2013/11/05

マスタリングのリクエストを理解する



マスタリングの作業で大切なことは。

音作りや最後の品質管理はもちろんですが、それ以前に大切なのは「アーティストやクライアントが、どんなサウンドを求めているか」を誤解なく理解することです。例えば「もう少し」が指すのが2dBなのか、0.5dBなのかは、状況により違います。だからマスタリングの音作りにとりかかる前にじっくり時間をかけてコミュニケーションをとって、同じゴールに向かって作業をスタートすることのが大切なのです。


こんな感じに仕上げて欲しい!というリクエストは様々です。実際にあったリクエストのいくつかをご紹介します。これらの言葉から連想するサウンドが必ずしもクライアントと一致するとは限りませんよね。だからコミュニケーションがとても大切です。

1.「頭で鳴っているイメージ」を言葉に変えて
「抜けを良く」「レンジを広く」「パンチのある」「厚みのある」「声の芯を出して」。

2.「リファレンス音源」との比較試聴で
最終的に目指しているCDと比較しながら質感、音量をチェックしながら確認。

3.好きな傾向のマスタリング・エンジニアはいますか?
トム・コイン、テッド・ジェンセンみたい。

4.こだわりの機材に例えて
NEVE1073、UREI1620のような暖かく厚みのある音に。

5.絵やアートに例えて
モネのように淡く。

6.料理に例えて
ステーキや焼き魚のひと振りの塩のようにほんの少しの味付けで。

どんな表現でもかまいません。オーディオ用語や専門用語でなくても、仕上がりのイメージを共有できるようにコミュニケーションしていくので、感じてることを自分の言葉で思いのままを伝えてください。

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