2012/05/21

ai kuwabara trio project マスタリングの記録(その3)ケーブル編


2012.5.15 on sale
「from here to there / ai kuwabara trio project」
定価:1800yen

マスタリングの記録(その3)
於2011年3月21日  @Saidera Masteringにて

【マスタリング当日の立ち会い人】
桑原あい:piano, compose 森田悠介:electric bass
上田隆志:recording & mix engineer  森崎雅人:mastering engineer



〜ケーブル編〜
森崎:機材はABCと呼んだので今度は「1,2,3番」と呼びましょう (笑)
桑原:(笑)はい。
森崎:もっと「コレに対してこうして欲しい」とかあります?ケーブルは「1.現状:モガミ 2549」と、「2.ワイドレンジ:Saidera Ai SD-9003」「3.ナチュラルで、ふくよかなLowが出る:WireWorld Silver Eclipse」かな。
悠介:全部気になる(笑)
森崎:とりあえず全部聴いてみましょう!今度は比較的パッと聴きにしましょう。違いが分かったら「ハイ」って言って下さい!

♪〜1番、現状 試聴

悠介:ハイ。
森崎:これが2番。

♪〜2番、レンジが広くなる 試聴

桑原:楽しくなるこれ!なんかこれ、ディズニーランドの気分になるね!(?)
悠介:ウキウキ系だね。
桑原:ウキウキ系になった。
森崎:では3番。
桑原:デブッちょになるタイプだ。
森崎:そこまではファットにはならないですよ。(笑)

♪〜3番、 ふくよかなLow 試聴

森崎:違いはベースです。
桑原:いや、ちょっと落ち着き過ぎた気がする。もうちょっと聴いて良いですか、ベースのテーマのとこ。
悠介:これだったら2番。
桑原:私も2番。1か2ですね私。2かなぁ。
森崎:そしたらね、もう一回1番に戻りますよ。1番→2番、と替えます。1番のバランスも再確認出来るし。

♪〜再び1番→2番、試聴

桑原:2。
悠介:2ですね。
森崎:意外とナチュラル系が好みかな。
桑原:ほんとに、広がりましたよね。いいんですかね、2番で。(笑)
森崎:大丈夫です。(笑) それではもう一度、オリジナルのミックスマスターと聴き比べて下さい。今度はピアノのタッチに注目して下さい。

♪〜ミックスマスターと聴き比べ

悠介:このセッティングだとピアノが細かいフレーズを弾いた時とか弱く弾いたときとかに引っ込み過ぎちゃう気はしますね。この辺りの盛り上がってるソロセクションの4ビートだったりリズムの細かいセクションでもう一回1番を聴いてみたいですね。
桑原:確かに。
森崎:それではもう一度1番。

♪〜ソロセクション、1番で試聴

桑原:あ、ソロ中は絶対こっちだわ!断然こっちだわ!弾いてる感覚とすっごい近い。ってことは1番かな。
悠介:じゃあ1だな…その辺含めて聴いてもらいたいしね。
桑原:だよねぇ…。
森崎:実は「2ダッシュ」があります。(キリッ
一同:(爆)
森崎: 2ダッシュ、ピアニストに人気なんですよ。
桑原:うそーキター!
森崎:これねぇ、最後の切り札で出すつもりでした。(笑)
悠介:2ダッシュがあるんかー!
森崎:迷ったら、2ダッシュを聴いてみるんです。
桑原:違いは何なんですか?
森崎:同じケーブルの、長さ違い。
上田:なるほど〜。長くなるんですか?
森崎:短くです。
悠介:ディズニーランドが短くなった。
桑原:ディズニーランドが短くなった。(笑)
森崎:長さの違いで音のニュアンスが全然違います。
桑原 :え、どっちに近いんですか?
森崎:1番に近い。で、ピアニストが好きなのは確か。

♪〜2番ダッシュ 試聴

森崎:一番とは音色の艶が違います。1番よりも比較的ナチュラル。
桑原:すみません、もう一度1番もらっていいですか?
悠介:分かんなくなってきた(泣)

♪〜1番→2番ダッシュにて冒頭部分 再び試聴 

桑原:私、1番かも…。2ダッシュは、全体としてはツヤが出たんだけど、「ここが欲しい」っていうのが削られてる気がする。ほんと多分0.001mmの違い。(泣) 私がピアニストだからそう聴こえたのかもしれないですけど、細かいところが流れちゃった気がした。ごまかしが効いちゃったんですよ、きっと。
森崎: それは若干それで広がって綺麗になって、ツヤもあって、ピアノには集中するんだけど、全体として耳に入ってきたのが、1番の方が良かった。
桑原:たもちゃん(悠介)のね、ブッ、ブブッ、っていうちょっとのズレが絶対1番の方が良い。
森崎:そう、その「タメ」がね、1番の方がそういうグルーヴが聴こえます。
桑原:(2ダッシュだと)無くなりますよね?
森崎:無くなりましたね。
桑原:1番でいこう!
悠介:はい(笑) 1でお願いします。
桑原:伝えたいものが、ぽ〜んって出そうな気がする。
森崎:24ビット/96kHzはレンジが広く情報量があります。だけど、16ビット/44.1kHzに落とすとどんどんこう小さくしていくから、音楽の中で聴かせたい要素とそうでない要素を明確にしていかないと、そこに「有った」音が表現されません。ケーブルの差し替えはこの確認だったんです。「さっき聴こえていた音が聴こえない、でもここが良くなってる」とか。
桑原:ほんっとに。凄すぎる…。
森崎:これでバッチリです。
上田:これ実はミックスダウンの時に1910年代のケーブル使ってるんですよ。自作で作ったやつ。しかも、多分こんなことしてる人ほかにいないと思うんだけど、ええとですね、パッシブのサミング回路。要するに抵抗を使っただけ。1910年代のケーブル何種類か試して、8chを2chに落とす時に抵抗を噛ませて作ったんですよ。
桑原:なに言ってんだか全然わかんない…(ボソッ
森崎:抵抗は古いやつですか?
上田:いや、古いやつじゃない。初めて作ったんで、まずは良いとされている「デール」ってあるじゃないですか…(〜〜〜ケーブルの話)
森崎:最終的にOKになったケーブルは実は「モガミ2549」です。モガミ以外のケーブル(2番、3番)は全部、超・高級ケーブルです。モガミが一番良かったのは、色づけが無くストレートだったからです。
桑原:高いから良いってもんじゃないのね。
森崎:「相性」ですね。上田さんの機材のカラーが素直に表現出来ていました。モガミ2524は足し算引き算にはならないんですよ!最終的に良いサウンドになりましたね!僕は機材の選択とケーブルで音の土台を作りますが、おそらく一般的なエンジニアさんは手元のEQの方をやるんですよ。ミュージシャンが、楽器替えるじゃないですか。ケーブルと機材の選択はその感覚に近いです。楽器が替わると音色が変わるみたいに、ケーブルや機材はそれぞれ独自のキャラクターを持っていて通すと音色が変わる。ギターアンプのつまみをいじるんじゃなくって、楽器そのものを替えちゃえ!という感じ。機材とケーブルが決まればあとは同じ曲調のものは微調整でいけます。
桑原:何曲か。本当に色んな曲がありますからね、よく考えたら。
悠介:HOUSEみたいなやつもありますからね。
森崎:HOUSEは超得意ジャンルです、任せてください。(笑)
悠介:演奏フォーマットはピアノトリオ、なんですけどね。
森崎:全然大丈夫です。
桑原:ずっと、「ブンっ、ブンっ、ブンっ、ブンっ」
上田:それで、4つ打ちなんだけど(神田リョウの)ドラムもいわゆるJazzチューニングだったから、そもそもLowの無いやつを無理やり上げてるというか。
森崎:了解です。僕は機材の選択とケーブルで音の土台を作りますが、おそらく一般的なエンジニアさんは手元のEQの方をやるんですよ。それを今回はEQを使わずに行ないました。ミュージシャンが、楽器替えるじゃないですか。その感覚に近いです。楽器が替わると音色が変わるみたいに、ケーブルはそれぞれ独自のキャラクターを持っているので音色が変わる。ギターアンプのつまみをいじるんじゃなくって、楽器そのものを替えちゃえ!という感じ。
上田:しかし、ケーブルはキリが無いですね。
悠介:ここに居たら全てがクリアーに見えそうだ。
桑原 :世界が変わって見えそうだよね。
森崎:結局このモニターだから、一つ一つの違いがあれだけわかるんですよ。マスタリングはモニター環境が本当に重要です。分かり難いモニターだと予想しながら音作りすることになってしまいますので。レコーディングに慣れているエンジニアなら、モニターのクセが分かってるので音作り出来ると思いますが。
悠介:いやあ、ここまでやって頂けるっていうのは。
森崎:繰り返しになりますが、機材、ケーブルの選択を行なうことで最小限のプロセスで音作りが可能になります。またマスタリングのはじめに聴き比べをじっくり行なうことでスタジオのモニタースピーカーのサウンドに慣れてもらえるので、クライアントさんも正しくスピーディーな判断が可能になります。細かい音のこだわりは最終的な仕上がりに大きく影響するので、初めて立ち会いマスタリングでの作業を行う場合は、ぜひ1時間ほど余裕のある作業時間でのご予約をお勧めします。

〜メンバーの皆様より〜
今作はYouTubeにて3曲が先行配信されていますが、カメラ6台を入れての気合いの(スリリングな、アグレッシブな、臨場感溢れる)映像です。演奏は「せーの」で一発録りですが「音が良い!」とリスナーの方から感想を頂いております。

先ずは先行で全8曲入りのフルアルバムを5/15日にリリースしますが、高音質配信も視野に入れています。

youtube映像も合わせて、ai kuwabara trio projectのオフィシャルホームページからチェック出来るようになっているので是非チェックしてみて下さい。
http://www.aikuwabaratrio.com

また、アルバム・リリースを記念して、5/23には神戸、6/3には東京でライブを敢行しますので、ぜひ生の演奏を聴きにきて下さい!よろしくお願いします。




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