こないだはインターン3人で、オーディオテクニカ主催の「めざせ音匠 マイク指南塾」というセミナーに参加したんやけど!出来上がる曲(特にアコースティック)の音色が決まる1つの大きな要素であるレコーディング。マイクの種類、マイキング、音源の種類・状態・置く場所などによりも少しずつ音のニュアンスが変わってくる事も踏まえて、レコーディングにチャレンジ!
写真1 アストロスタジオ |
写真2 アストロスタジオ |
・音源はチェロの生ソロです。レコーディングルーム(写真1・2)に対してここに位置されています(写真3 - 写真2の奥の方)。曲は「バッハの無伴奏チェロ組曲 第1番よりプレリュード」です。
・任意のマイク6本まで(リボンマイク、コンデンサーマイク(小口径・大口径ダイアフラム)など)を自分たちで組み合わせ、セッティングします。
・1曲まるごと自分たちでミックスまでします。
・トーンマイスター平井義也さんとその日ずっと生ソロを演奏してくれたチェロリスト越川和音さんから評価をしてもらいます。
写真3 チェリストの越川さん |
私のレコーディングレポート
<マイクセッティング>
私は個人的にアンビエンスにこだわり、2人1組で組んだパートナー(プロレコーディングエンジニア)はオンマイクにこだわりました。パートナーの助言を元に、Neumann U87日本を部屋の端っこ左右対称にたてました(写真4)。パートナーはオンマイクとしてaudio-technica AT4060のチューブマイクを演奏者から1メートル離れたところから上から狙っていました。AKG C414 2本をメインマイクとして、演奏者とアンビエンスマイクの真ん中よりも少し近めに設置しました。2本の距離は40cm程度です。
(写真5 - 様子を見る平井さん)
写真4 |
写真5 |
私はアンビエンスの音をベースに、オンマイク、メインマイクの音量を調節しました。アンビエンスには更なるリバーブを加えました。パートナーは演奏者の指の動きも細やかに感じ取れるようにオンマイクからの音も調整したら良いとアドバイスをしてくれました。つまり演奏者が自分が弾いている時聴いている音色を目指すということだったのでしょう。メインマイクのニュアンスが大変でした。音は楽器から直接音と反射音だけで構成されていると思ったからです。極端に言うと、オンマイク1本とアンビエンス2〜3本で良い音が取れるという勝手な想像をしていました。
<平井義也さんと越川和音さんから評価>
越川さんから:音の響きに生まれる部屋の広がりがちょうど良かったそうです。
平井さんから:メインマイクが少し近い故、生っぽいです。オンマイクなど、楽器に近ければ近い程、うまみも出るし雑味も出るので、ちょうど良いバランスを見つけるともっと良くなるらしいです。
<個人的にマスタリングと共通していると感じたこと>
「短い手順を踏むことを意識すること」。アーティストさんは、 今回の指南塾のように、エンジニアの為だけに4時間も楽器を弾いてくれるわけではありません。疲れてきて本来の音が出せなくなります。配られた楽譜をしっかり把握し、レコーディング準備では欲しい音が比較的たくさん詰まってる部分だけを演奏してもらいます。今回は、全体を何回も何回も通してもらい、音の調整をさせていただいたので。
「作曲者の意図、アーティストさんの曲の解釈を最大限に引き出す大事さ」。今回はクラシック音楽なので、作曲者は現存しない過去の音楽家を指します。今回はバッハの作品だったのですが、ある音楽家は、CDやgramophoneが無い時代から、ステレオの概念を熟慮し、オーケストラ(特に各弦楽器)の構成をしたといいます。チャイコフスキーなんやけど(平井義也さん談)。アーティストさんは、作者の意図を汲み、自分の解釈を持ち寄り演奏の仕方を変えます。レコーディングエンジニアは、その意図と解釈をフルに表現出来る土台作りをします。また、録音する部屋の大きさやレイアウトなどで変わる雰囲気の違いにもアーティストさんは敏感であるので、特にチェロといった個体で大きな音が出る楽器を演奏してる人は、自然に耳に入って来た反響がレコーディングの出来上がりにも活かされると安心感(ちょうど良いという感じ?)が出るといいます。
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ふぅー4時間半やったのに、ビュンと時間は過ぎよったわ。(時間が経つのはほんま早いわ)・・・ソロで1曲だけなのに、あの部屋で聞く生音、音の響き、人のチームのマイクセッティング・ミキシングなど見たい事確かめたい事が多すぎて4時間ちょっとじゃ無理だなと実感しました。それを出来るだけ短時間でやりこなしてしまうエンジニアってすごいとひれ伏したくなるような体験でした!次は個々の楽器をもっとちゃんと勉強してから、セミナー参加しよっと。
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