AD、DAコンバーターなどの機材の選択がマスタリングでは大切ですが、クロックの選択も忘れてならないことですね。
クロックには大きく内部クロック(インターナルクロック)とワードクロックがあります。前者はデジタル機器がそれぞれ持っている基準信号、後者は2台以上の機材を同期するために用いる基準信号です。ワードクロックはAES/EBU、S/P DIFのように音声と一緒に1本のケーブルで送る場合と、BNCケーブルなどで音声とは別に送る場合があります。
例えば、ADコンバーターを使う場合インターナルクロックで動作させるか、ワードクロックで外部同期をかけるかでサウンドは微妙に異なります。僕はインターナルクロックはレンジと定位がワイド、それに対しワードクロックは定位がしっかりした音像のハッキリしたサウンドに感じました。
↓ADコンバーターdBTechnologies4496。一番右のトグルスイッチがクロックソースの選択
ワードクロックを入力するよりもインターナルクロックのほうが音がいい機材も沢山ありますので、あくまで耳を基準に選択していただきたいと思います。ワードクロック、同期については次回、詳しくお話しする予定です。
(主なデジタルフォーマットと特徴)
*S/PDIF(Sony Philips Digital Interface)
CDやDAT、MDなどのコンシューマー向けの機器に使用され、伝送方式は同軸ケーブル対応(COAXIAL)または光ファイバー対応(OPTICAL)の2種類があります。
*AES/EBU
AES(Audio Engineering Society)とEBU(European Broadcasting Union)が確立たフォーマット。
1回線で2チャンネル分の信号に対応しているのが特徴で、通常XLR(キャノン)、D-SUBケーブルで接続。
*ADATオプティカル
米国ALESIS社の提唱したデジタルマルチトラックのフォーマット。光ファイバー1回線で8チャンネル分のデータを同時に伝送する方式。
*TDIF-1(Tascam Digital Interface)
ティアック(タスカム)社が提唱するデジタルインターフェース規格。D-sub25ピンの専用ケーブルで8チャンネルの入出力を伝送する方式。
*SDIF-2
2chのデジタルオーディオ信号をL,R,Wordclockの3本のBNCケーブルで伝送。マルチトラックレコーダーにおいてはD-SUB50ピンとBNCケーブルのWordclockの組み合わせで伝送。前者はPCM-1630、DAE-3000といった3/4マスターを作る機材に、後者はPCM-3324、PCM-3348で使われているフォーマット。
*SDIF-3
SDIF-2のハードウェアを元にDSD信号を伝送できるようにプロトコルを変更したもの。
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