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サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。
2013/05/24
EQの使い方(その2)「レベルを入れるためのEQテクニック」
マスタリングでの音量の決定は、楽曲の印象を大きく左右する要素の一つです。音量が少し大きなだけで(EQは変わっていないのに)曲が元気に明るく聴こえるようになります。ただし大切なのはコンプ/リミッターで無理やり突っ込むのではなく、EQで整理整頓した上で無理なく音量を入れること。オリジナルのバランスをキープしつつ、ピークを抑えた分だけレベルを入れることが可能になります。そのポイントは3つです!
1.EQの表と裏の関係を理解する
2.マイナスEQ
3.ピークの見つけ方
1.EQの帯域は500Hz辺りを境にした低域と高域で表と裏の関係があります。例えば「透明感を引き出す」には250Hzを下げる、4kHzを上げる、いずれの方法でも可能です。まずはこの周波数の関連性を理解します。
2.マイナスEQに慣れるには色々な帯域を上げ下げしてサウンドの特徴を理解します。レベルを上げるためにボーカル、キック、スネアなどのピークの処理が不可欠です。ピークを抑えればその分のレベルを上げることが可能になります。
3.ピークを簡単に見つけるにはEQのQを少し狭くしてレベルを上げてスイープさせます。極端にレベルが持ち上がる帯域があったらそこがピーク周波数です。見つかったら少しだけその帯域を下げましょう。マイナスEQは質感が変わり易いので-0.5dBから-0.3dBぐらいでも十分効果があるはず。例えばベースなら60〜80Hz付近を少し下げたり。ハイハットなら4kHzから8kHzをゆるめのシェルビングで抑えればバランス良く聴こえるはずです。もちろんそれ以上に下げたほうが音楽的に良く聴こえる場合は下げましょう。
実際のマスタリングではこういったEQをより複雑に、複数箇所にわたって処理をします。ボーカルをもう少し前に出したい時シェルビングで高域全体を抑えてヘッドルームを確保し、ボーカルの芯の帯域を上げるという方法など。このテクニックはプラグインでも簡単にできるので、音圧感が欲しい時にぜひ応用してみてください。
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