2010/03/10

音の厚みを表現する(その1)「楽器の鳴りを表現する」

本日は音の厚みを表現するEQのテクニックを説明します。

音の厚みを出すには部屋の響きではなく楽器自体の響きを表現する必要があります。ドラムの胴鳴り、ギターアンプ、ベースアンプの箱鳴り、ヴォーカルの胸の共鳴、アコースティックギター、ヴァイオリンのボディーの響きなど。EQでは100Hzから1kHzまでの間の帯域を強調することで、音に厚み、暖かみ、ふくよかさをプラスすることが出来ます。

「楽器ごとの周波数」
ドラムの胴鳴り→100Hz~300Hz
ギターアンプ、ベースアンプ→100Hz~500Hz
アコースティックギター、ヴァイオリンのボディーの響き→100Hz~500Hz
ヴォーカル→200Hz~1kHz

周波数が100Hzに近いほど厚みが出ますが抜けは悪くなります。
1kHzに近いほど抜けは良くなりますが厚みは出にくくなります。

ポイントは一つの帯域ではなくいくつかの帯域に分けて、必要な帯域のみ強調することです。例えば、100Hz、250Hz、700Hzの3つの帯域をQを少し狭めて強調すると、ドラム、エレキギター、ヴォーカルの厚みを同時に出すことが出来ます。声質、楽器によっても帯域、Qの幅、レベルは様々ですので、いくつかのパターンを作ってみて聴き比べて下さい。

p.s.
ここまで述べたのは「音の厚みを表現するEQのテクニック」ですが、視点を変えて。なぜ、ちょっとしたEQにより、スピーカーから出た音が変化するのかというヒントになる「ROCK ON PRO」の記事がこちらにあります。かなり専門的ですが、物理が好きな方はどうぞ熟読ください。
http://pro.miroc.co.jp/2010/01/20/build_up_your_studio/

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