2015/10/02

「Coffee Small Talk」第2回  〜はじめてのアメリカ編(1)〜

第2回は、旅の写真からスタートします。もともと興味があるわけではないサンフランシスコに行くことになったきっかけは、現地で約1年間生活していた元同僚の影響でした。
「誰もが陽気で気さくに話しかけてくる」「お洒落な街だから絶対気に入る」としきりに言うので、ノリと勢いで決めてしまいました。

生まれて初めて足を踏み入れる、自由の国、そして銃社会アメリカ。物騒な事件は日常茶飯事。そんな不穏なイメージ(あくまでイメージです)がまとわりつき、機内では一睡もできませんでした。


さて、空港からホテルに到着したのは朝方。まず向かったのは、Mint PlazaにあるBlue Bottle Coffeeです。街の中心地からほど近く、都会的な街並みを想像していましたが、一目でそれと分かる路上生活者やギャングっぽい若者がそこかしこに現れ、初めて訪れるにはなかなかハードルの高い立地でした。




写真のように、店の外側にまで行列ができています。ただ、回転は早いので心配ご無用。何と言っても、街中とはまるで別世界のような、美しい内装に目を奪われました。外光で店内は自然に明るく、坪数は少ないながらも天井はかなり高いため、開放感があります。

ここではiPadをつかったSquareというレジサービスが使われています。日本でも普及してきていますね。クレジットカードが重宝します。ただ、僕は見たことも使ったこともなかったので、使い方は手探りでトライあるのみです。チップの金額を選択する画面がありますが、コーヒー1杯でチップを渡す必要はないとあとで聞きました。そうとも知らず、必ずチェックを入れるものだと思い込み、親切にコーヒーの値段の半額ものチップを渡していました。


僕は、お店の奥でバーカウンターになっている、サイフォンで「シングルオリジン」を注文しました。エスプレッソ、ラテ、シングルオリジン、いろいろ選べます。日本でサイフォンといえばアルコールランプですよね。しかしこのサイフォンはどう見てもオシャレです。光学式で、アルコールランプを使っていません。技術協力は日本のUCC(上島珈琲)とキャプションが付けられています。実は、目にする機会は少ないですが、日本にも全く同じものがあります。東京のブルーボトルにも、ついに導入されました。

お味は、期待を越えた格別のおいしさ。コーヒーなのに、桃のような香りがあり、後味さわやか。酸味、渋味というようなクセが全くありません。クリーンという言葉とサイフォンは同義語という人もいるくらいです。

このようにオーダーを受けてから作るスタイルは、待つのが苦手なアメリカ人にはウケないと初めは誰も成功を信じなかったそうですが、一杯ずつ目の前であなたのために淹れてますよ〜というのがダイレクトに伝わり、新しいもの好きの若者中心にブームに火がついたと言われています。おいしいコーヒーのためならと、今や多くの客が訪れる人気スポットとなっています。

毎日飲むコーヒーのクオリティを上げることが、仕事の質を向上させ、会社の利益に直結するという信念から、名だたるIT企業がBlue Bottleなどのコーヒーベンチャー企業に出資しているという話も、面白いですね。

このあたりのお話は、ネットでも印刷物でも豊富な情報があります。『サードウェーブ・コーヒー読本』という素晴らしくわかりやすい本(僕も旅行前にお世話になりました)もオススメです。よかったらチェックしてみてください!
http://www.amazon.co.jp/dp/4777930289

というわけで、正確で有益な情報はそちらにお任せしまして、
次回からは少しテンポアップして、他のお店の様子も詳しくお伝えしていきます!

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