2012/09/26

オーディオテクニカ主催 第5回「めざせ音匠 マイク指南塾」 レポート(その2)





今回御茶ノ水にあるオーディオテクニカのアストロスタジオにて開催された、第5回「めざせ音匠 マイク指南塾」に参加させていただきました。今回はゲスト講師に堀真慈さん、琴奏者の三塚 美穂子さんと尺八奏者の三塚幸彦さんをお招きしての開催でした。

今回の会場であるアストロスタジオはとてもすばらしい外観の建物で、スタジオ内には一度は見た事のある機材がたくさん置かれていました。もちろん社内は全面禁煙。サイデラ・マスタリングも全館禁煙です。

まず始めにマイクの解説です。今回は主にaudio-technicaの40シリーズの解説をしていただきました。40シリーズはaudio-technicaの代表的なライン。audio-technicaの歴史が詰まっているマイクです。「ウェーブ・ダイアフラム」などさまざまな革新的な技術が詰め込まれています。コンデンサーマイクは基本的に湿度に弱いのですが、40シリーズは防湿対策がしっかりされているので様々なシーンで使用できることが特徴です。

そして次に琴と尺八の解説です。琴(こと)は本来正しくは、箏(そう)と呼ばれ、13本同等の太さの糸からなり、柱(じ)というもので糸を支え音程を決めます。ほとんど琴は桐から作らています。音の特徴として指向性はほとんどなく余韻があります。もう一つ西洋音楽の影響を受け、低音のでる琴が17弦琴。大きさも一回り大きくチェロのような低音がでます。尺八は西洋楽器でいうフルートのようなものです。穴からの音、息を吹いたときの音など単純に穴からの音のみではないということです。「たまにサックスの録音で穴にマイクを立てる人がいるが、あれは間違っている。」「あとは息を吸うときの音をノイズとして捉えるか、音楽としてとらえるかそれは録音側の好み」とのことでした。

マイク、楽器の解説が終わり、最後に堀さんからの録音アドバイスをいただき実際にレコーディングに入りました。2人1組にわかれ先ほどの解説を参考に、それぞれの楽器に最適なマイクを選んで録音、という初めての貴重な経験でした!

僕らが選んだマイクは琴にNeumannのU87を2本 、尺八にはaudio-technicaのAT4050。琴にNeumannのu87を選んだ理由は率直に言うと使ってみたかったからです。こちらを琴の高音部、低音部に1本ずつ無指向性で使用。尺八のAT4050は単一指向性で使用。まずそれぞれ適当な場所にマイクを立て、スタジオ内のモニターで音を確認しながらマイクの位置を微調整し自分たちが最適だと思う場所に設置しました。もう一つ、アンビエンスマイクとしてaudio-technicaのAT4050STというものを使用しました。AT4050STはMSとXY方式で録れるステレオマイクです。今回はXY方式で使用。マイクの位置も決まり録音開始!演奏曲は「春の海」(お正月によく流れる曲)でした。

そして4組のレコーディングが終了しそれぞれのチームの録った音を視聴しました。まず始めに僕らの録音を皆で視聴しました。最初のレコーディングにしてはなかなかの録音です!しかも初めてのレコーディングが琴と尺八とは!!とても貴重な体験でした。堀さんの感想はというと、「良くも悪くも平均的な音、しいて言えばNHK的な録音。褒めてるんだよ。」簡単に言えば何の特色もない音という事でしょう。自分達にとって、最初にしては上出来だと思いました。

最後に、堀さんの言葉がとても印象的でした。「最近、いい音を求めるエンジニアは多いが、いい音楽を求める人が少なくなってきている。いい音楽はいい演奏から、昔のJAZZなどのレコードが今も愛され続けられているのはすばらしい演奏だったから。」



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