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サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。
2013/07/02
低域の処理(その2)「ローカット」
「低域の処理(その1)」ではボーカルを聴かせるための低域の処理について書きました。本日は「ローカット」の具体的な方法について説明します。重要なポイントは2つ。
1.演奏を邪魔する低域をカットする
2.ウーハーに無駄な動きをさせないようにする
1.PCのスピーカーからオーディオシステムまで、あらゆる環境で音楽をバランス良く再生するにはローカットが必要な場合があります。演奏を邪魔している低域のマイクのかぶりや部屋鳴りを抑えるとサウンド全体が明るくなり透明感が出てきます。
2.演奏に不必要なローエンドをカットすることでウーハーが余計な振動をしなくなり出音そのものがクリアーになります。ウーハーが動いている方が低音が出るイメージがしますが実際には出来る限り動かさずに再生することがポイントです。
実際にどのような帯域からローカットをするのか確認していきましょう。ドラムのキックでは、アタックの成分は80Hz/100Hz/120Hz/160Hz辺り、胴鳴りは40Hz/50Hz/60Hz/80Hz。しかし部屋鳴りは20Hz/25Hz/30Hz/40Hz以下の帯域にも存在します(1/2 octの関係:こちらはあくまで僕のイメージです)。この部屋鳴りを上手に抑えることが出来ると必要なキックのサウンドがグッと前に出てきます。
次にEQを操作しながらローカットを開始する帯域を探します。低い周波数から高い周波数へ徐々にスイープしていくと(20Hz→40Hz)透明感のある音からマットな音に変化していきます。質感だけでなく音の輪郭も変化してきます。抜けが悪くなる一歩手前ぐらいで音像が大きく厚みのある音になるスイートスポットが存在します。わずか1Hzの違いでサウンドが大きく変化しますのでじっくり聴き比べながら行なって下さい。
こちらの方法はマスタリングだけでなくトラックダウンのトータルEQにとても有効な手段です。ぜひ皆さん試してみてください!
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