左から:島野和樹(DR)、横田寛之(SAX)、Jamaladeen Tacuma(EB)、サトウヒロ(WB)
サイデラ・マスタリングでは、ライブレコーディングやライブPA(小規模で音質重視)の依頼が増えています。
意外と知られていないところでは、GML-9100アナログミキサー、MIDASアナログコンソール、STUDER D-19 16ch MicPre amp、DPA、Sennheiser、Neumannほか数々のマイク含めて、近日、写真とリストを公開できるよう作成中です。
そしてサイデラ・マスタリングのスタジオは、マスタリング時のセットアップとちがい、音響パネルを裏返すとバーチ合板の木の反射音、さらにサンプリング・リバーブを利用して空間自体にサラウンドのリバーブを付加することができます。ミュージシャンは、ヘッドホンなしで、まるでライブハウスか小ホールで演奏している感覚でレコーディングができるのです。
以下、先日のJamaaladeen TacumaのETHNIC MINORITYをフューチャーしたレコーディングの本人たちの印象がこちらに上がっています。渋谷のストリートからはじまり、人生なにが起こるか判りません。感動的な出会い、そしてアルバム完成までを随時、連載していきます。
++++++++++++ 33分あたりから
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島野:Jamaaladeen Tacumaの来日は30年ぶりぐらい。かつて来日した時に今回レコーディングをしてくれたオノ セイゲンさんと一緒で、それから友達として縁がずっと続いてた。次回また一緒に何かやりたいねと言ってて、来日にした時に、僕らにたまたま出会ったんだ。ありとあらゆる縁の上の上で成り立ったレコーディングだった。
横田:まず、渋谷の路上で僕と出会った時にJamaaladeen Tacumaが言っていた。「small world」=「世界はちっちゃいよ!」が今回のアルバムのキーワード。彼は僕の演奏を聴いてその場でレコーディングしたいと言っていて、フジロックでのライブが終わった次の次の日くらいに「レコーディングしようよ!」とメールをくれた。
自分のバンドのyoutubeをばーっと見てくれたんだと思うんだけど、それで僕らETHNIC MINORITYとJamaaladeen Tacumaで4人で録ったらいいんじゃないかということになった。
それで当日の夕方5時くらいに二人に電話して、(注:その時、ホテルのJamaaladeenからオノに同時に電話がかかっていた)そして、じゃあ夜の10時からねと。(中略)
レコーディング・エンジニアがなんと「戦場のメリークリスマス」を録ったオノ セイゲンさん。むしろ、そこにびっくり!
島野:国内ではむしろ「オノさんに録ってもらったの!!!?」とびっくりされることが多かった。オノさんのスタジオに行って録りましたからね。
横田:そんなことがあって、本当にレコーディングすることになったんです!(中略)
横田:実際にスタジオに行ったらJamaaladeenが「これから録るレコーディングは『Jamaaladeen Tacuma featuring Ethnic Minority』で録る、タイトルは『small world』だ。」と。計画的かどうか判らないけど。しかもオノ セイゲンさんは、Jamaaladeen とOrnette Colemanのアルバムをプロデュース何枚かしている(注2)、たぶん今回もそのつながりでMarc RibotのバンドのPAとライブレコーディング・エンジニアで廻っていたんです。そのつながりでスタジオ空いてないかということで、セイゲンさんのスタジオでのレコーディングが実現した。セイゲンさんのスタジオは、またすごーーい、やりやすくて!!
島野:よかったですね、スタジオはすごかったですね〜!
横田:めーっちゃいい音で録れってますねえ!って言ったらセイゲンさんが「お前、誰に録ってもらってんの!(笑)」って冗談ぎみに言われました(笑)。
島野:すーごかったですね。びっくりしたのは、同じ部屋でブースがあるわけじゃなくて、ひと部屋なんです。ひとつの空間で、教室の3分の1くらいの細長い部屋。天井がすごく高かった。
横田:そう天井が高かったですよ。
島野:天井がめっちゃ高い。
横田:でねえ、常にスピーカーがばーっと、風船のように浮かんでいて、レコーディング中はそこからリバーブのきいた僕らの返しの音が常に出ている。だから、小ホールで演奏しているような環境が、もうそこにある。
島野:そういう研究のの第一人者なんですよね。全方位から音がとんできてるのを再現するために、スピーカーをどう置いたらいいか…とかの専門家ですからね。自分のスタジオだから、もちろんそいう環境ができていて。レコーディング中はどういうことが起こっているのか、さっぱり分からなかったですけど、すごかったですね。
横田:すごかったですね。あれだけその場で、ライブハウスでセッションしているような感じで演奏できて、なおかつ後で音を聴いてみると、レコーディングの録り音は、ちゃんと分離されている、っていう。
島野:ドラムなんてマイク3本でしたからね。あれ、びびったな。
横田:そんな日本最強のレコーディング環境で、Jamaaladeen TacumaとETHNIC MINORITYがいっしょにレコーディングするという、一生に一度あるかないかの体験をしてきました。
レコーディングのやり方は、ベースになるフレーズをジャマラディーンが口頭で伝えてくれた。楽譜は1枚もなかった(笑)。
結構フレーズが難しかったでしょ?あれあそこの段階で譜面ないとむりって誰か言ってもよかったけど、誰もそれを言うことなく、練習1曲あたり10分くらい、録りは15−20分ぐらい。1曲30分で録り終わってどんどん進んでいった。Jamaaladeenが「1テイク目が一番いいんだぜ!」って言って「Duke Ellingtonがそうだって言っているから俺も2回は録らない!」っ言ってた。やっぱむずかった。むずかったよ。一晩、4時間ぐらいでアルバムが出来てしまったという。ジャマラディーンのディレクションも世界トップクラスだった!
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全編は、こちらからどうそ!
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(注2:オノ セイゲンは、Ornette Colemanのアルバムをプロデュースしていませんが、Lounge LizardsのIsland Record『BIG HEART』『NO PAIN FOR CAKES』などにかかわっています。最近、関連動画も公開されています。)
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