアーティストや個性が存在していることを!マスタリングでは演奏や個性は直せませんね。

<いつだって原点に立ち返ろう>
「TBU!2010×Saidera Mastering モーニングセッション」でマスタリングについて語り合い、考えて行くうち、それ以前の「ミックスでできることは何」だったのだろう?いや「録り音はどうだった」のだろう?いや「演奏はどうだった」のだろう?「楽曲や歌詞は」あれでよかったのだろうか?とマスタリングに到るまでの、全ての音楽制作工程の再考が起こるはずです。実際、次回以降のセッションでお見せするノウハウとは、ProToolsやデジタル調整卓の環境では個々のチャンネルに対して行うことも出来るわけで、このセッションでは、マスタリング以前の部分の技術もブラッシュアップすることになります。「あー、録りからやり直したい、ついでに歌詞も直したい」「ボーカル録音から直したい」「キックとベースが気に入らないからミックスをやり直したい」そういうキモチが出てきたら「それをやればいい!」じつはその「制作の全工程のレベルアップ」がこのセッションの大きな狙いでもあるのです!

<もっと音を聴こう>
さてもうひとつ、第1回では、オリエンテーション/概要/質疑応答が中心でしたが、短い時間でしたが音を聴いていただきました。皆さんの耳はきっとランクアップしたと思います。小鳥の声は上から聴こえたでしょう?あれを体験して認めた時点で大躍進!
どうかご自宅でももう一度、今までと違う「想像力」「妄想力」「真面目っぽく」などな感じで他人の作品も自分の作品も聴いてみましょう。各楽器やパートの定位(左右の位置や奥行き、高さ)などをノートにメモするくらい神経を尖らせてみるのもいいです。リバーブ(残響)ひとつとっても「唄にもわっとくっついている」もあれば「奥にすーっと消えて行く」「左右に広がっていく」などのイメージが「見えて」くるはずです。そんなエンジニア耳も育てると音ががぜん面白くなりますよ!ブレスひとつでもすごく重要なものに聴こえてきたり、シンバルがダビングだって気づいたりすることもあるでしょうね。第2回のセッション(7/22を予定/申し込みは急いで!定員間近!!)で森崎さんがちょこっといじったちいさな音の違いも聴き取れるようになるでしょう。

<もっと録音しよう>
僕は(きっとセイゲンさんもそう思う)まず身近になった「録音」全体をもっと活かして欲しいと思っています。安くていい機材が揃っています、あとは「人・音楽・演奏+録音技術」があれば!その「+録音技術」のところはこの先のセッションは強力なヒントになります。現在、とくにインディペンデントのバンドは、録音にかける時間が短い、と思います。しかし実は「録音こそ最高の学び場」です。そこで実験してアイディアを膨らませ磨き、感性を高めて音にする。どうか録音に時間をかけて下さい。練習しておいてさくさく録音するのではなく、録っては聴き、やり直す、それをいくらでも繰り返す。映画Anvilの録音シーンを見ましたか?喧嘩だってするでしょうね、そこに魂とアイディアの全てを入れるのですよー!

<さて次回は?>
良い音楽、良い演奏があって、それを別の場所や時間に再生するために、私たちは録音をしてメディアに載せているのですね!ではそのメディアに載せるとき、すこしでも効果的に伝えるために音のどの部分にどんなアプローチをするのでしょうか。いよいよ音に変化を加えていきましょう!第2回の森崎さんの鋭いテクを見逃さないように!

ではまた次回に!


藤木和人/TBU!2010プロデューサー(フリーランス 作曲/編曲家 プロデューサー)ビクタースタジオでエンジニアとして電子回路・SSL等一連の録音機材のメンテ・開発等を、豊島政実にルームアコースティックスを学びスタジオ・マスタリングルーム設計に携わる。川原伸司/平井なつみ・河村利夫・市原宏祐などに作曲や編曲を学ぶ。1990年代はTPDの立ち上げなどにサウンドプロデュースで参加。以後、展示映像・PV・バレエ・芝居などへも音楽提供中。マッスルミュージカル音楽監督。心に残る音楽を作る事が信念。
ご意見要望・お仕事、よろず相談は kazuguis@gmail.com まで。

◆第2回日時:2010.7.15 木曜日 9:00AM-10:00AM
場所:サイデラ・マスタリング (最寄り駅;東京メトロ外苑前、JR原宿)
参加申し込み:saraudon009@gmail.com まで、メールにてお名前/年齢/所属(またはバンド名・アーティスト名)をお知らせ下さい。お問い合わせもこちらにお願いいたします。
参加費:無料
【第2回】は実際に参加者のお持ち込み音源でマスタリングを体験いただきます。夢のようなコラボセッションです!定員間近です。お申し込みはお急ぎください。[第2回リポートはこちら]

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