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2010/03/05
DSDレコーディング(その4)「矢沢朋子xMR-2000S」
先日、杉並公会堂小ホールにて、矢沢朋子さんのピアノのレコーディングを行ないました。
このホールは収容人数200人弱、幅12m×奥行17.6m×天井高6m(面積212m2)のコンパクトな空間ですが、音がとても良かったです。壁が木のスリット状で初期反射をコントロールしてます。残響は1秒前後に感じました。レコーディングスタジオよりも長くコンサートホールよりも短いです。
ピアノはベーゼンドルファー model290インペリアル。ステージ上で矢沢さん、弊社オノ、調律師の伊藤さんが緻密に位置決めをしています。動かすごとに透明感が出たり、厚みが増したり、音量が変わります。
最終的に決まった位置でのピアノの音は、低域の濁りがなく、そして音像が大きく厚みがあります。特に音量の大きさには驚きました。ホールの後ろの席でも十分な音量があります。これは直接音と初期反射音がきれいにブレンドされているからだと思いました。
いつもオノから指導されていることは、良い演奏を録音するには、部屋の中で楽器が最も良い音を奏でる場所で演奏し、音を良く聴きながらベストポジションにマイクを立てるということです。これはEQもCOMPも使わないマイクアレンジのみの究極のレコーディング方法ですね。
もちろんレコーディングはDPAのマイクとMR-2000Sを使用し5.6MHzで録音しました。矢沢さんの演奏も素晴らしく、あっという間の一日でした。
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