2014/04/09

平台・箱馬 [ for Students ] 第2回


音の業界を目指す学生さん向けの [ for Students ]、
第2回のテーマは【平台・箱馬】です。


ステージ上で、いわゆる「ひな段」を組む際に使われる平台や箱馬には、レゴブロックの様にいくつかの規格化された形があり、それらの組み合わせによって様々な「形(広さ)」「高さ」を作り出すことができます。

もっとも使われているであろう平台は、「サブロク」と呼ばれる「3尺 ✕ 6尺(≒ 909mm ✕ 1,818mm)」の大きさのもの。このほか、3尺 ✕ 3尺(≒ 909mm ✕ 909mm)、4尺 ✕ 6尺(≒ 1,212mm ✕ 1,818mm)、6尺 ✕ 6尺(≒ 1,818mm ✕ 1,818mm)などがあります。なお、台の高さ(厚み)は、4寸(≒ 121mm)のものが多いようです。

箱馬は、6寸 ✕ 1尺 ✕ 1尺(≒ 182mm ✕ 303mm ✕ 303mm)、6寸 ✕ 1尺 ✕ 1尺7寸(≒ 182mm ✕ 303mm ✕ 515mm)が一般的なサイズです。

詳しくは、日本音響家協会のページが参考になります。
http://www.seas.or.jp/datafile/yamadai/yamadai.html


録音スタッフが山台(ひな段)を組むことは滅多にありませんが、確認しておきたい要点として次の3つが挙げられます。

1.台の形・高さ ←必要なケーブル長、マイクスタンド高を見積もる際の参考に

2.台の設置位置 ←特にマルチケーブルの敷設経路に関連

3.公演中に移動する台の有無 ←楽器の配置転換時に移動する台はあるか

不明な点は舞台監督に確認します。

参考までに、海外では 4 feet ✕ 4 feet(フォー・バイ・フォー = 1219mm ✕ 1219mm)や、4 ✕ 3(フォー・バイ・スリー = 1219mm ✕ 912mm)といった標準パネルがありますので、AESなど海外の展示会にかかわる場合はフィート換算も覚えておくと便利です。1feet = 30.48cm……もうお気づきですか? 1尺(≒ 30.3cm)と1フィートは、ほぼ同じ長さなんですよ!

2014/04/02

尺貫法 [ for Students ] 第1回


この4月から、音の業界を目指す学生さん向けに [ for Students ] と題して連載していきます。私も復習のつもりでわかりやすい記事を心がけますので、一緒に勉強していきましょう!

第1回のテーマは【尺貫法】です。

東京スカイツリーは「634m」、靴のサイズは「25.5cm」などと、長さを表すには「メートル法」が一般的ですよね。ところが、日本の舞台演劇・映画業界の一部の伝統的な業種では今でも「尺貫法」が用いられています。

※尺貫法(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%BA%E8%B2%AB%E6%B3%95

業界で主に使われている長さの単位は「間」「尺」「寸」、

これらとメートル法との関係は、

1間 =  6尺 ≒ 1818mm
1尺 = 10寸 ≒  303mm



(昔話で有名な「一寸法師」の身長は、約3cmということになりますね)

さて、では実際にどの様な場面で「尺貫法」を目にするかというと、オペラなどの舞台装置(大道具)の図面やオーケストラの配置図面、舞台上では、「平台」や「箱馬」といった、いわゆる「ひな段」を組む際に使われる道具のサイズなどです(現在では、メートル法にて表記されていることが殆どです)。

1間 ≒ 1818mm なので、さらに大雑把に「1間 = 2m」とすれば、「ここは6間あるから、10mのマイクケーブルだと足りないな……」などと収録のプランを練ることができます。

(続く)

2014/03/19

ステージ転換時のマイクロフォン移動 <その4>


レコーディング現場ではリハーサルで、まず、楽曲ごとのマイクの位置と向きをマーキングします。そして、本番ではその通りにリコールします。その2>では「位置」の “バミリ” について触れましたが、ステージ転換時にマイクスタンドを上げ下げする場合には、「高さ」についても正確にマーキング/リコールする必要があります。

スタッフ数に余裕があれば、高さの異なるマイクスタンドを用意しておいたりもできますが、ひとり何役もこなさなければならない際には巻尺を使っている余裕もありません。

今回<その4>では、私ひとりでマイク位置と同時に高さも変更する場合に活用している「西沢式(?)身体スケール」についてお話したいと思います(なお、私の身長については特定秘密となっております)。簡単・確実、誰でもできる方法! 以下、よかったらお試しくださいね。

例えば1曲目と2曲目の間で転換(高さの変更)の場合、リハーサル時にマイクスタンドの高さが「身体スケール」のどの位置にあるのかを記録(マーキング)しておくのです。下の写真だと、ちょうど目の高さにあるので「目高」として、

目の高さだから「目高」

「M2 目高」(2曲目 目の高さまで 上げる/下げる の意)などと、
マイクスタンドに目立たぬようビニルテープ等を貼ってメモしておきます。

M2(2曲目)目高まで 上げる/下げる

いざ転換になったら1曲目の高さから(メモを頼りに)、この「目高」まで調節します。楽器の到着を待っている間でも高さが決められるので素早い転換が可能になります。当然ながら、マーキングした本人がリコールします。

インターンの津田くん登場!

「身体スケール」を活用するときには、「ひざ」だったら「ひざうえ」「ひざした」、
「胸」なら「脇した」「みぞおち」程度まで詳細に記せば、かなり正確な高さ情報を記録しておくことができますよ!

ひざ辺りは、チェロでよく使います


みぞおち

(サイデラ・マスタリングのライブ収録現場でこの方式は用いられておらず、オノはよく「XXcm」と指示します。しかし、あくまで目安であり、ミリ単位の正確さが必要とも限りません。また、オノはしばしば「ちょい上げて」などと指示します。それはつまり、こういう流儀だそうです――

「そんなもんNくん! チョイ言うたら1インチで、モーチョイは2インチ、ホンのチョイは6ミリやがな。インターナショナルスタンダードで」

――厳密でない「XXcm」、厳密な「チョイ」の意図を理解するのも、エンジニアの重要な資質です)

2014/03/10

「音さがしの本」で耳をすます

スタジオマネージャのMushです!

「ほんの少しのあいだ、すごく静かにすわってみよう。そして耳をすましてみよう。今度は紙に聞こえた音をぜんぶ書き出してみよう。」

こんな言葉で始まる本書は、サウンドスケープの提唱者レーモンド・マリー・シェーファー(Raymond Murray Schafer)と今田匡彦氏による共著で、自然の音や日常の音に耳をすますことからはじめる、「リトル・サウンド・エデュケーション」が満載。音に携わっている方はもちろん、ちびっ子と一緒に、ゲーム感覚で楽しむのがおすすめです!自然の音は無限のハイレゾリューション。小さい頃から耳をすますことが感性を育むことにつながります。

学生時代からのぼくの趣味の一つがフィールド・レコーディング(KORG MR-2でDSDワンポイントステレオか、ZOOM H6で24ビット96kHzサラウンド)なのですが、うるさいだけだった蝉たちの声や車のエンジン音なども楽しくなる。耳をすますと、少し地球がすきになると思います。おすすめの一冊です。
http://www.amazon.co.jp/dp/439393539X


2014/03/05

ステージ転換時のマイクロフォン移動 <その3>




これはステージ転換時に限った話ではありませんが、マイクロフォンを設置する時に気をつけたい点として「マイクスタンドの影/位置」があります。録音に最適な設置位置であっても譜面台に影が落ちていたり、演奏者の視界の真ん前にスタンドがあって指揮が見づらかったりしては本末転倒。また、映像収録の場合には出来る限り写り込まない位置を探ります。

ステージ転換時は、予定通りにマイクスタンドが置けるとも限りませんし、そもそも譜面台も予定の位置に寸分違わず置かれているかわかりません。やはり、“バミリ” に頼りすぎることなく、転換のたびに「マイクスタンドの影/位置」は確認したいですね!

……「影」について、サイトウ・キネン・フェスティバル松本の開催拠点である「キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)」さんのブログにこんな記事がありました。なるほど~!

http://blog.valley.ne.jp/home/matsubun/index.php?itemid=28382