2009/08/05

曲間について

チーフ・エンジニアの森崎です。
今日は曲間についてお話ししようと思います。

曲間はアルバムの流れを作るとても大切なものです。ただ曲を並べただけでは普通に聴こえる作品も、微妙に曲間を調整するだけで雰囲気が変わって聴こえます。バラバラだった曲が相互に関連して聴き手の感情を盛り上げてくれます。

例えば1曲目、2曲目、3曲目は短めの曲間で勢いよく、5曲目と6曲目は雰囲気が変わる曲なので少し長めの曲間で、7曲目と8曲目はオンタイムでつなげてテンポ良く、というような調整をします。基本的に曲間にはルールは無く、同じジャンルでも長めが好き、短めが好きな方がいらっしゃいます。
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ただ、人間の耳にはフェードアウトで終わる曲の後は長めに感じ、カットアウトの曲の後は短めに感じますのでこのテクニックを上手に使いこなす必要があります。
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さらに、作業を進めていく中でアーティストの方が聴感上の2秒とイメージしているのか?それとも実際タイムで並べた時の2秒なのか?すぐに感じ取る必要がありますね。先ほどのフェードアウトを例にとりますと、聴感上の2秒であれば実際の曲間は1秒前後で2秒に感じます。マスタリングではレコーディングエンジニアの方が書いたフェードアウトにかぶってフェードを書くことはありません。そのフェードアウト後に書きますので実際のフェードが終わってから1秒ぐらい余裕を持ってエディットしています。

フェードのテクニックの一つとしてクロスフェードがあります。クロスフェードは前の曲、SEなどにかぶって次の曲をスタートさせますが、一つだけ注意することがあります。アルバムの音源をそのまま1曲ずつの配信用に使う場合、クロスフェードがある曲の前後は前の音がかぶってしまったり、次の音が出てしまったり、という現象が起こる場合があります。僕の場合、クロスフェードを希望される場合はお客様と必ず確認をとるようにしています。

もし、配信用にもお使いの場合は出来る限り作品の流れが損なわれない程度に、曲間を少し伸ばして音のかぶりを防ぐようにしています。

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