2014/12/25

「今枝友加/¡¡Vamos!!」マスタリングを終えて特別インタビュー(その2)


「今枝友加/¡¡Vamos!!」マスタリングを終えて特別インタビュー(その2)
このアルバムでフラメンコの伝統的な部分も、これからの可能性も感じとって欲しい
インタビュアー:久保 奈津実(サイデラ・マスタリング)

本場スペインでフラメンコのカンテ(歌唱)を学び、現在は日本で精力的に活動されている今枝友加(いまえだ ゆか)さん。スペインでの活動の集大成として、現地ミュージシャンとエンジニアとのコラボでアルバム「¡¡Vamos!!」を制作。マスタリングはオノ セイゲンが担当。今回はアルバム制作からフラメンコのことまで幅広くお話を伺いました。

(その1)はこちら→http://saideramastering.blogspot.jp/2014/12/vamos1.html


久保:今回のアルバム「¡¡Vamos!!」では、それぞれの楽曲の方向性が大きく2種類に分かれていますね。ひとつはポップスやバラードのようにはっきりとジャンルが分かって、しっかりとアレンジされている大きな編成のもの、もうひとつは純粋にギターと歌だけのスタイルで、歌は長いフレーズを朗々と歌っていくスタイルです。これには何かねらいがあるのでしょうか?

今枝:ギターと歌だけの曲はフラメンコの本来の伝統的なスタイルです。今回のアルバムでは現代的なポップスのスタイルと古典的なフラメンコのスタイルを組み合わせて楽曲を構成しています。こちらの狙いとしては、フラメンコの伝統的な部分も聴いて欲しいし、長い伝統を経てからの、これからの新しい可能性も感じ取って欲しいからです。
現地のスペインのミュージシャンも同じようなアプローチで、伝統的な要素と現代的なアプローチ両方取り入れて制作しています。今の若い人にも伝統的な形式の音楽を聴いてもらうために、親しみを持ってもらうための構成なんです。本来フラメンコは歌、ギター、手拍子、ダンスといった編成なんですよ。

久保:なるほど。アルバムの中では色々な試みがされていますね。1曲目だけは日本語でも歌われてますね。
  
今枝:1曲目はこのアルバムのタイトルになっている「Vamos」。これは「行こう!」という意味です。このアルバムでは冒頭で子供たちが「行っくよー!VAMOS!」と元気な掛け声をかけてはじまります。フラメンコは"痛み""苦しみ"を歌われたものが多いですが、"喜び"など前向きな表現もあります。
最初に聴いた時に、一気に元気がもらえるようなそんな曲を冒頭に選びました。

久保:心の中の苦しみから喜びまで、深い部分を歌と音楽で表現しているんですね!アルバムのどの楽曲も印象的でしたが、個人的に特に印象的だった1曲があります。金属の何かを叩くような重たい音と朗々とした歌だけで出来ているナンバーです。金属の音色は何の楽器ですか…?

今枝:金属の音はハンマーの音です。ハンマーの音は鍛冶屋が鉄を打つ音で、フラメンコの音楽が労働や人々の営みと結びついている。労働の中で歌われた歌ということで、今回再現してみました。

久保:音楽と人々の営みが結びついているんですね。歌と金属の音だけのシンプルな構成で、すごくひきこまれました。

フラメンコをしっかり聴く貴重な経験でしたが、今まさに自分がスペインにいるかのような臨場感と、賑やかなナンバーなのにしっかりとそれぞれの楽器を聴かせるようなアレンジ、そして今枝さんの声の生命力に圧倒されたひとときでした。本日はありがとうございました!


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アーティスト名:今枝友加
CD名:¡¡Vamos!!
定価:3,200円(税込)

収録曲:
1.Vamos
2.De Tokio a la Bahía (Alegrías de Cádiz)
3.Se lo he pedío (Siguiriya)
4.No le temo al castigo (Soleá al golpe)
5.De noche y día
6.El caudal que tengo (Martinete)
7.En mi balcón(Malagueñas)
8.De Badajoz (Tangos Canasteros)
9.Tartaneros (Taranto Bolero)
10."Como una espinita" (Buleria)
11."Vete a saber"
12."Ahora si" (Fin de fiesta)

※お問い合わせ TEL:03-6272-5620 mail:toiawase@soniajohnes.com

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<公演情報>
本場スペイン人も認めた才能、フラメンコの歌い手
日本人初!スペイン完全録音CD“Vamos”(バモス)発売を記念してコンサートを開催

―魂の叫び・フラメンコの神髄を体現する不世出の歌声-
〜今枝友加CD発売記念公演「Vamos」〜

【開催日時】2015年1月15日(木)
ロビー開場18:00 開場19:00 開演19:30

【会場】シアター1010
東京都足立区千住3-92千住ミルディスⅠ番館 11F

【金額】S席¥12,000(完売) A席¥9,000 B席¥7,500(全席指定)

<チケットお申込み>
edaapomlive@hotmail.co.jp(今枝友加ライブ事務局)
TEL:03-6272-5620(ソニア・ジョーンズ)

今枝友加 公式サイト: http://www.yukaflamenco.com/?lang=ja

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今枝友加 プロフィール



1978年愛知県一宮市で生まれる。多摩美術大学でフラメンコに出会い、独学にてカンテを学ぶ。その後渡西を繰り返し、多くのスペイン人アーティストに師事。2003年日本フラメンコ協会主催新人公演「カンテ部門」で奨励賞受賞。翌04年には同じ新人公演の「バイレソロ部門」でも奨励賞受賞。日本フラメンコ界における最高の賞を2年連続して、異なる部門で受賞した唯一のアーティスト。
2012年渡西前の記念公演『REMA』では、チケット完売3分などの伝説を持ち、踊りのみならず、歌においても、日本中に熱狂的なファンが多い。2012年よりスペインのフラメンコの聖地“ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ”へ移住、その実力が本国スペインでも話題となり13年スペイン国営放送「Canal Sur」出演、14年ヘレスのテレビ局「Onda Jerez」ネット新聞「la VOZ del SUR」他、オファーが殺到し、“スペイン人を感動させられる日本人”としてスペイン・メディアからの取扱い多数。2014年9月帰国後、日本にてアーティスト活動を行っている。






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