どうもMUSHです!
サイデラ・モーニングセッション#028「音楽制作におけるモニタースピーカーの重要性」が終了しました。
Saidera Mastering Blogではモニター改善策のシリーズ記事を公開してきましたが、今回はその実践編!ECLIPSE TD307iiのセッティングを例にモニターセッティングワークショップを開催しました。参加者のみなさんの中でBlogをみてくださっている方には復習になったでしょうか??
ワークショップ内容は、以下のBlog記事にも。ぜひみなさんもBlogを読み返して実践してみてくださいね!
SaideraMasteringBlog「Monitor」→→
モニター改善策(その4)「吸音と反射をコントロールする」
モニター改善策(その9)「リファレンスCDを使用する」モニター改善策(その12)「スピーカーの間隔」
モニター改善策(その13)「スピーカーの角度」
Saidera Mastering Blog
CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。
サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。
2019/02/06
2019/01/18
J-POPのマスタリング(その2)「J-POPらしさを表現するための”超具体的な”EQテクニック」
今回はJ-POPのマスタリングについて(その2)です。
J-POPのマスタリング(その1)「ボーカルを引き立てるサウンドメイク」に続いて、今回はJ-POPらしさを表現するための「超具体的な」EQテクニックです。
[明るく抜けのいいボーカル]
630Hzでボリューム感を出す。2.5kHzで艶をプラス。6.3kHzで子音の抜けを良くします。そして最後に1.0kHzで輪郭を強調します。4箇所のうちどこかばかりを突出して持ち上げすぎると、音像が崩れボーカルらしい音像再現がされなくなるのでバランスに要注意です。
[リズムトラック]
キックを120Hz、スネアを1.2kHzで強調しビートを出します。ベースは50Hz〜100Hzを少しだけカットして音程感を得られつつ主張しすぎない「J-POPらしさ」が出る。カットする周波数によってキックとベースどちらがより主張してくるかが変わってきます。タイトな低域を得るためにローカット(ハイパス)フィルターを入れます。カットオフ周波数は30Hz以下でスイープして、タイトでビート感のある低域と、ファットで量感のある低域との変化のバランスで決定します。
[輝きをプラス]
7〜10kHz辺りからのシェルビングEQが有効です。最後に12kHz〜16kHzをほんの少し強調してキラキラ感を表現します。
POPSの楽曲はミックスの段階で既に派手な音作りをしている場合も多いので、マスタリングでは固い音質になりすぎないようミックス音源と比較しながらファイナルタッチを加えることが大切です。また近年は高域・低域ともしっかり再生するイヤホン、ヘッドフォンで聴かれる環境も多く整っているので、J-POPでも低域をバッサリ切って仕上げるのは時代に逆行していると考えます。様々な環境でたくさんの人に聴かれる楽曲だからこそ、リスニング環境が整っている人にはより良いサウンドで音楽を楽しんでもらえるようにとマスタリングを仕上げています。
J-POPのマスタリング(その1)「ボーカルを引き立てるサウンドメイク」に続いて、今回はJ-POPらしさを表現するための「超具体的な」EQテクニックです。
[明るく抜けのいいボーカル]
630Hzでボリューム感を出す。2.5kHzで艶をプラス。6.3kHzで子音の抜けを良くします。そして最後に1.0kHzで輪郭を強調します。4箇所のうちどこかばかりを突出して持ち上げすぎると、音像が崩れボーカルらしい音像再現がされなくなるのでバランスに要注意です。
[リズムトラック]
キックを120Hz、スネアを1.2kHzで強調しビートを出します。ベースは50Hz〜100Hzを少しだけカットして音程感を得られつつ主張しすぎない「J-POPらしさ」が出る。カットする周波数によってキックとベースどちらがより主張してくるかが変わってきます。タイトな低域を得るためにローカット(ハイパス)フィルターを入れます。カットオフ周波数は30Hz以下でスイープして、タイトでビート感のある低域と、ファットで量感のある低域との変化のバランスで決定します。
[輝きをプラス]
7〜10kHz辺りからのシェルビングEQが有効です。最後に12kHz〜16kHzをほんの少し強調してキラキラ感を表現します。
POPSの楽曲はミックスの段階で既に派手な音作りをしている場合も多いので、マスタリングでは固い音質になりすぎないようミックス音源と比較しながらファイナルタッチを加えることが大切です。また近年は高域・低域ともしっかり再生するイヤホン、ヘッドフォンで聴かれる環境も多く整っているので、J-POPでも低域をバッサリ切って仕上げるのは時代に逆行していると考えます。様々な環境でたくさんの人に聴かれる楽曲だからこそ、リスニング環境が整っている人にはより良いサウンドで音楽を楽しんでもらえるようにとマスタリングを仕上げています。
2019/01/17
J-POPのマスタリング(その1)「ボーカルを引き立てるサウンドメイク」
今回はJ-POPのマスタリングについて(その1)です。
J-POPのマスタリングのポイントは
1.ボーカルにスポットライトが当たっているような存在感のある音作り
2.ボーカルを華やかに引き立てるキラキラ明るく元気なサウンド
があります。
1.ボーカルにスポットライトが当たっているような存在感のある音作り
マスタリングでボーカルを引き立てたいときに、やり方は2通りあります。
・ボーカル成分に直接手を加える
・ボーカル以外の成分を整理する(または抑える)
マスタリングに関わらず、何かを大きくしたら別の何かが隠れる。何かを小さくしたら別の何かが聴こえやすくなる。そういう相関関係があることを理解すると処理の引き出しの数がグッと増えます。
ボーカル成分に直接手を加えるやり方では、ボーカルが引き立つ倍音(歪み)成分を付加するのがとても効果的です。やや大きめの入力レベルでアナログ機材を通したり、アナログモデリング系やサチュレーター系のプラグインを使うやり方があります。プラグインを使用する場合、倍音成分が多すぎるとかえって音像が小さくなってしまうので原音にDry/Wetの割合調整ができる機種を使用してDry100パーセントか薄がけの状態から少しずつWetの割合を増やして聴き比べるのがいいと思います。ボーカルに「艶っぽさ」などと表現されるニュアンスを付加しましょう。
ボーカル以外の成分を整理する(または抑える)場合、一番影響があるのは低域を抑えることです。特に100Hz以下の低域の調整は、その周波数帯域にボーカル成分はほとんど存在しないことが多いにも関わらず、ボーカルの聴こえ方に大いに影響を与えます。ほんの少し(0.数dB)レベルを下げたりコンプで膨らみを抑えると、ボーカルの音像がグッと前に出てきます。
2.ボーカルを華やかに引き立てるキラキラ明るく元気なサウンド
そもそも、どんな音色に「キラキラ感」を感じるのか。その音色のいるところにアプローチしましょう。きっと多くの場合高域寄りの、なおかつサイド成分に存在するのではないでしょうか?音の輪郭をくっきりと出す方向で引き立たせたい場合は1kHzあたりを、レイヤーになったシンセを幅広く引き立たせたい場合は6kHzあたりをブーストするといいでしょう。またサイド成分が引き立つことによって、ステレオの広がりもより感じる仕上がりになります。
サウンド・キャラクターを見極める6つのポイント
機材やケーブルの聴き比べでそのサウンド・キャラクターを見極めるために。
スピーカーやヘッドホン、アウトボードなどの機材やケーブルの比較試聴でサウンド・キャラクターを見極めるために重要な6つの基本的なポイントを紹介します。これは楽器の出音の聴き比べや、プラグインやエフェクターのセッティング違いの比較にも応用できる項目です。
[サウンド・キャラクターを見極める6つのポイント]
1.まずは2種類の聴き比べ(AB比較)から
2.客観的に
3.試聴箇所を絞って
4.聴きどころのテーマを決めて
5.リスニング位置は変えずに
6.再生ボリュームを固定して
1.比較試聴の基本は「2種でのAB比較」です。3種以上で比較する場合は同時に3種を比較するのではなく、2種でのAB比較の印象が良かった方ともう1種をAB比較する2段階でおこなうことから始めましょう。
2.機材やケーブルなどの「キャラクター」「質感」を判断することが目的なので、かならず客観的に聴きます。ボーカルを楽しんだり、リズムに乗ったりする音楽鑑賞の要素は少なく、あるいはなくても良いです。(これがミキシングやマスタリングの場合には音楽的要素も加味した試聴、判断が必要です)
3.音質を記憶しやすいように試聴箇所のポイントを絞ります。4つ打ちのキック1章節分や最初のボーカルのワンフレーズなど。音は映像のように一時停止して固定することができないので、時間的に短く区切って試聴すると判断がしやすいです。判断に迷ってしまったときに長く聴くのはかえって逆効果です。一度再生を止めて、頭をリセットしてから再度短い時間で試聴します。
4.「ボーカルやキックなど1つのパートの質感」「低域・高域の伸び方」「キックとベースのバランス」「オケとボーカルのバランス」「広がり方」「奥行き」「定位感」「音像の大きさ」など、いま自分が何を基準に試聴しているのかを明確に意識して試聴します。
5.スピーカーに対してのリスニング位置は前後・左右位置、高さをなるべく変えずに試聴します。
6.再生ボリュームは固定して試聴します。なぜなら人間の耳は音量レベルによって周波数特性が変化するため。ボリュームが変化すると正しい比較ができません。試聴音源(ソース)を変えたときに試聴音源そのものの音量に合わせてボリュームを変えるのは問題ありません。
この6つのポイントを意識すると、今まで掴めなかった音の違いに気がつくことができると思います。
スピーカーやヘッドホン、アウトボードなどの機材やケーブルの比較試聴でサウンド・キャラクターを見極めるために重要な6つの基本的なポイントを紹介します。これは楽器の出音の聴き比べや、プラグインやエフェクターのセッティング違いの比較にも応用できる項目です。
[サウンド・キャラクターを見極める6つのポイント]
1.まずは2種類の聴き比べ(AB比較)から
2.客観的に
3.試聴箇所を絞って
4.聴きどころのテーマを決めて
5.リスニング位置は変えずに
6.再生ボリュームを固定して
1.比較試聴の基本は「2種でのAB比較」です。3種以上で比較する場合は同時に3種を比較するのではなく、2種でのAB比較の印象が良かった方ともう1種をAB比較する2段階でおこなうことから始めましょう。
2.機材やケーブルなどの「キャラクター」「質感」を判断することが目的なので、かならず客観的に聴きます。ボーカルを楽しんだり、リズムに乗ったりする音楽鑑賞の要素は少なく、あるいはなくても良いです。(これがミキシングやマスタリングの場合には音楽的要素も加味した試聴、判断が必要です)
3.音質を記憶しやすいように試聴箇所のポイントを絞ります。4つ打ちのキック1章節分や最初のボーカルのワンフレーズなど。音は映像のように一時停止して固定することができないので、時間的に短く区切って試聴すると判断がしやすいです。判断に迷ってしまったときに長く聴くのはかえって逆効果です。一度再生を止めて、頭をリセットしてから再度短い時間で試聴します。
4.「ボーカルやキックなど1つのパートの質感」「低域・高域の伸び方」「キックとベースのバランス」「オケとボーカルのバランス」「広がり方」「奥行き」「定位感」「音像の大きさ」など、いま自分が何を基準に試聴しているのかを明確に意識して試聴します。
5.スピーカーに対してのリスニング位置は前後・左右位置、高さをなるべく変えずに試聴します。
6.再生ボリュームは固定して試聴します。なぜなら人間の耳は音量レベルによって周波数特性が変化するため。ボリュームが変化すると正しい比較ができません。試聴音源(ソース)を変えたときに試聴音源そのものの音量に合わせてボリュームを変えるのは問題ありません。
この6つのポイントを意識すると、今まで掴めなかった音の違いに気がつくことができると思います。
2019/01/15
シーリングレベルの設定
本日は、プラグインのリミッターのシーリングレベルについて。
Mixをしながらモニターで聴いているサウンドはまったく問題ないのに、バウンスしたら(書き出したら)音が歪んでしまった。配信用にAAC/MP3に変換したら歪んでしまった。という経験は誰しもあるはずです。プラグインのブランドによっては、シーリングレベルを0dB目一杯に設定してバウンスしても歪まない機種、歪んでしまう機種があります。コップに水を一杯まで入れると表面張力分の盛り上がった部分があふれてしまう状況に例えられますか。
その歪みを防ぐには、マスターフェーダーにインサートしているリミッターのシーリングレベルを少しだけ下げてください。-0.1dBに設定するだけでも、ほぼ歪みから回避することができます。プラグインをインサートしていない場合は、マスターフェーダーを-0.1dB下げます。書き出し時にディザリングをしている場合にはシーリングレベルの下げ幅をもう少し増やして、0.3dB程度にすることを推奨します。
またAAC/MP3変換時に歪みが発生する場合、原因が「トゥルーピーク(=インターサンプルピーク)」のオーバーレベルによるものの可能性もあります。原因がトゥルーピークによる場合だと、使っているリミッターの特性によってはシーリングレベルを1〜2dB下げないと完全にオーバーレベルを回避できない場合もあるので、トゥルーピーク・リミッター機能を備えたリミッターを使用した方が歪みを回避しやすいこともあります。
シーリングレベルをどれだけ下げても歪みが解決しない場合は原因は別のところにありますから、リミッターのスレッショルドを緩めたり、そもそもの録り音の時点で歪んでいないかを落ち着いてよく確認してください。
Mixをしながらモニターで聴いているサウンドはまったく問題ないのに、バウンスしたら(書き出したら)音が歪んでしまった。配信用にAAC/MP3に変換したら歪んでしまった。という経験は誰しもあるはずです。プラグインのブランドによっては、シーリングレベルを0dB目一杯に設定してバウンスしても歪まない機種、歪んでしまう機種があります。コップに水を一杯まで入れると表面張力分の盛り上がった部分があふれてしまう状況に例えられますか。
その歪みを防ぐには、マスターフェーダーにインサートしているリミッターのシーリングレベルを少しだけ下げてください。-0.1dBに設定するだけでも、ほぼ歪みから回避することができます。プラグインをインサートしていない場合は、マスターフェーダーを-0.1dB下げます。書き出し時にディザリングをしている場合にはシーリングレベルの下げ幅をもう少し増やして、0.3dB程度にすることを推奨します。
またAAC/MP3変換時に歪みが発生する場合、原因が「トゥルーピーク(=インターサンプルピーク)」のオーバーレベルによるものの可能性もあります。原因がトゥルーピークによる場合だと、使っているリミッターの特性によってはシーリングレベルを1〜2dB下げないと完全にオーバーレベルを回避できない場合もあるので、トゥルーピーク・リミッター機能を備えたリミッターを使用した方が歪みを回避しやすいこともあります。
シーリングレベルをどれだけ下げても歪みが解決しない場合は原因は別のところにありますから、リミッターのスレッショルドを緩めたり、そもそもの録り音の時点で歪んでいないかを落ち着いてよく確認してください。
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