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2011/03/09
難関、ピアノのマスタリングEQ
マスタリングでヴォーカルに次いで音作りが難しい楽器がピアノです。88鍵のピアノの音域の基音は最低音ラで27.5Hz、最高音ドで4186Hzと、非常に周波数レンジの広い楽器です。つまり他の楽器の周波数帯域と非常に重なりやすい。ベーゼンドルファー、スタインウェイなどピアノの種類はもちろん、ホールや録音ブースの広さ、マイクアレンジによって音色も大きく異なります。本日は難関、ピアノのマスタリングでの音作りについて。
ピアノは弦をハンマーで打ち鳴らす楽器なので、ハンマーが弦に当たるアタック感をどう表現するかキーポイントです。アタック感がないとスカスカのピアノの音になります。
ピアノのアタックを出す為に次のポイントを理解しましょう。88鍵のピアノの最高音ドは4186Hz(およそ4kHzと覚えて下さい)。ということはそれ以上の帯域は倍音によって構成されているので音の芯を出すにはこの周波数より下の帯域で音作りします。
1. 音の芯を出す 1.2kHz〜1.6kHz
2. 艶を出す 2kHz〜4kHz
3. 透明感を出す 4kHz〜8kHz
4. 低域の暖かみ 120Hz〜250Hz
[ 解説 ]
1. 音の芯はヴォーカルよりも少し上の帯域を使います。ヴォーカル同様にピアノの輪郭を出したければこの中で低い周波数、オケに馴染ませたければ高めの周波数を使います。
2. この周波数は等ラウドネス曲線を見ればわかるように人の耳が最も敏感な帯域です。強調することで音量感が上がりますが、音色まで変化してしまいやすい帯域なのでまずは音の芯を出してから補正程度に使います。
3. この周波数をほんの少し強調すると透明感が増しますが、ハットやシンバルなどの金物もこの帯域に存在するのでオケとのバランスをとりながら最後に調整します。
4. 音色が固く感じた時は低域を上げると響きが豊かになり相対的に高域のアタック感を抑えてくれます。打ち込みのピアノ音源で低域が存在せずにEQが引っかからない場合には高域を抑えます。
ピアノの音作りには生演奏を聴いて体感するのが一番です。ぜひジャズのライブやピアノ・ソロコンサートで本物演奏の素晴らしさ、音色を体験しましょう。
PS.ピアノのマスタリングにはDSDマスタリング本当にいいですよ!
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