2010/07/20

電源コンセントの使いこなし

チーフ・エンジニアの森崎です。
本日は電源コンセントの使いこなしについてお話ししたいと思います。

まずはサイデラ・マスタリングのオーディオ用電源コンセント(AVR)ですが電柱から主幹までは300A、200Vで引き、デンケンの安定化電源で100V、117Vに変換し各電源ボックスに送っていますので非常にクリーンな電源が供給されています。またそれとは別にPC用電源、照明、ファンなどの空調用に商用電源も引いてあります。

最近ではプロスタジオでもオーディオの分野でも電源ケーブルで音が変わることに注目されていますがそれと同じぐらい電源ボックスのアウトレットの位置でも音色が変わります。

例えば4口のアウトレットなら、上下、左右で、6口であれば上下と左右、真ん中で音色が微妙に異なります。僕の場合はまずスタジオの全ての電源ボックスの音質をデーターに取り、その後アウトレットの位置の音色差もデータに取ります。かなりの量になるので大変な作業ですが、小さいことでも積み重ねると音は相当良くなりますね。例えばちょっと明るい音にしたければEQを操作するのではなくアウトレットの位置を変えればいいんです。

僕はアウトレットの選択についてはマスタリングに関わる機材を最優先しています。例えばプレイバック用のdigidesign ProToolsHD、SonicStudio soundBladeのインターフェースなどは最優先しています。ポイントは再生機材に最もレンジが広く情報量の多い音質のアウトレットを使用して徐々にバランスの良いまとまりのある音質のアウトレットを録音機材に使用しています。マスタリングではマスター音源の情報量を最大限に引き出すことが一番大切だというのが僕の考えですね。

また、パワードスピーカーなどに電源を供給する場合、アウトレットの上下を使用するのか、左右を使用するのかでも音質とバランスが異なります。この場合は2本のスピーカーのバランスが良い方を選択しています。音質についてはケーブルなどの選択で追い込むことが出来ますので、まずは音量感や立ち上がりのスピード感などで選ぶのが良いと思います。

これらの方法なら電源ケーブルを交換しなくても音質を追い込んだり好みの方向に寄せることが可能になります。簡単でとても効果がありますので皆さんぜひ試して下さい。

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