先日、初めて出産に立ち会うことができました。職業柄「初めての産声を録音したいな」などと考えていましたが、分娩はまるで神聖な儀式の様で、とてもマイクロフォンを設置する心持ちにはなれませんでした。
とはいえ分娩室には様々な医療機器が並び、母体にはセンサーが取り付けられ、赤ちゃんの心拍数や陣痛の度合い・間隔などを “計器” 越しに把握できるようになっています。さすがに、赤ちゃんの心拍数は聴診器でもないかぎりわかりませんが、陣痛の度合いは計器が無くとも表情を見ていれば何となくわかるものです。
さて、レコーディングを始め、音響・音声制作には様々な “計器(メーター)” が使われます。VUメーター、ピークメーター、ラウドネスメーター、フェーズメーター……どれもなくてはならないものですが、熟練したエンジニアほどこれら計器類を凝視しなくなる様な印象があります。まだまだ若手の私からすると「もっと見なくていいのかな?」と思うほど。きっと、色々な音の事象を「監視」ではなく「感覚」しているからでしょう。
では、メーターを “滅多” に見なくても良い程度に音を感覚するための必要条件とは?
……その内のひとつが、「慣れ親しんだ(そして極力色付けのない)モニター環境」なのです!
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