第5回のテーマは【走らずに急ぐ】です。
現場では「急げ」と叱られます。
しかしまた、「走るな!」とも注意されます。
……いったいどうしたら???
走らずに、急ぐ。これしかありません。
まず、走るとモノや人にぶつかる危険があります。
私が多く携わる室内楽やオーケストラの現場ですと、楽器の中には数億円という代物も……値段がすべてではありませんが、替えの効かないモノを壊すわけにはいきません。ケーブルに足がひっかかり、マイクスタンドが倒れ、マイクロフォンが楽器にぶつかる、なんてドミノ倒しは想像すらしたくありませんよね。また、モノばかりでなく安全第一、怪我をさせない・しないことが何より大切です。
次に、スタジオやステージで走り回ると、忙しくない人にまで「慌ただしい雰囲気」が伝染してしまいます。さらには心拍数が上がり冷静さを失う可能性もありますので、「走らない」を心がけると結果として仕事が早く進むとも考えられます。
走る = 急いでいる ではありません。客観的には
走る = 慌てている ように映ります。
現場では、優雅(のんびりとは違います)に、音を立てず、てきぱきと。例えば飲食店のホールスタッフが料理の提供時(=往路)に空いたお皿やグラスを片付ける(=復路)ように、往路と復路を有効活用するだけでも仕事は早くなります。的確な仕事ができていれば走らずとも十分なのです。
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