最近、お客様のデータを2.8MHz、5.6MHzのDSDデータにアップコンバートして作業することが多いのですが、サイデラ・マスタリングでは圧倒的なハイレゾリューションにも対応するためのモニター環境づくりをしています。
PCMの音源とDSD音源の一番の違いは音の立ち上がりの速さ、特に低域の立ち上がりはまるで違います。柔らかくキレのある低音はアナログレコードのようなニュアンスがあり何とも魅力的ですが、その魅力を生かすも殺すも完璧なモニターシステムが必要です。
先日のブログにデジタルアンプ導入のお話にも書きましたが、ケーブルのルーティング、セッティングなども全面的に改善しました。というのも、DSDのサウンドはPCM以上に低域、高域のバランスがシビアです。素材に入っている情報を余計な要素をプラスすること無く再生してくれる、そんなモニターシステムを目指しました。
自分としてはかなりいいレベルまで調整出来たと思って、試しにアンプの電源ケーブルを変えてみたら今まで分からなかったブランドのロットの差まで分かってしまいました。分かるのは良いのですが、ここから先がたいへんでした。
セイゲンさんにもお願いして10本近くの電源ケーブルを一本ずつ試聴していきベストなものを選びました。スピーカーケーブル、クロックケーブル、機材のケーブル、電源ケーブルと、仕事の合間にチェックしていきましたが一つ一つ全て違うサウンドに聴こえます。ケーブルの違いだけではなく、コンセントの差し込み口の音の違いなども明確に分かりました。これらの微妙な違いをフラットだけど音楽的なサウンドにするため積極的に使いました。
今のモニターシステムはEQの0.1dBのちがい、1Hzの違いが確実に分かります。特に30Hz前後の音の違い、16kHz以上のエアーといわれている帯域のニュアンスなどが手に取るように分かるようになっております。この違いはぜひ立ち会いマスタリングで体験して下さいね。
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