2014/08/15

演奏会、コンサート、リサイタルを、DSDでライブレコーディング!【連載その3】マルチマイク/マルチトラック収録

前回は、ワンポイントステレオ録音についてご紹介しました。今回は「マルチマイク/マルチトラック収録」のメリットをお話します。室内楽やオーケストラをはじめ、あらゆるアコースティック楽器による演奏会、コンサート、リサイタルの DSDライブレコーディングは、サイデラ・マスタリングで! ジャンル、会場、編成に最適な(しかもご予算内で)ライブレコーディングをご提案します。


マルチマイク/マルチトラック収録の特徴 & メリット

・収録後に、音量バランスの調整やミックスによる音楽表現、的確なMAができる
・PA/SRが関係する現場で有利         
・何年か後にリミックスして、新たな作品として再びリリースすることも可能


「マルチマイク/マルチトラック収録」は、複数のマイクロフォンそれぞれの音を、別個のトラックに記録するやり方です。例えば「A、B、C、D」と4本のマイクロフォンに対して「1ch、2ch、3ch、4ch」と4つのトラックに記録します。これによって、録音後に「A」が大きく聞こえるパタンと「B」が大きく聞こえるパタンのミックスを比べてみたりと、録音された後でも表現の幅と選択肢がひろがり、よりアーティスティックな制作を可能にするのが「マルチマイク/マルチトラック収録」一番の強みです。

ワンポイント・ステレオは “音の全体像” をナチュラルに録音する方法です。まさに「マイクロフォンの位置の、あるがまま」を捉えます。対するマルチマイク/マルチトラックは「マクロからミクロまで、自由自在に」音を捉える方法といえます。例えば、ピアノの内部奏法(プリペアド・ピアノ)をクロースアップするために、ピアノの全体像を狙うマイクロフォンの他、ピアノ線スレスレのマイクロフォンでミクロの世界を捉え、「作曲家や奏者の音楽的な意図を、よりわかりやすく伝えること」ができます 。

♪♪♪ プリペアド・ピアノを意欲的にとらえた例 ♪♪♪


作曲家の譜面と奏法にあわせて、パートごとにマイクロフォンのセッティングを変えています


GEORGE CRUMB
MAKROKOSMOS VOLUME II +
Twelve Fantasy-Pieces after the Zodiac for Amplified Piano
中川瑞葉 Mizuha Nakagawa
【↑詳細↑】Song & Co. http://songandco.com/?p=401


話はかわり映像作品においては、ソリストが映っている時にそのソリストの音を目立たせたりと、映像の意図がより伝わるMAが可能となります。

さらに、PA/SRが関係する現場においても、マルチマイク/マルチトラック収録が有利です。そのわけは……

・アコースティック楽器と、電気楽器とで音のエネルギーに差があっても、バランスがとりやすい

・電子ピアノやシンセサイザー、テルミンなど、PA/SRのスピーカーから出るまえの信号も別個に記録できる

・会場内で録音する場合、ヘッドホンで聴く音と会場の音とが混じって聞こえて正確に判断できないので、勘を頼りにミックスするよりは収録後に正確な音を聞きながらミックスした方が良い


……といった具合に、ジャンル、会場、編成に最適な方法をご提案するのはもちろん、奏者の方々が普段気にすることのない技術の面からも無理のない判断をして、レコーディングを成功へと導きます!

次回は、「マルチマイク/ダイレクトミックス」での録音についてお話します。


2014/08/11

露木達也さんソロアルバム「agora」マスタリングを終えて特別インタビュー(その2)


露木達也さんソロアルバム「agora」マスタリングを終えて特別インタビュー(その2)
「音楽が伝わるDSD。演奏をそのまま伝えるためのマスタリング」
インタビュアー:Mush(Saidera Mastering)

ボサノバ&ブラジリアンギタリストである露木達也さんの初のソロアルバム「agora」。露木さん本人と、録音・ミックスエンジニアは名手鎌田岳彦さん、サウンドプロデューサーの加藤みちあきさん、プロデューサーの原田雅子、DSDマスタリングをやらせていただいたオノ セイゲンを加えて、マスタリングを終えた段階でお話を伺いました。CDは7月9日にリリースされ、後追いでハイレゾが配信スタート予定です。

インタービュー(その1)はこちら。
露木達也さんソロアルバム「agora」マスタリングを終えて特別インタビュー(その1)

Mush:ではマスタリング後の印象は?

加藤:会う人みんなに聴かせるのですが、エンジニアの友達なんかも「これミックスもいいけどマスタリングもいいね!」と言ってくれるんですよ。なにも予備知識を与えなくても。普通はマスタリングの前後を比べてマスタリングいいねってなるけど、マスタリング前を聴かせなくてもそういう答えが返ってきて。すごく有機的に結合している感じがする。鎌田さんのミックスももちろん良くて、それがより音楽的になっていて。

鎌田:マスタリングですごい色々なことをやっているのではなくて、僕のやっていることの延長線上にセイゲンさんがいるみたいな感覚ですよね。いかに録った時のクオリティや音楽的な要素をCDとかDSDのフォーマットの中でかたちにしていくかということがマスタリングだと思うんですけど、そこのバトンタッチは全然問題なくできました。

原田:セイゲンさんも、ちょっと聴いただけで「まさにDSD向けですね」っておっしゃってましたしね。

加藤:僕はDSDの音すごいいいなと思いました。よくハイレゾに意味があるのか?みたいな話題があって懐疑的な気持ちもあったんですが、ぜんぜん違うじゃんって。意味ないって言ってる人聴いたことあるのかって思いました(笑い)。周波数がどうとかっていうことではなく音楽的な感じがとてもある。だからハイレゾはオーディオファンだけのものだけじゃなくて、音楽ファンにこそ聴いてもらいたい。


Mush:ハイレゾについてよく周波数やスペックで語られることが多いですが、制作現場はそういう風に聴いてることはありませんからね。それと今回はCD用マスタリングで、少しコンプレッションした別バージョンも作りましたが、最終的にはコンプなしバージョンが採用になりました。そのコンプありなしの印象はどうでしたか?

加藤:圧倒的に僕はコンプレッションしていない方がよかったです。マスタリングしている時の感じが蘇るというか。露木さんは実力があるから、コンプなしでも全然大丈夫だし、音楽性にもとても合っていたと思います。

露木:やっぱりコンプありの方はギターや声の質感が変わってしまっている感じがあって、あと全体的に細かいところがわからなくなるように感じました。アコースティック感が減っちゃうというか。

原田:固有のものが減ってしまう感じがありました。普通っぽくなるというか。コンプありの方は急かされる感じというか、押し付けられるような印象がありました。ゆったり気持よく聴けるのはコンプなしの方でした。聴き比べるとよくわかりました。


Mush:音量の大小についてはなにか意見はありますか?

加藤:聴きたいものは聴くわけなので、僕自身は音量が大きい方がいいという考えはないです。

鎌田:一昔前の音圧戦争みたいな時代があって、特にFMでかかったときに小さいと制作側が問題にしてどんどん音圧を突っ込んでいって。アナログのコンプではできなかったことがデジタルのコンプになるとできて理屈上20dB上がるとか。だけどそれをすると例えば奥行き感とか全くない音楽になってしまうので。で、今だんだんジャンルによってはコンプかけないようになってきていて、それでもCDの世界ではある程度かけないと音量差が相当出てしまうのですけど。


Mush:最後に、発売中のCDと今後発売予定のハイレゾ音源について、聴きどころを教えてください。

露木:今作はハイレゾもCDもスピーカーで聴くと、距離感というか近くで音楽を聴いているようなイメージで聴けるんじゃないかと思います。じっくりと、音楽を聴くためだけの空間や時間を使ってほしいなと思います。

加藤:今作「agora」は露木達也のそのままを出しています。露木達也の音楽性と音質面とが一体になった音楽を聴いていただきたいですね。できればハイレゾでも楽しんでください!


+++

アーティスト名: 露木 達也
CDタイトル名 : agora (アゴラ)
定価 : 2500円(税別)
レーベル : Respiração Records
レコード番号:MM-1001

[収録曲]
1 Tucano
2 Este Seu Olhar
3 Triste
4 Luz Solar
5 Corcovado
6 Samambaia
7 Quando Te Vi
8 Seras Verdad
9 Nefertiti
10 Saudade fez um Samba ~ Você e eu
11 Lua no Mar ~海の月~
12 Estate
13 Se Todos Fossem Iguais a Você

露木 達也: Gut Guitar / Electric Guitar / Vocal
参加ミュージシャン: 石川 智 (percussions) 小畑 和彦 (guitar) 橋本 一子 (piano)
サウンドプロデューサー: 加藤 みちあき
レコーディング&ミックスエンジニア: 鎌田 岳彦
マスタリング: オノ セイゲン
Exec.プロデューサー: 原田 雅子
レコーディングスタジオ: Pastral Sound

official facebook page
http://urx.nu/at26

home page
http://tatsuya-tsuyuki.com/

"Tucano" Music Video
http://youtu.be/T_U40hsp63w

"Lua no Mar 〜海の月〜”
http://youtu.be/hj8CNa8hu7s

露木達也(つゆきたつや) 湘南出身のギタリスト/シンガー。
高校生時代にエレキギターを始めロックを演奏するギター少年だったが、やがてMiles DavisやJohn Coltraneなどの音楽からジャズに傾倒し、ECM系のサウンド、Pat Metheny、Keith Jarrett、John Abercrombieらに影響を受け、特にPat Methenyがブラジル音楽への一歩となり、Toninho Horta、遡ってAntonio Carlos Jobim、Joao Gilberto、Caetano Velosoらへとつながり、現在に至る。またクラシックギターに移行する過程では、師事していたアルゼンチン人ギタリストAriel Asselbornの影響で、Quique SinesiやCarlos Aguirre、Luis Salinasなどアルゼンチン・フォルクローレを通過し、現在の演奏スタイルを確立している。
現在はボサノバをメインのフィールドとしながら、複数のユニットで活動を続け、ソロライブも精力的に展開。ソロ活動では、繊細でハートフルなギターと柔らかいヴォイスの弾き語りで、幅広いオーディエンスを魅了。

2014/08/08

演奏会、コンサート、リサイタルを、DSDでライブレコーディング!【連載その2】ワンポイント録音

前回は3種類のレコーディング方法をご紹介しました。今回は「ワンポイント・ステレオ録音」のメリットをお話します。室内楽やオーケストラをはじめ、あらゆるアコースティック楽器による演奏会、コンサート、リサイタルの DSDライブレコーディングは、サイデラ・マスタリングで! ジャンル、会場、編成に最適な(しかもご予算内で)ライブレコーディングをご提案します。

ワンポイント・ステレオ録音の特徴 & メリット

・きわめて自然な音場
・最高の機動力とコストパフォーマンス
・すぐにでもハイレゾ音源のリリース/配信ができる



「ワンポイント・ステレオ」は、一般的に2本1組(※)のマイクロフォンで録音します。見た目もスッキリで一見簡単そうに見えます。しかし、ワンポイントをポリシーにしているレーベル(MA Recordings や、Meister Music など)もあるほどで、こだわると奥が深いんです! やはり、演奏会やライブの臨場感がきわめてナチュラルに伝わるからでしょう。耳が左右にあるのと同じく、マイクロフォンも左右に1つずつ。マイクロフォンに近い音は目の前に、遠い音は奥の方から立体的に聞こえます。

さて、そんなワンポイント録音を成功させるためには、次の3点を見極めます!

A.演奏する場所(ホールなど)
B.その場所における楽器(奏者)の位置
C.マイクロフォンの位置


A.演奏する場所
ホールなどの場所選びは最も大切なポイントです。なぜなら、その空間の響きによって演奏が成り立つからであり、「空間も楽器の一部」だからです。どんな響きの場所でも、これまでのノウハウと経験から最適なマイクロフォン位置を見極めます。


B.その場所における楽器(奏者)の位置
・アンサンブルのしやすさ
・アイコンタクトがとれる
・楽器がよく鳴る
この3つの条件がそろった位置で、ベストな響きを引き出します。しかし、録音だけが目的の場合、楽器の響きや演奏の魅力を余すところなく録音するために、奏者と相談しながら弱音楽器をマイクロフォンに近づけたりして、特殊な位置関係にすることもあります。いい音をよりよい状態で残すために、一緒に最高のポイントを見つけましょう!


C.マイクロフォンの位置
これこそが、ワンポイント・ステレオ録音の醍醐味です。最適な位置を追及した結果、マイクロフォンを取り囲むような配置になったことも(ライブレコーディングではありません)。


ワンポイント録音は、シンプルだけれど奥の深い、魅力ある録音方法です(マイクロフォンの本数と機材の物量を増やすことだけが技術ではありません!!!)。これら3点を見極め、最小限のコストで最大限の結果を引き出すのが、サイデラ・マスタリング流 DSDライブレコーディングです。録音方法にお悩みでしたら、サイデラまでお気軽にお問い合わせください!

次回は、「マルチマイク/マルチトラック」での録音についてです。


【あわせて読みたい】
仙川アヴェニューホールにて「ワンポイント・ステレオ」で DSDレコーディングを行った「Pacificmodern」(パシフックモダン)さんへのインタビュー記事

その1 その2 その3

※今回は割愛しますが、ワンポイントには、サラウンドもあります。サイデラ・レコードのSACD Multi-chのうち以下の作品は、ワンポイント・サラウンドです。 

『FUGA / LYNX』(10.0 立体サラウンド DSD間もなく配信開始)以下、5.0 サラウンド、SACD Multi-chにもあります。『Forest and Beach / Seigen Ono』SACD Hybrid SD-1003~4H『Yoshitsune's Ryuteki / Kagemitsu Hasegawa』ACD Hybrid SD-1026H 『SWEET RADIANCE / FEBIAN REZA PANE』 SACD Hybrid SD-1022~24H 『Les Parapluies De Cherbourg / Saxophobia』SACD Hybrid SD-1021H 

2014/08/07

レコード入門(その2)「発電の仕組みを見てみよう!」

先週に引き続きレコード入門第2回目です。前回の「アナログの魅力ってなんだろう?レコード入門(その1)」で触れたキーワード、それぞれについてお話していきます。
今回は特に重要な『針』についてです。レコードに直接当たる針の良し悪しで出る音も変化します。針のクリーニングだけでも音が全然違って驚きました!クリーニング編として詳しくお話するので、お楽しみに!

レコード針はカートリッジにセットして、シェルに取り付けるのが一般的です。MC型といってカートリッジ一体型のものもあります。
このシェルをトーンアームに付けて針圧を調整すればレコードが聴けます。



カートリッジとは?
一言で言うと「発電機」です。
↓このような流れで見ると発電から、実際に音が鳴るまでのイメージがつきやすいです。

①針でレコードの溝をなぞる
②カートリッジの「磁石」と「コイル」によって繊細な電流が発生
③上記の電流がフォノイコライザー回路を通る
④アンプで増幅する
⑤スピーカーから音が鳴る

このカートリッジの「磁石」と「コイル」が発電の鍵です!
カートリッジは主流なもので2種類あります。発電方法が異なるので音が違います。

◎特徴◎
MM型(ムービング•マグネット)サイデラではこちらを使っています。

⑴レコード針の付け根に小さな磁石が付いていて、磁石が振動しコイルに電圧を発生させる
針にマグネットが付いているので重く、低音が出やすい。ダイナミックな音が特徴。
⑵発電力が大きい(3mv)
⑶針交換が容易で使いやすい
⑷価格が安いので最も普及しているタイプ



MC型(ムービング•コイル)

⑴レコード針に小さなコイルが付いている。磁界内でコイルが動き電圧を発生させる。
MM型のように針の付け根に磁石が付いていないので、針が軽く原音に忠実で繊細な音
⑵コイルが小さいので発電力が小さい。(0.3mv)昇圧トランスや専用のプリアンプへの接続が必要
⑶針交換が容易に出来ない。
⑷対応アンプに高価なものが多い



繊細な音を拾うということで、MM型もMC型もちょっとした物理的変化で音に影響するんです。
カートリッジの違いはもちろん、針や針圧、音の違いを聴き比べ、自分好みを見つけるのが醍醐味ってことですね!レコードって面白いです♩

2014/08/04

露木達也さんソロアルバム「agora」マスタリングを終えて特別インタビュー(その1)


露木達也さんソロアルバム「agora」マスタリングを終えて特別インタビュー(その1)
「ハイレゾで録る。ベテランエンジニアのアプローチとは」
インタビュアー:Mush(Saidera Mastering)

ボサノバ&ブラジリアンギタリストである露木達也さんの初のソロアルバム「agora」。露木さん本人と、録音・ミックスエンジニアは名手鎌田岳彦さん、サウンドプロデューサーの加藤みちあきさん、プロデューサーの原田雅子、DSDマスタリングをやらせていただいたオノ セイゲンを加えて、マスタリングを終えた段階でお話を伺いました。CDは7月9日にリリースされ、後追いでハイレゾが配信スタート予定です。

Mush:まずは録音についてお伺いします。録音をはじめたのはいつ頃でしたか?

原田:2月の終わりでした。3日間でギターなどのバックトラックはすべて録音して、ボーカルだけ少し空いて3月中旬に録りました。録音スタジオはパストラルサウンドです。

Mush:エンジニア鎌田さんは録り段階からハイレゾでのリリースも視野に入れていたのですか?

鎌田:それは最初から目論んでいて、対応できるようなものにしましょうと話していました。録音フォーマットは24ビット96kHz。CMや映画の仕事などでは24ビット48kHzのことも多いけど、今回は24ビット96kHzでPro Tools HDXシステムです。良くも悪くもリアルというかそのまま録れるので、僕らが音楽的な方向にベクトルを持っていかないといけないと考えました。例えば映像だとフィルムがあるじゃないですか。僕らは昔はテープレコーダーで録っていたわけなんですけど、フィルムとかテープのメーカーや種類で質感が変わるんですよ。そのテープに合わせて絞りとかフォーカスとかライティングなど技術的な工夫をするんですけど、そういうバックグラウンドが変わった感じがしました。そういう意味ではアナログのテープレコーダーなんかは録った段階で音楽的になってるんですけど、「変わってるけど音楽的に録れてる」っていう。アナログレベルでは全然気にならなかったものがデジタルで如実になってきて、床の響き方がすごくわかるとか、マイクの角度ちょっと変えるだけですごく変わったりそういうのをアナログレベルで解決していかないといけないなと。ごまかしが効かないなという。僕としてはそっちのほうが積極的にアプローチできるのでいいんですけど。


露木:僕は普段聴き慣れているものより研ぎ澄まされれているような印象がありました。ガットギターもいつもより出ているなと思いました。ただし少し冷たいような印象もありました。

鎌田:そうなるだろうと思って、ビンテージのマイクと、APIとNEVEのマイクプリを持ち込んで使用しました。編成も今回は二人がMAXだったので、ピアノソロとかを除いたらいままでで最小の編成で作られたアルバムだったので。

Mush:さすが鎌田さん!そのあたりをしっかり見越してやっていたということですね。マイキングはどういう風にやられましたか?

鎌田:最低でもギターには3本立てました。スタジオの真空管マイクと、ヴィンテージのNeumann U87と、KM184。それプラス、ソロの時はオフマイクを使いました。デュオの時も同じようなセットでそれに対してオフマイクを使ったりして。ギターアンプを使うときはアンプに2本プラス弾いている手元に立ててそれを使ったり使わなかったりで。真空管のマイクを使ったので、録音が始まる前から電源は入れているんだけど、実はいい感じになる時間帯があって。


加藤:そうそう、艶とふくよかさが同居していて。あれは素晴らしかったね。

Mush:そういう要素もしっかり残っているんですね。ミックスは鎌田さんのスタジオ「foxyroom」で行ったのですか?

鎌田:そう、KORG MR-2000Sに5.6MHz DSDにトラックダウンしました。もう何度も使っています。

原田:DSDの音は初めてでしたが、パーッと広がって温かみのある音という印象でした。

Mush:サイデラ・マスタリングでミックスマスター(DSD)を聴いた印象は?

加藤:(マスタリング前の)鎌田さんのミックスの音、素晴らしかったです。この先の変化が楽しみだなと思った。

鎌田:僕としては、サイデラ・マスタリングのモニター環境での確認の作業に近いです。自分のスタジオで聴こえていない低音なんかは想定してやっているので、そこが大丈夫かという確認。

Mush:鎌田さんがミックスの作品は、オノもいつも、ほとんど完璧だと言ってマスタリングにとりかかっています。本当に素晴らしいサウンドです!


+++

アーティスト名: 露木 達也
CDタイトル名 : agora (アゴラ)
定価 : 2500円(税別)
レーベル : Respiração Records
レコード番号:MM-1001

[収録曲]
1 Tucano
2 Este Seu Olhar
3 Triste
4 Luz Solar
5 Corcovado
6 Samambaia
7 Quando Te Vi
8 Seras Verdad
9 Nefertiti
10 Saudade fez um Samba ~ Você e eu
11 Lua no Mar ~海の月~
12 Estate
13 Se Todos Fossem Iguais a Você

露木 達也: Gut Guitar / Electric Guitar / Vocal
参加ミュージシャン: 石川 智 (percussions) 小畑 和彦 (guitar) 橋本 一子 (piano)
サウンドプロデューサー: 加藤 みちあき
レコーディング&ミックスエンジニア: 鎌田 岳彦
マスタリング: オノ セイゲン
Exec.プロデューサー: 原田 雅子
レコーディングスタジオ: Pastral Sound

official facebook page
http://urx.nu/at26

home page
http://tatsuya-tsuyuki.com/

"Tucano" Music Video
http://youtu.be/T_U40hsp63w

"Lua no Mar 〜海の月〜”
http://youtu.be/hj8CNa8hu7s

露木達也(つゆきたつや) 湘南出身のギタリスト/シンガー。
高校生時代にエレキギターを始めロックを演奏するギター少年だったが、やがてMiles DavisやJohn Coltraneなどの音楽からジャズに傾倒し、ECM系のサウンド、Pat Metheny、Keith Jarrett、John Abercrombieらに影響を受け、特にPat Methenyがブラジル音楽への一歩となり、Toninho Horta、遡ってAntonio Carlos Jobim、Joao Gilberto、Caetano Velosoらへとつながり、現在に至る。またクラシックギターに移行する過程では、師事していたアルゼンチン人ギタリストAriel Asselbornの影響で、Quique SinesiやCarlos Aguirre、Luis Salinasなどアルゼンチン・フォルクローレを通過し、現在の演奏スタイルを確立している。
現在はボサノバをメインのフィールドとしながら、複数のユニットで活動を続け、ソロライブも精力的に展開。ソロ活動では、繊細でハートフルなギターと柔らかいヴォイスの弾き語りで、幅広いオーディエンスを魅了。