2009/11/06

PCMとDSDアップコンバートの使い分け

PCM、DSDのサウンドにはそれぞれに良さがあり、ジャンルやアーティスト・プロデューサーが求めるサウンドの方向性で使い分けています。PCM音源でのマスタリングは音圧・パンチがあり、音量を入れる必要があるロックやヒップ・ホップに向いています。特にミキシングでサウンドを作り込んだ作品はPCMの方がまとまりがあり、見えすぎないところがカッコいいサウンドになり、そちらを選択することが多いです。

それに対しDSDにアップコンバートすると音の解像度が増し奥行き広がりが出るので、ヴォーカルものやロックの一発録りの楽器のニュアンスを生かした作品に最適です。アナログレコードのサウンドがベースにあるハウスなどのクラブミュージックにはアップコンバートすると心地が良く音量を上げたくなるサウンドに仕上がります。

あるいは良いとこどりで、曲ごとにそれぞれの良さを生かしたマスタリングをする場合も。広がりを少し抑えたい、抜けよりもパワーでいきたいという楽曲はPCMで、バラードなのでアーティストとオケの距離を少し広げたい、サビのストリングスを雄大にしたいという楽曲はDSDにアップコンバートして、など。ただしこの場合は作品としての統一感を図るため基準となる楽曲をしっかり決める必要があります。

PCMとDSDのマスタリングは「どちらが良い・悪い」ではなく、それぞれの良さを理解して使い分けることが重要です。最適な処理を最適な方法で行うことによって、その楽曲がもっともリスナーに届く仕上がりにすることが出来ます。実際の立ち会いマスタリングではPCM・DSDマスタリングのサウンドを必ず聴き比べ、方向性の確認をして最高の仕上がりに近づけていきます。


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